こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
~ミーニャside~
私はワイヤーアンカー付きの銃をうまく使って木と木の間を縫うように移動しながらもう片方の銃で射撃する。
本当なら3点バーストでバラけさせながら撃ちたいけど怪我人二人がいる以上下手に撃てないわね。
「うわぁっ!?ちょ!?きゃぁ♪」
やっぱりこの撃ち方は牽制にはちょうど良いけどやっぱり単発撃ちじゃ命中精度に難があるわね。
「貴女の血もちゅうちゅうさせてください!」
ヴィランは反撃とばかりに注射器を投げてくる。
だけど近距離での射撃になるから命中制度が低くてもこの程度なら普通に当てられる。
それに的がそこそこ大きいから軽く当てるだけで簡単に落ちてくれるわね。
しばらく射撃で牽制してケガ人二人を後ろに下がらせると森の方からいくつもの足音が聞こえてくる。
それに釜戸君の意識と感覚を共有してる
「麗日?」
「障子ちゃん!みんな!」
私はソドムの横に着地して前方に味方が居ないのを確認して銃をサブマシンガンに変更する。
だけどその一瞬の隙をついて相手のヴィランは一気に距離をとって森の方へと下がっていく。
「人が増えたので殺されるのは嫌だからバイバイ……あっ。」
こっちへと振り返ったヴィランがズタボロになった緑谷君を見た瞬間なにか呆然としたように動きを止める。
「はっ……!」
うっわ……軽く顔を赤らめてる……。
釜戸君にウザ絡みしようとしてる私が言えた事じゃないけど緑谷君もヤバイのに目をつけられたわね。
「待って!」
「危ないわ!どんな個性を持っているかも分からないわ。」
麗日ちゃんはあのヴィランを追おうとしたけど流石に止められたわね。
むしろ下手に突っ込まれた方がマシンガンを撃ちにくくなったから助かったわね。
「チッ。」
私はあのヴィランが逃げてからサブマシンガン二丁を乱射してたけど手応えは無かった。
こりゃ木を盾にして逃げられたわね……。
「何だ、今の女?」
「ヴィランよ、クレージーよ。」
「確かに軽く聞いてただけでもイカれてるのがよく分かったわ。」
私は轟君の疑問にそう答えながら籠にサブマシンガンを仕舞う。
「麗日さん、ケガを……。」
「大丈夫、全然歩けるし。
ていうかデク君の方が……。」
とはいえ脚にあの太い注射器を深く突き刺された上に出血もそれなりにある以上この娘を下手につれてくわけにはいかないわね。
ただ緑谷君も連れていく訳にはいかないわよ?
「立ち止まってる場合か、早く行こう。」
さっきからジャンヌに釜戸君を介して情報交換をしてるけど緑谷君がやたらと頑固みたいね……下手に動ける程度の傷で済んでるのも原因ね……。
「とりあえず無事でよかった。
そうだ、一緒に来て!僕ら今かっちゃんを護衛しつつ施設に向かってるんだ。」
かっちゃん……確かヴィランが狙っている爆豪君の事よね?
でも肝心の彼は……ッ!!
「ケロ?爆豪ちゃんを護衛?
その爆豪ちゃんはどこにいるの?」
「え?何言ってるんだ、かっちゃんならソドムの上に……っ!?」
まさか釜戸君の索敵と障子君の索敵で二重に警戒して気付けなかった!?
「なっ!?しかも常闇も居ないぞ!」
「彼らなら……。」
「はっ!?」
急に上から声が聞こえてきて私達全員が同じ方へと向く。
そこにはオレンジ色のコートに仮面を被った道化のような人物がいた。
どう考えてもヴィランね……。
「俺のマジックで貰っちゃったよ。」
道化のようなヴィランは手の内で水色の珠を2つ遊ぶように転がしながら話している。
私はその隙にテーザー銃を取り出す。
「こいつはヒーロー側にいるべき人材じゃあねぇ。
もっと輝ける舞台へ俺達が連れてくよ。」
私は即座にテーザー銃を撃つけど簡単に回避される。
かなり身のこなしが上手い上に気配が殆ど感じられないほど薄い……。
「おっと、危ない危ない。」
「ぐっ……返せ!!」
「返せ?妙な話だぜ。
爆豪君とついでに貰った常闇君は誰のものでもねぇ。
彼は彼自身の物だぞエゴイストめ。」
「それを言うならお前らの物でも貰う物でもないだろうが!」
釜戸君が天空のネコを介してそう叫ぶ。
「これは一本取られた、確かにその通りだな。」
「返せよ!」
「どけ!」
轟君が氷結を使ってヴィランを拘束しようとするけど大きく跳躍して相手のヴィランは避けていく。
私も追撃用に対人制圧用の散弾入りのバズーカを取り出して放つけどあのコートに大半を防がれて大してダメージが入ってない。
防弾性能がやたらと高いわね。
「我々はただ凝り固まってしまった価値観に対し"それだけじゃないよ"と道を示したいだけだ。」
凝り固まった価値観……か。
すると瞬時にジャンヌちゃんがヴィランの背後に転移して旗を叩きつけて地面へと叩き落としていく。
「おわっ!?」
「手応えがだいぶ薄い……!
ヴィランにしては装備の質がずいぶんと高いようですね。」
「いっててて、容赦無いねぇ。
それにしても今の子らは価値観に道を選ばされている。」「あの野郎どういう個性だ……?
どうやったらあの二人を音も無く拐えるんだ?
それにわざわざ話しかけてくるたぁ舐めてんな。」
「元々エンターテイナーでね?悪い癖さ。」
やたらと手の中であの水色の珠を転がしてる。
やっぱりあれが怪しいわね。
私は感覚共有をしている釜戸君にすぐさま知らせる。
「にゃぁぁぁぁぁああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」
「ぬぐぉ!?うるさいな……なんだってんだ?」
ソドムがすぐさま咆哮を森に響かせる。
今の咆哮に反応して周囲からにゃんこ達の唸り声が聞こえてくる。
「こりゃなんかヤバそうだな……。
あぁそうそう、ムーンフィッシュ……歯刃の男な?
彼はあれでも死刑判決控訴棄却されるような生粋の殺人鬼だ。
それをああも容易く打ち破る爆豪君の力に異常なくらいの汎用性を持った猫城君……。
だがそれ以上に少し見ただけでも簡単に感じ取れるほどの凶暴性……常闇君、彼も良いと判断した」
「この野郎!貰うなよ!!」
「緑谷、落ち着け!」
敵のヴィランは木の上を跳び跳ねるように逃げていく。
「逃げんな!!」
轟君がヴィランのいる方向へとんでもない広範囲攻撃をしかけるけど避けられていた。
「悪いね!俺は逃げ足と欺く事だけが取り柄でよ!
ヒーロー候補生なんかと戦ってたまるか。
開闢行動隊、目標回収達成だ。
短い間だったがこれにて幕引き!
予定通り5分以内に回収地点へ向かえ!」
「幕引き……だと!」
「駄目だ!」
「させねぇ!絶対逃がすな!」
周囲から大量のビームが飛び交ってるのが見える辺りあれは釜戸君の天空のネコ達による援護射撃ね……。
これでなんとか位置が把握出来るわ。
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~三人称視点(荼毘&トゥワイス)side~
「おい荼毘!無線聞いたか?テンション上がるぜ!
Mr.コンプレスが早くも成功だってよ!
遅えっつうんだよな!眠くなってきちゃったよ!」
前身タイツにマスク姿のヴィラン……トゥワイスはまるで人格が二つあるかのように全く正反対の事を声のトーンを変えながら続けて話す。
「そう言うな、よくやってくれてる。
あとはここに戻ってくるのを待つだけだ。」
トゥワイスに荼毘と呼ばれたそのヴィランは淡々とそう答えていく。
「違うだろ!そうだな!」
「予定じゃここは炎とガスの壁で見つかりにくいはずだったんだがな。
ガスが全く出てねぇ……マスタードの野郎速攻で見つかってあっさり仕留められたみたいだな?
予定通りにはいかねぇもんだな。」
「そりゃそうさ!予定通りだぜ!」
一方その頃すぐ近くの茂みには青山が息を殺して隠れており、一瞬とはいえ荼毘と目が合ってしまう。
青山のいる茂みへとゆっくりと近づく荼毘だがすぐにトゥワイスが荼毘へと話題を振る。
「おい荼毘!そういやどうでもいいことだがよ!
脳無ってやつは呼ばなくていいのか?
お前の声のみに反応するとか言ってたろ?
とても大事な事だろ!」
「あぁ、いけねぇ。
何のために戦闘に加わんなかったって話だな。」
「感謝しな!土下座しろ!」
荼毘はトゥワイスの元へと踵を返しゆっくりと立ち去っていく。
「死柄木からもらった俺仕様の怪物……一人くらいは殺してるかな?」
そう言いながら首もとにあった装置のボタンを押して脳無を呼び出す。
「…………?妙だな……脳無の反応がねぇ。」
「声がちっちぇんじゃねぇの!?確かにおかしいな。」
「まさか……脳無が倒された?」
「ありえねぇだろ!雑魚過ぎじゃね?」
「いや……確かに死柄木の野郎が唯一の不安要素として猫城ってガキにだけは兎に角警戒しろって言ってた。
恐らくはそいつの仕業だろう。」
「おいおい!いくらなんでもそりゃねぇだろ!
確かに資料見る限り不安要素の塊みたいなもんだったな。」
「はてさて……奴という
本日のスレニキ
ゴリラニキが死にかけている為お休みになりますw