こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが   作:クロマ・グロ

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すみません、この辺りの下りでどのくらいオリジナル要素をいれるかとかでだいぶ迷いました


40スレ目(現実パート3)

 

 

今……燈矢って言ったか……!?

 

まさか死んだはずのエンデヴァーの息子……轟燈矢か!?

 

「顔はこんななっちまったが身内なら気付いてくれると思ったんだけどなぁ。

薄情だよなぁ……悲しいよなぁ実際。」

「え……っ!?」

「でも俺は忘れなかった、言われなくてもずーっとお前を見ていた。

みんながみんな清廉潔白であれとは言わない、お前だけだ。」

 

こんな……こんなタイミングでなんてとんでもない暴露話を……!?

 

エンデヴァーが完全に己に対する絶望と罪悪感で戦意を喪失している!

 

「事前に録画しておいた俺の身の上話が今全国の電波とネットに乗って走ってる。」

 

なっ!?

 

俺はすぐさま近くに届いている電波を拾ってそこから発信されているデータを脳内で読み込む。

 

「っ!?嘘……だろ……!?」

 

不味いなんてもんじゃない!よりにもよってこのタイミング、しかもNo.1ヒーローの大スキャンダル!

どう考えてもこの後の社会は大混乱してヒーロー社会が砕け散るのは目に見えている!

 

そして突如として荼毘……いや、轟燈矢は踊り始める。

 

「いけねぇ、なんだか楽しくなってきた。

どうしたらお前が苦しむか、人生を踏みにじれるか!

あの日以来ずーっと考えた!

自分が何故存在するのか分からなくて、毎日俺が夏君に泣いてすがってたこと知らねぇだろ?

最初はお前の人形の焦凍が大成した頃に殺そうと思ってた。

でも期せずしてお前がNo.1に繰り上がって……!俺はぁぁ!!

……お前を幸せにしてやりたくなった。」

 

一体……何を言っているんだ……!

 

「九州では死んじまわねえか肝を冷やした!

"星のしもべ"や"エンディング"を誘導して次々にお前にあてがった!」

 

っ!?あいつらの事件に関わっていた!?

 

「念願のNo.1はさぞや気分が重かったろ?

世間からの称賛に心が洗われただろ?

子供たちに向き合う時間は家族の絆を感じさせただろ?

未来に目を向けていれば正しくあれると思っただろ?

知らねぇようだから教えてやるよ!!

 

過去は消えない……ザ・自業自得だぜ!」

 

これは……エンデヴァーには乗り越えることが出来ないはずの絶望だ。

あれは……もう完全に心を壊している!!

 

「さぁ一緒に落ちよう轟炎司ィ!

地獄で俺と踊ろうぜ!なぁぁぁ?お父さん!!」

「あぁ…………っ!?!?」

 

エンデヴァーはまるで信じられないとばかりに口を開く。

だがその表情には大きな迷いがあった……もし本当のことだとしたらという迷いが。

 

「燈矢は死んだ……許されない嘘だ。」

「俺は生きてる!許されない真実だお父さぁん。

何故俺が息子だと気付かなかった?

炎系の"個性"は珍しくもないから疑問すら抱かなかったかぁ?

疑ってんなら血でも皮でも提供するぜ?DNA鑑定すりゃあいい。

まぁこっちはとっくに済まして公表中だけどな。」

『DNA鑑定の結果です。

九州の戦いで残されたエンデヴァーの血と99.99%一致してます。

それでも捏造を疑われるでしょう。

僕は信じてもらえるよう話すしかありません。』

 

あれは……!明確な証拠!それも正式な診断書だ!

 

『エンデヴァーはその後も母に子を産ませ、四人目にして……皆さんご存知の方もいるでしょう?

成功作の焦凍が生まれました。』

「く……ぐ……くぅ……くぅぅ……っ!!」

『そして待望の傑作にさえ手を上げています、僕は何度も見てきました。

エンデヴァーは他者を思いやる心なんて持ち合わせてない。

自己顕示に溺れた矮小で独り善がりの精神。

そんな人間がヒーローを名乗っていいと思いますか?

エンデヴァーに連なる者も同様です。』

 

そしてその瞬間、電波ジャックによって流れている映像に更に最悪な映像が流された。

 

それは……ホークスによって背中から的確に急所を剛翼で出来た剣によって貫かれたトゥワイスの姿……それも『これがヒーローの真の姿だ』というご丁寧な字幕付きでだ。

 

いくらトゥワイスは俺が助けて生きているとはいえこれは致命的過ぎる!

 

いつの……間に……!襲撃の間にこの映像を録画したというのか……!

 

『ホークスは泣いて逃げるヴィランを躊躇無くその刃で貫いた。

僕が守ろうとした目の前で……。』

 

これは……もう駄目だ、守りようがない。

社会の大混乱は完全に避けようがない。

 

ヒーロー社会の崩壊は決定的に決まってしまっていた。

 

もう市民から俺たちヒーローへの信頼は殆ど失われた……!

 

「エンデヴァー!こっちは俺からのプレゼントだ!

スパイ野郎のホークスのことも調べて回った。」

『ホークスは僕らに取り入るためにあろうことかヒーローを殺しています。

休養中だったNo.3ベストジーニストを。

暴力が生活の一部になってしまっているから平然と実行出来てしまう。

それもそのはず、彼の父親は連続強盗殺人犯……ヴィランだった。』

 

っ!?!?

 

『彼が経歴も本名も隠していたのはそのためでした。

彼の父はエンデヴァーに捕まっています。

なんの因果かそういうさがを持った人間ばかりが寄って集まる。

……僕は許せなかった!後ろ暗い人間性に正義という名の蓋をしてあまつさえヒーローを名乗り人々を欺き続けている!

よく考えて欲しい!彼らが守っているのは自分自身だ!』

 

こ……れは……!

 

俺は荼毘の……轟燈矢のこの演説からある男の幻影を重ねてしまった……!

 

『皆さんは醜い人間たちの保身と自己肯定の道具にされているだけだ!』

 

これは……!第二のヒーロー殺しステイン!原点主義の象徴だ!!

 

「今日まで元気でいてくれてありがとう!

エンデヴァァァァァァァァァアアアア!!!!!」

 

荼毘はエンデヴァーへと向かって飛びかかる。

 

不味い、エンデヴァーは今現実逃避で完全に目の前の事実に理解が追いついてない!

 

腕は……!ちょうど今完全にネコムート化した!!

 

動け……動け……動け……!

 

「親父!来るぞ!親父!!」

 

不味い!炎の威力だけなら荼毘は今の消耗した二人を大きく超える!

 

動きやがれぇぇぇぇぇぇぇえええええ!!!!

 

俺の右腕はその瞬間今まで限界を超えた……出久やオールマイトすらも超えた出力を発揮して俺の肉体を弾き飛ばした。

 

「赫灼熱拳!プロミネンス……何ッ!?」

「グゥゥゥルァァァァァァァアアア!!!!」

 

俺は破壊や殺戮といった衝動を抑え込み、腕力のみでの跳躍によって得たスピードを乗せた右腕による一撃を荼毘へとたたき込んだ。

 

更にその瞬間上空から大量のワイヤーのような物が現れて吹き飛ばした荼毘とギガントマキアに加えてその上に乗っている連合の連中を拘束した。

 

「遅れてすまない!ベストジーニスト、今日より活動復帰する!」

 

っ!生きていたのか!ということは死を誤魔化したのか!

 

俺は冷静に自分の状況を確認してみる。

ウィルスやハッキングは収まったが右腕の付け根から胸にかけて狂乱の波動が肉体を侵食しつつある、とはいえまだ制御出来る。

 

恐らく制御に大半の意識を割かないとすぐにでも戦えなくなる。

 

感覚共有はほぼ封じられたなこれは……かなり痛いがまだ致命的じゃない。

 

「ぐっ!?ぅぅぅうう!?」

 

ギガントマキアが倒れた!弱っている様子だがあの巨体を完全に封じるなんてどんな繊維を持ってきたんだあの人は!?

 

「私たちは紡ぐ……一縷の希望を!」

 

一気に形勢は覆った!死柄木は今完全に意識を失っている、連合の奴らもジーニストによる拘束で動けない上に荼毘は先程の一撃で致命傷一歩手前レベルのダメージだ!

 

やりすぎた感は否めないがそうでもしないと恐らく奴は止まらない。

 

だが俺はこれだけ有利な状況に至ってもまだ心の何処かが警鐘を無らし続けていた。

 

油断は絶対にしてはいけないな……!

 

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