こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
『仮免取得からわずか30分後にプロ顔負けの活躍!
今回は見事ヴィランを撃退した雄英高校ヒーロー科1年A組の轟 焦凍君と爆豪 勝己君にお話を伺いたいと思います!』
『ケッ……。』
『お……お二人は普段から仲良く訓練されてるんでしょうか?』
『そう見えんなら眼科か脳外科行ったほうが良いぜ。』
『仲は良いです。』
『あぁ!?適当こいてんじゃねぇぞ!
いつ仲良くなってんだゴラ!』
…………。
『仮免補講で2人一緒に居ること多かったろ?』
『何だそのシステム!?時間と親交は比例しねぇんだよ!』
『システムって何だ?』
『知らねぇよ!?てめぇも脳外科行けや!?』
ぶふっ……。
今俺たちは寮で撮影された勝己と轟へのインタビューの動画を教室で見ていたんだが……勝己と轟の温度差があまりにもひでぇ……。
ちなみに先程までのは没になったシーンであり、丁度その場にいた出久や麗日さん、天哉のいつもの3人組が表情をガチガチに固まらせていたのが印象に残っていた……というか笑った。
『お二人は普段から仲良く訓練されてるんでしょうか?』
『仲は良いです。』
『怖く無かったですか?』
『はい、恐怖は無く訓練通りに対応出来ました。』
教室でその撮り直した時の動画を皆で見ているといきなり瀬呂と上鳴が我慢しきれなくなったのか吹き出した
「「あっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!?!?」」
『轟君に質問なんですが……』
「い、1時間もインタビュー受けて!?」
「爆豪まるまるカット!画面見切れっぱなし!」
「…………使えやぁぁぁあ!!」
勝己が撮り直しすらしたというのにまるまるカットされてる事に余程苛ついているのか歯ぎしりをして爆発寸前になっている。
「ある意味守ってくれたんやね。」
「もう3本目の取材でしたのに……。」
「仮免事件の高評価が台無し。」
とりあえず勝己……お前はマジで普段もとは言わないから外面くらい取り繕う事を覚えろ……まだエンデヴァーのがマシだぞ……。
「「ヒーッハハハハハハハ!?」」
あとお前らは何時まで爆笑してるんだよ……。
『初々しくも頼もしい仮免ヒーローでした。
彼らには一刻も早くプロとして活動してほしいですね。
"泥花市"の悲劇を繰り返さない為にも!』
泥花市か……
『事件から今日で9日が経過しました。
たった20人の暴動により約50分ほどで泥花市は壊滅に追い込まれたのです。』
「泥花市の被害規模は神野以上らしいが……地方だった為死傷者は抑えられたそうだ。」
「神野の件は母さんのお陰で被害は比較的少なかったからな……どちらかと言えば俺の狂乱の波動の暴走による二次被害の方が大きかったくらいだし。」
『この事件……ヴィランによるヒーロー失墜を狙った計画的犯行と見られていますが街の声は……。』
『泥花の英雄達を責めるのは愚かしい。
制度の緩和を議論していくべきです。』
『要請の精査をしろって?
後だから言えることさ。』
『ヒーローもっと頑張ってほしい!』
『私達も頑張るからーみたいな。』
正直街の人の声がある意味今のヒーローの限界を表している。
ヒーローとは職業柄警察に近い物があり、疑わしきは罰するなんてことは出来ず、犯罪が起きてから、もしくは証拠を掴んでからじゃないとすぐに行動に移すことは不可能だ。
だからこそパトロールなどの仕事もある訳だがどうしても後手に回るのは避けられない。
『コメンテーターの
待てなんだその苗字……。
『以前ですとこれほどの被害を出した事件となるとヒーローへの非難一色だったわけですがしかしまさに今……時代の節目と言いましょうか……非難が叱咤激励へと変化してきているんですよね。』
現地の人間からしたら洒落にならないのは事実だが事実ヒーローが助けに来てくれたのは変わりないからな。
他人事だと思っている人物からすれば確かに遅いと非難するだろう。
だが現地の人々からすればヒーローが駆けつけただけでも十分な程に安心感がある。
今の社会におけるヒーローとはそういう精神的な面でのヒーローにもなるからな。
それに今の社会は個性をルールでギチギチに縛ってしまっているからこそ下手に対応するのを難しくしてしまっている。
今の世の中はある程度市民も自衛能力を高めなければ事件に巻き込まれかねないというのに……。
「"見ろや君"から皆の見方が何か変わってきたよね。」
見ろや君となると……あぁ、エンデヴァーとホークスが脳無と出会してたあの件で取り上げられていた子か。
「エンデヴァーが頑張ったからかなぁ!」
「ん……。」
「楽観しないで!」
するとミッドナイト先生とともにもう一人、外部のヒーローが教室へと入ってきた……ってこの人達二人組ませてる時点でエロブドウが暴走しないか不安なんだが……。
「良い風向きに思えるけれど裏を返せばそこにあるのは危機に対する切迫感!
勝利を約束された者への声援は果たして勝利を願う祈りだったのでしょうか?
ショービズ色濃くなっていたヒーローに今真の意味が求められている!」
「Mt.レディ!?」
「うわぁぁぁぁああああ!!」
あの……別にその辺は分かるんですけど……わざわざポーズ取る必要ありました?
あとキャスリィ達、真似しなくていいよ……君達はそのまま純粋で居てくれ頼むから……
「特別講師として彼女を招いた。
お前ら露出も増えてきたしな……ミッドナイトは付き添いだ。」
あの……ツッコミ所多すぎて困惑してきたんですけどとりあえず相澤先生はその芋虫みたいな寝袋姿やめません?
「露出増えてねぇんだよ!」
「増やしたかったら最低限取り繕えや爆発さん太郎が!?」
「あぁん!?ケンカ売ってんのかクソが!?」
「次から頑張ろうぜ!」
いい加減我慢しきれなくなって思わず勝己に突っ込んでしまった……。
「おいらが言うのもあれだけど一番ショービズに染まってんだろ!」
「お黙り!」
珍しく峰田がまともな事を……。
「今日行うはメディア演習!
現役美麗注目株であるこの私Mt.レディがヒーローの立ち振舞を教授します!」
「何するか分かんねぇが皆!Plus Ultraで乗り越えるぜ!」
「「「「おーー!!」」」」
メディア演習か……確かにヒーローを目指すのなら慣れておいて損はないだろうな。
俺達は賛成達とMt.レディに付いていき、コスチュームに着替えて外へと向かう。
「授業内容は……インタビュー練習よ!」
「緩い!」
いつの間に用意したんだその舞台セット&カメラマンズ……
「ヒーローショート!こっちに。」
「はい。」
するとMt.レディがマイクを轟へと向けて寮で受けていたインタビューのように話し始める。
「凄いご活躍でしたねショートさん。」
「何の話ですか?」
「何か一仕事終えた体で!はい。」
「あ、はい。」
轟のやつ相変わらずの天然だな。
「ショートさんはどのようなヒーローを目指しているのでしょう?」
「俺が来て皆が安心出来るような。」
「素晴らしい!貴方みたいなイケメンが助けに来てくれたら私逆に心臓バクバクよ!」
おいこらMt.レディ仕事しろや……。
「心臓……悪いんですか?」
しかも轟が相変わらずの天然っぷりを発動してMt.レディがなんか萌えてるし……。
「どのような必殺技をお持ちで?」
Mt.レディが質問すると一端轟は舞台を降りて右手の氷結を発動して巨大な氷塊を生み出す。
そこまでやらんでいいのにと思ったがむしろMt.レディはやってほしいとのことだった。
おそらく演出としての意味合いもあるのだろう。
「穿天氷壁……広域制圧や足止め、足場作り等幅広く使えます。
後はもう少し手荒な膨冷熱波という技も……。」
「あれ?B組との対抗戦で使ったやつは?」
「あれな、エンデヴァーの……。」
「赫灼熱拳!」
すると轟は若干微妙そうな顔をする。
「赫灼熱拳はおやじの技だ。」
「う?」
「俺はまだあいつに及ばない。」
「パーソナルなとこまで否定しないけど安心させたいなら笑顔を作れると良いかもね。
貴方の微笑みなんて見たら女性はイチコロよ?」
「俺が笑うと死ぬ……?」
「もういいわ!?」
轟……お前確実にキャスリィやヒメユリの数倍は天然だぞ……。