こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
俺は貫通力と機動力の両方に特化した形態へと変化する為に全身のトゲを一旦解除して極力空気抵抗を受けにくい鋭くも流線的なフォルムをイメージして姿を変化させる。
翼も先程までのネコムートと同じタイプから槍のような形態へと変化させ、その後方に口を新たに作り出す。
モン○ンでいうバルフ○ルクをイメージした形態だが今は兎に角スピードと弾性を破る程の貫通力が欲しい!
「ジェントル、思い出したわ!あっちの流れ弾喰らった方が緑谷出久君。
体育祭で腕を壊しながら戦ってたクレイジーボーイだわ。
それに今相手している物凄く相性悪い方が猫城釜戸君よ!
体育祭で見た時と全然違う見た目だし全く違う力を使ってるから気付けなかったわ!」
「狂気……関わるべきじゃないな。
だがこちらの猫城釜戸とやらはそう簡単に逃がしてはくれなさそうだ。
彼らが根回しを済ませる前に案件を完遂させたいが……。」
俺は突撃する為にクラウチングスタートのような四足形態となり、両翼後方に作った口から狂乱のブレスを吐き始める。
ぶっつけ本番だから不安も大きいがやるしかない!
「
俺は一気にブレスの出力を上げて突撃形態になり急加速をする。
「むぅ!?ジェントリーリバウンド!」
「無駄だ!」
俺はブレスの噴射の勢いを利用して貫通力を更に増した爪を前方へと向けて弾性の付与された空気へと突っ込む。
一瞬だけ減速はしたがすぐに貫通してジェントル・クリミナルへと向かっていく。
「ラブラバ!」
「ええ!」
だがやはり地面をまたトランポリンのようにして大きく跳躍することで避けられる。
この形態は速さはあるが小回りは利かない……上や横に一気に移動されると流石に避けられるか!
ってあの野郎やっぱり空中でもジャンプ出来るのか!
空中で地面となる空気に弾性を付与して上空へとどんどん移動……いや、雄英へと向かってやがる!
「リスナー諸君!雄英入ってみたはこれよりタイムアタックへ移行する!」
すると俺の天空のネコの流れ弾を受けた筈の出久がジェントルに向けて指を……ってさっさと回避しないと俺も巻き込まれかねないな。
「ジェントル・クリミナル!!」
すると出久が指を弾く前に腕に付けていたサポートアイテムが変形して筒状になって出久の拳を覆った。
「デラウェアスマッシュ・エアフォース!!」
そして出久が指を弾くとその風圧が指向性を持って発射されてジェントル・クリミナルへと高速で直撃した。
あいつ!サポートアイテム込みとはいえ力をもうそこまでコントロール出来るようになったのか!
「ぬあっ!?く、空気砲だと!?」
「っしゃー!」
「キを抜くナバか!威力が弱イ!」
「その通り!私を止めるにしかず!私はめげっない!」
俺は急速旋回用の口を複数方向にいくつか作り、ジェントルへとまた急接近する。
かなり肉体への負担が強い上に若干無理して出力を上げてるせいで結構精神への汚染を押さえるのもギリギリだ。
俺はひとまず個性が不明なので下手に狙わなかったが出久がジェントル・クリミナルを狙って急接近するのを確認して隣のラブラバと呼ばれる奴へと突っ込む。
「ぬぁ!?」
「きゃっ!?」
「懸ける思いはみんな同じだ!」
「そいつは失敬!!」
不味いな工事現場に直撃して建物が崩れるのだけは避けたい。
俺は尻尾で出久を軽く誘導して下手な場所に直撃しないように移動させる。
「う……うぐ……ジェントル……。」
ひとまずラブラバとやらは少なくとも戦闘行為が出来るような力は無さそうだ。
一旦俺は猫しばりを出してこいつを縛らせ……変な縛り方しても困るから俺が感覚共有して縛っとくか。
「まさしくこれは不測の事態。」
「はっ!」
出久はセメントの粉が撒かれて出来た煙幕の中にいるジェントルを見つけた。
どうやら着地に失敗して拘束出来てなかったらしい。
「しかし私は動じないハハハ……。」
「なんでその感じでいられるんだ!?」
…………鉄筋に服が引っ掛かってぶら下がってるじゃねぇか。
出久も珍しくツッコミをいれてるな。
「必ず企画を成功させるその覚悟がある!
紳士は動じたりしないのさ!
そう!私はジェントル・クリミナル!」
思いっきり冷や汗かいてるがな……。
色々とアホな部分は目立つが戦闘及び回避、逃走能力はやたらと高い……さっさと決めたい所だが。
「紳士なもんか!雄英にちょっかいかける気なんだろ?
……何するつもりだ?」
出久は指を構えながら情報を引き出す為に質問をしている。
俺は狂乱の波動をこっそりと影に潜めながら広げてジェントルへと少しずつ向かわせる。
そのまま時間を稼げよ出久……。
「フッ、何をするつもり……か?
いやホント
拐ったり刺したりしようなどとは考えちゃ居ないのだ。
ただ私は君達の文化祭に侵入するという企画をやりたいだけ……見逃したまえ少年達。」
「命乞いしてるゥー!?!?」
む……ラブラバとやらツッコミを居れるだけの気力はあったか。
「警戒態勢で臨んでるんだ分かるだろ!
侵入する前に貴方みたいな人が見つかった時点で警報は鳴らされる!
文化祭は中止になって逃げ場は無くなる!諦めてくれ!」
「ほほう、それならば心配ない。」
「我が相棒が警報センサーを無効化する算段……ラブラバ!?」
ってこいつ相方が既に拘束されてるのに今気付いたのかよ。
「だがラブラバが警報は無効化すれば中止にもならない、私達も企画成功……ウィンウィンの関係じゃないか。」
「そんなのもっと大問題じゃないか!」
「確かに。」
「論破されてるゥー!?!?」
何がしたいんだこいつ……。
「そう、それがまさに私の企画。
面倒な事になる前にそろそろ向かいたいのだが……。」
「もう通報してある!ヒーロー、警察が来るまで僕が足止めする!」
…………ブラフか。
今の状況でそんな事をすれば確実に文化祭は中止だ。
出久がそんなことをする筈もない。
あと少し……あと少しで拘束出来る。
「平行線だ。
紅茶の余韻が残る間に眠って貰おう雄英生!」
「残念ながらもう終わってるんだよ!」
「何!?」
俺はジェントルの引っ掛かってる部分の鉄骨まで伸ばした狂乱の波動を操作して一気にジェントルを拘束する。
かなり繊細な制御をして極力気付かれないように仕込んだからけっこう気力が削られた……。
「ぬぅ!?」
「ジェントル……こうなった以上は。」
「ラブラバ……すまないね。」
「抵抗するな、もう諦めろ。」
俺は建物が耐えれる程度にネコジャラミ達を出撃させてジェントルへの拘束を強める為に向かわせる。
「ジェントル……愛してるわ。」
「……ありがとう。」
するとジェントルの体からピンク色の雷のような何かが一瞬走る。
ラブラバの個性か!気絶させるまで殴るべきだったか!
「な、なんだ?」
「ぐ……ぐぬぬぬぬ……や、破られる!?
ネコジャラミ!!早く!」
ジェントルからピンク色のオーラが溢れ始めて凄まじい程のパワーが奴の身体から発揮され始めた。
狂乱の波動で出来た拘束を破る程の力……どれだけ強化すればこうなる!?
「悪いな少年達……!」
「がっ!?」
くそ!拘束を千切られた!?
それになんつう速さだ!?
「力ずくは好みじゃないからこういうシーンはいつもカットしているんだ。
しばらく眠っていてくれたまえ……何!?」
俺は強化されたジェントルの一撃の直撃を受けたが全身に薄く張り巡らせた狂乱の波動によってダメージがかなり軽減された為になんとかギリギリではあるがしっかりと押さえ込んだ。
「まだ……母さんの強化の方が強いな。
この程度で俺は倒れねぇ!!」
「なっ!?」
「頼むから止まってくれ!」
「さっさと倒れやがれ!!」
俺達は二人で凄まじい強化を受けたジェントルを相手する。
流石に2:1だから優勢……と言いたいがけっこうギリギリだなこれ……強化された出久と同レベル以上のパワーに機動力。
いや、弾性を込みで考えれば機動力はそれ以上か!
「ジェントル……ごめんなさい、ごめんなさい……愛が……私の愛が足りなかった!」
「君の思いが足りないなど誰が証明できよう!
ジェントリーサンドイッチ!」
チッ!出久が複数の空気膜で地面に押さえつけられたか!?
「サンドイッチは薄いほど上品とされる食べ物である。
幾重にも重ねるのは好みじゃない。
しかしそれでも成し遂げたい中年の淡い夢だ。
歴史に!後世に!名を残す!!
この夢、もはや私一人のものではない!
今日は偉業への第一歩……諦めろと言われて諦められるほど軽くはない!
君達も雄英生なら夢に焦がれるこの思い、お分かりいただけよう!」
「ソレガ多数の人々の楽しミを!!夢を!!努力を!!
全て踏みにじってモか!!」
「なんで!そこまで分かっててなんで文化祭だ!
なんでみんなの思いを踏みにじれるんだ!」
俺は怒りのあまり出力がオーバーしてしまう。
だがこの程度!!あの時に比べれば!!
「それはもう!そういうもんだろう!」
「夢の為なら人の頑張りもそこに懸ける情熱も!
笑い方を知らない女の子の笑顔も奪えるのか!?」
「それが……夢を叶えるということだ!」
「チガウ!ソれはタダの傲慢で強欲ナ悪意その物だ!」
「芯がないと嘲笑うがいい!それでも結構!
私は……!」
「フザケルナ……!そんナモん……!」
「笑わないよ……!ジェントル・クリミナル!」
クソッ!二人で対抗してギリギリ押すのが限界か!
「勝って!ジェントルぅぅぅぅぅううう!!!」
「クソッ!出力が……!」
「うう……君達は……何のためにヒーローを志す!」
「同じだ……ジェントル!もう……僕だけの夢じゃない!
身の丈に合わない夢を……心の底で埋めて諦めてしまってた夢を……笑わないでいてくれた認めてくれた皆に答えたい!
辛い思いをしてきた人に未来を……明るい未来を示せる人間になりたい!」
「オノレニ……ミンナニ対スル運命二!理不尽二!簡単二負ケテチャコノ世界ジャモウ生キラレナインダヨ!!
ダカラコソ……コンナ理不尽二負ケテイラレルカァァァァァァァァァァァアアア!!!!」
「同じ……か。
恥も外聞も……流儀も捨てて君達を断つ!」
ジェントルが俺達に向かって空中から突撃してくる。
まっすぐに叩き潰すつもりなら!!
「シュートスタイル……セントルイス・スマァァァシュッ!!!」
「
俺は全波動を拳に込めて、そして出久は渾身の蹴りをジェントルへと同時に叩き込んだ。
「ぐふっ!?」
ようやく……倒せたか……クソ……さっき放送もしてたし時間的にもう文化祭は始まっちまってるな……。
急がねぇと……。
「これまで戦ってきた誰より戦いづらかったよジェントル……。」