こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが   作:クロマ・グロ

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31スレ目(現実パート5)

 

 

「「壊理ちゃん!」」

「あっ……。」

「熱が引いて目が覚めたと聞いてね

本当に良かった。」

「久しぶり。」

 

俺と通形先輩、出久と相澤先生、サー・ナイトアイの5人はようやく面会が可能になった壊理ちゃんの元へと訪れていた。

 

実は文化祭の出し物を決めながら補習をしていたあの時に相澤先生から俺達に壊理ちゃんが会いたがっているというのを聞かされていたのだ。

 

「会いに来れなくてごめんね。」

「フルーツの盛り合わせも良かったら食べて。」

「あり……がとう。」

「好きなフルーツある?俺当てても良い?

桃でしょ?ピーチっぽいもんね。」

「リンゴ……。」

「だと思ったよね!」

 

通形先輩ってやっぱり波動先輩とノリが似てるとこあるよなぁ……滑ってる最大の原因でもある気がする。

 

「じゃあリンゴ剥こう!アップルっぽくね!」

「なら俺はネコリンゴを……。」

「ネコリンゴって何!?」

 

出久からツッコミが入る。

そういやこいつこの世界だと使い道少なすぎてまだ出してなかったな。

 

「こいつだ。」

「ニャッポウ。」

「…………灰色な上に足が生えているのだが?」

「本体は中に入ってるネコなので。」

「ちなみに中身はどうなっているのだ?」

「ネコリンゴ。」

「ニャッポウ!」

 

ネコリンゴは俺の合図に合わせてリンゴを真ん中から割って上半分を割って腰を振りながら現れる。

 

「「「「サザエさん!?」」」」

 

扉の向こうにいた医者と出久、通形先輩からツッコミが入る

 

「…………プッ。」

「あ!サーに受けた!」

「…………。」

 

…………やっぱり壊理ちゃんはこのくらいのネタじゃ笑わせてあげるには足りないか。

 

なんとか色々と考えている事が吹っ切れるようなのがあれば良いんだがな……。

 

「ずっとね……熱出てた時もね、考えてたの。

助けてくれた時の事……。

でも……お名前が分からなかったの。」

「あ……。」

 

…………そういや名乗ってなかったな。

 

「ネコマンダーさんとルミリオンさんしか分からなくて知りたかったの。」

「緑谷出久だよ、ヒーロー名はデク。

えっと、デクの方が短くて覚えやすいかな?

デクで……デクです!」

「ヒーロー名?」

「あだ名みたいなものだよ。」

「デクさん……。」

「うん、そう。」

「私はサー・ナイトアイ。

サーでもナイトアイでも呼びやすい方で構わない。」

「ナイトアイさん……。」

 

すると事件の事を思い出したのか暗い表情になる。

 

「ネコマンダーさん、ルミリオンさん、デクさん、ナイトアイさん。

みんな……私のせいでひどいケガを……。

私のせいで苦しい思いさせて……ごめんなさい。

私の……私のせいでネコマンダーさんは腕を無くして……え?」

 

すると俺の方を見た壊理ちゃんが驚いた表情をする。

 

「ネコマンダーさん……腕が……。」

「ん?あぁ、全治半日だったからこの程度なら問題ないよ?」

「は、半日……?」

 

あー、うん……深く考えさせるのはやめさせよう。

別の話題だ別の話題。

 

俺は壊理ちゃんの頭を撫でる。

 

「壊理ちゃん、苦しい思いをしたなんて思っている人は居ない。

みんなこう思っているはずだ。

"壊理ちゃんが無事で良かった"ってな。」

「みんな君の笑顔が見たくて戦ったんだよ。

誰も気にしてないのに謝っても仕方ない、気楽にいこう。」

「……ひっ……うっ……う……うう……。」

「「「ん?」」」

 

すると壊理ちゃんは頬を引っ張り始める。

かなり無理矢理に笑顔を作ろうとしてるって感じだな。

 

ここはいっそ何かしらにゃんこを出して肩の力を抜かせるか。

 

「ごめんなさい……笑顔ってどうやればいいのk……え?」

 

俺の後ろには今どこからもってきたのか小道具を使ってミロのヴィーナスのコスプレをした巨神ネコが佇んでいる。

 

「にゃっふーん。」

「「「「え…………。」」」」

「アッハハハハハ!?いつの間に用意したのさそれ……!?アハッアッハハハハハ!?」

「なんと言う無駄が無く無駄にクオリティの高いコスプレだ……。」

 

この場にいるナイトアイ、通形先輩以外の全員の空気が固まった。

 

とはいえまだ壊理ちゃんには治崎の影が脳裏にちらついているみたいだな。

なんとかしてその事から気を反らしてやりたいが……。

 

「あっ!」

 

すると固まってからしばらく考え事をしていたのか出久が何か思い付いたように声を出した。

 

「相澤先生!壊理ちゃん、1日だけでも外出出来ないですか?」

「無理ではないはずだが……というかこの子の引き取り先を今……。」

「じゃあ壊理ちゃんも来れませんか?」

 

来る……?まさか文化祭か!

すると相澤先生がなにやら感心したように目を見開く。

 

「なるほど。」

「文化祭!壊理ちゃんも来れませんか!」

「ああっ!」

「文化祭……というと雄英のかね?」

「はい!」

「文化祭?」

「壊理ちゃん!これは名案だよ!文化祭っていうのはね!

俺達の通う学校で行われるお祭りさ!」

 

……何故だろう?通形先輩の脳裏に俺達がメイド服を来ている地獄絵図が出ている気がする。

 

…………気のせいだよな?

 

「学校中の人が学校中の人に楽しんでもらえるよう出し物をしたり食べ物を出したり!

あっ!リンゴ!リンゴ飴とか出るかも!」

「リンゴ飴……?」

「リンゴをあろうことか更に甘くしちゃったスイーツさ!」

「更に……。」

「ふむ……見舞いの品はスイーツの方が良かったか。」

 

あ、目に見えて表情が変わった。

ってかヨダレ出てるヨダレ出てる……。

 

「分かった、校長に掛け合ってみよう。」

「それじゃあ……壊理ちゃん!どうかな?」

「私……考えてたの。

助けてくれた時の助けてくれた人の事……。」

「ネコマンダーさん達のこと、もっと知りたいなって考えてたの。」

「嫌ってほど教えるよ!

校長先生に良い返事が貰えるよう俺達も働きかけよう!」

「はい!」

「なら俺は警備関係を手伝ってトラブルを防ぎますよ。」

「猫城君のにゃんこ達なら頼もしいや!」

「俺、出し物であんまり役目無いから壊理ちゃんとつきっきりでデートできるよね!」

「デート……?」

 

壊理ちゃんの空気がだいぶ和らいできたな。

この調子でなんとか楽しんでもらえるようにしないとな。

 

「蜜月な男女の行楽さ!」

「みつげつなだんじょのこうらく?」

「貴様は何を言っているルミリオン!」

「壊理ちゃんに何教えてるんですかこの露出狂!」

「え!?ちょっ!?二人とも落ち着い……アーーーッ!?!?」

「先輩何言ってんですか……。」

 

俺とサー・ナイトアイはとりあえず通形先輩をしばきたおしたのだった。

 

その後俺は壊理ちゃんにたまたま自室に置いてあった砂藤特製スポンジケーキを体内経由でにゃんこにここへと持ってこさせて壊理ちゃんにあげた。

 

すっげぇ幸せそうな表情……。

 

しばらく会話を弾ませていると俺達は帰る時間になり、一旦俺の分割思考を持たせた天空のネコと何故か気に入られたヴィーナスコスプレの巨神ネコを壊理ちゃんの病室に置いていって帰ることになった。

 

とはいえ分割思考の方は壊理ちゃんに専念するようにしてあるから退屈はさせないだろう。

 

_________________________________________________

 

翌日の放課後、俺の代理である分割思考を持たせた天空のネコ&ネコジャラミのコンビに加えてうしわか丸、キャスリィ、ヒメユリ達と補習組以外の皆は寮に集まって文化祭の出し物の話し合いを再開していた。*1

 

「文化祭までちょうど1ヶ月後!

時間もないし今日いろいろ決めてしまいたい!」

「まずは楽曲を決めないとね!何にする?」

 

いや……それよりもツッコミたいんだが……何故今日のにゃがくれさん今度は顔だけ人間の巨神ネコになってるんだ……顔のパーツだけハッキリと分かるのが怖いんだが……。

 

「俺、そういうの疎いからみんなの意見に従うよ。」

「俺もだ。」

「とにかくさ!おもてなしなんだからなるべく皆が知ってる曲をやるべきじゃね?

やっぱノれる奴っしょ!」

「踊れるやつ!」

「確かに一理あるがそれで俺としてはクオリティを上げられるかと言われると限界がある気がする、」

 

すると悩んでいた様子の耳郎が話し始める。

 

「皆の意見をある程度統合すると楽曲は4つ打ち系だよね、ニューレイヴ系のクラブロック。

ダンスミュージックだと本当はEDMで回したほうが良いけど……皆は楽器やる気なんだよね?」

「…………耳郎さん?こいつら専門用語まともに分かってない奴が多いの気付いてるか?」

「「「「????」」」」

「あー、ベースとかドラムやってた人いる?」

 

耳郎さんはクラスのみんなにそう聞くが誰も反応しない。

 

「………だよね。」

「悪いな、俺はどっちかというとボーカルとかのが慣れててな。」

「あ、それはそれで良いかも!実際に聞いてみないと分からないけど一旦猫城ボーカルで!」

 

あ、マジか……地味にプレッシャーあるな。

 

「まずバンドの骨子ってドラムなんだけどさ、うちギターメインでドラムは正直まだ練習中なのね。

初心者に教えながらうちも練習しなきゃだと1ヶ月じゃ正直きつい。」

 

すると上鳴が思い出したと言わんばかりに勝己へと視線を向ける。

 

「あっ!つうかお前音楽教室に行かされてたっつってたじゃん!」

「あ?」

「え~!意外!」

「爆豪!ちょっとドラム叩いてみろよ!」

「誰がやるかよ……。」

 

まぁこいつはそう簡単に乗ってはこないか。

 

すると瀬呂がゲスい顔をしてドラム用のバチを持ってくる。

 

「か~な~りむずいらしいぞ~?」

「っ!…………。」

 

あ、反応した……こいつのプライドを良く分かってるな。

後で爆破されないことを祈っていよう。

 

すると勝己はドラムを手早く用意しリズム良く叩いて軽く演奏する。

 

「あぁ?」

「か……完璧……。」

「すげぇ……。」

「才能マンキタコレ!」

「爆豪ドラム決定だな!」

「はぁ?そんなくだらねぇことやんねぇよ俺は。」

 

勝己は興味ないとばかりに自室に戻ろうとしてしまう。

 

「爆豪お願い!

つうかあんたがやってくれたら良いものになる!」

「なるはずねぇだろ!」

「あっ……。」

「……あれだろ?他の科のストレス発散みてぇなお題目なんだろ?

ストレスの原因がそんなもんやって自己満以外の何だってんだ。

ムカつくやつから素直に受け取るはずねぇだろうが!!」

「あっ……あ……。」

 

…………確かにな。

特に勝己は出久に対してプライドをずっと傷付けられてきた側だ……こいつが一番他の科の気持ちに寄り添っているとも言える。

 

こりゃ、一筋縄じゃ行きそうにないな。

*1
なおジャンヌは俺達と同じ補習組である

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