こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが   作:クロマ・グロ

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21スレ目(現実パート6)

 

 

~釜戸視点~

 

 

再起動……失敗……精神保護の為バックアップを作成……成功。

 

自己診断の為スキャン……ウイルス及びハッキングの存在を確認。

なおハッキングは原因不明ながら通信が切断されている為ウイルスを隔離後ハッキング元のブロック処理を開始……。

 

ウイルス隔離に成功。

ハッキングのブロックに成功。

 

今後のハッキング対策の為ファイアウォールの強化及び抗体プログラムを作成します。

 

精神への影響を及ぼす危険性は皆無と判断。

猫城 釜戸としての自我の再起動……成功。

 

 

『…………一体どうなってる?

自己診断……肉体の制御権が奪われている?

だがハッキングには対処済みでウイルスは現在隔離した上で少しずつ除去してるか……にゃんこ達は……存在は分かるが接触する事は不可能。

どうやら俺は自分の身体に閉じ込められたらしいな。』

 

今俺の視界は完全に暗闇に染まっており、全く動くことも出来ない。

唯一自己診断等の機械的処理のみ可能でにゃんこ達に声を届けることすら出来ない。

 

恐らく肉体はネコムート側が奪っているんだろうな。

 

いや、それ以前に今の俺の自我はバックアップか……となると暴走が終わった辺りで記憶の同期が行われるだろうから今はこの状態で何が出来るかを考えるべきか。

 

『周囲の意識空間を改めてスキャン……あぁ、やっぱり膨大な狂乱の波動で完全に閉め出されてる訳か。

俺にも操作は……出来ないこともないが使える量があまりにも少ないな……。』

 

俺はとりあえず自我を取り戻すのを優先するために自身を隔離している狂乱の波動を精神から少しずつ除去していく。

 

ある程度除去を完了すると精神世界とはいえ身体がある程度動けるようになる。

 

さらに除去を進めていくとネコムートの方もバックアップの俺に気がついたのか狂乱の波動に変化が起きていく。

 

「に……にゃぁぁぁぁあああ!!!」

 

狂乱の波動が形を変化させていって狂乱のネコが沸いて出てくる。

 

「…………ナゼ己ガ意思デ我ヲ呼ビ覚マシタニモ関ワラズ我ヲ拒ム?」

 

っ!?周囲からどこからともなく声が聞こえてくる。

気が付いてはいたがやはり狂乱の波動の根元であるネコムートには俺とは違う自我があったか。

 

「確かにお前を呼び覚まして俺の身体を任せたのは俺自身だ。

だがそれは最悪の事態を回避するためでしかない。」

「笑ワセテクレル……我ヲ呼ンダ時点デ最悪モナニモナイダロウニ。」

「俺にとっての最悪は俺自身が操られでもして俺の仲間や市民への危害を加えてしまうことだ。

暴走する程度なら押さえる手段はいくらでもある。

だがあいつに操られてしまえば俺が誰かを傷付ける可能性は異常なまでに高くなってしまう。」

 

すると周囲から聞こえてくる声は愉快そうに嗤う。

 

「クックックック……ナゼ我ガ貴様ヲ暴走サセテダレニモ危害ヲ加エラレナイト思ウノダ?」

 

なぜ暴走した俺が危害をまともに加えられないか?

んなもん答えは決まってるさ。

 

「俺のクラスメイト達がその程度で簡単に負けるわけねぇだろ?

それに最低限時間さえ稼げばどうせ派手な戦闘で母さんが飛んでくる。

暴走してまともな考えも出来ないのに母さんに勝てるわけないだろが。」

「…………貴様トノ記憶ヲ共有シテ常々思ウ……貴様ノ母親ハ化物カナニカカ?」

「むしろこれ以上のナニカだろ。」

 

正直俺の母さんについては俺自身もよく分からないレベルで性能がバグっている。

原因はどう考えても過去に転生してきた連中なんだろうが明らかに強さが別次元でおかしい。

 

「イレギュラーにイレギュラーが重なってバグったってとこだろうけどなぁ……。」

「…………イマモ貴様ノ母親ト戦闘ヲシテイルガ確カニ勝テソウニナイナ……マァ負ケルコトモ無イダロウガナ。」

 

母さんには勝てないが負けることはない……つまりはお互いにまともなダメージを与えられないという事だろうな。

 

ちょうど良い、母さんが時間を稼いでくれている今のうちにずっと疑問に思ってきた事をこいつにも聞いてみるとするか。

 

「ずっと考えてきたんだ……俺の個性は……いや、この世界における俺はそもそもどういう存在なのか……。」

「…………何ガ言イタイ?」

「なぁ、お前も俺という……この世界の猫城 釜戸という人間の人格の一部なんじゃないか?」

「…………何故ソウ思ウ?」

 

答えようとすると何故かこの精神空間に物理的な衝撃がきてカチ上げられるような浮遊感を一瞬感じる。

まさか母さんか?

 

「元々疑問には感じてたんだ。

何故にゃんこ城としての個性を持つはずの俺がなぜ狂乱の波動を……ネコムートの力を使えるのか。

普通に考えればネコムートをにゃんことして生産するのであればまだ分かる。

だが俺が狂乱の波動を引き出せるのは俺とお前に繋がりがある証拠だ。」

「否定ハシナイ……確カニ貴様ト我ニハ繋ガリガアル。

封印ト言ウ繋ガリガナ。」

「いや、俺とお前の繋がりはそれ以上だろう。

封印しているだけならお前の力を俺が引き出して使えるのはおかしい。

それは封印として成立しないからな。」

 

頻繁に封印を緩めて力を引き出していては封印が破られるリスクがあまりにも上昇してしまうからな。

 

「それに封印ってのはようは隔離だ。

隔離と搾取は違う。」

「…………続ケロ。」

「では何故俺とお前が繋がっているのか……そして繋がっているはずのお前が何故最初からずっと封印されているのか。

多分だが元々俺のにゃんこ城としての力の根元がお前でそのままだと力が強すぎる上に自我を保てないから隔離したんだろ?にゃんこ城という殻を用意して。」

 

狂乱の力は確かに精神汚染をする能力がある。

だがこれは慣れれば少しずつだが許容量を増やし続けられることが分かっている……まぁ時間はかかるがな。

 

「俺の個性が発現するのが遅れた理由……それは本来の個性ではないにゃんこ城としての個性を無理矢理発現させて自我の崩壊を押さえたんだろ?」

「…………自覚モ無カッタ癖二良ク当テル。」

 

当たりか……とはいえまだ疑問はある。

普通に考えて個性の発現を押さえる、それに加えて無理矢理個性を増やして発現するというのがすでにおかしいのだ。

 

だが俺は雄英高校に入ってある生徒の事を詳しく知ってからようやくこの事について辻褄を合わせることが出来た。

 

「元々俺の個性は常闇のようなタイプだったんじゃないか?

俺とお前の二つの自我と身体それを切り替えながら……または合わせて使うような個性として。」

「ナラバ聞コウ。

何故我ハ我ヲ封印シタト思ウ?

何故ニャンコ達ガ我ノ力デ生ミ出サレテイルと思ウノダ?」

「…………俺の転生前の記憶……これは元々お前が先に思い出してたんじゃないのか?

俺が転生した記憶を思い出したのは個性が発現した直後だ。

だがお前の個性がネコムートだとしてもこの世界に生まれたお前()がにゃんこ城とにゃんこ達を知っているとは思えない。

ならそう考えるのが一番妥当だ。」

 

正直俺としてはこの予想を思い付いた時はかなりとても気が気じゃなかったがな。

 

だが前世でも記憶を思い返して見ても今の俺と転生前の俺では実はかなり考え方が違っていた。

前世の記憶を思い出すまでに人格が既にしっかりと確立されていたと言われればそれまでだが俺と(前世)では後者の方が年上であり、記憶が行動したのであれば転生前の俺に人格が寄る方が自然だからだ。

 

とはいえ未だにあの転生者達の掲示板とかまだ分からないものも多いんだがな。

 

そんなことを考えているとまたとんでもない衝撃と共に急速落下するような浮遊感を感じる。

 

「叩き落とされたか。」

「…………。」

 

若干ではあるが狂乱の力の制御がかなり緩くなっているのを感じる。

恐らくだがネコムートの方がこっちを気にする程の余裕が無くなってきたのだろう。

もはや狂乱のネコすらも少しずつ形が崩れてきている。

 

「チッ限界ガ近イカ。」

 

限界?

 

「貴様ガ我ヲ扱ウト言ウナラ……セメテコイツラヲ使イコナシテ見セルンダナ。」

 

そうネコムートが言うと次々と俺の前に狂乱のネコ、タンク、バトル、キモネコ、ウシ、トリ、フィッシュ、トカゲ、巨神が現れていく。

 

それらのにゃんこ達は身体を崩れさせた後溶けていくように俺の身体へと入り込んでいった。

 

 

 

そして俺の視界はだんだんとクリアになっていって俺と言うバックアップはどんどん(本体)と記憶を同期して一つとなっていった。

 

 


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