こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
とりあえず病院の検査が皆終わったので俺達はそのまま自分達の病室に戻った後どうだったかの話をすることになった。
とはいえ……。
「え?ほぼ何もなかったの?ほんとに?」
「自分の体をかなり早く再生出来るんだからせいぜいが血液検査くらいだよ。
血圧やらは自分で調べられるし血も出すだけなら注射いらずだからな。
ほんと便利な体だよ。」
「なにそれすご!?」
出久は目を剥きそうなくらいに驚いている。
「そういう出久はどうなんだ?」
「僕は比較的軽症で済んだよ。
復帰までにそんなに時間はかからないって。」
「オレも似たようなもんだな。
左腕に深くぶっ刺さったくらいだがそっちはリカバリーガールのお陰で助かった。」
「あぁ……ぶちゅっといかれたのね……。」
「……………。」
轟は思いっきり目を反らしている。
「一番重症な天哉は……?」
「いや両手切り飛ばされて片目やられた釜戸君には言われたくないんだが!?」
あぁうん、確かに客観的に見てオレのが重症か。
「はぁ……オレもなんとか無事だったさ。
ただ傷口が腕神経叢とやらをギリギリ掠めかけていたらしくてな……あと少しでもズレていたら後遺症が残っていた可能性が高かったそうだ。
傷口からして釜戸君に助けて貰わなければ確実にやられていたよ、ありがとう。」
「はぁ……割と肝冷えたんだからな?
まぁそもそも肝が物理的に無いけど。」
「ある意味私達が肝?」
「外に出ちゃうけど。」
俺は冗談を言って天哉の話で若干暗くなってしまった空気をどうにかしようとする。
キャスリィ達が肝かと言われると……まぁ確かににゃんこが関わってはいるが基本的に全自動だしどうなんだこれ?
だが轟だけはすごく気まずそうな様子で俺達を見ている。
「なんか……わりぃ。」
「え?何が?」
「藪から棒だな。」
すると轟は冷や汗を流しまくりながら自分の腕を見て呟く。
「俺が関わると……手がダメになるみてぇな 感じになってる。」
「え?」
「ん?」
「は?」
「………………呪いか?」
すると俺達は互いに顔を見合わせて……。
「「「ぷっ!?あっはははははは!!!」」」
「と……轟君も冗談言ったりするんだね……アハハハ!!」
「いや冗談じゃねぇ……ハンドクラッシャー的存在に……。」
「がっははははは!!」
「アハハハハハ!!」
「プックククク……!!」
「「「ハンドクラッシャー!!」」」
「「??」」
キャスリィとヒメユリは可愛く首を傾げていた。
だが俺と出久と天哉はしばらくの間爆笑しているのだった。
「はぁ……お腹いたい。」
「ひぃ……ひぃ……いやぁ笑わせて貰ったよ。」
「お前は色々と天然な所があるみたいだな。
関わりにくそうな奴だと思ってたがいやはや……。」
「…………。」
「ふう…………さて、悪いがちょっと電話してくる。
すぐ戻るよ。」
笑い終わった所で俺は切り替えてスマホを取り出してギャングオルカさんに連絡を入れる。
『ん?検査はもう終わったのか?』
「えぇ、とりあえず全員無事だったので。
それでなんですが……ちょっと個性でのことで相談良いですか?」
『ん?なんだ?』
俺は自分の機能確認の時に見えてしまった物について話す。
「…………とまぁそんな感じなんですが……最悪警察の監視か何かついても別に構わないんで個性の発動許可貰えませんか?」
『…………正直俺だけじゃ無理だな。
そうだな……ヒーロー協会と公安に掛け合ってみよう。
少し待ってろ。』
「よろしくお願いします。」
『気にするな。
しかし……貴様の個性は妙な部分が多いものだな。』
「前にもあったにはあったんですけどあの時は学校の保健室だったからなんとかなっただけなんですよねぇ。」
『前にも……もしやUSJの件か?』
「ええ……時間制限付きの物だけはどうしようもないんですよね。」
そう、今回求めた個性発動許可はガチャ機能についてのものになる。
学校は比較的個性発動の制限が緩いんだが世間の個性発動への規制は実際問題かなりキツいものがある。
勝手に発動するだけで周囲からも叩かれかねないのだ。
とはいえ常時発動型の人とかも割といるからかなりピンキリなんだがな。
『まぁ貴様の個性は我々の間でも謎が多すぎて公安も協会も貴様の情報を寄越せと言ってきてるからな。
恐らく結構すぐに許可は降りると思うぞ、それではな。』
そう答えてギャングオルカは電話を切った。
それにしてもその情報は俺に伝えちゃ一番いけないんじゃないのだろうか?
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「やぁ、初めまして猫城君。」
「ホ……ホホ……ホークス!?!?」
電話をしてから一時間くらいした頃に俺達の病室にプロヒーロー、ホークスがやってきて出久が若干興奮気味になっている。
やたらと速いなと思ったら一緒に病室へとまた来ていたギャングオルカがその疑問に答える。
「元々こいつがパトロールで近くまで来ていたらしい。
こいつは公安直属だからちょうど良いってことで監視役として来たわけだ。
まぁでも別に暴れる事はないのだろう?」
「えぇ、ただサイズが大きいのが出る可能性もあるので出来れば外でやろうと思ってるんですが。」
正直ドラゴンエンペラーズとかギガントゼウス辺りのやたらとバカデカイのが出てこられるのが一番困るからな……。
「そんなに大きいやつが出る場合もあるのか。
確かにそれならここでやるわけにはいかないな……分かった、ついてきてくれ。」
そういってホークスは俺を連れて病室を出る。
出久達がかなり困惑してるようだからあいつらに声をかけて一緒に連れていくついでに事情も説明することになった。
「話には聞いていたが……わざわざ病院の敷地の外までいく必要が?」
「病院の敷地内でやっても別に良いと言えば良いんだが……上はどうしても監視の手をオレだけにしたくないらしくてね。
まぁぶっちゃけ一番欲しいのは君の映像証拠による情報がメインだから保須の訓練場まで向かうわけさ。」
ちなみに出久は足をやられてるのもありまだ松葉杖無しでは立てないのでニャッスルズに担いで貰ってる。
しばらく移動して個性訓練施設へと到着した俺達は中に入っていく。
「何か準備が必要なものとかはあるのかい?
正直これに関しては法律で求められてる最低限の個性情報の開示限度を軽く超えてプライバシーも少し無視してるからある程度は無茶を飲めると思うよ。」
「いえ、特に必要なのはないですよ。
強いて言うなら引けるようになるまで時間がかかるってだけなので。」
「そうかい、ちなみに1回限定の時間制限付きのガチャと聞いてるけどどんな感じなんだい?」
今回のガチャはステイン(強化)突破記念の伝説レア確定基本キャラ排出無しの超豪華仕様だ。
ってかスレニキ達からも聞いてたがほんとに強化されてたのね……。
「ぶっちゃけ確定枠で一番強力なやつらが出るようになってるみたいですね。
まぁやってみないと分からないんでなにが出るかは俺も把握出来ないんですけど。」
「あぁ……ギャングオルカが君から別に監視が付いても良いと言ってたのはそれが理由か。」
「ええ、隠す理由も無いですから。」
俺の個性は結局の所毎週強化されていくような物だからリアルタイムの情報以外はあまり価値が無いのもある。
「んじゃ回しますよ。」
「「ノリ軽ッ!?」」
天哉と出久から突っ込みは受けるが気にしない。
俺達の目の前に11個の光が現れて一つずつ順番に強く発光してにゃんこが現れていく。
「にゃー。」
一匹目はホッピングに乗って常に跳ねているのが特徴のにゃんこ……ネコホッピングだ。
正直アタリ……と言いたい所なんだが第三形態への進化条件が未だ不明だからどうとも言えないな……第三形態以外はあまり安定した性能とは言えない。
「こいつは?」
「ネコホッピング……まぁ言っちゃえば量産しやすい壁としての役割を持ったにゃんこですかね?
倒されるような攻撃受けてもたまに生き残る能力があります。」
「そいつは……数が揃っていれば随分と厄介な事になりそうだね。」
「まぁ壁としてはコスト高いので若干運用が難しそうですが……次いきますよ。」
次に現れたのは銀色の金属光沢を持ったネコ……メタルネコだ。
これはかなりの大当たりだな。
今度は天哉がメガネを光らせて疑問を口にする。
「まるで金属のようだな。」
「こいつはメタルネコ。
能力で一部を除いてどんな攻撃でも12回までなら耐えられます。」
「一部?」
「致命的な一撃……まぁ所謂クリティカルだな。
当たり所が悪いと即死する。」
どうもこの世界においてクリティカルは能力関係無しに発動することになっているらしく、攻撃を仕掛ける場所によってはクリティカル判定となってしまう。
正直原作よりはアウェーではあるな、しかもマシンガンとか相手だと多分秒で溶けるし。
三匹目に出てきたのはパソコンを持ってぐるぐるメガネをかけたにゃんこであるオタネコだ。
これも当たりだな。
「なんか機械に強そうな感じだね。」
「こいつはオタネコ、出来ることは……見ての通りだな。」
どうも調べてみると一応攻撃は可能なようだ。
ただ地面からではなく俺の体内から出すらしい。
どういう作りになってるんだ俺……。
四匹目は……ピッケル片手に巨大なリュックと腰にポーチ、そして頭に工事現場とかにも使うヘルムを被ったにゃんこ。
まさかのガマトトが出てきた。
「なんか冒険とかしてきそうなのが出てきたな。」
「どうも定期的にどっかに行って俺の強化に必要な物を取ってくるみたいだ。
どこ行くかは俺にも分からないっぽい。」
「ちょっと待った、それ危険とかはないのかい?」
「どうも物や人に干渉出来ないみたいです。」
「なら良いんだが……。」
まぁ確かに制御不可能なやつが定期的にどっか行くのは問題か。
次に出てきた五匹目は……。
「イニャッフー!」
どうみてもマリオの登場にしか見えないように設計図を丸めた紙を片手にジャンプしているにゃんこ……オトートが出てきた。
「オトート……もしかしてこれガマトト出た時点で勝手に出るようになったのか?」
「猫城君、これも分かるのかい?」
「えぇ、こいつはオトート。
ガマトトの持ってきた素材を使って俺のパーツの開発とかが出来るみたいですけど開発の度に助手が必要みたいですね。」
「助手か……それは人間でも構わないのかい?」
「可能ではありますけどある程度交流した人じゃないとダメみたいです。」
まぁ実際はそんなこと無しにやれるんだがな……。
正直ここは下手に監視されるよりも条件がキツいと言った方がありがたかったのであえて嘘を付いた。
ホークスは若干困ったような表情を見せた。
バレて……無いよな?
つぎを回すと強く光を放ち始める。
「うおっ!?眩しいな。」
「このパターンは……!」
かなり強い光と共に現れたのは……超巨大な注射器を両手に持ったナース服と鎧が合わさったような服装をした天使の羽をもった女性だった。
エロブドウの前で迂闊に出せないな。