こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
キャスリィside
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……!」
私とヒメユリは今、
幸い釜戸から受け取っている索敵情報を見る限り近くにヴィランは居なさそうだけど少し離れた所に釜戸のネコダラボッチと戦ってる脳無ってヴィランがいる。
「しかしなぜ合宿の場所がバレてしまったんだ。
先生達以外に合宿場所を知る者は居ないはず……。」
「考えても仕方ないって!今は兎に角逃げるんだよ!」
釜戸は何故か最初からあると分かってたみたいな反応だったけどここまで用意周到な襲撃は正確な位置が分かってなきゃ普通は出来ない。
共有された情報の中には釜戸は殺害対象として狙われてるってあった。
大丈夫だと良いんだけど……。
そう思いながら走ってると横から青白い光が見えてくる。
「危ない!!」
「うおっ!?」
「な、なんだ!?」
ヒメユリちゃんが炎の壁を出して向こうからいきなり出てきた青白い炎を打ち消してくれた。
かなり温度も高そうだったからまともに受けたら危なかったかも……。
「おいおい、スピナー達のやつ生徒を取り逃がしてるじゃんか。
なにやってるんだか……。」
向こうからは顎から首、目、腕の継ぎはぎ部分がかなり印象的なヴィランが出てきた。
でもこの顔の感じどこかで見たような……。
「お前……確か死柄木のリストにあった猫城ってガキの個性か。
確か個性を封じるイレイザーヘッドに近い能力があるんだっけか……なら殺しとくか。」
「ッ!!呪いよ!」
私は杖の先から呪いの塊をあのヴィランに向けて複数放つ。
出来るだけタイミングをバラけさせて位置も若干ずらした場所を狙う。
「はっ、どこみてんだか……ッ!?」
掛かった!
ヴィランの足元からいくつもの烈波が吹き出して直撃していく。
だけどヴィランは当たった部分が泥になって溶けていった。
「ッ!?」
「へぇ……この下から出るやつやっぱり予備動作的なのは無いのか……それに一撃で壊される辺り威力も結構高いな……。
じゃあ……またな。」
そういってヴィランは全身が溶けていった。
でも明らかにおかしい……青白い炎と体が泥になる……これはどうみても別の個性にしか見えない。
「またな……か。」
「多分偽物の体……本物は別の所にいる。」
「どうみてもこの泥の体と炎は別の個性……なら多分この偽物の体を作れる人が少なくとも一人いる。」
幸い耐久力はそんなに無い……けど呪いが通り抜けたような……そんな感じの手応えの無さだった。
「WRYYYYYYYYYYYィィィィイイイイイ!!!」
今度は反対方向から耳障りな叫び声と何かが高速回転するような音、それに打撃音が響いてくる。
聞き覚えのあるとても生物とは思えないようなこの叫び声……まさかと思って私は釜戸の情報共有を更新して全員の位置を再度把握する。
「ヒメユリちゃん……。」
「うん……あの時と同じヴィラン……。」
「お、おい……なんかがこっちにどんどん近づいてねぇか!?」
「…………ッ!!!(何度も首を上下に振る)」
皆の言う通りどんどんこっちに来ている。
音が近付くだけじゃない、周囲の木々も斬り倒されてる!
「うぃうりぃぁぁあぁぁああああああAAAAAAAAAaaaaaaァァァアアアアア!!!!」
「ニャッスルァ!!」
おぞましい叫び声と共にいきなり緑肌で8本の腕を持った脳が剥き出しのヴィラン……脳無がネコジャラミと一緒に出てきた。
「ヴィ……ヴィランだ!?」
「あの特徴は……!!脳無か!?」
「ドドド……ドリルにチェーンソーなんかつけてやがるぞ!?」
良く見るとネコジャラミは全身傷だらけになってて一見かすり傷が多い程度に見えるけど実際はもう耐久力が殆ど残ってないみたい。
「ッ!!狐火!」
「呪詛よ!」
私達は牽制に遠距離から攻撃をする。
ネコジャラミはもう虫の息だから当てないようにカーブをかけて攻撃を直撃させたけどまったく怯む様子がない。
呪いの影響で一瞬ドリルとチェーンソーが停止するけどすぐに再起動する。
やっぱり呪いの力が弱い……自分に掛けられた呪いはあんなにも強力なのに……。
「ニャッスル!!」
ネコジャラミの一撃でチェーンソーが一本砕け散って武器を一つ奪った。
「もっと威力を……もっと強い呪いを!」
「うぇりぇぃぁぁああああ!!!」
「ニャッスル!?!?」
さらに強い呪いが杖から出てくるけど脳無はまったく怯まないし返しの一撃でネコジャラミが吹き飛ばされた。
ネコジャラミの体が消滅して魂だけになっていってる。
この呪いの力じゃ足りない……!これじゃ皆を守りきれない!
「もっと……!!もっと!!」
私は引き続き連続で呪いと烈波を与え続ける。
たまにふっとばす能力が発動して烈波の範囲から外れてしまうことがあるけど呪いで脳無への弱体化を欠かさない。
脳無が私達の方に向けてゆっくりと向かってくる。
ぶっ飛ばしは起きてるけどどんどん距離を詰められてる!!
「オ……オイラだってぇぇえええ!!」
ブドウが頭のボールをもいで投げていって地面とあの脳無をくっつけて動きを鈍らせていく。
でも今度は引っ付いた地面をひっくり返すような形で力ずくで脳無が近付いてくる。
「もっと強い呪い……皆を守る為に!!」
少しずつ呪いが白くなっている。
なんで……呪いの力が弱くなってる。
ふっとばす能力は強くなってるけどこれじゃ皆を守りきれない。
「燃えて!!」
ヒメユリちゃんが炎で脳無の全身を燃やしているけどまったく怯まないし。
「こっちに来ないで!!」
私は呪いを何度も何度も脳無に叩きつけていく。
ふっとばしが何度も発動して少しずつ脳無との距離を取っていく。
だけど脳無はまったく怯まない。
「ぃぃいえぁいぁああああああ!!!」
脳無が気色の悪いおぞましい叫びを上げながら走ってくる。
「走ってきたぞ!!」
「皆は先に行って!!」
「しかし!!」
「良いから!!」
私はそう叫んで皆を無理矢理にでも避難させる。
「離れて!!」
何度も何度もふっとばす。
でも脳無はどんどんこっちに近付いていく。
「キャスリィちゃん!!」
「ダメ……ダメ……!!皆を守らないと……来ないでぇええええええ!!」
すると突如として私の中にある呪いの力が変異していくのを感じていく。
「なに……これ……暖かい……。」
まるで体の内側から溢れてくるこの暖かさ……まるでジャンヌちゃんみたいな……。
「こっちに………来ないで!!」
私は呪いが変化した力を姿が変わって蛇が自分の尾に噛みついているような形の杖から暖かい光の力が集まって光のつぶてをいくつも作り出した。
少しずつ体が大きくなっていく。
それにあわせて視点の高さも変わってくるけど不思議と違和感がない。
私が杖を振り下ろすと光のつぶてが雨のように脳無へと打ち付けられていく。
全ての光が脳無を"確実"にふっとばし、どんどん距離を離していく。
それに続くように波動のように連続して烈波が背後から発生して脳無を完全に動けなくする。
横に避けられないように横からも烈波を発動させる。
「びぃぎゅりぁぁぁああああああああアアアアアアアAAAAAAAAAAAA!!!!!!!」
脳無の回復する速度を超えてきた!
「ヒメユリちゃん!!」
「わ、わかった!
キャスリィちゃんだって乗り越えたんだ……私だって!!」
ヒメユリちゃんが震えながらも自分の顔に付いている仮面を取り外すと黒かった髪がどんどん金色へと染まっていく。
その尻尾の数も三本から九本へと増え、その炎も激しさを増していく。
「
ヒメユリちゃんの尻尾の先端から燃え盛る炎が吹き出して脳無へと向かっていく。
「私だって!!」
私も脳無へと発射していた光のつぶての量を増やしてジャンヌちゃんがやっていたみたいな光の槍も生成して発射する。
「「はぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!」」
「ぎゅりぎゃぷGYRyaaaaaAAAAAAAAAああああァァァァアアアア!!!!」
攻撃の勢いが強くなっていき、どんどん脳無の反応が鈍くなっていく。
10分程私達の攻撃が続いた後脳無はようやく動きを止めて倒れていった。
「「はぁ……はぁ……はぁ……。」」
かなり再生能力が高かった……二人でずっと攻撃しても行動不能までが限界だった。
今も少しずつ……かなり遅いスピードではあるけどダメージが治ってきてる。
あの調子なら動けるようになるまで丸一日はかかりそうだけど……。
「はぁ……キャスリィちゃん……なんか大きくなっちゃったね……。」
「うん……ジャンヌちゃんが羨ましかったから……ッ!!」
私は新しくなった体を改めて見て一つの事に気付いてしまった。
「キャ……キャスリィちゃん!?」
「か……変わってない……。」
私はその残酷な事実に崩れ落ちてしまう。
「ど……どうしたの……?」
こんなのってないよ……。
折角神様に感謝しようと思ってたのに……神様なんて……神様なんて嫌いだ……。
「胸が……まったく変わってない……。」
せっかく大きくなったのに………あんまりだよ……。
プレートじゃねぇk(呪
今回のキャスリィの進化するトリガーは
・イッチからの愛情(親バカとも言う)
・皆を守りたいと思う気持ち
・もっと強くなりたいという願い
・一定の強さに到達
と言った感じですね。
ヒメユリは元々いつでも進化は出来ましたが逆に力が強くなることで怖がられないか不安が強かった形です