こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが   作:クロマ・グロ

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14スレ目(現実パート3)

 

妙だな……ステインが出久を認識した途端に若干目付きが変わった?

 

俺が警戒を強めていると天哉が殆ど動かないその体で疑問を口にする。

 

「緑谷君……何故……?」

「ワイドショーでやってた!

ヒーロー殺しの被害者の6割が人気(ひとけ)のない街の死角で発見されてる。

だから騒ぎの中心からノーマルヒーロー事務所辺りの路地裏をしらみ潰しに探してきた!」

 

相変わらずあいつの考察力と行動力には恐れ入る……まさかそれだけの情報から粗方の居場所を突き止めて発見するとは……。

 

そして俺も!

 

「ったく!世話を焼かせやがってからに!」

「猫城君!それにキャスリィちゃんにヒメユリちゃん!」

「天哉には言いたいことは山程あるが……とりあえず助かった、おそらくネコUFOだけだと間に合わなかったからな。」

「相変わらず心強いよ。

飯田君、動ける?大通りに出よう。

プロの応援が必要だ。」

 

だが到着したばかりの出久はまだあいつの個性により天哉の動きが完全に封じられているのに気が付いてないようだ。

 

「体を……動かせない……!」

「あっ……!」

「斬り付けられてから……恐らく……やつの個性!」

「それもワイドショーの解説者が推測してたとおりだ。

斬るのが個性の発動条件ってことか!」

「いや、斬るのがトリガーじゃない。

でなけりゃ天哉は斬られた瞬間に動きが封じられたはずだ。」

「……?確かに……若干タイムラグが……。」

「ハァ……猫城 釜戸……やはり貴様にはこいつらの視界が見えていたようだな。」

 

そう言うとステインは壁に縫い付けられているちび巨神ネコをそのナイフで指す。

まぁさっき到着したばかりの俺が状況を知ってる時点でバレるわな。

 

「ん……はっ!もう一人いる!?

猫城君、あの人運ぶのを頼める?」

「悪い……今マルチタスクでかなりの数のにゃんこを指揮して脳無も相手してるからそこまで気遣える程の余裕が残ってない。

目の前の戦闘に集中しないと脳の処理が追い付かない。」

「そっか……そうなると……。」

 

そう、実は今感覚共有の大半を飛行型脳無への攻撃に集中しており、マルチタスクで行えることの上限が限られているのだ。

例えステインから逃げながら動けないヒーローまで守るとなると俺の思考処理能力が低下して逆に戦闘能力が大幅に下がってしまう。

そして脳無に関しては正直今の状況ですら結構きついのだ。

なんならさっき回収した感覚共有をそっちにさらに割いている。

 

すると天哉が何をトチ狂ったのかアホな事を抜かした。

 

「緑谷君……猫城君……!手を……だすな!」

「あっ……。」

「はぁ?」

「「……?」」

「君達は関係ないだろ!」

 

すると出久が若干表情を暗くして答える。

 

「何……言ってんだよ。」

「仲間達が助けに来た……。」

「あっ!」

 

その声に出久はステインの方へと向き直り、戦闘態勢になる。

 

「いいセリフじゃないか。

だが俺はこいつを殺す義務がある。

ぶつかり合えば当然……弱い方が淘汰されるわけだが。」

「っ!?!?」

「さぁ、どうする?」

 

すると俺達はステインから今まで感じたことがないレベルの尋常じゃない威圧感を感じる。

 

「くっ……!」

 

出久の辺りからなにやら物音が聞こえたのでキャスリィの目を一瞬借りて見ると隠れてスマホによる暗号か何かとしか思えないような最低限過ぎる位置情報を皆へと送っていた。

一応プロヒーローにも応援は頼んでるが状況があまり良くはないな。

 

「ヒーロー殺しステイン……お前にこのバカを殺す義務があるなら……俺達はこのバカ含めて人々を守る義務と責任がある。

それ以上に目の前で人が殺されようって時に見捨てられるわけ無いだろうが!」

「やめろ!逃げろ!言ったろう!?君達には関係ないってだから!」

 

この阿呆は……!

 

「そんなこと言ったら……!ヒーローは何も出来ないじゃないか!」

 

出久の言うとおりだ。ヒーローたるもの確かに建前はいるがどんなやつも守るのも仕事だからな。

 

「い……言いたいことはいろいろあるけど……!あとにする。

オールマイトがいつも言ってた。

余計なお世話はヒーローの本質なんだって!」

「っ……!」

 

するとステインの出久を見る目が大きく変わる。

 

やっぱりだ……ヴィランであることには間違いないんだが……この目はむしろヴィランとは敵対している者の目だ。

なんだ……この違和感は。

 

「くっ……。」

「ハハッ!」

 

そしてステインはかなり凶悪な笑みを浮かべた。

 

「猫城君!援護よろしく!」

「出久!くそ!ネコドラゴン!!」

「「「ニャァァアアア!!」」」

「ハァ!」

 

出久は凄まじい速さで突っ込むとステインはカウンター気味に出久へと斬りかかる。

俺は今のうちにコスチュームに取り付けられたラックからさらっとサポート科に頼んで作って貰った帯電コンバットナイフを片方4つずつの計8つを取り出してそれぞれの指の間に挟んで爪を作る。

 

「ダメだ!緑谷君!そいつに斬られたら……!」

「デヤァァア!!ッ!?」

 

出久は既にステインの懐へと潜り込んでおり、ステインはその刀を出久へと振りかぶったが既にそこには出久は居なかった。

 

俺はステインの気を更に逸らす為にネコドラゴンにブレスを吐かせて突撃する。

 

キャスリィとヒメユリも遠距離からの援護や、動けなくなっていたヒーローを運び出していた。

 

「くっ!」

 

ステインはネコドラゴン達の攻撃を避けて俺にナイフを投げてくるがそれを爪で弾き返す。

 

「5%DETROIT……SMAAAAASH!!!!」

 

俺達に気を取られていたステインは出久からの一撃に反応することが出来ずに頭上からの一撃を食らう。

 

ってか今の強化率で5%だってのか……!?

 

それにあの動き……最初の模擬戦での勝己の動きとほぼ同じ物か!

 

だがステインはせいぜいが軽く怯む程度であり、すぐに刀を口に持っていく。

 

不味いな……。

 

「体が……くっ……!?」

 

どうやらステインの刀がかすっていたらしい。

 

「パワーが足りない。

俺の動きを見切ったんじゃない。

視界から外れ、確実に動けるよう画策した……そういう動きだった。

口先だけの人間はいくらでもいるがお前は生かす価値がある。

こいつら二人とは違う。」

「ッ!!」

 

ステインは俺のナイフを簡単に受け流しながら出久へとそう答える。

 

こいつ……!体術……いや、経験だけなら父さんよりも上か!

慣れすぎている!

 

刃虎爪乱撃(じんこそうらんげき)!!」

 

俺は両手の爪をフェイントも混ぜて不規則に見えるように動かし、どんどんステインの反撃出来る範囲を狭めていく。

 

「こいつは……残念ながら知っている(・・・・・・・・・・)!!」

「なっ!?ぐっ!!」

 

ステインは俺の攻撃を悉く最適な動きで受けきり、弾き返した。

動きを知っている!?俺はまだ世間含めて見せていない……まさか!?

 

「釜戸!」

「ハァ!!!」

 

キャスリィによる援護により俺は一旦倒れた出久を回収しながら待避する。

 

俺も若干斬り付けられたが恐らく……。

 

「ハァ……?

こいつは……どうやら貴様の場合は血液は流れてないらしいな。」

「正確に言うなら流れてる箇所が必要最低限ってだけだよ。」

 

俺がステインへと突撃したのは無策ではなかった。

 

血液の経口摂取がトリガーなのは分かっていた。

そして俺の体は機械の異形であり、必要最低限の箇所にしか血は通っていないので問題はないと見当を付けていたのだ。

 

ついでに言えば血の代わりに紅いオイルなら手足やらには通っていたのでそれを舐めたステインが若干嫌な顔をしていた。

 

「チッ!」

 

ステインが舌打ちすると同時に飛び上がり、その一瞬の間にステインがいた場所に凄まじい炎が飛んできていた。

 

「次から次へと……今日は良く邪魔が入る……ッ!」

 

俺は炎が飛んできた位置に振り向くとそこには……。

 

「緑谷……こういうのはもっと詳しく書くべきだ……遅くなっちまっただろう。」

 

左半身を灼熱の炎に包んだ轟が右手でスマホをこちらに向けながらそう答える。

 

うん、住所だけしか送ってないんだからそりゃ困惑するわ。

 

「轟君まで……!」

「なんで君が……!」

 

あいつ……ようやく左側を受け入れる気になったか……。

出来れば体育祭の時にやってほしかったものだが……今は心強い!

 

「なんでって……それはこっちのセリフだ。

数秒意味を考えたよ……一括送信で位置情報だけ送ってきたから、意味なくそういう事する奴じゃねぇからなお前は。」

 

そう言いながら轟は右足から冷気を出して急速に前方を凍結させていく。

 

だがステインは咄嗟の判断でその場から飛び上がって凍結を回避していた。

ついでに氷の壁で障害物を作ってくれたのでネコドラゴンが支援をしやすくなった。

 

「ピンチだから応援呼べってことだろ?

大丈夫だ、数分もすりゃプロも現着する。」

 

轟は前方へ走りながらステインへと牽制で炎を放つ。

俺もそれに合わせて突撃していき、周囲のネコドラゴン達も炎を吐く。

だがステインはその軽い身のこなしで全てを回避していた。

 

「情報通りのナリだな。

こいつらは殺させねぇぞ、ヒーロー殺し。」

「ハァ。」

「轟君!そいつに血見せちゃ駄目だ!

多分血の経口摂取で相手の自由を奪う!猫城君以外やられた!」

「血を吸って動きを止める……それで刃物か。」

「俺は重要な部位以外には血がそもそも無いから前衛は任せてくれ。

轟は牽制や遠距離支援を頼む。」

「わかった、距離を保ったまま……。」

 

いつの間にかステインはその手にナイフを持って投げつける体勢に入っていた。

動きがひたすら速い!

 

「油断するな!」

 

俺はステインが轟目掛けて投げつけたナイフを叩き落とす。

 

「わりぃ、助かった。」

「いい友人を持ったじゃないか!インゲニウム!!」

 

ステインは俺達を無視して天哉へと攻撃を仕掛けようとするが轟の氷と俺のネコカベの二枚の障壁により全くびくともしていない。

 

ただこっちも退路を塞いでしまったので若干自分で自分の首を閉めている気がしてならない。

 

更にさらっとステインは刀をいつの間にか上空に投げており、轟へと集中攻撃を仕掛けようとしている。

 

前衛を無視して後衛を集中狙いするとなるとこっちの負担が不味いな……守りながらになるがこっちはあまりマルチタスクが出来ない!

 

「やらせるか!」

 

俺は片手のナイフを投げつけて途中で自爆させる事でステインに距離を取らせた。

 

獲物が半分無くなったのは痛いが轟は個性が適応される以上あまり狙わせたくない。

 

最低でもプロ達が来るまでの時間をなんとか稼がないと!

 

 

 




一方その頃の悪魔ニキ

東方世界の悪魔
ゲヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!
ゴリラニキの状況を声だけでも皆にお届け出来ないかシステムに打診してみたけどうまく公開処刑出来るとは思わんかったwwww
人の不幸で飯がウマイwww

蓬莱ニート
お父様?流石にその口を作って大笑いされると私怖いんだけど……。
あとそこの大妖怪の相手しながら笑ってられるのはどうなのかしら……。

や さ し い 人
~~♪(^ω^#)
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