こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
夕方、文化祭が終了した。
ミスコンの方は波動先輩が優勝し、他のクラスの皆もほぼ全ての出し物を回ってかなり楽しめていた。
特に壊理ちゃんなんかは終始ずっと笑顔になってくれていた為にこちらとしても頑張った甲斐があった。
俺と出久は今壊理ちゃんを見送る為に通形先輩、相澤先生と共に校門まで来ていた。
「今日はありがとう!楽しかった!」
「うん……。」
やはり壊理ちゃんはかなり名残惜しそうにしている。
あれだけ楽しんでいたもんな……仕方ないよな。
「壊理ちゃん、サプラーイズ。」
すると出久がいつの間に用意していたのかリンゴ飴を取り出して壊理ちゃんに渡した。
「リンゴ飴!?売ってた!?俺探したよ!?」
そう、壊理ちゃんがリンゴが好きだと言うから通形先輩はずっとリンゴ飴の屋台が無いか探していたのだが結局今回の出し物にはリンゴ飴の屋台は無かったのだ。
「プログラムを見て無いかもと思ったんで買い出しの時に材料買っといたんです。
作り方意外に簡単で食紅だけコンビニには無かったんで砂藤君に借りて。」
「まあ近いうちにすぐまた会えるはずだ。」
壊理ちゃんは渡されたリンゴ飴をかじるとまたニコニコとした可愛らしい笑みを浮かべる。
「フフフ、更に甘い!」
まぁ甘いもんに甘いもん足してるからな。
「また作るよ!楽しみにしてて!」
「うん!」
「んじゃまぁ俺からもサプライズだな。」
俺は体内からかぐや姫を取り出して壊理ちゃんの頭に乗せてあげる。
「にゃー。」
「この子……?」
「壊理ちゃんが見てた俺のにゃんこの中で一番反応が良かったからな。
良ければ一緒に居てやってくれ。」
「かわいい!うんっ!大事にお世話する!」
すると壊理ちゃんはリンゴ飴が付かないようにしながらかぐや姫を抱き締める。
やっぱりペット的なのは結構ちっちゃい子には良いご褒美になるみたいだな。
「猫城、さすがに護衛のネコジャラミは問題なかったが個性の一部の譲渡は色々と手続きがいる。
後で職員室に来い、必要な書類を渡してやる。」
あぁ……まぁそうなるか、仕方ない。
「分かりました。」
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文化祭が終了し、11月に差し掛かった頃。
俺達は相澤先生に寮の応接室に一度呼び出されたんだが……。
「雄英で預かることになった。」
そこには水色のワンピースを着て現在進行形で髪型を色々と波動先輩に弄られながらもかぐや姫をだっこしている壊理ちゃんと何故か壊理ちゃん達のいるソファーの後ろで腕を広げている通形先輩、そしてその後ろに控えた天喰先輩という……もうどこからツッコメば良いのかわからない状況に陥っていた。
「近いうちにまた会えるどころか!?」
出久もあまりの状況にツッコミを入れている。
「よっ。」
「わぁ、壊理ちゃんやった~。」
「私、妹を思い出しちゃうわ!よろしくね。」
「よろしくお願いします。」
ん?壊理ちゃんずいぶんと流暢になってきたか?
「どういった経緯で?」
出久がそう聞くと相澤先生は付いてこいと良い、壊理ちゃんと波動先輩を残して一旦寮の外に出る。
「いつまでも病院って訳には行かないからな。
壊理ちゃんは親に捨てられたそうだ。
血縁に当たる八斎會組長も長い間意識不明のままらしく現状寄る辺がない。」
ついでにいえば普通の家庭に置くにしてもこの子の個性が問題になるって訳か。
「そんでね、先生から聞いたかも知れないけど壊理ちゃんの個性の放出口になってる角。」
「はい、縮んでて今は大丈夫って聞きました。」
「僅かながらまた伸び始めているそうなんだ。」
……なんか違和感があると思ったがそれか。
「力を蓄積するタイプの個性って訳ですか。」
「おそらくな。」
「じゃあ……またああならないように?」
「そういうことだ。
で養護施設じゃなく特別にうちが引き取り先となった。
教師寮の空き部屋で監督する。
様子を見て強大すぎる力とのつきあい方も模索していく。
検証すべきこともあるし……まぁ追々だ。」
「相澤先生が大変そう。」
まぁ相澤先生しか壊理ちゃんの対策になる人も居ないからな。
とはいえ……。
「相澤先生、俺のにゃんこ達貸しましょうか?」
「ちょうど俺からも頼もうと思っていた。
何を借りることになるかは後で相談させてくれ。」
「分かりました。」
「忙しいだろうけど皆も顔を出してよね?」
「もちろんっす!」
「もちろんです!」
「えぇ、当然です。」
「早速で悪いが三年、しばらく頼めるか?
猫城はひとまずでいいからネコナースを借りるぞ。」
「分かりました。」
あぁーまぁ、意志疎通できるやつの方が当選良いわけか……。
「僕らも良いですか?」
「A組は寮へ戻ってろ。
この後、来賓がある。」
来賓?
寮へと戻った俺達は結局夜になるまで一旦寮で待機となっていた。
「…………ヘップショイ!?」
「風邪?大丈夫?」
「いや、息災、我が粘膜が仕事をしたまで。」
「何それ?」
「うわさされてんじゃね?ファン出来たんじゃね?
文化祭の時の"八百万!"みたいな。」
「茶化さないでくださいまし!ありがたいことです。」
常闇のくしゃみとか地味に珍しいのを見たな。
鳥形の頭だとあんな感じなんだな。
それにしても確かにあの時の八百万コールは凄かったな。
「常闇君はとっくにおるんやない?
だってあのホークスの所インターン行っとったんやし。」
「いいや、無いだろうな。
あそこは速すぎるから。」
「んん?」
あぁ……移動速度に着いていけないわけか。
そんなこんなで雑談していると玄関の方からノックする音が聞こえてくる。
「来たぞ皆、お出迎えだ!」
そうして玄関の扉を開けてみると……。
「煌めく眼でロックオン!」
「猫の手手助けやってくる!」
「何処からともなくやってくる!」
「キュートにキャットにスティンガー!」
「「「「ワイルドワイルドプッシーキャッツ!!」」」」
「プッシーキャッツ!お久しぶりです!」
そう、来賓とはプッシーキャッツの四人……って虎さんの私服姿なかなかインパクトあるな……。
「元気そうね!キティー達!」
手土産も持ってきてくれたらしく、数人がプッシーキャッツに群がっている。
ただ虎さんは申し訳無さそうに勝己と俺の方へと向いた。
「あんときゃ守りきってやれずすまなんだ。」
「ほじくり返すんじゃねぇ。」
「あの時は俺の注意不足もありましたし仕方ないですよ。」
「うちら大丈夫っすよ、ねえ?」
そういって葉隠さん達の方へと向いた耳郎さんだったが……。
「「「肉球まんじゅう!肉球まんじゅう!」」」
話聞いてねぇ!?
っていうか葉隠さんが興奮しすぎて巨神ネコ化してる!?
「どうぞ、中へ。」
「あぁいいの、お構い無く。」
「B組にも行かなあかんし……。」
「あっ……。」
すると出久がプッシーキャッツの後ろに着いてきていた一人の子供を見て目を輝かせる。
「洸汰君!久しぶり!
手紙ありがとうね!宝物だよ!」
「別に……。」
「緑谷君見てよ。」
マンダレイが玄関に置いてある靴を指差す。
そこには出久があの時履いていた物とかなり似ている赤いシューズがあった。
サイズからして洸汰君のものだろう。
「自分で選んだんだよ、"絶対赤だ"って。」
「ああー!ち……違……!?」
「お揃いだ!」
「あっ……ん……。」
あぁ……まぁこういうのの暴露はこっぱずかしいもんな。
「しかし……また何で雄英に?」
「復帰のご挨拶に来たのよ。」
「復帰?」
「それはおめでとうございます!」
「皆さん復帰したんですか!」
そんなこんなで雑談をしているとヒーロービルボードチャートの話になっていった。
そういやオールマイトが引退したから色々と変動が起きるのか……あまり混乱が起きないと良いんだがな。