こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが   作:クロマ・グロ

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39スレ目(現実パート6)

 

爆炎と狂乱の波動が混ざりあって黒と紫が混ざったような爆炎を発生させ、それが死柄木を飲み込むがどうやら何かしらの手段で相殺されたのか死柄木の全身には火傷と黒く侵食する狂乱の波動の黒く変色した皮膚が見える程度だった。

 

狂乱の波動の侵食は自然治癒までには時間がかかるため今はいいが火傷のほうがもう既にある程度治癒し始めている。

どれだけ細胞分裂と成長による修復速度が速いんだ……?

 

下手したらイレイザーでも消せない異形関係の個性も身体能力に関わっていそうだ。

 

「スマッシュ!」

 

出久が狂乱の波動の混ざった爆炎に触れないようにエアフォースによるスマッシュで死柄木を大きく吹き飛ばす。

 

攻撃の手を止めてはいけない……そんな時、エンデヴァーが炎の翼により爆炎の元まで飛行する。

 

「エンデヴァー!その炎は!」

「死柄木の様子からある程度悪影響があるのは分かっている!

だがこの炎を使わねば火力が足りん!」

 

エンデヴァーは爆炎を掴み、自身の拳へと大量に纏わせながら死柄木へと向かう。

 

「『バニシングフィスト』ォォォォォオオオ!!!」

 

やがて全ての爆炎をその一撃へと込めたエンデヴァーは死柄木の腹へとその炎を叩きつけた。

 

「……!ギガントマキアが近づいてきている!」

 

母さんだけじゃ止めきれない!

Mt.レディは投げ飛ばされて距離を離されたせいでギガントマキアの前方に立ち塞がれず母さんのバフの効果を発揮しきれていない!

 

ミッドナイトは高所からの落下で重症だからにゃんこを向かわせているがかなり危ない。

 

合流される前に死柄木を何としてでも仕留めなければ!

 

肝心の死柄木はエンデヴァーの一撃により横っ腹を真っ黒に染めており、生きては居るがなんとか立つだけの気力は削ぎ落とせていた。

 

「野郎……まだ生きてやがる。

おい猫野郎、てめえの狂乱の波動は簡単には治癒しねぇんだろうな?」

「あのレベルなら少なくとも数カ月単位で後遺症が残るはずだ。

思考もかなり鈍くなるだろうが……あの状態の死柄木相手に何処まで効果があるかは分からない。

警戒するに越したことはない。」

 

エンデヴァーはゆっくりと腹を抱えて倒れ込んでいる死柄木へと近付く。

 

「終わりだ死柄木 弔。

いくら力を得ようとも信念なき破壊に我らが屈することは無い!」

「あああ……お前ら……ヒーローは……他人を助けるため家族を傷つける……父の言葉だ。」

 

……!今のエンデヴァーにはその言葉は無視できるものではないな。

 

「信念なら……ある……あったんだ。」

 

待てよ……?死柄木の身体……あんなに内側から裂けたような亀裂のような部分あったか?

 

何かおかしいぞ?

 

「くっ……何じゃあれは?」

 

死柄木の全身の亀裂がより深く入っていく。

 

そして死柄木がアレだけの重傷を負いながら立ち上がる。

 

何がアイツをそこまで駆り立てるんだ?

 

「ああ……ハァ……お前たちは社会を守るふりをしてきた。」

「早くトドメを……!」

 

俺は相澤先生の言葉に応えるためにもう一度腕をパージして狂乱の波動を注ぎ続ける。

 

「過去、何世代も守れなかったものを見ないふりして傷んだ上から蓋をしてあさましくも築き上げてきた。

ハァ……結果中身は腐ってウジが湧いた。」

 

俺はコイツの言葉を何一つ否定できないでいた。

 

ヒーロー飽和社会と聞けば聞こえはいいがそれだけのヒーローがいながらも犯罪を抑えきれない、力で押さえつけているからだ。

そしてヒーローの中には不正に手を出す者も出始めている上に異形差別や無個性差別のような社会問題にはノータッチだ。

 

あまりにも今の社会は歪みきっている。

 

「小さな小さな積み重ねだ。

守られることに慣れきったゴミ共。

そのゴミ共を生み出し、庇護するマッチポンプ共。

これまで目にした全てお前達の築いてきた全てに否定されてきた。」

 

…………。

 

「だからこちらも否定する。

だから壊す、だから力を手に入れる……!

フッ……シンプルだろ?」

「…………お前の言いたいことはよくわかる。

俺も常日頃から感じ続けていたからな。

この社会がそう簡単に変わらないのも……腐敗が進み続けてそれを防げないだろうことも……一度何処かで崩壊するのが目に見えているのも分かっていた。

だが超えてはいけない一線というものがある。」

「ククククッ……お前……やっぱりヒーローよりもこっち側だぜ?

何よりもこの社会が生きにくいと感じながら……それを守るために力を振るう……矛盾しやがるな。」

 

俺はなにも否定出来ない、なにもかもを雁字搦めにしたこの世界は前世の世界よりも圧倒的に生きにくいのはその通りだからだ。

 

「ハァ……理解出来なくていい。

"出来ない"から"ヒーロー"と"(ヴィラン)"だ!」

 

その瞬間、肉体の冷却の終わったエンデヴァーが不意打ち気味ではあるが炎で死柄木を包みこんだ。

 

「わざわざインターバルをどうも。

貴様ももう虫の息だろう、観念……ッ!?」

 

死柄木は炎から飛び上がって俺達の上を取る。

 

もう動けるようになったのか!?

狂乱の波動で侵食している上に片腕を失っているのにどうなってやがる!?

 

だがグラントリノが死柄木の上を取って地面へと叩きつける。

 

「ぐぁっ!?カハァッ!?」

 

しかし死柄木のパワーは尋常ではなく、アレだけ死にかけているのにグラントリノをアッサリと払い除けてその右脚を掴んで握り潰した上に地面に叩き潰した。

 

「グラントリノ!」

「下手に出るな出久!!

やらせるかぁ」

 

俺は拳を振り上げてグラントリノの腹部に振り下ろそうとしている死柄木へと向けてチャージが不十分だが狂乱の波動を照射する。

 

「っ!?更に加速している!?」

 

死柄木はすぐにグラントリノから手を離して俺の攻撃を回避し、相澤先生の方へと向かっていく。

 

ただ先程ポケットの方から何かを取り出したのが少し気になる。

 

何を取り出した!?

 

「行かせない!!ぐっ!?」

 

相澤先生へと突撃する死柄木をリューキュウがその巨大な手で掴んで動きを止めるが死柄木はそのリューキュウの手をアッサリと素手で貫いた。

 

「手伝います!」

 

俺は狂乱の波動で死柄木を雁字搦めにして動きを一気に制限するが死柄木は貫いたリューキュウの手から自分の手を傷口を抉りながら出し、赤く針の付いた弾のようなものを取り出した。

 

「消失弾を!?」

「あっ!?」

 

俺はすぐさま相澤先生の方へと狂乱の波動を伸ばすが死柄木の放った消失弾には追いつけずに相澤先生の右脚へと命中する。

 

「先生!!!!」

「ッ!!!!」

 

だが相澤先生はすぐさま大振りのナイフを取り出してその命中した右脚を切り飛ばした。

 

対処としては正解だ、最悪俺のネコナースが治すことも出来る。

 

だがその一瞬、脚を切り飛ばした激痛により相澤先生の個性発動が綻んだ。

 

「ぐぅぅあっ!?!?」

「まずっ!?」

「うわっ!?」

「うおっ!?」

 

その一瞬を逃さず死柄木は個性を発動して俺の拘束ごとリューキュウを吹き飛ばした。

 

しかも一瞬とはいえ超再生が戻ったせいか俺が消し飛ばした片腕が半ばまで再生していた。

 

拘束から抜け出し、俺たちを吹き飛ばした死柄木はすぐさま相澤先生の元へと向かう。

 

「ハァッ!!」

「先生ーーー!!」

 

いつの間に来ていたのか轟が死柄木を氷塊に巻き込んで動きを止めたが、相澤先生はその右目を死柄木の指により削られ失明しており、両目の付近から大量の出血を起こしていた。

 

不味い……相澤先生の個性を発動不能にさせられた!

 

「くっ……!先生!!」

 

出久が死柄木の手に触れないように吹き飛ばすがまたしても死柄木の個性によって全員が大きく吹き飛ばされ、距離を取られる。

 

粉々に砕けた氷の混ざった土煙から現れた死柄木は狂乱の波動の侵食以外は完全に治癒しきっており、消し飛ばした片腕も完全に再生しきっていた。

 

「守った先に何がある?

必死に先送りしても待っているのは破滅だけ。」

 

不味いな……一気に形勢逆転された!

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