こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが   作:クロマ・グロ

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すみません、また寝落ちやらかしました


39スレ目(現実パート2)

 

 

『封鎖完了しました。』

『残る地上出口は山荘本館内に絞られました。』

 

俺は警察にある作戦室に残したにゃんこから作戦の状況を聞きつつ大量のにゃんこによる蹂躙を開始していた。

 

上鳴が無力化した幹部はエッジショットの"千枚通し"によって周囲の解放戦士ごと無力化完了しており、あとは山荘に攻め入るだけとなっている。

 

いくら個性が強かろうとこんな乱戦状況では使える個性は限られる為にネコジャラミが大暴れしていた。

 

更に無力化した解放戦士をミッドナイトが個性で眠らせ、捕縛系の個性を持ったヒーロー達がそれをサポートする事によって想定以上に速く拘束が進んでいる。

 

『グゥゥゥゥァァァァアアアアア!!!!!!!』

 

現在地下で常闇の『黒影』が大暴れしており、下手ににゃんこを投入すると巻き込まれかねない為山荘内に複数ある出口を塞ぐ方に力を入れる。

 

常闇が一通り大暴れした後撤退したのを確認してから地下をにゃんこ達で埋め尽くした。

 

それにしても一部の箇所でのにゃんこの損耗率が高過ぎるのが少し気になる。

 

「っ!蒼炎確認!エッジショット!荼毘です!」

 

だが俺は同時に上から偵察させていた狂乱のネコUFOから信じられない光景を目にしてしまう。

 

「なっ!?」

 

そう、ホークスが荼毘と戦いながらトゥワイスの本体と思われる人物にその羽根の剣を突き立てていた。

流れ出ているのは泥ではなく血……それに胸に突き刺している。

 

どう考えてもアレは致命傷……それも殺すための一撃だった。

 

確かに事前情報でこっちの命優先で生死は問わないとは聞いていた。

 

だからって……だからって殺すのは違うだろ……!

 

俺は瓦礫の上から崩れ落ちていくトゥワイスを隙を見て密かに回収して身を隠せる場所へと移動する。

 

「お……前……な……んで……?」

「喋んな、今応急処置する!」

 

俺は狂乱の波動を身体を侵食しないように注意しながら傷口へと向かって流し込んでいく。

 

やっぱり心臓部分を貫かれている。

 

俺は傷口を狂乱の波動で塞ぎ、直接心臓部分を波動で動かす事でなんとか生きさせる。

 

「確かにお前はヴィランだし俺達を何度も狙ってきたから思うとこはある。

だからって見捨てられる理由無いだろ!」

「……!」

 

流石にこのレベルの傷はどう考えても自然治癒しない。

手術なんて以ての外だ。

 

なら……悪いがあの手しか無いな。

 

「ネコナース。」

「聞いておりましたよ。」

「トゥワイス、今からお前を治すが……とてつもなく恥ずかしい上に酷い絵面になる。」

「…………どう……いう……?」

「出来るだけ他の奴らに見せないようには場所を整えとくから……その……スマン。」

 

俺は狂乱の波動で覆ったドームをその場で作り出して顔を……いや、全身を背ける。

 

「は〜い、チクッとしますよ〜?」

「え……なんでコスチューム破いて……てかそこケツ……アーーーーーーーーーッ!?!?!?!?!?!?」

 

スマン……敵ではあるけどマジでスマン。

 

 

 

 

 

「ひとまず生命維持に必要な部分は治しました〜。

流石に全部治してたら彼の命を削るので骨折とかは最低限だけにしておきました。」

「助かる。」

「ケツが……痛ぇ……痛くないぜ……」

 

あべこべな事を言うだけの余裕は出来たらしいが何処となく目が死んでる。

 

「悪いがこの場で治すにはあの方法しか無くてな。」

「だからってなんでケツなんだよ!?

っていってぇ!?痛くねえって!?」

「ネコナース曰く直腸で直接吸収させないと効果が無いらしい。」

「なんだよそれ……。

とりあえず礼は言わないぜ……ありがとな!」

 

どっちだよ。

 

「とりあえずバベルに運んどくか……一応拘束させて貰うけど暴れないでくれよ?」

 

俺は警察から支給された手錠をトゥワイスに嵌めてから狂乱の波動による翼を生やしてバベルへと向かって飛び始める。

 

とは言え一旦持ち場を離れる以上はエッジショットに報告は必要か。

 

俺はインカムを起動してリーダーであるエッジショットと捜査本部に通信を入れる。

 

「エッジショット、対策本部、こちらネコマンダー。

トゥワイスを確保、だが致命傷を負っておりこのままでは死んでしまう為に拘束した状態でバベルへと運んで治療する為一旦離脱します。」

『こちらエッジショット、致命傷と言っていたが運ぶまでそいつは持つのか?』

「狂乱の波動で傷口塞いで心臓を無理矢理動かすんで問題ないです。」

 

まぁ実際の所は既に治療は終えているんだが……ホークスの件もあるから正直に言うのは少し嫌な予感がした。

 

『そうか、ならば構わん。

だが拘束したとは言えあのヴィラン連合だ、こちらとしても聞きたい事が山程ある。

お前にはトゥワイスの監視を頼みたい。

お前の個性なら監視しながらでもにゃんこ達の指揮は出来るだろう?』

「分かりました、ただにゃんこの補充ペースは相当落ちますのでそこだけ把握お願いします。」

『了解した』

「通信終了します。」

 

俺はインカムを切ってこちらへの受信のみの状態にする。

 

「……俺がお前に頼める立場じゃないのは分かってる。

それでもお前に……いや、お前達に頼みたいことがある……。

トガちゃん達を……俺の仲間を殺さないでやってくれ……。」

「……今回のこの作戦では俺達の命優先で生死は問わないそうだ。

だがそんな事言われてヴィランを殺すのをはいそうですかと認められるような奴はヒーローじゃないよ。

これは受け売りだがヒーローってのは全力でお人好しをする仕事だ。

たとえヴィランだろうが人の命を絶対に見捨てない。

そんなやつの集まりなんだよ。」

「信用……出来るかよ。」

 

確かにホークスが明らかに殺意を持って殺しに行っていたのは少し気になった。

 

いくら荼毘が居ると言ってもこの乱戦だ、一旦引くのも手だったろうに……それをしなかったということは恐らく出来なかった……いや、トゥワイスを見逃すことが出来なかった理由があるのだろう。

 

「なぁヒーローの卵……お前はこの社会が生きにくいとは思わねぇのか?」

「生きやすいか生きにくいかで言えば……まぁ雁字搦めすぎて生きにくいのは否定しない。

特に異形に対する差別や無個性に対する差別なんかは余りにも酷いからな……俺も個性が遅咲きすぎて一時期は無個性として見られていたからこの社会がどれだけ歪なのかは身を持って知っている。」

 

まぁ俺に対して何かやってきた連中は全員母さんによってトラウマを植え付けられたようだが……。

 

「ならなんでお前は……ヒーローなんざ目指してんだよ。」

「両親がヒーローやっている姿に憧れたっていうのもある。

だがそれ以上にこの犯罪発生率の余りにも高い個性社会で生き残るにはヒーローとして自分も力を行使できる存在になるしか無いと思ったからな……。」

 

俺はスレニキ達から聞かされてこの世界が普通に生きるだけでもどれだけ厳しいのかを知っていた。

 

それにきな臭い公安という存在、オールフォーワンという存在。

この世界はいつバランスが崩れてもおかしくない。

 

ならそのバランスが崩れた時誰がこの社会を守るのか……自分の身は自分で守らざるを得ないのだ。

 

確かに人の役に立ちたい、救える命を救ってやりたいという気持ちはある……だが根底にある気持ちはやはり自分が二度と死にたくないという気持ちだった。

 

俺は前世では殺されるという形で死を遂げた。

 

あんな死に方は二度とゴメンだ……アレは余りにも……。

 

「……死ぬのは寂しいからな。」

 

死という事実を前にした孤独と恐怖を俺は知っている。

知っているからこそ……俺はそれを目の前にして見逃せないんだ。

 

たとえこれが個性から移植された記憶なのだとしてもな。

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