こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが   作:クロマ・グロ

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37スレ目(現実パート)

 

 

 

新年になって早々俺と出久、勝己、轟の四人はエンデヴァー事務所へと赴いていた。

 

実は大晦日に雄英側から自宅への護衛アリの一時的な帰宅が許可されたので昨日は自宅で1日を過ごしたのだが……母さんからの地獄の特訓(スキンシップ)が激しすぎて思い出したくもないので俺は若干顔が死んでいることだろう。

いやまぁ機械系の異形型だからある程度は疲労や寝不足なんかはカバー出来るはずなんだが流石に限度がある。

 

エンデヴァー事務所前のバス停で俺達は降りると丁度目の前に私服姿のエンデヴァーが今までの印象からは考えられないくらい穏やかな笑みを浮かべて待っていた。

 

「ん?」

「ようこそエンデヴァーの下へ……なんて気分ではないが。」

 

あ、一気に顔がいつものしかめっ面に戻った……単純に取り繕ってただけだこれ。

 

「焦凍の頼みだから渋々許可したが焦凍だけで来てほしかった……!」

「許可したなら文句言うなよ。」

「しょ、焦凍!?」

「補講の時から思ってたが……きちいな。」

「焦凍、本当にこの子と仲良しなのか!」

「まぁトップの現場見れんなら何でも良いけどよ……。」

「友人は選べと言ったはずだ!」

 

んんんん????

 

「と、轟?」

「なんだ?」

 

俺はあまりにも違和感しかしないエンデヴァーを見て困惑しながら轟に小さな声で話しかける。

轟も言い難い事があるのかと分かってくれているのか同じく小さな声で答える。

 

「その……なんだ、エンデヴァー。

以前に見た時に比べてすっげぇ違和感しかしない……というかもはや別人に見えるんだが……もしかしなくてもかなりの親バカ?」

「…………親父の時にインターンに行く事を決めた辺りから少しずつ変わってきてたんだが……その……そういうことらしい。」

「そ、そうか。」

 

轟自身も若干目を泳がせながらそう答える、どうやら轟自身もかなり困惑しているようだ。

 

「そこ!コソコソと何を話してる!」

「あぁいえ、その……以前見た時と印象が全く違ったもので……。」

「む……そんなにか?」

「ええまぁ……ただ悪い意味というよりもかなり良い意味で変わったと思います。」

「そうか……。」

 

なんというか……すげぇ態度が柔らかくなってないかこの人?

 

「インターン許可して頂きありがとうございます。」

 

エンデヴァーは出久を見て何か思うことがあったのか少し沈黙していたがただ「付いてこい」とだけ伝えて事務所方面へと向かっていった。

 

「ナンバー1ヒーローの活動、しっかりと学ばせて貰います!」

 

移動中エンデヴァーはそう宣言する出久を見てまた考え込むような顔をする。

 

「焦凍は俺じゃない……だったな。」

「えっ?」

 

するとエンデヴァーは突如ガードレールを飛び越えて道路を走り始めた。

 

「申し訳ないが焦凍以外に構うつもりはない!」

 

エンデヴァーは荷物を捨て、ヒーローとしての姿である炎をまとった顔になる。

 

俺も聴覚を完全ににゃんこ城のレーダーの一部として機械化すると明らかにおかしい音が聞こえている。

俺以外の全員もエンデヴァーの動きから何かあったのは分かりきっていたようでバッグから最低限の装備だけを移動しながら装着してエンデヴァーへとついて行く。

 

俺は一端移動を速度の速いネコライオン複数匹に任せてその上でにゃんこ城形態となり、取り込んだ服とヒーローコスチュームを交換して人間状態へと戻る。

 

これは実際にインターンをやっている時に一度私服の状態でヴィランと遭遇した事があったので色々と模索した結果生み出した裏技だ。

 

服を取り込めるのには元々気付いていたので比較的簡単に習得することが出来た。

 

「学びたいなら後ろで見ていろ!」

「指示お願いします!って猫城君いつの間に着替え終わってるの!?」

「後で教える!」

「…………!後ろで見ていろ!」

 

とりあえずまずは何をやるか1回見ていろ、そして付いてこいってとこか。

 

しばらく走っていると人々の悲鳴と車のクラクションで大騒ぎになっている現場へと近付いてきた。

よく見ると周囲からガラスが溶けだして一点に糸のようになって吸い込まれている、おそらくガラスを操作するタイプの個性だろう。

 

そして空中には溶けたガラスが固まって作られたと思われる大きな玉が大量な浮かんでいる。

 

ガラスの無くなる速度から考えると事件発生からそう時間は経っていないのだろうがかなりのスピードだ。

 

「私は宇宙からの啓示を得た。

逃げよ!逃げよ国民達よ!冥王の口角が弧を描いておる!

終焉の時は近い!」

 

何言ってるんだこいつ?

 

すると衝撃波が発生して周辺地域のガラスが一斉に割れていった。

 

「後ろで見ていろって?」

「ついていかなきゃ見れない!」

 

エンデヴァーが全身に炎を纏って飛行を始めたのを確認して俺は狂乱の波動を纏い、背中に翼を生やして高速で飛行する。

 

速度的に出久達は置いていかれそうだな。

 

「む、容易く俺についてこれるか。

ならば貴様は市民への被害を抑えろ!」

「了解!」

 

なる程な、まずは迅速な行動力を鍛えさせるつもりのようだ。

後ろで見ていろとは言っていたが実際はついてこれるようにしろと言ったところか。

 

「私は宇宙からの啓示を得た凶星質が結託しておる!彼らを阻止せねばならぬ!」

 

俺は一端天空のネコとネコジャラミを大量に出撃させて天空のネコに感覚共有を使って意識をリンクさせ、マイクから声をだして市民への避難誘導を行う。

 

「この地は!闇に覆われようとしている!

逃げよ国民!私は闇の元凶を討ち滅ぼす者なり!」

 

周辺のビルやマンションのガラスを全て一塊にして巨大なガラス塊を作り出した……いよいよ攻撃準備が整った訳か。

 

「いざ炙り出さん!冥王の使いよいでよ!」

「エンデヴァー!俺が受け止めますのでヴィランを!」

「あのガラスを下手に破壊するなよ!」

「わかってます!」

 

エンデヴァーなら溶かして避難が完了している下へと落とす程度で済むだろうが割ってしまえば周囲への被害がひどくなる可能性があるからな。

 

俺は狂乱の波動を鞭のように発射してガラス玉を縛り、再利用されないように完全に覆い尽くす。

 

「ガラス操作かご老人、素晴らしい練度だが理解し難いな。

俺の管轄でやることじゃない。」

 

エンデヴァーは周辺温度が上昇するどころかやけどしそうな程の熱波を放出しながらヴィランへと近づいていく。

 

「あああ……!喉が焼ける!」

 

占い師のような姿の老人のヴィランはあまりの熱波に路地裏へと逃げ込んだ。

するとエンデヴァーのサイドキックと思われる人物がこちらへと到着する。

 

「エンデヴァー!」

「こいつと共に避難誘導を頼む!」

「分かった!」

 

流石にこのガラス玉を放置するのは無理だな、仕方ないので俺はガラス玉を覆う狂乱の波動を維持しつつ本体の俺も避難誘導を手伝う。

 

ってもう捕まえたのか。

 

取り押さえた音が聞こえてきた。

 

ヴィランの鎮圧が終わったのを確認してから俺は狂乱の波動を解除してガラス玉を警察とサイドキックの人に任せてエンデヴァーの元へと向かった。

 

「俺達は星のしもべに命令されただけだ!」

「逆らえなかったんだよ!」

「放せ!放さんか!手遅れになるぞ!」

 

何を言っているのやら……。

 

「後はこっちで引き受けます。」

 

するとあのガラスのヴィランがまた騒ぎ出した。

 

「そやつこそが元凶じゃ!奴の放つ光が闇を……招くのじゃー!」

 

エンデヴァーが?馬鹿馬鹿しい……。

 

「また被害者0で済んだ、君が目を光らせてるうちはこの街も安泰だよ。」

 

警察の人はそう言ってヴィラン達をパトカーへと突っ込んで連行していった。

 

…………俺はアイツの言動を馬鹿馬鹿しいとは思っていたのだがどうにも嫌な予感が拭いきれなかった

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