こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
そして久しぶりに寝落ちやらかしました……すんません
僕達は試合開始の合図と共に走り出し、フルカウルで身体能力を大きく向上させた僕が一端前に出て囮として目立つように開けた通路にあるパイプを足場に移動していく。
B組チームには心操君が居る。
会敵したら下手に会話を交わせない。
ワン・フォー・オールのことも不安が全て消えたわけじゃない。
心操君の洗脳には絶対かからないように。
「…………?」
今のところ猫城君のにゃんこ達も暴れたりしている様子がない。
あの様子だと常に興奮状態みたいだから何かしら異変は感じ取りやすいと思ったけど少し妙だ。
あまりにも静かすぎる。
ひとまず僕が目立つことで標的になる。
一番スピードのある僕をB組は無視できないはず。
僕は一端目の前にある大きなパイプに止まり、周囲に伝わらないようにハンドサインで一端僕が先に出て様子を見てくる事を伝える。
B組の攻撃を誘って居場所を割り出してから皆で連携して捉える……ッ!?来た!?
横からドラム缶が浮遊してくる……柳さんのポルターガイスト……いや、物間君の可能性もある。
「っ!」
僕は一端こっちに向かって浮遊してくるドラム缶を受け止めて投げ飛ばす。
そこまで威力は高くない、直撃しなければ簡単に受け止められる。
「はっ!」
僕は周囲を見渡して見つけた。
あそこに居るのは……物間君か!
「うっ!」
僕は物間君が心操君の洗脳をコピーしている可能性と心操君が近くにいる可能性の2種類を警戒しつつエアフォースで牽制を行う。
「あれ?見つかっちゃったか。
爆豪君の活躍を見た後で君を警戒しないわけがない。
君みたいな動けて強い人間を警戒する……クレバーな人間はそう考える。」
物間君はわざとらしく僕の前に堂々と出ながらそう言う。
会話をしてしまったら駄目だ、彼が洗脳をコピーしていないとは限らない。
「その一方でクレバーな人間はこうも考える。
さっきの彼の強さは他の3人によって引き出されたと……先に潰すべきはその3人だと。」
っ!そうなるとB組の狙いは最初から麗日さん達か!
そうなると物間君は僕を足止めする為の囮の可能性が高い。
でも僕が下手に麗日さん達の所に逃げてしまえば必然的に皆の場所をバラしてしまう。
そうなると僕一人でどうにか彼を倒さないと……!
「まぁ問題はあの猫城とかいうやつの意味わかんないネコモドキによる乱入だけどアイツはずっと偵察用に一匹を空に飛ばしてから情報を得て動き出していた。
さっきそっちは僕達側が対処したから彼がこの場を察知するには時間がかかるし余程運が悪くない限りは問題は無いだろう。
キミはわざわざ目立って居場所を教えてくれたね?
僕の仲間が今、さっそく3人を見つけたようだ。」
煽ってくるなぁ。
そうなるとやっぱり物間君が洗脳をコピーしている可能性がかなり高い。
それにしても猫城君がそこまであっさりと自分の目となるにゃんこを捕まえさせるだろうか?
彼は同じ失敗は繰り返さないタイプだ、だからこそ一度失敗したら徹底的に対策を立てるからこそ自分の目となるにゃんこをただで捕まえさせるとも思えない。
何か凄い違和感を感じる……。
「3対4だぜ?大丈夫かな〜?
心操君もいる、密なコミュニケーションは取れない。
キミはすぐにでも彼らの元へ駆けつけなきゃ。」
落ち着け、これはおそらくブラフ、居場所を、見つけたと言う割には特にそれらしい反応はない、柳さんのポルターガイストによる合図だろうと庄田君のツインインパクトだろうと確実に何かしら異変は起こる。
だけど彼の全身の服とかには特に動きは見られない。
彼の視線がずっとこちらを向いてるって事は外に誰か、もしくはなにかがあってそこから合図が出ていたというわけでもなさそうだ。
「はっ、いや待て?仮に今のキャーが心操君の声だったら?
まだバレてない3人の居場所をキミが教える事になってしまうぞ?
アッハハッ!困ったなぁ〜。」
動いた。
僕は物間君が動き出した瞬間を狙ってエアフォースを連打しながら距離を詰める。
「仲間の方を見向きもしないなんて薄情だなぁ。」
多分物間君は僕の視線で麗日さん達の居場所を突き止めるつもりだ、引っかからないぞ!
「困ったなぁ。」
今田は物間君はポルターガイストで弾丸として扱えるナットを大量に浮遊させて攻撃の準備をしている。
やっぱりさっきのドラム缶は物間君の仕業で合っていた。
直撃は……させるつもりがない?こちらの動きを封じるのが目的?
っ!後方で爆発音!麗日さん達の場所がばれた!?
「心操君とこんな話をしたよ。
恵まれた人間が世の中をぶち壊す。
彼の友人なら教えてよ?爆豪君さ……何故彼は平然と立っていられるんだ?」
っ!!落ち着け!挑発に乗るな!
「ヴィランに捕まって平和の象徴を終わらせた張本人がさぁ?」
っ!?!?
ワン・フォー・オールがおかしい、制御……仕切れない!!
落ち着け……落ち着け……落ち着け!!
その瞬間エアフォースを撃とうとしていた右腕から黒い触手のようなナニカが何本も放出されて暴れ始めた。
これは一体……!?
「うぐ……うぅぅぅぅううう!?!?」
「また知らない力か、嫌になる。」
なんで?なんだよこれ!?
さっきまでなんともなかったのに!?
「くくっうっ……!?逃げて!!!!」
その瞬間黒い触手のような物が暴走を始め、周囲に無差別に攻撃し始める。
ぐっ、身体が引っ張られる!?
僕は目の前の建物に激突して壁をぶち破ってしまう。
「心操君!!」
心操君……!?まさか!?
「うぐっ……ぐぅぅぅぅぅぅぅううううう!?!?!?
うっ……心……操君!逃げて!
力が……抑えられない!?」
クソ!止まれ!止まれ!止まれ!止まれ!!
「うっ、はぁ……。」
「くくっ……あ……あふれる!?」
内側からどんどん触手のような物が無限に湧き出るような感じだ
、全く制御が効かない!?
溢れ出した触手は建物を貫いて凄まじい勢いで伸びていく。
また身体が引っ張られて別の建物へと激突した。
「なんだよこれ!?止まれ!!止まれ!!」
なんだよ……!?痛い痛い痛い……なんで!?
何で……オールマイトから譲渡して貰えて……大ケガしながら分かんないことだらけで……!
「止まれ……止まれ……!」
それでも……ようやく物になってこれからだってのに!
止まれ!ワン・フォー・オール!!
もう誰にも心配させたく無いのに!
「グルォァァァァアアアアアア!!!」
っ!今の叫び声は……猫城君か!
「猫城君!!僕を……止めてくれぇ!!」
「グルァァァァァァアアア!!!」
猫城君のネコダラボッチが触手を全て弾きながらこちらに向かってくる。
猫城君なら安心して僕を止めてくれるのを任せられる。
猫城君の狂乱の波動が僕の身体をなんとか完全に取り押さえてくれる。
でも腕から放たれる黒い触手はいとも容易く狂乱の波動による拘束を突き破る。
身体の本体はなんとか取り押さえてもらえてるけど……これじゃあ!?
すると何を考えてなのか猫城君が僕の体内に狂乱の波動を流し始める。
ぐぐ……ぁぁ!?なんだ……これ!?身体の制御が……乗っ取られる!?
『一か八かだったが上手く行ったか。
なにがあった!?』
『わからない!!物間君の相手をしていたら突然!?』
『そうか、なら待ってろ!今こっちで無理矢理制御を……なっ!?』
これは……意識が……!?
僕の視界はこの瞬間に暗転した。
猫城君……頼んだ!!