こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
「バカ野郎!!」
対抗戦が終了したその日の夜、俺達はA組寮にやってきたB組の面々と反省や雑談等の交流をしていた。
そして何故かキレた鉄哲に鋭児郎がぶん殴られていた。
「テメぇ!弱音吐いてんじゃねぇ!」
「しかし、今日俺は完全にお前に上を行かれた。」
「俺は金属ゆえに熱に耐えられる。
だが金属ゆえに限界硬度がある!打てば打つほど硬くなるてめぇとは違ってさ!」
鉄哲と鋭児郎は今回の試合での殴り合いで轟の炎に囲まれながらやり合って今回は鉄哲が打ち勝った。
まぁ今回に関しては鉄哲の言う通りお互いの性質上の問題だからな
「俺とおめえは違う強さがあんじゃねえのか!」
「うっうぉぉおお!!てつてつぅぅぅぅぅうう!!!」
鉄哲の試合では俺は轟のイカれた攻撃範囲が原因で殆ど妨害が出来なかった。
まぁ上から狂乱のネコUFO数匹による爆撃と下から巨神ネコの狂乱の波動による攻撃でかなりの猛攻撃はしていたが……。
そんな事を思い返していると丁度出久が寮へと戻ってきた。
すると天哉が猛ダッシュで出久の元へと向かい、まるで非常口のようなポーズで止まった。
アイツの謎のポーズは毎度なんなんだ?
「晩ごはんはビーフシチューだぞ!」
「やったぁ!」
確かに今日の献立は結構豪勢だからな。
「うわぁ凄い!
ねぇ!ホークスの写真無いの!?
ホークスの写真!プライベート!」
「今ちょうど……。」
「紅茶を入れましたわ。」
「あ゛あ゛あ゛……!?」
小森さんホークスの熱狂的なファンだったんだな……。
「B組の人達来てるんだ。」
「あぁ!反省と交流を兼ねて何名か。」
…………つかなんか峰田が全身ガチガチに拘束された上で目を強制的に開かされて何かを見させられているんだがこれはツッコむべきか?
いや、どうせ自業自得だし関わってもロクなことが無さそうだからスルーしておくか。
「緑谷、探したぞ。」
「轟君?」
「お前も個性2つ持ちだったのか?」
「え?」
「体育祭ん時……『全力でかかってこい』、そう言ってたお前が力を隠してたのなら俺は多少ショックなんだが……。」
あー、轟の場合は確かにそう思っても仕方ないだろうな。
仕方ない、少しフォローを入れておくか。
「それはないと思うぞ轟。」
「猫城君?」
「猫城、どういうことだ?」
「暴走した出久を止める時にこいつに狂乱の波動を物理的に接触したまま流し込んで感覚共有を無理矢理やったんだが全く制御が効かなかった。
あのレベルの暴走状態は個性発現時に稀に起きるタイプの物だ。
俺もこの個性の発現時は身体が無理矢理作り変えられて行ったから痛みとかその辺が凄まじくてな……あの手の感覚には覚えがある。」
「そっか……苦労してるんだなお前も。」
「猫城君……。」
今思い返してみるとあれはかなりキツかった……実際身体から機械部分が現れたりどんどん変わっていったりする過程でかなりの血も流れたしな……。
とはいえネコムートの方を発現させた場合を考えればこっちの方が圧倒的にマシだったのだろう。
「多分アレは個性の派生というか根本では一つの物だと思うんだけど……今日初めてああなって自分でびっくりしてる状態。」
「そうか、それは大変だったな……疑って悪かった。
すげえことになってたな。」
「轟君も凄かったよ。
炎……あんなに使えるようになってたなんて。」
「いや、まだまだだ。
それこそ今のお前と変わらねぇよ。
それにしても猫城と緑谷、俺で個性複数持ちが増えてきたな。」
そしてそのどれもが人為的に2つ目の個性を加えられるようにして生まれた物と来た。
轟は個性婚、緑谷は継承、俺は封印として……。
「まぁ個性特異点なんて説もあるくらいだ、そこまでおかしいわけじゃないだろう。
まぁ俺もまだもう一つの個性である狂乱の波動は若干無理して出力50%ってとこだがな。」
「あれだけの威力があるのにまだ50%なのか……凄いな。」
「うん、多分だけど100%なら僕の超パワーと同じレベルの攻撃が出来ると思う。
神野の件も凄まじかったし。」
「出久の方は無茶を覚悟すれば撃てるが俺はそうは行かないからな……流石に暴走させる訳には行かないから無理が利かない。」
「お前の場合はパワーによるゴリ押しより技術的な面での強さの方が大きいんじゃないか?
確か思考を分割して複数の物事を同時に考えながら処理出来るんだろ?」
「まぁな。」
分割思考に関しては俺が機械系の異形と化したから生まれた能力だ。
自分という自我をコピーした上でコピーと一体化しても問題ないように深層意識を若干弄った上で量産する。
ただコレはやり過ぎると増殖し続けたコピーの意識を管理しきれなくなるから限度がある。
「それにしても……今回のは結構反省点が多かった。
思ったよりも妨害しきれなかったしな。」
「ううん、正直猫城君の妨害は僕が想像してたのより数倍ヤバかったよ……退路全部塞がれて上から大量の爆撃の雨だもん。
峰田君のもぎもぎでなんとか拘束しようと思ってたんだけど……。」
「俺の方はむしろ峰田を一番警戒してたからな。
流石にメタらせて貰った。」
「俺の時も結構やばかったな……下手に攻撃しちまうと殺しかねねぇし炎じゃ防げねぇから氷で上塞ぐしか無かったけどそうすると逃げ場をより狭くしちまうからな。
しかも下からまで攻撃が来るなんて思わなかったぞ。」
そうは言うが氷の天井が分厚すぎて無理矢理突入して中で乱戦起こすしか無かったしなぁ……地面に落ちたら骨抜に拘束されかねないのもあって結構指揮がしにくかった。
その後俺たちは反省点を色々と出したり雑談をしながら過ごしていった。
翌日の朝、何故か1-A寮にいた遠形先輩と壊理ちゃんに呼ばれて出久と共に外で誰かを待つことになった。
しばらく壊理ちゃんの相手をにゃんこ達としながら待っていると向こうからB組の物間がやってきた。
「ゆうえいの……ふのめん……。」
「アッハハ!何言ってんのかなぁこの子!
アッハハ!アッハハハ!」
いや物間……お前の普段の態度と笑い方だいぶ狂気を感じるからな?
「文化祭の時君の事"雄英の負の面"と教えたんだ。」
「僕こそ正道ど真ん中を行く男ですけど〜〜??
アッハハ!アッハハハ!」
何処がだよ……。
「あの……一体何が始まるのでしょうか?」
出久がそう聞くとタイミング良く相澤先生がやってきた。
「おう……猫城、緑谷、遠形悪いな呼びつけて。
物間に頼みたい事があったんだがいかんせん壊理ちゃんの精神と物間の食い合わせが悪すぎるんでな。」
「僕をなんだと思ってるんですか?
アッハハハ!アッハ!アッハハハ……。」
「雄英の負の面。」
「B組問題児筆頭。」
「雄英の狂気。」
「えぇ……。」
「流石に酷くないですかね!?
アッハハ!アッハハハ!アッハハハ!」
いやだからそれな怖えんだよ……。