こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
前世での最後の記憶は友人に裏切られ、猫を集めた場所へとわざと突き落とされた光景だ。
友人は知っていた、俺のアレルギーが噛まれれば呼吸困難を引き起こす程に酷い事を。
毛などであれば軽度ではあるが体内に直接入った時点で身体がかなり強力な拒否反応を示すのだ。
そして俺はそのまま助けを呼ぶ事も出来ず、俺を突き落とした友人は驚いた猫に俺が噛まれ、引っかかれてアレルギーを引き起こすのを笑って見ていた。
俺の常備薬の中には酷い症状が起きた時用の抗アレルギー剤も入っていたが運の悪い事にそれが入ったバッグは突き落とされた時に落としてしまい、手元には無かった。
俺は酸素が足りず、薄れていく意識の中でただただ孤独感と寂しさ……そして人を平気で陥れる人物への怒りを感じた。
何故あいつが俺を事故に見せかけて殺したのかは俺にも分からない。
だが今考えてみれば
俺は先程助けたトゥワイスをそばに置いたまま大量のにゃんこ達を指揮していく。
ただ山荘内にどうやらまだ仕留めきれていない超広範囲攻撃持ちが居たのか一撃でにゃんこが200匹程凍結させられて死亡した。
「もう一人の俺……トガちゃんの所にちゃんと向かえたかな……。」
トゥワイスは現状何処か黄昏ている為にそこまで脅威はない。
まぁ実際何かしようとした所で周囲を取り囲んでいるネコジャラミにシバかれ増えても俺が部屋ごと範囲攻撃で攻撃すれば解決するから問題ないんだがな。
山荘側の戦況としてはヒーロー側全員に母さんによるバフが入っている為かかなり押している。
だが問題は蛇腔病院の方だ。
「複数のハイエンドの存在か……俺も感覚共有した狂乱のネコダラボッチで現在進行系で殴り合ってるがどう見ても今まで襲ってきたどの脳無よりも厄介だ。」
身体能力という意味であればこいつら一体一体はUSJで襲ってきたあいつに比べれば比較的マシな方だ。
だが問題はこのハイエンド達にはしっかりとした知能と自我を持っていて戦闘が余りにも上手い……まるで熟練のような判断力……面倒だな。
それに元々が死体だからか狂乱の波動の効き目がかなり薄い……。
死柄木の場所は判明しているが最悪な事に地下に潜らせていたソドム達はさっき地中型の脳無に奇襲されてやられている。
それにさっきから相澤先生に個性を消されているというのにその状態ですらミルコと互角とかシャレにならない。
このままだと間に合わないな……。
「ネコハッカー、蛇腔病院地下のシステムハック状況は?」
『それがあんまり進んでないにゃ、どうも個性を活用した電子防御がされている上に結構アナログな方法で各種システムを運用しているっぽくて脳無の培養装置を機能停止させるのは難しそうニャ。』
アナログか……流石にハッキング対策はされているか。
一番の問題は死柄木の強化内容……もし脳無と同じような複数個性持ちにするというならどの個性を移植されるかが問題だ。
それに脳無がやたらと同じタイプの個性を持っている個体が多いのも気になる。
もし個性を複製出来るなんて個性や技術があるのだとしたら最も警戒しなければいけないのはたった一つだ。
もしオールフォーワンの個性が死柄木に複製した状態で付与されることだ。
オールフォーワンの個性の保有量を考えると出久や俺のネコムートのように個性そのものに意志が宿っている可能性も十分にある。
そこから生まれる最悪の想定は死柄木がオールフォーワンそのものへと上書きされることだ。
もしそうなってしまえばこの世の中にオールフォーワンが実質二人居ることになってしまう、そんな状況になってしまえば確実に日本は滅ぶだろう。
山荘側のリソースを病院側に割いてでも死柄木の覚醒だけは止めなければならない。
「ネコマンダーから蛇腔病院最前線組へ。
狂乱のネコダラボッチの狂乱の波動を伸ばして死柄木の場所へと遠距離攻撃を仕掛けます!
時間稼ぎを頼めませんか!」
『ネコマンダー!出来るんだな!?』
「時間さえ稼いで貰えればあとは伸ばすだけです!」
『分かった!クラスト!』
『任された!』
『脳無の野郎共ちょっとずつ目が覚めてきてやがるのかどんどん強くなってやがる!長くは持たねぇぞ!』
「間に合わせます!!」
俺は山荘とバベル内部の感覚共有数を最低限に抑え、そのリソースの全てを蛇腔病院側の狂乱のネコダラボッチへと注ぎ込む。
『狂乱解放……60%!!』
正直このレベルの狂乱の波動は制御出来るかかなり怪しい。
だが無理を通してでも死柄木だけは今ここで絶対に止める!!
—————殺せ—————
ッ!来たか!
—————憎い……自分勝手に人を陥れる奴が憎い—————
「あぁぐっ!?」
クソッ、負担がかなりきつい……思考が塗りつぶされるっ!
—————気に入らない……人間のその残酷さが—————
「ぐっ!?ぅぅぅぅううう!?」
隣りにいるトゥワイスが俺を心配する声が微かに聞こえる。
ヴィランと言っても案外そういう優しさは残っているらしい。
—————殺せ!壊せ!喰らえ!引き裂け!蝕め!—————
かなり鮮明にネコムートの持つドス黒い感情が流れ込んでくる。
かなりキツイがギリギリ意識は塗りつぶされてない。
今のうちに!!
『伸びろ……波動よ!』
狂乱のネコダラボッチが持っている波動攻撃に俺が狂乱の波動を混ぜて操作する。
かなり距離が離れているせいで制御は怪しいが真っ直ぐ伸ばすだけなら何も問題ない!
—————壊せ!壊せ!壊せ!壊せ!—————
あぁ!壊してやるよ!!暗い未来なんか!!
狂乱の波動は地面から伸び、地上へと噴出しながら真っ直ぐ死柄木の元へと向かっていく。
それを必死に止めようと脳無達が群がってくるが波動攻撃はその特性上敵を貫通して進み続けるエネルギー攻撃の為に簡単には止まらない。
波動を相殺しようとしても個性は相澤先生が封じている為に物理的な手段しか用いる事は出来ないがそれでも止めることは不可能だ。
「あがっ!?」
突如俺の本体の左腕に遮断しているはずの痛覚が激痛を伝えてくる。
そしてどンどんその作りがにゃんこ城とシての機械の身体かラ作り変えラれて行くのを感ジる。
成ル程……どうヤら狂乱ノ波動を限界を超えテ引き出す為ニ俺の身体をネコムートニ近付ケテいルらしイ。
全ク……俺は何処ぞの乳龍帝カ……。
狂乱の波動はやがて死柄木の眠る培養カプセルの場所へとたどり着き、そのカプセルを貫いた。
『イヤァァァァァァァァァァアアアアアアアアア!?!?!?』
マッドサイエンティストの叫びが聞こエルガ俺は今それドコろじャなかっタ。
死柄木ゴと攻撃シタはズなノニ死柄木の身体ニハ傷一ツ付ケラレナカッタ。
正確には貫イタが瞬時に再生サレテ押し戻サレタ。
俺ハこノ事実ニトテツモナク嫌な予感ヲ感じテいた。