こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
「色々考えてたんだけどな、俺の個性と最終的なスタイル考えたらこれが一番しっくり来たんだ。
司令塔ヒーロー『ネコマンダー』。」
周囲から『おぉ?』という声が響いてくる。
まぁ思ったよりもそのままな名前だしそういう反応にもなるか。
「司令官とか指揮官って意味のコマンダーに個性のネコを掛け合わせたのね!分かりやすくていいと思うわ!
司令塔なのは猫城君のにゃんこ城形態から取ってるのね。
ただ……確か猫城君のコスチュームって和風の武士っぽい感じの奴じゃなかったかしら?」
「確かに……あれだとどっちかというとネコ将軍って感じだよなぁ。」
「あぁ……それなんですけど、USJの一件でヒーローコスチュームが完全にダメになって修復どころじゃなくなったので新しく作る事になりまして、それだったら自分も動きやすくて汎用性の高い装備となると結局軍服になったのでそれを希望として出しておいたんですよ。」
「へぇー、成る程ね……確かにあの時の猫城君のコスチュームは鎧部分が全部砕けて布もズタズタにされていたものね。」
正直あの暴走状態が原因で俺はまともに体を動かせなかったからなぁ……とはいえ身体能力が完全にオールマイトと同等な化物相手に生身じゃ絶対に勝ち目は無かったから助かってはいたんだが。
「まぁコスチューム自体は届いてるから今度の実践訓練形式の授業の時にでも出すよ。」
「なかなか楽しみになってきたわね!
あと残ってるのは再考の爆豪君と……飯田君、そして緑谷君ね。」
勝己は確実に何度も再考食らうと思うからどうでもいいが……天哉と出久に関してはかなり顔が強張ってるな……お互い確実に違う理由だな。
天哉は一度書いてから途中で止まり、書き直してからかな。暗い表情で前に出た。
「あなたも名前ね。」
俺にはその表情がどうにも気になってしまった。
だが家族のヒーロー生命が絶たれたとなるとな……。
生きているだけマシなのだろうが……早まった真似をしないと良いんだが。
するとミッドナイト先生が出久へと視線を向けた。
「緑谷君、出来た?」
「あっ……はい。」
すると出久は前に出てその意外なヒーロー名を発表した。
そのあまりにもなヒーロー名に周囲からざわついた声が聞こえ始める。
「緑谷?」
「良いのか?それで?」
「一生呼ばれ続けるかもしんねえんだぜ?」
特に上鳴や鋭児朗は出久を心配するように声をかける。
「うん、この呼び名……今まで好きじゃなかった。
けど……ある人に意味を変えられて……僕には結構な衝撃で……嬉しかったんだ。」
そして出久は顔を上げて全く恥じてすらいない……とても自信に満ち溢れた顔で答える。
「これが……僕のヒーロー名です!」
そうして答えた出久のヒーロー名。
『デク』
本来は勝己からそう呼ばれて馬鹿にされていた名前だ。
出来損ない……木偶の坊のデク。
だがそれを変えたのが麗日さんだったわけだ。
ある意味運命的だとは俺は思う。
そして勝己のヒーロー名は何度も再考を食らうことになった。
「『爆殺卿』!!」
「違う、そうじゃない。」
結局あのバカは時間が終わるまでまともなヒーロー名を決められず暫定的に『バクゴー』となった。
_________________________________________________
「さて、全員のヒーロー名が決まった所で話を職場体験に戻す。
期間は一週間、肝心の職場だが指名のあった者は個別にリストを渡すからこの中から自分で選択しろ。」
ェ゛……あの数から選択しろと?
正直5000を超えるヒーロー事務所なんて見てられないので有名な所だけピックアップして選ぶか……。
「指名の無かった者はあらかじめこちらからオファーした全国の受け入れ可の事務所40件、この中から選んで貰う。
それぞれ活動地域や得意なジャンルが異なる。」
「例えば13号なら対ヴィランより事故、災害などの人命救助中心……とかね。」
「よく考えて選べよ?」
「「「はい!」」」
俺達のような指名があった奴らはもっと自分に合うような所を選べる訳か……こりゃスレニキ達との相談だな。
そして授業時間が終わり、チャイムがなると同時に俺達にプリントが配られた。
「俺は都市部での対凶悪犯罪!」
「私は水難に関わる所がいいわ、あるかしら?」
皆が配られたプリントを確認しながら楽しそうに相談している。
「今週末までに提出しろよ?」
「あと2日しかねぇの!?」
「効率的に判断しろ、以上だ。」
そうして相澤先生とミッドナイト先生の二人はそのまま退室していった。
俺は目の前にある書類の山を見る。
…………この中からピックアップしなきゃいけないのかぁ……。
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結局休み時間を使って少しずつピックアップはしていったがあまりにも件数が多すぎて昼休みになるまでに半分しかまだ見れてなかった。
そんな中ヒーロー事務所の書かれたプリントとにらめっこしていた芦戸さんが教室にいる皆に声をかける。
「みんなどのプロ事務所に行くか決めた?」
そして即決していたらしいエロブドウが一番に答えた。
「オイラはMt.レディ!」
「峰田ちゃん、やらしいこと考えてるわね。」
「ちっ……違う……」
「行っとくがお前が期待してるようなことはまず起きないと思うぞ……あの人とはプライベートで会ったことがあるけど思った以上にかなり残念な人だ……おそらく精々が雑用ってとこだろ。」
「はぁ!?なんでプライベートで……ってそういやお前の両親プロヒーローだっけか。」
俺はあの人の実際の性格を知ってるから言えるんだが……本気で峰田がどう扱われるのか分かりきってるんだよ……。
「あぁ……母さんとMt.レディが知り合いでな……ただあの人はぶっちゃけかなり自堕落な性格だ……悪いことは言わないから止めとけ。」
「そそ、そんなこと実際に行ってみねえとわかんねぇじゃねえか!!」
「忠告はしたぞ、あとは知らん……。」
あぁ……一応あの人に連絡入れてすこしでもまともに扱われるように言っておくべきか……いや、エロブドウの自業自得か。
止めておくとしよう……。
「芦戸もいいとこまで行ったのに指名無いの変だよな。」
「それ~!!」
「デク君は受け入れ事務所決めた~?」
麗日さんはそう出久へと話題を振るがあいつの性格なら今頃……。
「まずこの40名の受け入れヒーローらの得意な活動条件を調べて系統別に分けた後……ブツブツブツブツブツブツ。」
『『『芸かよ、もはや……。』』』
尾白、エロブドウ、麗日さん、芦戸さんの四人が困ったような笑みを浮かべながら出久を見ていた。
「あっ、ごめん、夢中になっちゃって。」
「そうとう悩んでるわね、緑谷ちゃん。」
「実は私、もう決めてるよ!」
「ホントに?」
「どこ?」
麗日さんはどうやらとっくに決めていたらしい。
「バトルヒーロー『ガンヘッド』の事務所!」
ガンヘッドか……麗日さんにしてはかなり意外な所を選んだな。
「え……ガンヘッドってゴリッゴリの武闘派じゃん!麗日さんがそこに!?」
「うん!指名来てた!」
「そうなんだ!僕はてっきり13号先生のようなヒーローを目指してるのかと……。」
「最終的にはね。
でもこの間の体育祭で爆豪君と戦って思ったんだ、強くなればそんだけ可能性が広がる!やりたい方だけ向いてても見聞挟まる……と!」
「成る程……!」
「それよりさっきから気になってんだけど……震えてるね?」
麗日さんが指摘した通り確かに出久の体が小刻みに震えている。
だが俺はこいつの努力を知ってるのもあってなんで震えているのかはだいたい予想がついていた。
「あっ、これ空気椅子」
「空気椅子!?まさか授業中ずっと!?」
「そんなバカな!?」
「空気椅子とか古くねぇか?」
「何言ってるんだ!空気椅子は筋肉の等尺性収縮を応用した動けない状態でも手軽に出来るトレーニングだよ!」
「…………うるせぇ。」
なんか話が段々筋トレ談義にずれてきたな。
ってか勝己の真後ろで集まって話してるからいい加減勝己がイラついてきてるな。
すると常闇が腕組みをしながら出久達を見て呟く。
「二兎追う者は一兎をも得ず。」
俺はとりあえずヒーロー事務所の一覧にある膨大な数の事務所を一つ一つ見ていくと一つのヒーロー事務所が目に留まった。
……ギャングオルカか。
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「デク君!一緒に帰ろ!」
「うん!」
「猫城君達に飯田君も……あれ?」
麗日さんが俺達と一緒に帰らないか誘ってくれたが肝心の天哉は既に教室には居なかった。
「きっと希望体験先の事務所が決まって職員室に提出しに行ったん……うわっ!?」
「ワタシが独特の姿勢で来た!!」
「……なにあれ?」
「……顔面の圧力が相変わらず怖い。」
出久が扉を開けようとしたらまるでお辞儀したようなとても独特な姿勢で扉を思いっきり開けたオールマイト先生の姿があった。
ってかなんかオールマイト先生はキャスリィとヒメユリの二人に怖がられてるんだよなぁ……。
「どうしたんですか?そんなに慌てて……。」
「ちょっとおいで……。」
「……はい?」
オールマイト先生は出久を手招きする。
結局出久はオールマイトに連れられて行ったのでとりあえず俺と麗日さんとで帰ることにした。
途中で葉隠さんと八百万さんの二人を見つけたので途中まで一緒に行かないかと話して6人で帰ることになった。
そんな中突然葉隠さんが俺の個性についてある事を聞いてくる。
「そういえば猫城君って体内のパーツとか取り出せるんだよね?」
「ん?あぁ、一回にゃんこ城形態にしてから外して出す必要があるがあんまり使わない機能だな。
それが何か?」
「ならさならさ!外したパーツを他のサポート系の会社とかに頼んで強化して貰うとか出来ないの?」
「外したパーツを強化か……考えたことも無かったな……。
ただもし壊れて修復不可能になったら少し怖いな。」
「あ……そっか、替えが利かないもんね。」
「でもアイデアとしては悪くないと思いますわ。
以前猫城さんは自分のリソースの増加速度についてぼやいていましたもの。」
「まぁな……流石に今のままだと殲滅された時にかなりじり貧になるからな。」
するとヒメユリが俺の袖を引っ張る。
「…………ガマトトとオトートが出たらもしかしたらいける?」
「ガマトトとオトート……そういえばガチャにいたな。
あいつらなら……。」
「私ちょっと興味あるな~!」
「私ももしかしたら何か役に立てるかも知れませんわ。」
「んー、私もデク君と少し相談してみようかなぁ。」
結局の所途中で別れる事になったから話は中断する事になったんだが……俺は次のガチャを引く予定日を確認しながら自分の個性についてより考察していくのだった。
オールマイトへの印象。
『猫城』
尊敬出来るヒーローだがヒメユリとキャスリィの二人が怖がっているので複雑。
『キャスリィ』
画風が怖い。
最近はちょっとなれてきたけどたまに変な事(丸見えな隠れ方しながら緑谷を見守っている)してて怖い。
『ヒメユリ』
顔面の圧が怖い。
悪い人ではないと分かっててもちょっと怖い。
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