こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが   作:クロマ・グロ

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34スレ目(現実パート6)

 

 

あれから俺達はなんとか試合時間限界まで妨害を続け、確保された人数から第一試合はA組の勝利となった。

 

「「「「時間限界まで妨害されまくった……。」」」」

「ケロ……上空にいた偵察用のにゃんこになかなか気付けなかったのが痛かったわね。」

 

そう、実は試合の後半で上空からの索敵に使っていた狂乱のネコUFOが確保されてしまい、こちら側の索敵が難しくなってしまい妨害がしきれなくなっていたのだ。

 

正直今回の試合は前半はともかくとして後半はかなり反省点が多かった。

それに狂乱の波動の闘争本能がやはり厄介でちょくちょくこちらの指示を無視してしまうためにどれだけ途中で発散させるかが肝になっていた。

 

今回は比較的わかりやすい奴らが多かったが葉隠とかの隠れるのが得意なやつや空中への飛行が可能な奴らへの対処は編成的にかなり難しい。

 

ただ試合の途中で宍田が鋭児郎との正面衝突を避けて塩崎へと投げ飛ばすというのを見てから一つ思い付いた事もあり、個人的にはかなり収穫のある試合だった。

 

「第一試合の反省点を述べよ。」

「相手にけんかする気がねぇと俺の個性は役立てづれぇ。

本番だったら塩崎に捕まった時点でぶっ殺されてる……!

それに遠距離から強力な波状攻撃をされちゃ近付く事もままならなかった。

受ける事に慣れすぎていて避ける事を疎かにしちまった……。」

 

そう、鋭児郎の致命的な弱点はそこにある。

確かに正面切っての殴り合いや攻撃を防ぐ防御力という面で見ればこいつは凄まじいポテンシャルを秘めているが誰もがまともに正面戦闘をするとは限らない。

それに受ける事を意識しすぎているせいで波状攻撃を受ければ避けれずにそのまま受け続けて簡単に動きを封じられてしまうのだ。

 

「虫達にもっと細やかな指示が出せるようにならないと……。

それに正面戦闘もそうだけど囲まれた時にどうしても皆の足を引っ張ってしまいました……。」

 

口田は索敵面やサポート面なんかでは特に優秀ではあるが個人での戦闘能力は低い為に集団行動をしている際に狙われるとどうしても他の味方からの援護が無いと難しくなってしまう。

個性に関しても自分を守らせるといったような事をしたくても適した動物が少ないというのも痛い点だ。

 

まぁにゃんこを操られかねないから徹底的にマークさせて貰ったけど。

 

「まさか電気で怯まねえ奴がいるなんて考えても無かった。

こればっかりは相性の問題もあっけどそういう奴への対処法も学ばねぇと……。」

 

上鳴の個性は確かに強いが俺のにゃんこは基本的に一定量のダメージを受けないと怯みもしないためにダメージを無視しても突っ込まれた場合がどうしても弱い。

 

それに電撃というのは実は比較的対策されやすく、一度見せてしまうとそれ以降は決めるのがかなり難しくなってしまうのだ。

 

「口田ちゃんと切島ちゃん……後半で二人を失ったこと……。

誰も欠けること無く勝ちたかったわ。

特に猫城ちゃんのネコドラゴンちゃんの炎でかなり動きを制限されたのが痛かったわ。

もっと乾燥や熱に対する対策をしないと……バタバタしちゃった……。」

 

蛙吹さんは舌による拘束や壁に張り付き立体的な動きを可能とするのが厄介ではあるがカエル故に致命的な弱点となる急激な温度の変化や高熱による乾燥それに舌を掴まれれば振り回されかねないという弱点も抱えている。

蛙吹さんは他人との協力を封じられた場合がかなり厳しくなるだろう。

 

「捕縛布……教わった事の一割も実践出来なかった。

それに理性を失って暴れている奴への対処がかなり難しかった……悔しいです。」

「いきなり出来たら苦労しない。

それを使いこなすのに俺で6年かかっている。

その悔しさを忘れず次も臨め。」

「……はい。」

 

心操の個性は確かに初見殺しな上に凄まじい能力を誇るが明確な弱点もあり、そもそも返事を出来ないような奴や理性を失っている奴への洗脳は基本的に出来ない。

 

それに個性が使えないとなると心操はどうしても複数に狙われた時が厳しい為に囲まれた際が辛くなってしまう。

 

捕縛布による回避等を向上させるだけでもかなり化けるだろうな。

 

「インターンに行ってた2人は感想がシリアスだね。」

「そりゃそうだろ。

死穢……八斎會だっけ?あの戦いはかなり修羅場だったらしいし。

そんだけの実戦を経験すりゃ例え訓練でも心構えっつうかモチベーションも違ってくるんじゃね?」

 

実際この2人はあの一件があってからかなり雰囲気……というか纏う空気が変わった。

一皮剥けたというよりは覚悟を決めたとか気が引き締まっているという感じだな。

 

気を抜くよりは良いのだろうが引き締めすぎていては柔軟な対応は難しい。

もう少し肩の力を抜いて欲しいもんだな。

 

「いいか、切島は相手を正面戦闘に誘えるセットアップを意識すること。

それと受けても問題ない攻撃と避けなきゃいけない攻撃を見極めて意識して切り替えられるようにしろ。」

「おす!」

「口田は自覚通りだ。

生き物を操る精度を今以上に上げて自衛能力の向上も行え。

基本的に戦いは正面からではなく搦手を考えていけ。」

 

すると上鳴の番になってから相澤先生の目つきが厳しくなる。

 

「上鳴、序盤の緩み!」

「ううっ。」

「後半も仲間がやられないと力が発揮できないのか?」

「ウェイ……。」

「蛙吹、ミスよりもミスをカバー出来る迅速な対応を心掛けろ。

自分の弱点に関しては出来るだけその状況を作らないようにポジションにも気を付けろ。」

「ケロッ。」

「今日の反省は今後の訓練に生かせ。

猫城、まずはお前の反省点を聞かせろ。」

 

相澤先生は俺の方へと向いてそう言う。

まぁ俺の場合は立場がかなり特殊な立ち位置だったからな。

 

「いくつか反省はありますがまずは狂乱の波動による闘争本能の増大を甘く見てました。

今まで基本的に俺や完全に感覚を共有しきったにゃんこにしか扱っていなかったのもありましたがここまで指示をまともに聞かないとは思いませんでした。

それと後半に関しても索敵役の狂乱のネコUFOが取り押さえられて索敵の精度が急激に落ちたのもあってかなり妨害の精度が落ちてしまったのもあって動きがかなり杜撰でした。

今までどれだけこの視覚に頼り切っていたのかを思い知りました。」

「お前の場合は個性が強力すぎる上に暴走の危険性もあるから仕方ない部分もあるが自分の能力の掘り下げはしっかりとやっておけ。

それと確かに自分の長所を活かすのは良いがそれを封じられた際の動きはやはり若干対応が遅い部分がある。

能力が限定された際の戦闘ももう少し考慮しておけ。」

「はい。」

 

今まではたまたま問題なかっただけで俺の個性も弱点が無いわけじゃない。

むしろかなり弱点が多く、おそらく俺が気づいてないだけでまだ弱点になりかねない部分はあるのだろう。

もう少し俺の個性の把握を細かくしないと……。

 

「勝利を得たものの自分の未熟さを痛感。

とはいえ落ち込むわけでもなく次の試合の為に脳内で試合をシミュレートしつつ改善策を模索……。

良いわぁぁぁあ〜〜!心操君の青み良いわぁぁぁ〜〜!!」

「君ねぇ……。」

 

ミッドナイト先生相変わらずだな……。

 

俺はB組の方へと視線を向けると青筋を立てているブラドキング先生がB組Aチームの面々と向き合っていた。

 

「敗戦の理由、もう自分達でわかっているな?」

 

ブラドキング先生の言葉に全員が頷く。

 

「宍田を軸にするか塩崎を軸にするか……統率が取れていれば勝てた内容だぞ!!」

「目が怖いよ僕らのブラキン先生!?」

 

実際B組は軸がぶれているのもあって常に分断状態であり、にゃんこによる塩崎へのメタや暴れまわる狂乱のネコ達によってかなりバラバラだった。

 

とはいえ動きはかなり洗練されており、2:2に常に分断されていた割にはかなり上手く立ち回られていた。

 

せめて一人ずつに分断したかったがそれも難しく、最初から4人で協力されていたらと考えるとかなり厄介だった。

 

 

 

もっと俺の数による有利を活かせるようにしないとだな……。

 

 

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