こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが   作:クロマ・グロ

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30スレ目(現実パート2)

 

 

「えー、遅れていた人員も到着した所で作戦を説明する。

ナイトアイが八斎會構成員のその後を見た結果……八斎會組長宅には届け出のない入り組んだ地下施設が存在しその中の一室に今回の目的である女児がかくまわれていることが確定した。

流石に地下全体を把握することはかなわなかったが男の歩いた道はそのまま目的地への最短ルートであり、以前のネコマンダーの尾行によってある程度の把握は完了した。

八斎會の広い敷地を捜索するにあたって最も有益な情報となる。」

 

実は前回俺がちびネコ達に尾行させていた場所がまさかの組長宅であった為にナイトアイの情報と俺の見た光景を映像化した物を組み合わせた結果ある程度のマッピングに成功した。

 

とはいえあの地下の広さから察するにまだ地図の方は全体の3割行っていれば良い方だろう。

結局治崎に見つかった後に直ぐ様他のちびネコ達も全滅させられたからな……。

 

「しかし目指すにしても個性を駆使されれば捜索は難航する。」

 

現在指揮をしている刑事さんが合図を出すと一人の男性刑事が書類を抱えて俺達のところまで来た。

 

「そこで分かる範囲でだが八斎會の登録個性をリストアップしておいた。

頭に入れておいてくれ。」

「こういうのぱっと出せるっていいよな。」

 

そこそこの人数がいるが今の俺は機械の処理能力及び記憶能力がある。

全員把握するのは他愛もない……ほんとこの身体にはどれだけ感謝してもしたりないな。

 

「隠蔽の時間を与えぬ為にも全構成員の確認、捕縛など可能な限り迅速に行いたい。」

「決まったら早いっすね!」

「君……朝から元気だな……。」

「ふー、緊張してきた。」

「探偵業のようなことから警察との協力……知らないことだらけ。」

「ね、不思議だね。」

 

鋭児朗が警察の迅速な対応に感心していると天喰先輩が呆れたような視線を送る。

麗日さんは確かに緊張こそしているみたいだがやる気を見せている。

 

それにこういうのは確かに学校じゃ深く教われないような内容だからな。

これも物にしていかないとな。

 

「プロはみんな落ち着いてんな……慣れか!」

「ねぇ、今朝からグラントリノの姿が見えないけどどうしたんだろう。」

 

出久に言われて周囲を見渡すと確かにグラントリノだけがいない。

すると俺達の疑問に答えるようにサー・ナイトアイがこちらに訪れる。

 

「あの人は来れなくなったそうだ。」

「え?」

 

すると先程説明を行っていた刑事もこちらにやってきた。

 

「塚内が行ってる連合の件に大きな動きがあったみたいでな。

だがまぁどちらも人手は十分、支障はない。」

「そっか……。」

「八斎會と(ヴィラン)連合、一気に捕まったりしてな!」

「いや、黒霧のワープがあるかぎりそれは無理だろう。

むしろ捕まったとしても逃げられるのがオチだ。」

「あ、そっか……。」

「あぁ……頭の痛い話だがな……警察としても大きく動きにくい。

情けない限りだ。」

 

向こうは強力な個性持ちも多い……警察は個性を駆使しない戦いを重視している以上下手に刺激するわけにはいかないだろうからな。

 

「それよりもネコマンダー、君の提案してくれたネコジャラミと言ったか?

本当に前衛……それも盾役にしてしまって大丈夫なのかい?」

 

ん?あぁ……まぁ確かに端から見たら割と酷いことをしてるようにも見えなくはないからな……人間に置き換えたら割とアウトな事だし。

 

「ええ、にゃんこ達にとって肉体はそこまで重要じゃないんです。

死んだとしても俺に戻って来て再生産されるだけなので。

とりあえず現状バベル内部にネコジャラミを50体、地下への道をこじ開ける為のソドムを15体用意してあります。

他の壁役や遠距離役に関しては奇襲を仕掛ける為に中に入ってからどんどん出現させていきますのでよろしくお願いします。」

「あぁ、わかった。

こちらとしても君のお陰で圧倒的な物量に物を言わせた作戦を決行可能になったのは感謝してる。

だが君はまだ学生だ、無理だけはするなよ。」

「ええ、分かっています。

ただ…………母さんがいる以上ある程度の被害はその……許容をお願いしますね?」

「…………。」

 

刑事さんは頭痛が痛いとばかりにこめかみを押さえる。

 

いやほんと……うちの母さんがすみません。

 

すると今度は相澤先生……いや、イレイザーヘッドが出久の元へとやってくる。

 

「おい。」

「ああっ!イレイザーヘッド!」

 

出久一瞬相澤先生と言おうとして慌てたなこれ……。

 

「俺はナイトアイ事務所と動く。

意味分かるな?」

「はい!」

 

俺はイレイザーの言っていた言葉を聞いて前回集まった時に『俺が見ておく、するなら正規の活躍をしよう緑谷』

とイレイザーヘッドが言っていたのを思い出した。

そう言うことだろうな……。

 

「ヒーロー!多少手荒になっても仕方ない!少しでも怪しい素振りや反抗の意思が見えたらすぐ対応を頼むよ!

相手は仮にも今日まで生き延びた極道者。

くれぐれも気を緩めずに各員の仕事を全うして欲しい。」

 

刑事さんがそう言うと警察の人達全員が敬礼をする。

 

「突入開始時刻は0830(マルハチサンマル)とする!

総員出動!!」

 

俺はバベルに警察官の人達や一部のヒーロー、警察用の機材、捕縛道具や簡易牢獄であるメイデン等の資材を乗せて組長の屋敷へと向かう。

 

流石に警察官の人もソドムの群れを見た時には一瞬ギョッとしていたがまぁ仕方ないだろうな……。

 

ソドムに乗ったまま空を移動していると途中で母さんと父さんが俺の元へとやってくる。

 

「釜戸。」

「母さん、それに父さん……どうしたんだ?」

「覚悟は……出来てるね?

これはただのヴィラン退治とは違う……想像以上に酷い光景に出くわす可能性もあるんだからね。」

「…………あぁ、だけど今の俺は仮とはいえヒーローだ。

助けられる可能性のある人を見捨てるなんて出来ない。

それに相手が殺す覚悟だとしてもそんなのはいままでの連合でいやと言う程その殺気を味わってきた。

 

今さらこの程度で躓いてなんていられない。」

「そう……強くなったわね。」

 

すると母さんが俺を抱き締める。

 

流石に力はかなり押さえられていたようで助かった。

母さんが本気で抱き締めれば背骨を粉砕骨折してもおかしくはないからな……。

 

「釜戸……死ぬんじゃないぞ。」

「あぁ、分かってるよ父さん。

母さんはともかく父さんも無事でいてくれよな?」

「はは、そうだな。」

「ちょっと……。」

 

はははっ、母さんは確実に死んでも死にそうにないからな。

 

 

 

_________________________________________________

 

 

 

 

 

午前8時30分。

 

死穢八斎會組長宅に到着した俺達は早速降下準備に取りかかる。

 

突入タイミングは令状を読み上げたタイミングでだが……あぁ、うん。

 

俺はトランシーバーを取り出して地上部隊に連絡を入れる。

 

「こちらネコマンダー、上空から観察した所門の前に多数の組員が陣取っている。

中にはリストに乗っている個性持ちも複数確認されているので注意されたし。」

『こちら地上部隊、報告感謝する。

念のためネコジャラミを今のうちに一番前に陣取らせて起きたいが構わないか?』

「はい、死んでもこちらで復活させて補充するので存分に盾として皆を守らせてやってください。

通信終了します。」

 

俺は伝えるだけ伝えてトランシーバーを切る。

流石に今となってはこれも技術的に古い代物だからな……多用しすぎると傍受される危険性も高い。

 

俺は早速地上部隊の一体に感覚共有で意識を同期する。

 

「令状読み上げたらダーッと行くんで速やかによろしくお願いします。」

「しつこいな……信用されてねぇのか?」

「そういう意味じゃないやろ、意地悪やな。」

「フンッ!そもそもよ、ヤクザ者なんてこそこそ生きる日陰者だ。

ヒーローや警察見て案外縮こまっちまったりしてな。」

 

ロックロック……俺の報告聞いてなかったのだろうか?

今八斎會思いっきり迎撃準備を……って不味いなこれ。

 

俺は早速門の前にジャラミを数体集めさせる。

 

刑事の人がインターホンを押そうとした瞬間に扉が思いっきり殴り飛ばされる。

 

扉の前にいた警官や機動隊に被害が及ばないようにジャラミを壁にさせたが数匹が吹っ飛ばされた!?

 

とはいえ死んでいたりはしていないから純粋に重さが足りなかったか……一応ジャラミ120kgはあるんだがな。

 

「何なんですか?朝から大人数で……って何だこいつ?ネコ……?人……?」

「取り押さえるぞ!」

「少し元気が入ったぞ……もう~。」

「離れて!!」

 

先程扉を殴り飛ばした巨大な肉体を持った組員が殴りかかってくる。

 

「何の用ですかぁ!」

「「「ニャッスルウゥゥゥゥウウウウ!!!!」」」

 

くそ!なんつうパワーしてやがる!

ジャラミ5体でようやく威力を押さえるのが限界だなんて!

 

だが俺がこいつを押さえている間に直ぐ様リューキュウが個性によってドラゴンへと変化する。

 

「とりあえずここに人員を割くのは違うでしょ。

彼はリューキュウ事務所とネコマンダーのにゃんこ数匹で対処します。」

 

リューキュウは俺が押さえている組員をその巨大な身体とドラゴンの高い身体能力で地面へと押さえつける。

 

「皆さんは今のうちに!」

 

リューキュウの言葉を皮切りに次々と警察とヒーロー達が屋敷へとなだれ込んでいく。

 

俺はリューキュウ事務所に任せていたネコジャラミ7体を残してすぐにバベルの外へと出る。

 

「あとは任せます!

ソドム!出撃するぞ!!」

「「「ニャァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアア!!!!!!!」」」

 

俺は全身に狂乱の波動を纏わせて翼も形成して落下する。

 

バベルからはすでに地上へと向かうためのロープも垂らしており、そこからどんどん警察やヒーロー、俺の生産したにゃんこ達が降りていく。

 

母さんは……あ、うん、やっぱり普通に筋肉式パラシュートですねわかります。

 

 

 

 

俺は一人の犠牲も出させない覚悟を決めて地面へと急速に落下していった。

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