こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
「あぶね……」
爆発さん太郎のあまりにも酷すぎるネーミングにより俺の肩の力が一瞬緩み肉体への狂乱の波動の侵食は進んでしまったがすぐに俺は気を取り直す。
「アハハッ!良いヒーロー名だね!ユーモアがある!」
「かけらもねぇんだが!?」
漫才やってる場合か!?
俺はすぐ背中に狂乱の波動を回して新しい腕を生み出して空間を叩き割るどこぞの白い髭のような動作をする。
コレによりひび割れた空間から紫色の大きな亀裂が発生し、そこから大量の狂乱のネコ達が現れた
「勝k……ダイナマイト!そいつらの所に着地しろ!」
「ネコ野郎!制御は!?」
「安心しろ!ギリギリ出来ている!」
大怪我している上に地面へと落下中の勝己をそのまま叩きつけさせるわけにもいかないからな。
その点ネコ達は妙な弾力があるおかげで衝撃吸収性に優れており、緊急時の足場としては非常に優秀だ。
……まぁあとで足場にしたにゃんこ達には多めにネコ缶送ることにはなるが。
それはそれとして新しく背中側から生み出した腕を俺はすぐに解除する、流石にこれ以上展開していると肉体への侵食が一気に広がってしまうからだ
「くっ……!」
「"元気とユーモアのない社会に明るい未来はやってこない"。
失敬した、俺のモットーなんだ。
さて……どうやらボスも動けないみたいだ、ここを抑えて総決算だ!」
だが問題はかなり多い、にゃんこ達とヒーロー達を抜けてきた多数のニアハイエンド脳無。
更に多数の重症者に加えて四肢が紫色になっている出久の護衛。
コレに加えて俺とジーニストはギガントマキアの拘束に全力を割かなければいけない上にジーニストはまだ傷が完治していない。
恐らくだがジーニストは相当無理して個性を行使しているはずだ。
荼毘の方は俺がかなり骨を砕いた筈だが痛覚が相当鈍いのか普通に動けている……とはいえ折れた骨がかなり影響しているのか相当動きは鈍い為轟が優勢だ。
「ネコマンダー!」
俺はジーニストの声が聞こえると同時に背中から近付いてくるニアハイエンド脳無を再度背中から作り出したネコムートの腕で吹き飛ばしてギガントマキアへの攻撃の手を止めない。
そして今度はブチブチと繊維が千切れるような今1番聞きたくない音が周囲の金属が軋むような音と同時に聞こえてくる。
不味いな、ギガントマキア拘束用の特殊繊維ももう限界か……!
「うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「やばい!?」
「ゴホッ……立て直す……!」
「うぅ……うぉぉぉお!!」
ギガントマキアはその手から先程のような巨大な爪を作り出し、肉体の構造をより刺々しい物へと変化させる。
だがそのギガントマキアへと向かって一筋の緋色の焔が向かっていった
「ぅぅぅうううあああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」
「エンデヴァー!」
「親父!!」
エンデヴァーはその渾身の一撃でギガントマキアを大きくよろけさせ、血を吐くと同時に全身からその炎が消えて落下していく。
「んん……。」
ギガントマキアは全くダメージを受けた様子はない、だがその様子がだんだんとおかしくなっていく。
「うっううっうう……!?」
一体何が……?
「力が……急に……うぅ……。」
「マ……マキアァァァァアアア!?!?」
ギガントマキアは突如としてその巨大な肉体から力が抜けたように脱力していき、その場へとうつ伏せで倒れていった。
一体何が……。
「山荘からの報告では効果は無かったって……!」
……効果は無かった?
俺は通形先輩のその言葉に疑問を抱いた。
「麻酔が効いてる!!」
っ!そういうことか!
どうやら向こうの山荘組のみんなはどうやったのかはわからないがこちらに来る前に事前にあのギガントマキアに麻酔を接種させたようだ。
効果は無かったというのはあの興奮状態に加えて肉体があまりにも大きすぎて全身……いや、肉体の主要な器官へと回るのに時間がかかったのだろう。
それに加えて先程から加え続けていたダメージが疲労を蓄積させていた為に一気に弱っていったのだろう。
ギガントマキアが封じられたのなら俺は自由に動ける!
ここまで状況が好転したのならばいけるぞ……!
俺はすぐさまニアハイエンドに苦戦している味方の援護に向かっていく。
「向こうのヒーローが苦戦するわけだ!
動きは単純だけどスピードと強靭さが尋常じゃない!
恐らく1体1体が九州の脳無に匹敵するほどの強さ!
雑兵に与えられていいスペックじゃないんだよね!」
「先輩!全力で攻撃するんで全身に透過を5秒程!」
「わかった!」
俺は右腕の爪に狂乱の波動の100%を収束させ大きく縦に振るった。
横に振るえば確実に味方に被害が出る為だ。
俺が振るった一撃は前方の地面に3本のとんでもない範囲の爪痕を残し、一瞬にしてニアハイエンド脳無数体を巻き込んで消し飛ばした。
とはいえその余波が凄まじく、地面がえぐれた衝撃によって一気に爆発するように弾けていった。
「よっと……って何が起きたんだい!?」
危ねえ……通形先輩が出るのが1秒早かったら確実にミンチにしてた……。
ちょっとコレは……気軽に使える強さじゃないな……。
俺はギガントマキアとヴィラン連合を強く拘束しているベストジーニストに攻撃が向かないように脳無を生かし続けていく。
「絞め落とす……!」
俺は次々とやってくる脳無を右腕で切り裂いていく。
かなり集中力はいるがこの攻撃力があれば少なくとも脳無を潰すだけなら何とかなる。
肉を裂いたり潰していくこの感触はどうしても慣れないし精神的に罪悪感が蓄積していくが俺はこいつらはもう死んでいるからこそ殺してでも止める必要があると割り切ることにしている。
そうじゃないと俺の精神がこの現状に耐えられず肉体がネコムートの狂乱の波動に飲み込まれ、確実に暴走するからだ。
そしてその瞬間、拘束されていたヴィラン連合のMr.コンプレスがとんでもない事を行った。
「ぐぅ!?」
「はっ!?」
コンプレスは自らの肉体の一部を"圧縮"で抉り取って可動スペースを確保し、その一瞬の隙を突いてジーニストからの拘束から逃れてしまう。
しかも最悪なのはすぐ近くに死柄木とスピナーの二人がいる為、下手したらその二人も逃がされてしまう。
「やらせるか!!」
俺は狂乱の波動で若干無茶な出力ではあるが肉体を強化してヴィラン連合へと向かっていった。
だがあまりにも対応が遅かった、コンプレスはスピナーごと死柄木を圧縮して逃げ出していく。
「そのケガは致命傷だ!逃げられんぞ!」
ジーニストは個性でコンプレスの服の繊維を操って拘束しにかかるが肉体ごと服を圧縮してコンプレスはアッサリと拘束から逃れてしまった。
しかも荼毘まで回収されてしまった
俺はすぐにジーニストと通形先輩と共にコンプレスへと向かっていく。
「タネは取っとくもんなのよ。」
「これ以上はやらせないね!」
「さぁてお立会い、Mr.コンプレス……一世一代の脱出ショーの開演だ。
お代は結構!最後までごゆるりと……!?」
俺と通形先輩はコンプレスが何かする前に一撃で仕留める為同時に左右から殴り、その意識を刈り取る。
流石にあそこまで重症のやつを右腕で殴れば死ぬため左で殴ったがな……とはいえこのままだとこいつは死んでしまう為個性発動に必要な左手を若干罪悪感はあるが切断して急遽追加で生産したネコナースを空間を殴って呼び出して急ぎで治療をしてもらう。
ギリギリで一命を取り留めてくれればいいんだがな……。
だがその瞬間……凄まじい電波と衝撃波が発生して俺達は吹き飛ばされてしまった。
まさか!?
「『弔は本当にいい仲間を持った。
心とは力だ、彼の心が原点を強く抱けば抱くほど共生する僕の意識も強くなる。』」
なんだ……コレは?
声が二重に……いや、それ以前にまるでオール・フォー・ワンのような……?
それに共生だと!?
「『頑張ろうな、弔。』」
俺達はこの瞬間……一気に形勢を逆転されてしまった。