こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
「邪魔虫?どういうことなんだよ先生。」
「ぶっ殺す……!」
「いや殺しちゃダメだろ。」
他の生徒達が色々と疑問に思っている中先生は続ける。
「猫城、今回お前は指揮役となるネコ一匹と兵隊となるネコを30匹、フィールドに放ってもらう。
感覚共有は指揮役にのみ許可する。
お前の役割はA組B組双方の妨害だ。
お前がどれだけ他の奴らの邪魔をしたか、そしてその指揮がどれだけ有効だったかを見させてもらう。
そしてお前らA組B組の双方は指揮役以外のネコ達を倒してしまった場合減点とし、指揮役を倒した場合は勝敗には関係しないがそのチームの評価を加点し指揮下のネコ達は動きを止める。
先程も述べたが勝敗には猫城の指揮役の有無は関係ないから無視しても構わん。
ただひたすら邪魔をしてくるからそれを掻い潜って相手を倒せ。」
これまた随分と複雑な状況を想定してきたな。
恐らくだが先生達は昔とある事件を引き起こしたヴィラン……ディクテイターのような個性持ちを想定した上での第三勢力ありの三つ巴の戦闘をコンセプトにしてきている。
どちらかというとメインは三つ巴での戦闘であり、俺というお邪魔虫は他の奴らの判断力を見極める為のものなんだろうな。
「先生!質問よろしいでしょうか!」
「なんだ飯田?」
「今回の訓練……猫城君の第三勢力としての参戦はどのような状況を想定しての訓練なのでしょうか!」
「あぁ、お前らは無血開城事件は知っているか?」
「無血開城事件といえば確か5年前、シールドヒーロー"クラスト"が解決した被害者0で終わったあの事件ですよね?」
相変わらず出久のヒーロー知識は凄まじいな。
ほぼノータイムで答えたぞ。
「その通りだ緑谷。
そしてその時の事件のヴィランの個性は覚えてるか?」
「確か無血開城事件の時のヴィランはディクテイター。
その個性は"独裁"……っ!そういう事ですか!」
「あぁ、個性"独裁"は複数の人々をその個人の意思関係なく操る個性。
こんなレベルの個性持ちがそう何人もいるとは思いたくないがヴィラン連合はまだ色々と判明していないことも多い。
備えあれば憂いなし、警戒することに越したことはないからな。
そういうわけで猫城の指揮役は他人を操る個性持ちとして特殊能力のない物理的な能力のみのネコ限定とする。
配下のネコは余程強力な能力持ちじゃない限り何を選んでも構わん。」
そうなると大型ユニットのにゃんこは指揮役のみ、残りは全て小型にゃんこ30匹で構成……結構条件はキツイがゲームでも最大出撃数制限はあったからな。
大型のにゃんこはどれも妨害能力がついてしまう事が多いからちょっと人選が難しいな。
なら狂乱の波動の制御も込みで考えて狂乱のネコシリーズで行くか……それぞれに回す波動の分量を減らせば31匹くらいならなんとかギリギリ制御は可能だ。
「先生、ちょっといいですか?」
「ん?なんだ?」
俺は先生達の所へと向かい、他の生徒達に聞かれないように耳打ちする。
「…………若干グレーゾーンだが同じ個性の延長線上の能力として見ても良いだろう。
合理的ではあるが制御は問題ないんだろうな?」
「恐らくギリギリ可能です。
それにこのくらいの困難は乗り越えないとですから。
plusUltraプルスウルトラですよ。」
「分かった……だが少しでも制御しきれてなかった場合俺たちが取り押さえられるように準備はさせてくれ。」
「わかりました、むしろこちらこそお願いします。」
俺としてもコレのお陰でかなり制御に集中することが出来る。
ありがたい話だ。
狂乱の波動を付与したにゃんこの複数運用はまだまともにこなせていなかったからなぁ……リスクも大きかったし。
それに貴重な指揮能力の訓練なのもあって俺にとっては至れり尽くせりと言えるだろう。
「さて、話の続きだが心操は今回2回参加させる。
A組チーム、B組チームそれぞれに1回ずつ、つまり5試合中2試合は5:4の訓練となる。」
「そんなん4人が不利じゃん!」
「ほぼ経験のない心操を四人の中に組み込む方が不利だろう。
5人チームは数的有利を得られるがハンデもある。
今回の状況設定は少々特殊だが如何にして
四人捕まえた方が勝利となる!」
「ヴィランも組織化してるっていうもんね。」
「結構
「うぉぉぉぉおおお!?!?
ヒーローであり相手にとってはヴィラン!?
どちらになりきればいいのだ!?」
「ヒーローでよろしいかと。」
天哉……悩むところが違うっての……相変わらずクソ真面目か。
「双方の陣営には激カワ据置プリズンを設置。
相手を投獄した時点で捕まえた判定になる。」
「緊張感よ!?」
なるほど……つまりは牢獄に入れられない限りは復帰するチャンスはあるという訳だ。
それはそれとして激カワにする意味あるのかこれ……。
「自陣近くで戦闘不能に陥らせるのが最も効果的。
しかしそう上手くはいかんですな。」
「四人捕まえた方……ハンデってそういうことか。」
「え?」
「あぁ慣れないメンバーを入れること、そして5人チームでも4人捕らえられたら負けってことにする。」
「お荷物抱えて戦えってかくそだな!」
「ひでえ言い方やめなよ。」
勝己……言いたいことはわかるがもう少し取り繕え……。
「いいよ事実だし。」
「徳の高さで何歩も先行かれてるよ!?」
すると先生達は何処から持ってきたのか『Lots A』と書かれた赤い箱と『Lots B』と書かれた青い箱を取り出す。
「じゃ。」
「くじな。」
ほんとここの先生方くじ好きだな。
結果としてチーム分けとしてはこうなった。
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《A組》Aチーム
蛙吹梅雨・上鳴電気・切島鋭児郎・口田甲司
VS
《B組》Aチーム
塩崎茨・宍田獣郎太・円場硬成・鱗飛竜
《A組》Bチーム
青山優雅・常闇踏陰・葉隠透・八百万百
VS
《B組》Bチーム
黒色支配・拳藤一佳・小森希乃子・吹出漫我
《A組》Cチーム
飯田天哉・尾白猿夫・障子目蔵・轟焦凍
VS
《B組》Cチーム
回原旋・角取ポニー・鉄哲徹鐵・骨抜柔造
《A組》Dチーム
砂藤力道・耳郎響香・瀬呂範太・爆豪勝己
VS
《B組》Dチーム
泡瀬洋雪・鎌切尖・取蔭切奈・凡戸固次郎
《A組》Eチー厶
芦戸三奈・麗日お茶子・峰田実・緑谷出久
VS
《B組》Eチーム
小大唯 ・庄田二連撃・物間寧人・柳レイ子
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となった。
「心操、引け。
それぞれ引いたくじのチームに入れる。」
その結果心操はA組AチームとB組Eチームに入ることになった。
「あんな事言ってたけどさ、仲良くやろうぜ!よろしくな!」
「個性の詳細を教えて!」
「モテる面だ、モテるだろ?俺には分かる。」
「よろしく。」
上鳴、お前何聴いてるんだよ……。
「君いいよ!いいよ君ィ!
共に憎きA組をぶちのめそうじゃないか!」
「彼の過ぎた言葉は気にしないでくれたまえ。」
「よろしく。」
「よろしくねぇぇえええ!」
B組Eチームか……図らずも出久とは体育祭以来の再戦ってわけか。
「力をつけた心操君!どうするのか楽しみだ!」
出久……やっぱり持ってきてたんだなそのノート。
麗日さんも何処から出したかツッコんでるぞ……。
俺達はその後先生達の指示に従いそれぞれ待機場所や戦闘訓練を行う場所へと移動していく。
俺の本体は状況を見極める為にフィールドの端で待機となり、上空に特別に感覚共有を許された視覚となる狂乱のネコUFOを配置している。
ただこっちに関してもハンデをもらっていて狂乱のネコUFOは戦闘への参加は不可であり、A組、B組どちらかに無力化された場合復帰させてはいけないとのことだ。
つまりコイツが潰れるのだけは割と本気で不味い。
更にコレも戦力の一つとして入れられており、実質俺の指揮下にあるにゃんこは29匹となった。
『スタートは猫城以外は自陣からだ!制限時間は20分!』
『時間内に決着がつかない場合は残り人数の多い方を勝ちとする。』
俺は先生側から何処に2つのチームの自陣があるのかは知らされていない為に中央を見渡せる位置に布陣する。
『じゃあ第一試合!』
『ノリノリだな。』
『スタァァァト!!!』
試合開始を通達するサイレンが鳴らされた。