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私が身に纏う波導は、もはや太陽の熱気にも等しく、並の生物であれば近付くだけで気を失ってしまう。
それ故に、私は独りで洞窟の奥底に籠もっている。此処ならば、どんな生物も容易に近付く事は出来ないと確信したからだ。
まぁ、此処に近付く事が出来ないのは私の波導が原因ではあるのだが。
元からこの洞窟に住んでいるポケモン達からしてみれば、私という余所者は厄介極まりないのだろう。
私としても申し訳ないとは思っているが、残念な事に此処以外に被害を出さない場所がないのだ。
あらゆる波導を感じ取る私が見付ける事が出来た、唯一生物が居ない場所―――それが、この最奥なのだ。
先も言った様に、私の波導は太陽の熱気も等しい。あらゆる波導が入り混じったそれは、他者からしてみれば有害そのものだ。
そんなものを放ち続けている私が、草木豊かで生命溢れる自然界に存在する事は決してあってはならない事態だ。
私はただ其処に居るだけで、草木と生命―――自然界そのものに甚大な被害をもたらしてしまう。
私自身が、厄災そのものと言っても過言ではない。だからこそ、私には必要だったのだ。
誰も居ない、誰も近寄らない、静寂に包み込まれた空間が。
そして、それが此処だった。この、洞窟の最奥だったのだ。
はた迷惑な存在ではあるが、生まれてしまった以上は致し方ない。
これ以上、迷惑を掛ける事は出来ないからこそ、私はこうして此処に居座っているのだ。
まぁ、とても珍しい事に―――今日は、時の神が居るのだが。
『君の様な存在を、私は見た事がない』
時間の神ディアルガは、物珍しそうなものを見るような目で私を見ながらそう零す。
まさか神にその様な事を言われるとは。自分でも思っていたが、やはり私は異質な様だ。
まぁ、それも大事ではあるが、時の神よ。何故、私の元へ?
『時の狭間に…否、時の狭間・空間の狭間・破れた世界の両方に揺らぎが生じた。これまでそんな事は起きなかったにも関わらず、だ。その原因が…君の波導だったのだ』
何と。私の波導は、そんな所にまで影響を与えていたというのか。
つくづく馬鹿げた存在だな、私は。神に目をつけられるとはツイていない。
では、あれか。貴方は私を消しに来た…という事か?
『いや、それを決めるのは私の役目ではない。君を消すか否かを決めるのは、父上の役目だ』
父上…とは、あれか。アルセウスと言われる存在の事か。
確か創造神と称えられているのだったか。なるほど、つまりその神が私がこの世界から消えるか否かを決める…と。
創造神自らが判断を下すとは、何とも大袈裟な。同じ神であるならば、さっさと私を消せば良かろうに。
この神は見定めに来たのだろう。私が存在して良いか否かを、自ら。
嗚呼、何とまぁ―――まどろっこしい。
良い訳があるか。天災そのものと言っていい存在を、放置していて良い訳があるか。
それから、私の判断は、決断は、とても早かった。
「ならば、時の神よ。今此処で見せしめよう―――私が如何に、危険であるかを」
さてさて、どうなります事やら