こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
サー・ナイトアイ事務所でのヒーローインターンが採用されたその日の夕方、俺と出久の二人は寮のリビングでクラスメイトの話題に上がることになった。
なんだかんだでまだインターン先を悩んでいる人もそこそこ多いらしく、俺達は結構速く決まった方らしい。
「インターン先決まったんだ!
良かったねデク君!猫城君!」
「すごいじゃん!」
「おめでとう二人とも。」
「ありがとう。」
「まぁ俺は下調べしっかりしてたからそこまで不安はなかったがな……。」
俺がそう呟くと出久が若干精神的なダメージを受けたような反応を見せる。
「うぐっ……やっぱり今回のってもしかしなくても猫城君予想できてたの?」
今回の……って事は今回の採用されるまでの流れの事か?
「俺はともかく出久の方は完全に想定外過ぎたわ。
全く見ててひやひやしたぞ。」
「め……面目ない……。」
「何々?何があったの?」
「詳しいことは言って良いかどうか分からんから割愛させてもらうが出久が一回やらかしてな……よく採用させてもらえたもんだよ。」
「あはは……本当に運が良かったというか……なんというか。」
「ん……油断禁物。」
正直深く踏み込みすぎてもろくなことが無さそうではあるがスルーするには大きすぎる問題な気もするんだよな……。
一度タイミングを見て出久を問い詰めて見るべきか……。
「俺もうかうかしてられないな。」
天哉がやる気を出していると今度は男子棟方面から砂藤、上鳴、瀬呂、鋭児朗の四人がやってくる。
「けどホントすげぇよ二人とも。」
「ああ、なんたってあのサー・ナイトアイの事務所だもんな。」
「通形先輩の推薦だって?」
「よくやったな!」
「えっあ……へへへ。」
「元々オールマイト先生に頼むつもりだったんだがな……なんか先生がサー・ナイトアイに若干負い目があるらしくてな。
そんなわけでわざわざ先生が放送で通形先輩を呼んで話を通してくれたんだ。」
「あぁ!あの時の放送!」
「それにしても意外。
オールマイトの元サイドキックなんだよね?サー・ナイトアイって。」
「まぁ簡単に言えば元々オールマイト先生の引退はサー・ナイトアイが事前に予知してたらしいからな。
忠告通りになってしまったのに負い目を感じているんだろうな。」
とはいえオールマイト先生は当時は平和の象徴としての力が強かった……いや、あまりにも影響が強すぎた。
下手に止めればそれだけに社会へと与える影響も凄まじい。
だからこそゆっくりと時間をかけて後継を探していたようだが……ヴィラン連合の襲撃が速すぎたんだろうな。
そんな事を考えていると後ろで話していた轟と勝己の二人が俺達の話題へと移っていた。
「また差広げられちまったな。
はやく追い付かねぇと。」
「ケッ!」
二人は仮免が取れなかったからな……。
それはともかく勝己はいい加減態度をどうにかすればいいのに。
「学校側からガンヘッドさんインターンの実績が少ないからダメやって言われた。」
「私もセルキーさんの所に行きたかったわ。」
「フォースカインドさんインターン募集してねぇんだもんな。」
「つうか元から敷居高いんだよ。」
「インターンの受け入れ実績があるプロにしか頼めないからな。」
まぁ確かにそれもある。
実際のところ職場体験はやっていてもインターンの募集はしていないヒーローは結構多く、インターンの"実績"ともなるとその敷居は更に高くなる。
実際俺も行けそうな所を探しては見たが全ヒーロー事務所の10%も無さそうだったしな。
「仕方ないよ。
職場体験と違ってインターンは実践。
もし何かあった場合……。」
「プロ側の責任問題に発展する。」
「相澤先生!」
「リスクを承知の上でインターンを受け入れるプロこそ本物。
常闇、その本物からインターンへの誘いが来てる。
九州で活動するホークスだ。」
成る程、相沢先生の用件はそれか。
それにしてもホークス……ジャンヌを呼んだときに一緒に監視として来ていた公安のヒーローか。
…………正直公安はあまり良い噂を聞かないから若干不安はあるな。
常闇……大丈夫だよな?
「ホークス!?」
「ヒーローランキング3位の!?すげえ!」
「流石だな!」
「どうする?常闇。」
「謹んで受託を。」
「わかった。
後でインターン手続き用の書類を渡す。
九州に行く日が決まったら教えろ、公欠扱いにしておく。」
「良かったな、常闇。」
「恐悦至極。」
「早く追い付かねぇと……。」
「何度も言うな!」
勝己……こいつこの態度さえなければもっと評価高くてもおかしくはないんだがなぁ。
「それから切島、ビッグ3の天喰がお前に会いたいそうだ。」
「「「ん?」」」
「俺っすか?」
どうやら鋭児朗にも用件があったようで瀬呂、砂藤、上鳴の三人が驚いた様子で鋭児朗の方へと振り返り、他の全員も同じ方向へと視線が集中する。
「麗日と蛙吹にも波動から話があるらしい。
明日にでも会って話を聞いてこい、以上だ。」
相澤先生はそう俺達に告げると直ぐに去っていった。
「天喰先輩、何の用だろう?」
「やはりインターンがらみの話じゃないかしら?」
「ウソッ!?もしそうなら期待してまう!」
「明日まで待てねぇ!
俺!今から3年の寮行ってくる!!」
「お茶子ちゃん!私たちも行きましょう!」
「うん!」
ビッグ3の二人から誘いがあった三人……特に麗日さんはかなりそわそわしていた。
それにしても三人とも……今からってもう夕方だぞ?
明日にすれば良いのに……。
「早く追いつかn……。」
「黙ってろ!!」
あの二人……もはや漫才だな。
「いいな麗日達。」
「俺らも頑張ろうぜ!」
上鳴達がやる気を出していると
「ヘッ!一年の俺らが行っても雑用を押し付けられるのが落ちだっての。」
「そりゃお前の職場体験だろ?」
「思い出させるなよ黒歴史ィィィィィイイイ!」
「少なくとも俺は戦術の幅が広がったし有意義だったぞ?」
「猫城テメェェェェェエエエエ!!!」
「「「アハハハハハ!」」」
俺はここぞとばかりに日頃の行いを反省しろとばかりに追い討ちをする。
このアホの場合はほんと自業自得なんだよ……。
そんなこんなで一日が終わりインターン活動の一日目が開始される。
ヒーロースーツを来た俺達と通形先輩……もといルミリオン先輩とバブルガールの四人は早速サー・ナイトアイのオフィス部屋へと集合して本日の行動方針を聞かされていた。
「本日はパトロール兼監視。
私とバブルガールと猫城、ミリオと緑谷の二手に分かれて行う。」
「監視?」
「ナイトアイ事務所は今秘密の捜査中なんだよ。」
「死穢八斎會という指定
サー・ナイトアイはそう言って俺達に資料を見せてくれる。
これは……所謂ヤクザって訳か。
今の時代にまだそんな旧時代的なもんが残ってるとはな。
「ここの若頭……所謂ナンバー2である治崎という男が妙な動きを見せ始めた。
ペストマスクがトレードマークだ。」
「マスク怖っ!」
…………確かにこのペストマスクはそうとう目立つだろうな……。
だが逆にこれを取った場合街中なんかで探すのは難しそうだな。
「でも指定
「過去に大解体されてるからね。
でもこの治崎ってやつはそんな連中をどういうわけか集め始めてる。」
「最近あの
顛末は不明だけど。」
「
「…………正直頭……というか一番大きな後ろ楯を失ったあいつらがヤクザと関わっても衝突にしかならないと思いますが……もしかしなくても戦闘の跡とかありませんでした?」
「へ?なんでわかったの?
つい最近の話だっていうのに。」
「簡単ですよ。
あそこを今率いてる死柄木は要は子供大人。
そしてヤクザはそもそもナメられたら終わりな部分がある。
単純に相性が悪すぎるんですよ。」
「おそらく猫城の予想通りだろう。
……ただやつが何か悪事をたくらんでいるという証拠を掴めない。
その為に八斎會は黒に近いグレー……ヴィラン扱いが出来ない。
我がナイトアイ事務所が狙うのは奴らの尻尾。
くれぐれも向こうに気取られぬように。」
「「「「イエッサー!」」」」
…………ちびネコダラボッチとこの間手にいれたちびネコユーフォーの出番になりそうだな。