こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが   作:クロマ・グロ

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38スレ目(現実パート)

 

 

「何でだ……!」

 

今現在俺達は何故かエンデヴァーの自宅……つまり轟家にエンデヴァー直々に誘われてやってきていた。

 

というか実際に呼んでいるのは轟の姉の冬美さんという人物らしく、なんでも轟――いやここに居るの轟だらけだからもう焦凍でいいか――の友達がインターンに来ていると言う話を聞いて実際に会ってみたいとのことらしい。

 

それをエンデヴァーに話を通させる勇気と行動力がスゲェわ……。

 

「姉さんが飯食べに来いって。」

「何でだ!?」

 

勝己が珍しくツッコミまくってるな……。

 

「友達を紹介してほしいって……。」

「今からでも言ってこい!やっぱ友達じゃなかったってよ!」

「ツンデレはそこまでにしとけ勝己。」

「誰がツンデレだ猫野郎が!?」

「かっちゃん!?」

 

ほんと勝己は毎回素直じゃねぇんだよなぁ……。

 

エンデヴァーが日本屋敷のような家の玄関を開けると凄く嬉しそうにエプロン姿の白髪に紅いメッシュの入ったメガネの女性が迎える。

 

「いらっしゃーい!

忙しい中お越しくださってありがとうございます!

初めまして、焦凍がお世話になっております姉の冬美です!」

 

…………なんだこのシチュエーション、すっげぇどっかで見た覚えあるぞヲイ。

 

つか冬美さん、そのセリフどっちかと言えば姉と言うより母親のセリフだ……。

 

「こ、この度はわざわざお招きいただき……あ、ありがとうございます。

ぼ、僕は轟君のクラスメイトで緑谷出久といいます!」

「知ってる!雄英体育祭の焦凍との試合テレビで見たわ!」

「ああっ!?その件につきましては弟さんに危害を加えてしまい……あだっ!?」

「硬すぎるわ!?」

 

流石の俺も出久に我慢出来なくなりツッコミを入れる。

 

こんな堅苦し過ぎたら寧ろそっちのが迷惑だっつの。

 

「まったく……そもそもあれは試合だしお前のが重症だっただろうが……。」

「アッハハハハハ…………ハィ。」

「…………何でジャッ!」

 

勝己は勝己でいい加減切り替えろや、もう轟家にお邪魔してるんだぞ。

 

「どうも初めまして、轟……いや、焦凍のクラスメイトの猫城 釜戸です。

お招きいただきありがとうございます。」

「あ、君も知ってる!体育祭で1位だった子でしょ!

焦凍との試合も凄かったわ!」

「ありがとうございます。」

「ささ、上がって上がって!

ご飯食べながらゆっくり話を聞かせて頂戴!

それとキャスリィちゃんとヒメユリちゃんだっけ?

その娘達も一緒にご飯食べましょ?」

 

まさかキャスリィ達の分まで用意してくれてたなんて……というかよく食器足りたな。

 

「良いんですか?」

「良いのよ良いのよ!それにあんなに可愛いんだもの!

私も直で見てみたいわ!」

「だってさ。」

「…………良いの?」

「お邪魔……します。」

 

俺は背中側ににゃんこ城の入口を作り出してキャスリィとヒメユリの二人を出す。

 

すると冬美さんはめっちゃ目を輝かせている。

 

「やーん可愛い!それにキャスリィちゃん体育祭で見た頃よりすっごく大きくなって凄く美人さんになってる!」

 

なんだろう……冬美さん見てるとすっげぇ近所のお母さん感が拭えない……!

 

それと流石にジャンヌとかミーニャは悪いけど留守番だな、多分冬美さんも知らないだろうし。

 

『別に良いですけど後でネコカン頂いても?』

『あ、私も〜!』

 

分かった分かった……まぁ最近はリソースにも余裕はあるから問題は無いがな。

 

「突然ごめんね、今日は私のわがまま聞いてもらっちゃって。」

 

俺達は冬美さんと焦凍についていきながら話をする。

 

それにしてもこの家というか屋敷どんだけ広いんだこれ……?

 

「いや嬉しいです!友達の家に呼ばれるなんてレアですから。」

「夏兄も来てるんだ、玄関に靴あった。」

「家族で焦凍達の話聞きたくて……っと着いたわ。」

 

冬美さんが襖を開けるとそこにはかなり豪華な食事が用意されたテーブルがあり、すでに焦凍達と同じような白髪の男性が席についていた。

 

恐らくあの人が夏さんだろう。

 

ただエンデヴァーへと向けるあの視線……やっぱり相当家庭環境は複雑みたいだな……。

 

「改めて紹介するわね、私は焦凍の姉の冬美です!

小学校で先生をしています。」

 

なんというか結構イメージ通りの職業。

 

少なくとも生徒からの人気は高そうだな。

 

「焦凍の兄の夏雄、大学生!」

「どうも。」

 

若干気まずそうだな……分からなくはないが。

 

「焦凍、お友達紹介してくれる?」

「ああ、ヒーロー科のクラスメイトで緑谷と爆豪、それと猫城。」

「は、初めまして!」

「女子2人は猫城の個性で生まれたにゃんこって言う存在でキャスリィとヒメユリだ。

…………この説明でいいんだよな?」

「あぁ、間違ってないから問題ない。」

 

厳密に言うともうちょっとややこしいんだがまともに説明していると長くなるから黙っとこう。

 

「にゃ、にゃん……こ?」

 

あ……うん、初見だとどうしてもそうなっちゃいますよね。

夏雄さん目が点になっちゃってる。

 

「この辺は気にしてるときりが無いんで流しちゃってください。」

「あ、あぁ。」

「「…………?」」

 

だがすぐに夏雄さんはめちゃくちゃ不機嫌そうにエンデヴァー……いや、ここではエンデヴァーを睨みつけている。

 

お陰で空気が一気に冷え込んでいるように感じる。

 

キャスリィとヒメユリもお互いとエンデヴァー達を交互に見て首を傾げているな。

 

「あ……と、とりあえず冷めないうちに食べましょう!

苦手な料理があったら無理しないで!食べなくていいからね!」

「は、はい!頂きます!」

「「「「頂きます。」」」」

 

俺達は冬美さんの言葉に甘え食事を楽しむことにする。

 

キャスリィ達も凄く目を輝かせて料理を見ており、とても微笑ましい。

 

「…………おいしい!この竜田揚げめちゃくちゃおいしいです!」

「よかった!」

「味がしっかり染み込んでるのに衣はザクザクで仕込みの丁寧さに舌が歓喜の鼓を……!」

「メシまで分析すんな!?テメェの喋りで麻婆の味が落ちるわ!」

「ん?勝己って確か麻婆には結構煩い方だったよな。

お前が気に入る程ってことはそれだけか。」

「チッ、んなことまで覚えてたのかよ……。

まぁ確かにウメェよ……俺的にはもっと辛味が欲しいがコレはこれでスゲェ美味い。」

 

勝己がここまで素直になるほどか……冬美さん恐ろしいな。

 

 

「…………!釜戸!すっごく美味しい!」

「アジフライ美味しい……!」

 

やっぱりキャスリィとヒメユリはにゃんこなだけあって魚のが好みなんだよな……。

 

「肉汁たっぷりて凄くジューシーです……!」

「そらそうだよ、お手伝いさんが腰やっちゃって引退してからずっと姉ちゃんが料理作ってたんだから。」

「成る程、そういう事情もあったんですね。」

「夏も作ってたじゃん!代わりばんこで!」

「え?じゃあ俺も食べてた?」

「あー、どうだろう?俺のは味濃かったから。

エンデヴァーが止めてたかもな、こんなもん食うなってさ。」

「「「うっ!?」」」

 

…………あー、地雷踏んだっぽいな。

つか勝己ですら固まった……。

 

「…………気付きもしなかった。」

「ん……。」

 

き、気まずい。

 

すると若干無理矢理にでも空気と話題を変えようと冬美さんが乗り出す。

 

「しょ、焦凍は学校でどんなの食べてるの?」

「学食で……。」

「今度夏雄の料理も……。」

「……ごちそうさま。

席には着いたよ、もう良いだろ?」

「夏!」

「「ううっ!?」」

 

すると夏雄さんはエンデヴァーと話をしたくないとばかりに席を立つ。

 

やはり彼は彼なりに俺たちの前なのもあってかなり気を使ってくれていたようだ。

 

「ごめん姉ちゃん、やっぱ無理だ。」

 

彼はそう言い残して部屋を後にした。

 

再度場の空気が一気に凍りつく、エンデヴァーも恐らくまだ家族との距離を測りかねているんだろうな。

 

あまりの気まずい空気に出久と勝己がお互いを見合って固まる。

 

…………どうするかなこの空気。

 

 

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