こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが   作:クロマ・グロ

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32スレ目(現実パート)

 

 

 

 

「天使ネキェ………。」

 

俺は掲示板を見ながら音楽隊との合わせ練習をしていた。

 

「天使ネキ?」

「あぁ、いやこっちの話だ。

気にするな。」

 

それにしても練習はかなり順調に進んでおり、ドラムの勝己と歌及びベースの耳郎がすでに上手いのもあってかなり合わせがやりやすい。

 

そんなこんなで掲示板を確認しながら雄英の周囲の索敵及び合わせ練習を同時に行っているとなにやら外の方が騒がしい。

 

「ティータイム!!」

 

芦戸さんがそう言いながら寮へと戻ってきた。

というかまだ外で練習してそんなに時間が経ってないぞ?

 

「あぁん?」

「ん?あぁ、そういうことか。」

「あ?どういう事だ猫野郎。」

「いい加減名前で呼んで欲しいものだが……。

まぁお客さんが来たってことだよ、相手は子供だし怖がらせるなよ?」

「怖がらせねぇよ!?ぶち殺すぞクソが!」

 

そういうとこだっつの。

 

俺達も一旦練習を中断してリビングへと向かうとちょうどそこには壊理ちゃんと通形先輩、そして相澤先生がやってきていた。

 

どうやら校長先生からの提案で、突然文化祭に連れてくるよりも事前に見学をしておいた方が良いだろうという事らしい。

 

まぁ確かにそうだな、特に壊理ちゃんはいままでの環境が環境だったからこそいきなり文化祭っていうのもちょっと突然過ぎるだろうし。

 

そこで壊理ちゃんの学校見学に俺と通形先輩の二人が付くことになった。

 

幸い俺は天空のネコ置いとけば練習自体は壊理ちゃんを案内しながらでも出来るしな。

 

 

 

 

 

「今日は休日だけど全寮制になったこともあってたくさんの生徒が準備を進めてる。」

 

俺と通形先輩は今壊理ちゃんを連れて学校の三年生達の教室のあるエリアを進んでいた。

 

今回はヒーロー科以外の科が実質的な主役というだけあって特に気合いが入っている様子で何処もかしこも文化祭の準備で大忙しのようだ。

 

「あっ、通形じゃーん!」

「えっ!?子供!?」

「まさかその子お前の……!?」

 

すると通形先輩はとてつもなく朗らかに微笑み始めた。

この人わかっててわざとやってるな?

 

「いや何か言えよ!?ガチっぽいな!?」

「冗談は置いといて今年のI組はすげぇから絶対来いよ!君も!」

「行く行く!」

「かなり立派なフライヤーですね。

流石三年生……技術力が違う。」

 

ただ……フライヤーに描かれたイラストのサラリーマンチックなおっさんに関してはなぜこの絵を選んだのか少し気になった。

 

 

 

一通り校内を見て回ったあと俺達は今度は外の方での準備を見て回ることになった。

 

 

 

「そこのクギ取って!」

「ああちょっとそこビラ貼んないで!」

「いってぇ!?指打ったぁ!?」

「もっとそこをそう!そんな感じで……やらないか?」

 

「1ヶ月前とはいえすでにここまで出し物の準備が進んでいますか……俺達ももう少し装飾方面だとかの準備を進めるべきか?」

「みんな去年よりもすごいものを……Plus Ultra(プルスウルトラ)の精神で臨んでるんだよね。」

「成る程……っと、前見てないと危ないぞ。」

「あっすんません。

ってA組の猫城じゃねぇか!」

 

するとなにやら龍の首のような大道具を運んでいた生徒……鉄哲徹鐵(てつてつてつてつ)が俺の顔を見て驚いていた。

 

それにしても改めて考えるとすげぇ名前してるよなこいつ……。

 

そしてその裏から……。

 

「あれあれあれ?こんな所で油売ってるなんて余裕ですかぁ~?」

「物間……。」

 

壊理ちゃんの教育に悪いんだが……。

 

「壊理ちゃん、大丈夫か?」

「あの時のおっきな人かと思った……。」

 

おっきな人……壊理ちゃんは龍の首を見てるってことはそういうことか。

 

「リューキュウのことか?」

「おやおや無視かい?良いのかい?

A組はライブ的なことをするんだってね?

良いのかなぁ?今回はっきり言って君たちより僕らB組の方がすごいんだが!」

 

物間はそう自信満々にウザ絡みをしてくる。

こいつ壊理ちゃんいるの気付いてないのか?

 

「『ロミオとジュリエットとアズカバンの囚人~王の帰還~』!僕らの完全オリジナル脚本!

超スペクタクルファンタジー演劇!

準備しといた方がいいよぉ?

僕らに食われて涙する、その時のためのハンカチをね!!

アッハッハ!オッ!オッハハ!!」

 

とてつもなくゲスい顔して高笑いしていた物間だったがすぐに後ろからB組の泡瀬に木の棒によるフルスイングを頭に食らって気絶させられていた。

 

物間の指先には血文字でアワセというダイイングメッセージがしてあった。

 

「ごめんよA組、拳藤が居ねぇから歯止めが利かねぇ。」

「クラスの他の奴らにも伝えておこう……。

だがそれよりも一つツッコミをいいか?」

「なんだ?」

「…………その脚本の何処にオリジナリティが?」

「…………言うな。」

 

どうやらB組自身も自覚はあったらしい。

 

「それで?拳藤さんは結局どうしてるんだ?」

「あいつはミスコン出るのよ。」

「ミスコン?」

「そ、無理矢理エントリーさせられて。」

 

というかそんなもんあるの自体が初耳なんだが?

 

「物間じゃねぇけどお互い気張ってこうぜ!」

 

B組の二人はそう言うと気絶した物間を引きずりながら去っていった。

 

「いきなり雄英の負の面を見せてごめんよ壊理ちゃん。」

「ん?」

 

いやほんとだよ……。

 

「あ、そうだ!ミスコンと言えばあの人も今年は気合い入ってるよ!」

「あの人ですか?」

「去年の準グランプリ!波動ねじれさんだよね!」

 

そう言って俺と壊理ちゃんは波動さんのいるミスコンの衣装等がある専用の被服室へと連れていかれた。

 

「あっ。」

 

被服室に入るとセクシー系の衣装を来たねじれさんが個性で空中に浮かんでポーズを取っていた。

 

ミスコンとはいえここまでやるのか……すごい勇気がいるだろうに。

 

そして肝心の壊理ちゃんは波動先輩に見とれているのか唖然としていた。

 

「ねぇねぇ、何で壊理ちゃんがいるの?不っ思議~!

何で?何で?楽しいね!」

 

波動先輩、なんか話が繋がってないです。

 

「やっぱりねじれはセクシー系よりかわいい系だよ。」

「それで去年負けたろ?」

「先輩は俺が見てきた人の中でもかなり美人な方だと思いますけどそれでも準グランプリですか、ちょっと意外ですね。」

「そう!聞いて?聞いてる?

毎年ねー、勝てないんだよ!すごい子がいるの!

ミスコンの覇者!3年G組サポート科、絢爛崎美々美さん!」

 

相変わらずすげぇ名前……ってどっかで聞いたことがあるような無いような?

 

すると俺達に気付いたのか向こうから天喰先輩がやってきた。

 

「今年のミスコンにはCM出演で隠れファンが急増しつつある拳藤さんも出る。

波動さんも気合いが入ってる。

大衆の面前でパフォーマンスなんて考えただけで……。」

 

あれ?なんか天喰先輩の顔が真っ青に……。

 

「痛た……お腹痛くなってきた……。」

 

いや天喰先輩出ないだろが!?

 

「最初は有弓に言われるまま出てみただけなんだけど何だかんだ楽しいし悔しいよ!

だから今年は絶対優勝するの!最後だもん!」

 

…………強いな、この人は。

 

「出来るさ!」

「うん。」

「自分も応援しています。」

 

その後は毎度の如く波動さんからの質問責めのマシンガントークに付き合わされてかなりの時間が経ってしまっていた。

 

「さて、次は……サポート科!」

 

そう言って通形先輩は壊理ちゃんをサポート科のいる専用の教室へと案内する。

 

ただここって確か発目さんがいるから必然的にオトートも居るわけで…………。

 

「「「にゃ?」」」

 

…………予想通り部屋に入るとそこには全員共通して顔面がにゃんこと化していたサポート科一年生の面々が居たのだった。

 

 

…………帰っていいですか?

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