こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが   作:クロマ・グロ

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27スレ目(現実パート2)

 

 

「そいじゃ先輩!せっかくのご厚意ですんでご指導よろしくお願いしまーす!!」

 

鋭児郎の言葉を合図に真っ先に出久が誰よりも速く通形先輩へと突っ込んでいく。

 

だが俺を除いた全員が一瞬固まるような出来事が起きる。

 

「「「!?!?!?」」」

 

棒立ちの通形先輩から体操服がまるで支えを失ったかのようにすり抜けていく。

 

透過の個性の影響なのは分かるんだがもう少し女子達とかへの配慮をしてほしい……とりあえずキャスリィ達の視界は塞いどいた。

 

『『??』』

 

すまん二人とも……流石にあんなもん見せるわけには行かないからな……教育に悪すぎる。

 

「うわぁぁぁぁあああああ!?!?!?」

「今服が落ちたぞ!?」

「ああ失礼、調整が難しくてね!?」

 

通形先輩はそう答えながらズボンを履こうとしていくが隙だらけとばかりに出久が向かう。

 

確かに一見隙だらけだが通形先輩の視線は俺達全体をしっかりと写しているな。

 

それに加えて……予想はしていたが今一瞬俺の視界以外のありとあらゆる索敵から消えていった。

 

音の反射、サーモグラフィー、X線等のいくつものレーダーから完全に反応が途絶えていた。

 

というよりもすり抜けていたというのが正しいんだろうな……なぜ視界でだけは捉えられるのかは分からないがもしこれが部分的にも可能なのだとしたら目だけで観測している他の人たちじゃこの人への対応は相当きつそうだな。

 

そして出久の蹴りが容赦なく通形先輩の頭めがけて飛んでいくが案の定通形先輩は頭のみを透過させて出久の攻撃をすり抜けさせていく。

 

「うぁっ!?」

 

だが出久は驚きながらも冷静さを保っている。

どうやら出久も通形先輩の個性がどういうものか粗方は気付いているのだろう。

 

だが俺は一つ気付いた事がある。

 

…………通形先輩の透過……ありとあらゆるレーダーから消えた辺り多分空気とかそういうのもすり抜けてる。

下手したらあの人……透過している間は呼吸が出来ないんじゃないか?

下手したら視界や聴覚すらまともに機能しないんじゃ?

 

「顔面かよ。」

 

通形先輩がそう突っ込むと通形先輩の背後から頭部に向かって青山のネビルレーザー、芦戸さんの酸、瀨呂のテープが飛んでいく。

 

だが通形先輩は予想出来ていたのかすでに上半身を透過させていた。

 

貫通した攻撃がコンクリへと激突して煙幕が出久と通形先輩を包んでいく。

 

面倒な……これでは完全に透過された場合通形先輩を補足することが出来なくなる。

 

「待て!居ないぞ!?」

 

チッ、やっぱりか!

俺は全方位に意識を集中するため天空のネコを数匹用意して視界を共有する。

 

すると耳郎さんの背後の地面から"全裸で現れる"。

 

おい、その腰のマーラ様隠せよ……。

 

「まずは遠距離持ちからだよね!」

「あっ!?いやぁぁぁぁぁぁあああああ!?!?!?」

 

まるで弾かれたように飛び上がった通形先輩は攻撃をする部位以外の全てを透過させていた。

…………なる程な。

それに地面まですり抜けるのは想定内だったが弾かれるのは想定外だったな。

 

 

「ワープした!?」

「すり抜けるだけじゃねぇのか!?」

「どんな個性だよ!?」

 

やっぱり出てくる瞬間を見てない他の人達からすればワープしているように見えるわけか。

 

「…………違う。」

 

するとずっと壁に頭をぶつけていた天喰先輩がそう哀れむような様子で呟く。

 

「ふっ!」

 

常闇が身体に黒影(ダークシャドウ)を纏わせてその腕を伸ばして遠距離攻撃を仕掛ける。

 

だが通形先輩は一瞬で身体の向きを変えて攻撃する姿勢になってから地面に潜るように前に進みながら地面にすり抜けていく。

 

そしてすぐに常闇の目の前に現れてからその拳を跳ね上がる勢いを乗せたまま常闇の腹へと直撃させる。

 

「ぐっ!?」

 

更に近くにいた瀨呂とエロブドウに瞬時に近付き反撃される前に腹パンを食らわせる。

 

「ぐぉ!?」

「ぐあ!?」

 

隙が殆ど無いな。

 

「ふっ!」

「そりゃ!」

「ケロ!」

 

遠距離にいた青山のネビルレーザー、芦戸さんが必殺技作りで編み出した遠距離攻撃の酸、蛙吹さんの舌が通形先輩に向かっていく。

 

だが通形先輩は透過すら使用せずに姿勢を低く保ちながら三人へと近付き全員へと腹パンを食らわせる。

 

更に他の全員へも等しく腹パンをどんどん決めていく。

 

しかも八百万さんは腹パン対策に盾を生成して構えていたがそれすらも一瞬拳を完全に透過させて盾をすり抜けた箇所から透過を解除するとかいうとんでもない技術ですり抜けて直接腹パンを決めていった。

 

そして落ちていた自分のズボンを履き直す。

 

POWERRRRRRRRR(パワァァァァアアアアアアア)!!!!!!」

 

…………ヤー!

 

ハッ俺は何を……。

 

それにしても一瞬で鋭児郎、天哉、出久、尾白、口田、砂藤、葉隠さん(ニャッスルモード)、麗日さん、そして俺の九人だけになったか。

凄まじい強さだ。

 

「通形ミリオ……あの男は俺の知る限り最もナンバー1に近い男だ。

…………プロも含めてな。」

「一瞬で半数以上が……あれがナンバー1に最も近い男……。」

「お前行かないのか?ナンバー1に興味がない訳じゃないだろ?」

「俺は仮免取ってないんで。」

 

相澤先生がそう答える程か……一筋縄じゃ行かなそうだな。

 

「君はいつまでも高みの見物と洒落混んでていいのかい!」

 

今度は俺に狙いを定めた通形先輩は力強く跳躍して俺のいる高度まで飛んでくる。

 

跳躍する瞬間瞬時に拳の表面と目や耳等の必要最低限の部分以外の全てを透過させており、その影響でまたズボンがすり抜けて通形先輩の通形先輩がモロリしてしまっているが俺は冷静に対処する。

 

まずは感覚器官を潰す為に腕に波動を纏わせてネコムートの巨大な腕へと変化させて顔を狙うが予想通り通形先輩は頭処か拳以外の全てを透過させることですり抜けさせている。

 

だがこれなら防御を防ぐ手段は無いはずだ!

 

俺は通形先輩が殴ろうとしている腹部に狂乱の波動を纏わせて無理やり拳を生成してぶつける。

 

最近のネコムートの頭部をブレスを使うために腕に生成したりしていたお陰で纏わせる量さえ多めにしておけば本来無い部位まで擬似的に生成出来るようになっていたのだ。

 

「っ!?」

 

するとぶつかった瞬時に拳をすり抜けさせて今度は蹴りが飛んでくる。

 

しかも完全な透過状態でこれじゃ防ごうとしてもすり抜ける。

おそらくぶつかると想定した位置で透過を解除するつもりなのだろう。

 

流石に馬鹿正直に受けるつもりも無いので通形先輩の蹴りが飛んで来ている方へ加速して飛行する事で蹴りを回避する。

 

「っ!?」

 

案の定俺がいた位置ギリギリで透過を解除した通形先輩の足がなにもない所を通っていき、今度は頭の透過を解除した先輩が驚いたような表情でこちらを探している。

 

「よ、避けた!?」

「猫城のやつなんなら防ぎやがったぞ!?」

「流石猫城君だ!やはり状況の判断力が凄まじい。」

 

にしても通形先輩……恐ろしい程読みが上手い。

 

それに加えてあの透過……さっきまでの戦闘記録を解析して気付いたけど触れる部分のみを完全に透過させてすり抜けた部分は輪郭の辺りで透過を解除している。

 

本気で必要最低限のみの発動、解除までやっているわけか……一体どれだけの訓練をすればあそこまで技術を高められるんだか。

 

「君……よく僕の個性の弱点に気がついたね!」

「っ!通形先輩の個性の弱点!」

「悪いが出久達に教える気は無いぞ?

確かに気付いたには気付いたけど訓練である以上は自分でも気付けるようにしとかないと意味ないし。」

 

すると今度は少し驚いたような様子の天喰先輩が壁に頭をぶつけた状態をやめてこっちを見てくる。

波動先輩は相変わらずの天然っぷりで俺の身体や個性の事を色々と聞いてくるが気にしてたらきりがないのでスルーする。

 

「それはありがたいけどいいのかい?」

「みんなが成長する良い機会ですし。」

 

まぁとはいえ腹パンされた皆は痛みでそれ所じゃ無さそうだけど。

 

「なら遠慮無くいかせて貰うよ!」

 

すると通形先輩は今度は俺を無視して出久達の方を向く。

どうやら俺を一旦無視して先に他の全員を倒してから俺に集中するつもりらしい。

 

正直に援護してやりたい所だがあの人相手だと地上戦はかなり不利な上に必要最低限以外を透過させてるせいで下手に攻撃しようものならあいつらを巻き込みかねないから援護出来ない。

 

悪いがあの八人には頑張って貰うとしよう。

 

「なにしたのかさっぱり分からねぇ!」

「すり抜けるだけでも強いのにワープとか……!」

「それってもう無敵じゃないですか!」

「よせやい!」

 

確かに一見相当強い強個性のようにも見える。

だが俺の推測が正しいならこの個性はまともに戦闘に活かすだけでもめちゃくちゃ困難な個性であり、通形先輩の傷跡の量からしてここまでの強さにするまでに尋常じゃない程の修羅場を潜り抜けてきたのが分かった。

 

「何かからくりがあると思うよ!

ワープの応用ですり抜けてるのか……どっちにしろ直接攻撃されるわけだからカウンター狙いでいけばこっちも触れられる時があるはず!

それに猫城君だってカウンターで防いでいたんだ……僕達にだって出来るはずだよ。

何してるか分かんないなら分かってる範囲で仮説を立ててとにかく勝ち筋を探っていこう。」

 

…………惜しいんだよなぁ。

俺がなぜ最初に頭を狙ったのかさえ気付ければ違っていたかもしれないが俺はこの後どうなるかがだいたい読めてきた。

 

「おおサンキュー!謹慎明けの緑谷すげえいい!」

「だったら探ってみなよ!」

 

話し終わるのを待っていたの通形先輩はこのタイミングで出久達へと向かって走っていく。

 

そしてまた地面へとズボンを残してすり抜けて潜っていく。

 

 

 

つかだからその腰の御立派様を隠せよ!?

 

 

俺はとりあえず援護しようが無いため上空から情報収集に徹することにしたのだった。

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