こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
文化祭当日のAM.8:15、俺は例のホームセンター付近で複数のネコを待機させて監視を行っていた。
途中出久が少しいそいそとした様子でホームセンターで買い物をしていた。
どうもあいつ時間ギリギリまで練習していたせいで若干遅れたらしい。
そしてAM.8:30……買い物を終えた出久が走って帰路に着いていると店舗から出てきたどう見ても不審者としか思えないファッションの二人組とぶつかりそうになる。
「おっと……。」
「あっ、すみません。」
「気を付けたまえよ?ゴールドディップスインペリアルの余韻が損なわれるところだったじゃあないか。
さぁ行こうラb……ハニー。」
…………はい黒、声帯認証で思いっきりこいつが引っ掛かった上に思いっきり今ラブラバって言おうとしてやがった。
「ハニー!?ええ、私はハニー……。」
「ゴールドディップス……?
へぇ……あの家、喫茶店か何かなのかな?
分かんないなぁ。」
すると推定ジェントルが何か引っ掛かったのか出久へと振り替える。
すると明らか過ぎる不審者が不審過ぎる動きでゆっくりと出久へと近付きながら話しかけてくる。
「ゴールドディップスインペリアルが何かを知らなければその発想には至らぬわけだが……ハァハァ……君、分かる人間かね?
幼いのに素晴らしい!」
…………マジで通報してやった方がいいやつかこれ?
「あの……僕はそんなに……友達が入れてくれたから知ってるだけで……。」
出久が思いっきり引いてるが……若干何かが引っ掛かってるような感じだな。
…………流石に出久も気付いたか?
「ほほう、そんな高貴な友が……!
良い……友人を持っているねぇ。」
「はい、人には恵まれて……。」
「素晴らしい事だ。
では失礼……。」
出久の雰囲気が一気に変わった。
警戒一色……どう見ても勘付いたな。
「待ってください。
…………ルーティーンって奴ですか?」
出久は荷物を地面へと降ろし、戦闘態勢を整える。
ハァ……致命的な隙を見つけて一気に仕留めるつもりだったんだがな。
俺はクラスの皆に悟られないように出久をさっさと連れ戻してくるとだけ伝えて本体を現場に急行させる。
いまだにバレていない天空のネコはもう少し待機させておこう。
あいつらの個性はまだ未知数だからな。
「ルーティーン?何の事かな?」
「動画見ました……。」
出久の言葉を聞いた不審者その一……いや、ジェントル・クリミナルがそのマスクとサングラスを外して目付きがヴィランとしてなそれに変わる。
「ラブラバ、カメラを回せ。」
「…………うちに手出すな!」
「察しの良い少年だ、ラブラバ予定変更だ。」
出久が個性を発動して身体強化の特徴である外にまで漏れ出る雷のようなエネルギーが見える。
「これより何があろうともカメラを止めるな。」
「もちろんよジェントル!
でもでも戦うの?ここで?果たして得策なのかしら?」
「リスナー諸君、これより始まる怪傑ロマン……めくるめからず見届けよ!
私は救世たる義賊の紳士、ジェントル・クリミナル!」
…………?
奴が変装を脱いだら周囲の空間に妙な歪みが?
周辺の空間に影響を与えるタイプの個性か?
「予定がずれた、ただいまいつもの窮地にて手短にいこう。
今回は……"雄英入ってみた"!」
「キャー!」
カメラに向けて若干無理にポーズを取っている為にプルプルとしている。
あのやろう……バカにしてやがるのか!
俺達が大事に守ってきたもの……力をあわせて作ろうとしているものをそんな下らない事で踏みにじるつもりか!
俺は目標の近くに到着してから全身に狂乱の波動を纏わせる。
狂乱解放25%……!!
「
俺は頭部と指部に狂乱の波動を集中し、肉体に回していた分を一気に集中する。
背部にも狂乱の波動を注ぎ、翼を展開する。
大きく飛翔して上空から奴に向かって狂乱のブレスを吐き、それを切り裂いて全身に更に纏わせながら突撃する。
ちょうど文化祭の練習の合間に思い付いた新技だ。
内から常に出し続ける出力には限界があるが既に攻撃に使ったものを回収した纏うくらいなら問題ない!
「っ!ジェントル!」
「むぅ!?」
「な、なんだ!?」
チッ!直前で気付かれて避けられたか!
「その黒いモヤ……!猫城君!?」
それにしても今突撃と同時に何かを切り裂いたような感覚がした。
何を切った今?
「外套脱衣のついでに張らせて貰ったが一撃で破られるか……これは相性が悪い。」
「僕も……!ガッ!?」
「っ!」
出久が俺に続いて突っ込むとまるでストッキングか何かに阻まれて引っ張られているように変な表情で全身の動きが空中で止まっていた。
「おや?私のリスナーであれば知っている筈だが?
私の個性は
例えそれが空気だろうと。」
っ!空間が歪んでるように見えたのはそれが原因か!
こいつは出久との相性があまりにも悪すぎる!
「ジェントリーリバウンド!」
「あっ!?」
出久が自分が突っ込んだ時の勢いを反射されてかなりの勢いで後方へと吹き飛ばされた。
「暴力的解決は好みじゃない。」
「えぐいくらい暴力的よジェントル……。」
「私も驚きと混乱のさなかさラブラバ……。
即ち、それ程のスピードとパワー……見かけによらず恐ろしい。」
出久の奴……何メートル吹っ飛ばされやがった?
仕方ない、俺とにゃんこでどうにかするしかないが下手に遠距離攻撃をしても弾かれるな……。
爪と牙でどうにかするしかない……。
「更には私と相性の悪い凄まじい鋭さの斬撃が得意なヒーローのタマゴ……。
申し訳ない少年達!私は行く!」
するとジェントル達がこちらに見向きもせず後方……つまり雄英へと向かって猛ダッシュをし始めた。
「逃ガスかァァァァァァァアアアアアア!!!!!」
「謝るなら学校に手を出さないでよ!」
天空のネコ!奴の前方に一斉発射!!
「「「にゃぁぁぁぁぁああああ!!!!」」」
「そいつは出来ぬ相談!」
っ!出久に反応して反転しやがった!これじゃ天空のネコの攻撃は当たらない!
「ジェントリートランポリン!」
地面に手を触れたってことは今度は地面に弾性を付与したか!
『天空のネコ!回避行動!』
『『『にゃー!』』』
「うわぁっ!?」
弾性を付与された地面をかなり強く踏み抜いた出久は上空に大きく吹き飛ばされ……あ、まずっ。
「ぎゃっ!?」
地面へとぶつかった天空のネコのエネルギー弾が弾かれて出久へと吸い込まれるように直撃した。
地面にも付与してくるとなると常に浮いた方が良さそうだ。
「竜爪射出!」
俺は両腕を大きく振ると同時に狂乱の波動で作られた爪をパージしてブーメランのように発射する。
「おおっと!?」
だがジェントルは地面を大きく跳び跳ねて俺の発射した爪を回避する。
こいつ……かなり戦い慣れしてる。
「学生の頃は私も行事にいそしんだよ。
君達も懸ける思いがあるのだろうが私もこのヒゲと魂に及びはしまい。
この案件は伝説への大いなる一歩……邪魔しないでもらいたい!」
「こっちは、ヴィランに人生の何もかもを奪われた少女に……それに俺達が襲われたせいで割を食った他の科の奴らの為に頑張ってんだ!
こんなところで台無しにされて……皆の努力を無かったことにされてたまるか!!」
俺は全身の狂乱の波動を操作してハリネズミのように無数のトゲを生やして発射しながら突撃する。
流石に貫通力が若干低いせいで弾性を付与された空気に弾かれてはいるがそれを俺が切り裂くことで徐々に距離を詰めていく。
こんなところで文化祭を台無しにされてたまるか!!