こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
俺はホークスの暗号を読み解いて今何が起ころうとしているのかを知ってしまった。
正直これは本気で状況としては不味い。
ヒーローにそのまま伝えないのは監視に気付かれたくないのもあるだろうがそもそも敵は思想集団だ。そう考えればヒーローにすら協力者が居ると考えたほうが自然だ。
それに元々おかしいと思っていた、何故最近のヴィランがここまで装備の質が向上しているのかを。
どう考えてもそのヴィラン共の後ろに何か大きなバック……いや、スポンサーがいる。
それもヒーローが使うような装備を……サポートアイテムを横流しできるような連中だ。
…………これは少し無茶をしてでも実力の向上を行わないと駄目だな。
これに巻き込まれないという選択肢は確実にない。
これだけの規模の決起なんて事前に察知した所でどうあがいてもボロが出てくる。
一度エンデヴァーにコンタクトを取るべきか。
俺はそんな事を考えていると俺達を集めたバーニンが話を再開する。
「まあしかしエンデヴァーはショート君だけ所望してた訳だし多分3人は私達と行動って感じね。」
「ナンバー1の仕事を直接見れるっつうから来たんだが!」
「見れるよ!?落ち着いてかっちゃん!?」
「でも思ってたのと違うよな、俺から言ってみる。」
「轟、後でエンデヴァーにコンタクト取れるか?
あの本の2番目の部分に付いて聞きたいって言えば伝わると思う。」
「2番目……?分かった。
でもどういうことだ?」
「悪い、これは気付いた奴にしか話しちゃいけない……いや、気付いても下手に話しちゃいけない内容だと思う。」
「そうか?分かった、聞いて悪かった。」
「悪いな。」
俺が轟にエンデヴァーへのコンタクトの件に付いて話した後に奥のエンデヴァーの執務室の扉が開き、若干真剣な表情となってるエンデヴァーがこちらへと来る。
「ショート、デク、バクゴー、ネコマンダー、お前達は俺が見る。」
エンデヴァーはヒーローコスチュームを着て付いてこいと言い、俺達を事務所の地下へと誘導していく。
数々のトレーニング器具に広い空間、いくつもの修復跡……なる程、直々にって訳か。
「俺がお前達を育ててやる。
だがその前にデク、バクゴー、ネコマンダー、貴様ら3人の事を教えろ。
今抱えている課題、出来るようになりたいことを言え。」
なる程……ホークスの暗号が余程影響してるらしい。
最初の頃と考え方も対応も全く違う、だがこちらとしてはかなりありがたい。
「力をコントロールして最大のパフォーマンスで動けるようにしたいです。」
「個性は自壊するほどの超パワー……だったな。」
「はい、壊れないように制御する方法を見つけました。
でも……えー、ここに来てその……何ていうか副次的な何かこう……違う形で発現するようになってて。」
あぁ、確かに説明が難しいだろうな……しかも勝己がイラつき始めてる。
「はぁ……エンデヴァー、この判明した話なんですがね。
こいつはどうも複合型の個性みたいなんですよ。」
「何?見せてみろ。」
エンデヴァーは首を傾げつつもそう言い放つ。
デクは腕を前に出してガントレットのスリッドから黒い鞭をほんの少しだけ出す。
だがそれはすぐに消えてしまう。
「集中した上で許容出力ギリギリ、コレが今扱える範囲です。
出力がブレると溢れ出て暴走してしまいます。」
「最大限のパフォーマンスとは?これをどうしたい?」
まぁコレだけ見たら何がしたいのかよくわからないか。
「本来は鞭のようにしなる力なんです。
この力をリスクじゃなく武器にしたい。
今考えているのは新技エアフォースの要領を取り入れる事は出来ないのか。
あ、そのエアフォースというのは風圧での遠距離攻撃なんですがこれは今の体の許容上限を超えた出力を必要とする技なんです。
現状僕が負担無しで扱える出力を10〜15%と仮定するとエアフォースに必要な力は20%、少しオーバーするんです。
この状態では怪我は無いものの軋むような痛みが出るので動きに支障が出ます。
なので瞬間的に引き上げすぐに戻すという調整が出来るよう練習しました。
この方法を今の黒鞭に転用出来れば理屈上では実戦に使えると思っています。
ただもともと力の調整をしながら動いているのでそこにもう一つ要素が増えるとどうにも今度は頭の許容量を超えてしまうんです。
どうにかしてそれらを並行処理しながら動けるようにトレーニングはしているんですがなかなかうまくいかなくて……。」
「長くて何言ってんのか分かんない!」
「自分の分析か。」
「ああああうっぜぇ!」
デク……少しは要約してくれ、というかよくそこまでずっと言えるな。
「つまり活動中常に綱渡りの調整が出来るようになりたいと。」
「はい!」
「わかったんかい!?
ナンバー1は伊達じゃない!」
エンデヴァー素直にすげぇ……よくアレをそこまで要約したな。
「…………難儀な個性を抱えたな。
君もこちら側の人間だったか。」
「ん?」
…………エンデヴァーの今の言葉から察するにおそらくエンデヴァーも個性が強過ぎて自分に対して制限があるのだろうな。
轟も似たような理由からどちらか一方のみを使い続けるのは自分の体にもダメージがあるから無理のようだし。
「次、バクゴー貴様は?」
「逆に何が出来ねぇのか俺は知りに来た。」
「ハハハハ!ナマ言ってらー。」
「うるっせぇな!?さっきからテメェなんでいんだよ!」
「私今待機。」
バーニンさんェ……。
「本心だクソが。
……俺の爆破はやりてえと思ったこと何でも出来る。
一つしか持って無くても一番強くなれる。
それにもうただ強えだけじゃ本当の強え奴にはなれねぇってことも知った。
ナンバー1を超える為に足りねえもん見つけに来た。」
勝己……。
やはりAFOの一件以降……相当こいつに響いていたのだろう。
特にこいつは自尊心こそあるが向上心の塊でもある、そんなこいつが他の死ぬ気で努力している連中を見て……それも置いていかれている状況で黙っているわけもない。
「ネコマンダー、貴様は?」
「自分の個性は複数の個性が混ざった複合型……と言いたいのですが少し違うんです。」
「どういうことだ?」
俺はエンデヴァーに腕に狂乱の波動を集中して作ったネコムートの頭部を見せる
「最近になって知ったのですが俺の本来の個性はこっちの狂乱の波動の本体であるネコムートそのものになること。
ただあまりにも肉体及び精神への負担が大きすぎる上に自我を持った個性なのもあって幼い俺には耐えきれなかったのかこの個性を封印する為の個性としてこっちのにゃんこ城の個性がネコムートから削り出されました。」
俺はにゃんこ城形態に一度なってから元の姿に戻る。
「今はまだ
だから今は少しでもこの力に耐えられるようになりつつもう一つの個性でもあるにゃんこ城のにゃんこ生産能力による軍隊指揮の精度を上げるのが目標です。」
「にゃんこ……にゃんこて……。」
バーニンさんうるさいです。
「ふむ、しかしその力の解放には封印とやらがかかわるのだろう?
今聞いた限り少しづつ解除しているようだが条件はわかっているのだな?」
「ええ、どうもまだ出せないにゃんこ達の中に俺の個性の封印の一部を管理しているにゃんこが複数いるみたいでそれに認められる必要があるみたいです。」
「そうか、まだ出せないと言っていたがそれを出せるようにする方法はあるのか?
実際に出せなければ認めさせるもなにもないだろう。」
「ええ、一応そっちもわかってはいるんですがその……。」
「言いづらい事か?」
「いえその……何故か俺の新しいにゃんこを生産出来るようにする方法がガチャなんですよ。」
「…………もう一度言ってくれるか?」
あぁうん、普通に耳を疑うよね……。
「ガチャです……一応明らかに出るタイミングが可笑しいのが何回かあったので出てくるまでに俺の行動は向こうも把握していると思います。」
「そ、そうか……。」
エンデヴァーですら困惑するって時点で俺の個性よっぽどなんだな……