生かさず殺さずの究極のアイドル 投稿者:ビルダー拓也   作:おけがん

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続きだぜ。


第四話 お母さんゎ、愛していたい

 

お金の為とはいえ斉藤社長にマネヱヂヤアをやるって言っちゃったし、ちゃんと挨拶しないのは社会人としてダメだよね。でもオンナと仕事を。それもあのチョー人気アイドルでまさかの子持ちの一級地雷持ちなんて普通じゃねーじゃん。俺のテンションはサゲサゲで既に憂鬱状態。でも、これから仕事をする相手と改めて顔合わせするのも悪くないじゃんと思うことにして無理矢理テンションをアゲアゲにしてあのアイドルのいる部屋に向かう。

 

部屋ではあのクソガキ(オンナ)がアイドルによりかかって眠っていた。もう一人の妙に大人ぶったガキはなんか難しそうな本を読んでいたぜ。

 

「あっ、お待たせ!えっと……東条さん?」

 

「西条だっつてんだろぉ!いちいち名前を間違えやがって、マジムカツクなコイツぅ~」

 

「アイ…西条さんだって言っただろ。ごめんなさい西条さん」

 

アイドルの方はマヂでムカつくけど、こっちのガキは相変わらず礼儀正しくてどうやらスッゲー早熟みたいだぜ。それにこのガキの様子だとどうやらこのオンナは名前を覚えるのが苦手みたいだな。拓也も大人だし、ここは大目にみてやるぜ。

 

「それでなんのようなんすか?」

 

「うん、さっきは言いそびれちゃったんだけど、私がアイドルだってことを知っていたの?」

 

拓也だって接客業をしているからお客さんとの会話のために色々な情報収集はしている。アイという名のアイドルもあのマッチョ君にオススメされてからネットで調べたこともあった。たしかにホモのリーマン君が推してるだけあってオンナの中でも屈指のレベルで可愛いと思う。

 

「お前のことは知ってたけどそれがどうしたんですか?」

 

「じゃあ助けてくれたのも私がアイドルだからってこと?」

 

「は?」

 

何言ってんだ。アイドルだから?バカじゃね?

 

「なにわけわかんねーこと言ってんだよ。笑っちゃうぜ」

 

オンナは酷く驚いた顔をしているけど、拓也からしたらお前のその言葉の方がチョー驚きだぜ。もしかしたら自分に恩を売って近づきたい輩だと思ってたりするのかなぁ?俺はそこまで落ちぶれてないぜ。

 

「俺はホモだし正直お前のことなんて1ミリも興味ないんだよね。それにご飯を買うために部屋から出たらたまたまあの場面に遭遇しただけだし」

 

「で、でも、リョースケ君はナイフ持ってたし、あなたも危険だったんだよ…。それを見返りもなしに助けてくれたの?」

 

「……」

 

……そう言うことなりね。このオンナ。なんで拓也が自分を助けてくれたのかわかんねーのか。アイドルやってたら男からギン眼を向けられたり言い寄られたりするから考えてることはわからなくもないけど。だから損得なしで自分の命を危険に晒してまで助けた俺の行動の意味を知りたいのかな。

 

「俺は今日まで隣に住んでたのはオンナとガキが2人という認識しかなかったんだよね。興味もねーし、俺自身に関係もないから気にしてすらいなかったけど。でも、たまにお前とガキの楽しそうな声が聞こえてきてた」

 

そう、こいつらは世間の目があるから親子で外で目一杯あそんだりできないんだよな。ガキが親と遊ばねーのは辛いと思うぜ。それなのに少なくとも仲違いしていたり関係が悪いなんてのは思わなかった。普通の親子。

 

あの時、俺は咄嗟に身体が動いてストーカー君を締め上げたけど今ならその意味がわかるぜ。

 

「このガキ2人にとってのお母さんゎ、お前だけなんだよ。もしもあそこでお前が刺されてたらこいつら、マジでトラウマもんだぜ。それに、お前もガキたちも二度と会えなくなるんだよ」

 

拓也はお母さんに虐待されていたけど、それでも心の中では憎みきれなかった。それはお母さんが入院している今でも変わらない。お母さんはいたけど愛情をもらったのはこのガキたちと同じ年齢の時くらいまで。きっと助けたのはガキたちを拓也みたいな辛い目に遭わせたくなからったからだよね。

 

「……」

 

オンナは隣で寝ているのと本を読んでいるのにそれぞれ顔を向けた。オンナの内面はよくわかんねーけど、恐らく恐怖があったんだろう。あの時刺されていたらもう2度とこの2人に会うことが出来なくなっていたからね。苦痛に満ちた顔をしながらオンナがガキたちを抱きしめた。メスガキの方は目覚めたようだけどネムネムなのには変わりはなさそうだ。早熟君は本を読むのをやめて大人しく抱かれていた。あ、こいつ照れてるじゃん。

 

「ルビー……アクア……あのね。私、2人にずっと言ってなかったことがあるの」

 

「アイ…」

 

「ママ…」

 

 

 

 

 

 

「愛してる」

 

 

 

 

「「!!」」

 

 

 

「ああ。やっと言えた。ごめんね、言うのこんなに遅くなって」

 

 

 

「東条さんに言われてわかったんだ。あの時リョースケ君に刺されてたら間違いなく死んでいたなって。そしたら2人に会えなくなるんだって」

 

 

「それがわかったらね、すっごく怖くなっちゃった。これから小学校の入学式を見たり、授業参観に行ったり、もっともっと2人の成長が見ていたかったんだ」

 

 

「だから、こうして生きていられてよかった。2人に愛しているって伝えられてよかった。だからね……」

 

 

 

 

「ありがとう、東条さん」

 

 

 

 

 

…………やられたぜ。このオーラ、まさに完璧で天才なアイドルだ。

 

 

今でもオンナは心底嫌いだけど。

 

 

こいつだけは少しは違うかな。

 

 

俺は心の中でそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 




とりあえずここまででアイ生存ルートの前段階が終了なりね。
次回から拓也さんがマネちゃんにご報告したり、リョースケ君の端末だったり、拓也マネヱヂヤア編を書いていきまっす!
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