こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが   作:クロマ・グロ

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本日旅行につき明日の投稿はお休みさせていただきます。
スミマセン!
お詫びにめっちゃ増量しました!


14スレ目(現実パート5)

 

 

「論外!!」

 

天哉の言葉を聞いたステインは激昂したように尋常じゃない瞬発力でこちらへと向かってくる。

狙いはどう見ても天哉だな。

 

「くっ!!」

 

轟が左の炎をかなり広範囲で放ち、ステインを迎撃する。

だがあそこまで広範囲だと俺達からもステインを認識する事が出来なくなる。

流石の俺もサーモグラフィーも効果がない上に片目が破壊されている為に視界には若干砂嵐が映っている。

 

だが壊れたはずの目からは紫の波動が漏れている。

その波動は思考を汚染するがその闘争本能を受け入れれば……。

 

「ギッ……。」

 

若干キツいな……だが気配が察知できるようになった!

 

すると近くに倒れているプロヒーローが迎撃している轟と俺の方へと叫ぶ。

 

「バカッ!!ヒーロー殺しの狙いは俺とその白アーマーだろ!応戦するより逃げた方が良いって!!」

「そんな隙与えてくれそうに無いんですよ!」

「俺はともかくとして全員傷を負いすぎてる!

こんなところで逃げようものなら傷から流れた血を飲まれて俺以外動けなくされる!」

「それにさっきから明らかに様相が変わった!やつも焦ってる!」

 

だがステインは焦っているとはいえ全く動きがぶれない処かむしろ鋭さが増している。

追い込んだことだ更に実力を出しているのだろう。

 

隣からなにか空気が吹き出すような音がすると天哉が轟へと声をかける。

 

「轟君!温度の調整は可能なのか!」

「左はまだ慣れねぇ!何でだ!」

「俺の脚を凍らせてくれ!排気筒は塞がずにな!」

「時間稼ぎは任せろ!!」

 

俺は轟が天哉の脚を凍らせるために一旦炎の放出をやめたのを確認して両手に狂乱の波動エネルギーを収束する。

その間に大量のネコカベ軍団により完全にこちら側をふさいで時間を稼ぐ。

 

もっと……もっともっと引き出さないと……!!

 

俺の両手にある狂乱の波動エネルギーはだんだんと球状へと収束していく。

だが俺の制御能力ではまだゲームで見せていたような巨大なエネルギー塊は作れないようだ。

これ以上は暴発するか……。

 

「ハァ!!」

 

ちょうどそのタイミングにステインがネコカベを完全に切り崩してくる。

なんつう威力……ネコカベがこうもあっさりと……。

 

「邪魔だ!!」

 

ステインは壁を突破してきて俺と轟へと向けてナイフを投げつける。

俺は狂乱の波動を少しだけわざと暴発させてその衝撃波で弾いたが轟の方は間に合わない!!

 

「ぐっ!!」

「飯田君!あっ!」

「天哉!!」

 

轟へと向かって投げられたナイフを天哉が庇い、まだ無事だった右腕へと突き刺さる。

更に出久にかかっていた個性が解除されて自由になったようだ……しかもステインは気付いていない!!

 

「お前も止まれ!!」

 

ステインは更にナイフを投げつけるがそれを俺はネコカベに庇わせる。

 

「チッ!」

 

天哉の受けた傷に轟が若干の動揺を見せる、

 

「飯田!」

「大丈夫だ!」

 

天哉は凍った脚のうち唯一凍っていないマフラー部分から炎を出し始める。

瞬時に脚を覆う氷も溶けていき、やがて炎は収束して青白い炎へと変化していく。

 

「レシプロ…………エクステンド!!!」

 

更に同時に出久も動き出しており、同時に攻撃する体制が整っていた。

 

だが俺が攻撃を行おうとすると一気に負傷した部位から狂乱の波動が溢れだして一気に思考を侵食していき、傷の付近がどんどんひび割れていく。

 

だが……!!今は!!

 

「いけ!」

『脚が……!』

『拳が……!』

『自我が……!』

 

「うっあぁ……っ!!」

 

『『『あればいい!!』』』

 

天哉の脚が背中に……出久の拳が顔面に……そして俺の狂乱の波動が胸部へと直撃する。

 

ステインはその強烈なコンボにより白目を向いて気絶する。

 

だが……。

 

「うっ……うりゃぁぁああ!!!」

「くっ!?」

 

ステインはその狂気的なまでの執念ゆえかすぐに意識を取り戻し、ともに落下していた刀を手にして天哉へと切りかかった。

天哉はかなりギリギリではあったが空中で頭へと向かって振るわれた刀を避ける。

 

「お前を倒そう!今度は犯罪者として!!」

 

天哉がそう宣言すると轟がその左腕にまた炎を発生させてとんでもない熱量がこちらへと向かって……ってあぶねぇよ!?

 

「畳み掛けろ!!」

「………ッ!!ヒーローとして!!」

「ぐあっ……!?」

 

天哉がまたもや青白い炎を脚から出してその場で回転してステインの下から強烈なサマーソルトキックを食らわせて更に浮かせる。

 

ステインは口から血を吐いていたがまだ意識を失ってはいなかった。

 

どれだけとんでもない執念してんだこいつは!?

 

「かあっ……!?」

 

更にそこから追撃として轟の豪炎に加えてヒメユリの狐火、キャスリィの呪いの礫がステインへと襲いかかっていき、炎が晴れた後……ようやくステインが意識を失った。

 

「あっ!」

 

すると天哉の脚から黒い排気ガスのような煙が出てきて、天哉の個性の限界が来たことがわかってしまった。

 

やっべ……着地どうすっかなぁ。

 

すると地面から氷の坂が現れて俺達三人は着地と同時に滑っていく。

 

「「「うわああっ!?」」」

「がっ!?」

「ぎっ!?」

「ぶるぁぁぁああ!?!?」

 

俺達は受け止める為に設置されたであろう氷壁へと頭をぶつけるが俺の場合は勢いが良すぎたのか頭部が氷壁を突き破って首が埋まっていた。

 

「立て!まだやつは……ん?」

 

轟はまだ、警戒しているがあいつはもう……。

 

「あっ……。」

「流石に気絶してる……っぽい。」

「はぁ……じゃあ拘束して通りに出よう。

なにか縛れるもんは……。」

「念のため武器は全部外しておこう。」

「そうだな。」

 

と轟と出久が冷静に相談してるとこわりいんだけどさ……。

 

「とりあえず俺を助けてくれないか?」

「「「あっ……。」」」

「「ぐぬぬぬぬ……!」」

 

ちなみにキャスリィとヒメユリの二人はすでに頭の方から俺を押し出そうとしていた。

なんかやたらとうまい具合にハマっている上に俺は流石に制御限界で狂乱の波動を引っ込めていてその反動によって動けなくなっていた。

 

 

 

_________________________________________________

 

 

「ネイティブさん、動けますか?」

「あぁ、大丈夫になった。」

 

轟に氷を溶かして貰った俺は残った片目のセンサーで隠された武器類を見つけては轟に伝えて武装解除を進めていき、全ての武装を解除してからネコ縛りを出撃させてステインを縛らせていく。

途中亀甲縛りにしようとしていたのに気付いたのでそいつだけ轟に氷漬けにして貰ったが難なくステインの拘束が完了した。

 

なお氷漬けになったネコ縛りは……。

 

「にゃっふぅぅぅうううん。/////」

 

知らね……俺は知らねぇ。

 

ネイティブさんは脚を負傷してもうまともに立てなくなった出久を背負い始める。

俺はキャスリィ達とネコダラボッチに運んで貰っている。

 

「あっ……あの……。」

「脚、怪我してるんだろ?これくらいはさせてくれ。」

「あ……ありがとうございます……。」

「こっちのセリフさ。」

 

俺の方はキャスリィ達が心配そうにこちらを見つめていた。

 

「ごめんなさい……釜戸……。」

「あんまり役に立てなかった……守れなかった……。」

「いや……ステインの実力が異常だった……下手に手を出せばより酷いことになりかねなかった……二人の攻撃のタイミングは完璧だったよ。」

「でも……。」

「両手と目が……。」

「お前ら殺されるよかマシだよ……いくら復活できるつってもお前らだけは殺させたくないからな……。」

「「~~~ッ!!!」」

 

すると二人は顔を大きく赤らめてうつ向いてしまう。

あれ?どうしたんだ?

 

拘束を終えたステインを連行するべく轟が縄を持ってステインを引きずろうとすると天哉が声をかける。

 

「轟君……やはり俺が引く!」

「お前腕ぐちゃぐちゃだろう。

俺も片腕やられたがお前は両腕やられてんだから任せろ。」

「アホウ……両手切断されて反動で動けない俺が言うのもなんだがうってつけの化物がいるだろうが。」

「ニャッスルッ!?」

 

ネコダラボッチから『心外な』とでも言いたそうな鳴き声が響くが俺は受け流す。

 

結果としてステインはネコダラボッチに引きずられることになった。

 

 

 

 

しばらく歩いているとプロヒーロー……ネイティブさんが口を開き始める。

 

「悪かった……プロの俺が完全に足手まといだった。」

「いえ、1対1でヒーロー殺しの個性だともう仕方ないと思います……強すぎる。」

「6対1……それも猫城の個性でかなりの物量の差とこいつ自身のミスがあってギリギリ勝てた。

多分焦って緑谷の復活時間が頭から抜けてたんじゃねぇかな。

ラスト……飯田のレシプロと猫城のあの攻撃はともかく、緑谷の動きに対応がなかった。」

 

そう轟が言い終わると同じくらいのタイミングでちょうど路地裏から脱出することが出来た。

 

「さて、早くそいつを警察に……。」

 

とネイティブさんが言いかけたタイミングでプロヒーロー達がこちらへと走ってきている。

 

だが俺はちょっと不味いのもこっちに向かっているのを見かけたのでネコUFO達の指揮に集中する。

だがすでにこっちは半壊状態だ……途中でエンデヴァーの支援があって脳無に大きなダメージが入ってるが全く怯む様子がないな……。

方向を変えられればいいんだが……。

 

「なっ!?なぜお前がここに!」

 

すると一番早く到着した黄色と白のコスチュームを身に付けた老人のヒーローが出久を見るなりそう言う。

反応からしてもしかして……。

 

「あっ!グラントリノ!グラントリn……。」

「新幹線で座ってろっつったろ!!」

 

脚から空気を噴射したのかかなりの速さで跳ねた老人……グラントリノは出久の顔面に飛び蹴りを食らわせる。

 

「誰?」

「僕の職場体験のヒーロー、グラントリノ……でも何で?」

「いきなりここに行けと言われてな。

まぁよう分からんがとりあえず無事ならよかった。」

「グラントリノ、ごめんなさい。」

「ったく……。」

 

そしてどんどんヒーロー達がこっちへと駆けつけてくる。

 

「この辺りだ!」

「あれ?」

「エンデヴァーさんから応援要請承ったんだが……。」

「子供?」

「ひどい怪我じゃないか!今すぐ救急車を呼ぶから!」

 

すると一人のプロヒーローが縛られているステインに気が付く。

 

「んっ?おい……こいつ……!」

「んっ?えっ!?まさか……ヒーロー殺し!?」

「何!?」

「すぐ警察にも連絡だ!!」

 

プロヒーロー達はすぐに連携を取って出久や俺達の介抱や警察への連絡を取ったりを開始する。

俺は両手が斬られちまってたからかなり心配されたがリカバリーガールの力を借りればなんとか治ることを伝えて若干怪しまれはしたが納得して貰った。

 

一応斬られた手はキャスリィ達が拾っているので少しはリソースの消費がマシだと思いたいんだがな。

 

すると天哉がこちらまで歩いてきて頭を下げる。

 

「5人とも……ありがとう!僕のせいで傷を負わせた!

本当にすまなかった!

怒りで何も……見えなく……なってしまっていた!」

「……僕もごめんね。

君があそこまで思い詰めてたのに全然見えてなかったんだ……友達なのに。」

「えっ……。」

「しっかりしてくれよ、委員長だろ?」

「うん……!」

 

やっべ!?脳無に突破された!?

 

「不味いぞ!!ヴィランが!脳無が来る!!」

「えっ!?」

 

クソッ!俺は動けねぇ……脳無をこの戦力で落とせるか!?

 

「ちょ!?」

「緑谷君!?」

「緑谷!?」

「出久!?」

 

すると脳無は出久を掴んで飛び去ってしまう。

不味いな……あれじゃUFOで攻撃するわけにもいかない!

 

「血が……!やられて逃げてきたのか!」

 

脳無にしては行動がおかしい!明らか命令を受けた様子もなくいきなり動きが変わりやがったぞ!?

なっ!?

 

「まずっ!?」

「ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛AAAaaaa!?!?」

 

ステインがいきなり意識を取り戻したと思ったらヒーローのほほに付いた血を舐めとり、ネコ縛りの縄を引き千切ってステインの個性による拘束で落下してくる脳無へと飛びかかっていく。

 

「あっ!?」

「偽物がはびこるこの社会も……いたずらに力を振り撒く犯罪者も……!!」

 

そしてステインは脳無の剥き出しの脳ミソへとその鋭いトゲ付きのブーツで蹴りを入れて突き刺し、地面へと叩きつける。

 

「ハァ……ハァ……粛清対象だ!!」

「はぁ……っ!」

「はっ……あっ……あぁ……!?」

「あぁっ……!すべては……正しき社会の為に……っ!!」

 

ステインは今にも死にそうな顔をしているが脳無へとトドメを簡単に刺せるレベルにはまだ力を残していたってのか!?

 

「くっ……あっ……!」

「ああっ……!」

「んっ……!」

「くっ……!」

 

全員がステインの放つ圧倒的な威圧感……更に実際に戦ったことがあるゆえに分かる恐怖を刻み込まれる。

 

「少年を助けた!?」

「バカ!人質取ったんだ!」

「躊躇無く人殺しやがったぜ……。」

「いいから戦闘態勢取れとりあえず!」

 

ヒーロー達がステインに対して戦闘態勢を取ると更にヒーローの増援……エンデヴァーがやってくる。

 

「なぜ一塊で突っ立ってる!」

「んっ?」

「こっちにヴィランが逃げてきたはずだが。」

「あちらはもう?」

「多少手荒になってしまったがな。

して……あの男はまさかの……。」

「ううっ……放っ……せ……。」

 

出久はステインに片手で拘束されており、こちらも未だ下手に動けないでいる。

 

「ハァ……ハァ……エンデヴァー……!!!」

 

エンデヴァーを見ると同時に更にステインの殺気が爆発的に増していく。

 

さらに目元を隠していた白いスカーフが地面へと落ちてその素顔が晒される。

あの人は……赤黒さんか!?

 

「ヒーロー殺し!!」

「うぐっ……!?待て轟!!」

「うん?」

「ハァ……ハァ……。」

「くっ……あっ……!?」

 

エンデヴァーは腕から炎を出して赤黒さん……ステインへと向かおうとするが……一瞬で全員の動きが止まる。

まるで……そこだけの重力が何倍にもなったかのよう…。

 

「偽物ォォォオオオ!!!

正さねば……!誰かが……血に染まらねば!!……ハァ!!

ヒーローを!!取り戻さねば!!ぐうっ……!

 

来い……!来てみろ偽物共ォォォオオオ!!

俺を殺して良いのは!!本物のヒーロー……!!オールマイトだけだァァアアアア!!!!」

 

 

 




今回のイッチの消費リソース

10万円相当(ほとんどが傷の回復に使われた。)
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