こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが   作:クロマ・グロ

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すんません、寝落ちして気がついたら9時間程眠っていました……。
余程疲れ貯まってるのかな……。


29スレ目(現実パート5)

 

グラントリノの話を聞いてファットガムが再度興奮したように怒りを露にする。

 

「考え過ぎやろ!そないなことばっか言うとったら身動き取れへんようなるで!」

 

正直な話両者共に言いたいことは分かるしどちらも正論だ。

 

だが最低限動けるだけのリスクケアを考えるとするとあまりにも危険度の高い今回の案件はグラントリノの意見の方が軍配が上がるだろう。

 

だがファットガムの気持ちも分かる。

 

ヒーローとはいってもやはり動ける限界はあるか……。

 

「あの……一ついいですか?」

 

ここで相澤先生が手を上げる。

 

サー・ナイトアイは相澤先生へと頷き続きを促した。

 

「どういう性能かは存じませんがサー・ナイトアイ……未来を予知出来るなら俺達の行く末を見れば良いじゃないですか。

このままでは少々合理性に欠ける。」

 

なる程な……確かに相澤先生の言う通りだ。

だがサー・ナイトアイの予知……そこまで便利に扱えるものなのか?

 

バタフライエフェクトなんて言葉があるように未来の可能性なんか無数に存在する。

いくら予知が出来るとはいってもそれを伝えてしまえばその未来はほぼ確実と言って良い程に歪むのは目に見えている。

 

まさに未来とはシュレディンガーの猫のような物だ。

複数あるうちの一つの可能性を見ただけで頼りきるのは少し難しいのではないだろうか?

 

そしてサー・ナイトアイの口から出た答えはある意味予想通りであり、ある意味で予想外の言葉だった。

 

「それは……出来ない。」

「ん?」

「私の予知性能ですが発動したら24時間のインターバルを要する。

つまり1日1時間……一人しか見ることが出来ない。

そしてフラッシュバックのように1コマ1コマが脳裏に映される。

発動してから1時間の間他人の生涯を記録したフィルムを見られると考えていただきたい。

…………ただし、そのフィルムは全編人物の近くからの視点、見えるのはあくまで個人の行動と僅かな周辺環境だ。」

「いや、それだけでも十分過ぎる程色々わかるでしょう。

出来ないとはどういうことなんですか?」

 

サー・ナイトアイの表情が大きく曇る。

これは何かしらトラウマといったような類を抱えている人特有の表情だ。

 

「例えばその人物に近い将来死……ただ無慈悲な死が待っていたらどうします?」

 

ただ無慈悲な死……か。

サー・ナイトアイがそこまで言うということは一度そのような未来を……それも身近な人に関するものを見てしまったのだろうな。

 

そしてサー・ナイトアイの関係者で無慈悲な死……しかもトラウマになるようなレベルとなると一番可能性がありそうな人は……。

 

『やっぱりオールマイトしか当て嵌まらないか。』

 

特に今のオールマイトは肉体が限界を迎えている。

 

ネコナースの治療によって定期的に野太い悲鳴が上がっているがあのレベルの治療は時間がかかる上に今のオールマイトは個性が殆ど機能していないらしい。

 

「私の個性は行動の成功率を最大まで引き上げた後に勝利のダメ押しとして使うものです。

不確定要素の多い間は闇雲に見るべきじゃない。」

「はぁ!?死だって情報だろ!?

そうならねぇ為の策を講じられるぜ!」

 

ロックロックがテーブルに乗り出して苛立ちを露にしてそう答える。

 

いい加減フォローしておくか。

 

「占いとは違う、回避できる確証はない。」

「ナイトアイ!よくわかんねぇな……良いぜ俺を見てみろ!いくらでも回避してやるよ!」

「あの……俺からも一つ良いですか?」

「あぁ?」

「なんだね、猫城?」

 

俺はサー・ナイトアイの言葉を待ってから口を開く。

正直どこまで理解して貰えるかだな……。

 

「ナイトアイ、貴方の個性の予知は確実に絶対ではないですよね?」

「…………その通りだ。」

「なら余計に頼りすぎるわけにはいきませんよ。

皆さんもよく考えてみてください、バタフライエフェクトやシュレディンガーの猫といった考え方があるように未来が例え見れたとしても……それを伝えたとしてもその通りに動く可能性はかなり低いです。

 

特に伝えた場合なんかには影響を受けた側及び害を及ぼす側両方の未来を変えることになる……それは結果として確かに良い結果を生み出す可能性もありますが逆に被害を大きくしてしまう可能性も秘めています。

 

特にさっきの言葉から察するに遠距離からの攻撃なんかに対してはサー・ナイトアイの個性はあまり通用しにくい。

特に戦闘なんかは不確定要素しかないんです。

そんな状態で分岐するIF……つまりもしもの可能性の一つを見たところで意味はないでしょう。

なら俺達はその可能性を極限まで狭める方策を考えるべきです。」

「同意ね、特に近接戦闘なんかや索敵、遠距離やトラップなんてものは特に臨機応変な対応が要求されるだろうからそんなものを見たところですぐに動ける本人以外なら意味がないわ。」

 

っ!意外な所からフォローが来た。

母さんがそういうと他のヒーロー達も納得したのか頷いていた。

 

「はぁ……とりあえずやりましょう。

困っている子がいる、これが最も重要よ。」

「娘の居場所の特定、保護……可能な限り確度を高め早期解決を目指します。

ご協力よろしくお願いします。」

 

サー・ナイトアイがそう答えてから少ししてこの場は一旦解散となった。

 

現状は俺達も待機組のようだが迅速な対応をしたいとの事だったので集結したヒーロー全員に俺のちびネコUFOを配ることになった。

 

隠密性能も高く連絡手段としても使えるからな……この手の作戦にはもってこいだ。

 

サー・ナイトアイとの打ち合わせを軽くしてから会議室を出てみると建物の一角のあるスペースに雄英生徒が全員集まっていた。

 

ただ出久と通形先輩は俯いた様子だった。

 

「強引にでも保護しておけば今頃壊理ちゃんは……。」

「そうか、そんなことが……。

くっ……悔しいな。」

「デク君……。」

「はぁ……それは周囲への被害や影響を考えなければの話だ。

あんな人目につくような場所で戦闘なんかしてみろ、確実に他への被害が出かねないぞ。」

「っ!猫城君……!」

 

すると俺の背後のエレベーターが開いてそこから相澤先生もやってくる。

 

「通夜でもしてんのか?」

「ケロ!先生……。」

「ああ、学外ではイレイザーヘッドで通せ。

いやしかし……今日は君たちのインターン中止を提言する予定だったんだがな。」

「「「えっ!?」」」

 

あぁ……まぁやっぱりそうなるか。

こんな事件に巻き込まれた以上雄英側としてはこれ以上深く関わらせたくないだろうしな。

それにほぼ確実にあいつら……(ヴィラン)連合が関わってる。

 

「今更何で!?」

(ヴィラン)連合が関わってくる可能性があると聞かされたろう?

話は変わってくる。」

 

そして出久は相当悔しいのか表情が険しくなってく。

 

まぁでも予定だった……とボヤいているということは何かしらインターンを続けざるを得ない事があったのだろう。

 

相澤先生……いや、イレイザーヘッドは頭をかきながらボヤくように呟く。

 

「ただなぁ緑谷、お前はまだ俺の信頼を取り戻せていないんだよ。」

「はっ!」

「残念なことにここで止めたらお前はまた飛び出してしまうと俺は確信してしまった。」

 

日頃の行いだな……うん、こいつならやりかねないわ。

何度も前科あるし……。

 

「俺が見ておく、するなら正規の活躍をしよう緑谷。

わかったか?問題児。」

 

イレイザーヘッドの言葉に出久は涙をこらえながら頷く。

 

「ミリオ、顔を上げてくれ。」

「ねぇ、私知ってるの。

ねぇ通形、後悔して落ち込んでもしかたないんだよ、知ってた?」

「ズズッ……あぁ。」

 

通形先輩は天喰先輩と波動先輩の言葉にようやく立ち直る。

 

そしてイレイザーヘッドがあることを口にする。

 

「気休めを言う。

つかみ損ねたその手は壊理ちゃんにとって必ずしも絶望だったとは限らない。

前向いていこう。」

「はい!」

「相澤先生!」

「ここではイレイザーだ。」

「俺!イレイザーヘッドに一生ついてきます!」

「一生は止めてくれ……。」

「すいません!」

「切島君声でかい。」

 

いつもの調子に戻ったみたいだな……というかもはやコントだが。

 

「ミリオ……。」

「分かってる。

緑谷君、それに猫城君も……今度こそ必ず!」

「はい!必ず!」

「当然です。」

 

俺も作戦の準備を進めないとな……特に今回の作戦は出来るだけ被害を押さえつつ制圧しておきたい。

まともに治崎と戦える個性を持つのはにゃんこによる物量と狂乱の波動で直接触れられるのを防げる俺と防御魔法で基本触れられない母さんだろう。

 

ならば横槍の可能性を極限まで減らさないとな……。

 

 

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