こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
「じゃあ一階上がって5階男子!」
「瀬呂からだ!」
「マジで全員やんのか?」
俺達はエレベーターに乗って5階へと向かう。
瀬呂の部屋の前に到着すると瀬呂が「フッ」と謎の笑みを浮かべている。
それだけの自信があるのか?
いざ部屋を開けてみると……。
「「「おお~!!」」」
「エイジアン!!」
「素敵!」
めっちゃインテリアにこだわりまくってるのがよく分かる。
全体的なセンスもかなり良い……少なくとも俺が今まで見てきたこのクラスの部屋で一番良いセンスしてるんじゃないだろうか?
「瀬呂こういうのこだわるやつだったんだ。」
「ヘッヘッヘ!ギャップの男、瀬呂君だよ!」
「次々~!」
「次は轟さんですわね。」
なんか女子達のテンションがやたらと高いな。
相変わらず女子からはモテるやつだな……。
「さっさと済ましてくれ、眠い。」
「「うわっ!?和室だ!?」」
「作りが違くね!?」
「マ……マジか。」
オイ待て!?
この短時間でたった一人でこのリフォームをやったのか!?
俺でもネコ大量に動員しないと難しいぞ!?
他の奴らも目を見開いて顎が外れそうなくらいに開いて呆けている。
「実家が日本家屋だからよ、フローリングは落ち着かねぇ。」
そういう問題かこれ!?
「理由はいいわ!」
「当日即リフォームってどうやったんだお前!?」
「…………頑張った。」
「何だよこいつ……。」
「大物になりそう!」
「イケメンのやることは違えなあ……。」
「んじゃ次!砂藤君だね!」
…………ん?あれ?これ順番的に俺が最後か?
若干緊張してきたな。
おや?砂藤の部屋の前に到着したんだがなにやら甘い香りが……。
「まぁつまんねぇ部屋だよ。」
「轟の後は誰でも同じだぜ。」
「ていうかいい香りするのこれ何?」
「ああいけねぇ!?忘れてた!?
だいぶ早く片付いたんでよ、シフォンケーキ焼いていたんだ。
みんな食うかと思ってよ。」
「ホイップがあるともっとうまいんだが……食う?」
「「「食う~!!!」」」
「「模範的意外な一面かよ!?」」
「ホイップや紅茶なら隣にある俺の部屋の冷蔵庫にいれてあるから取ってこさせようか?」
「マジか!じゃあ頼むわ!」
「了解、ちょっとまってろ。」
「「お前もかよ!?」」
俺は感覚共有を使って作業を手伝わせてたネコジャラミにホイップクリームのスプレータイプと午後ティーを一通り持ってくるように指示する。
ってちょうど俺の部屋の改装も終わった所か。
「「ニャッスル~。」」
「うおっ!?ってネコジャラミか。」
「ドア……相当狭そうだね。」
「図体デカイからな。」
とりあえず俺と砂藤で皿を出したり盛り付けたりして皆にシフォンケーキと午後ティーを配っていく。
ネコジャラミ二匹にはネコ缶を支給して一旦体内に戻していく。
「甘~い!ふわふわ!」
「ボ~ノボ~ノ。」
「瀬呂のギャップを軽く凌駕した!」
「うんうん。」
「素敵なご趣味をお持ちですのね砂藤さん。
猫城さんもお紅茶ありがとうございますわ、今度私の紅茶を振る舞わせてくださいまし。」
「おお~こんな反応されるとは……。
まぁ個性の訓練がてら作ったりすんだよ。
甘いもん買うと高えし。」
「なかなか良いと思うぞ?趣味に繋がる分訓練のモチベーションも上がるんだから無駄にならない。
むしろヒーローとして活動するんならそういう面を持ってる奴のが人気が出そうだ。」
「猫城~!!」
にしても旨いな……キャスリィとヒメユリもかなり幸せそうな顔して頬張ってるし今度色々と菓子作り教えて貰うか。
「次は男子ラストだから……猫城君!」
「どんなのだろどんなのだろ~!」
振る舞って貰ってばかりなのも悪いから俺はにゃんこ達に砂藤の洗い物を任せて俺の部屋へと向かう。
にしても……俺の部屋はオトートがどれだけのものを作れるのか試す為に色々とガマトトが拾ってきた素材をふんだんにつかって改造したからだいぶ様変わりしてるんだよなぁ……。
「どれどれ……ェ゛!?」
「「「な…………なんじゃこりゃあ!?」」」
俺の部屋はにゃんこ城の内部を意識して改装したお陰でだいぶ一昔前の工場みたいな光景になっている。
しかも部屋の横には場違いとしか言いようがない襖が設置されていてそこにはオトートが作れると言うのを知ってから優先して素材を集めさせて作ったある仕掛けを施していた。
「この襖の中身は……。」
恐る恐る入った皆だったが出久が俺の部屋にある襖に気付いて怖いもの見たさなのか真っ先に開けていく。
「「「…………にゃぁ~~!」」」
「うわぁ!?」
襖の中から大量のネコモヒカンが姿を見せる。
あまりにも群れてるからリアルに見ると若干恐怖だがぶっちゃけこれがやりたかっただけなんだよな……。
そしてその奥は深く続いていて部屋の中とほぼ同じような材質の壁や床になっている。
「うっわぁ、大量のモヒカン……。」
「…………おい、ここって男子棟の端だよな?
なんでこんなに続いてるんだ?」
「え?あ、本当だ。」
あ、轟が最初に気付いたか。
「実はな、ガマトトが拾ってきた素材をかなりとんでもない量使うことになるんだが俺の体内に繋がる扉を作れるようになったんだよ。」
「え!?」
「それって……。」
「釜戸君のにゃんこ達が色々と見れるってこと!?」
「うわぁ!気になる!!」
あ、全員がどんどん襖に入っていく……にゃんこ達に道の邪魔にならないように通達しておかないとな。
ただこの扉は欠点があってあくまでも俺の体内だから俺自身の体を入れることが出来ないんだよなぁ……天空のネコを出して感覚を共有して着いていかせるか。
「うわぁ……広~い!」
「ん?扉がやたらと多いな?」
「なんか寮みたいだね~。」
道なりに進んでいくとにゃんこ達の居住区画に全員が到着した。
「お?この部屋とかは……。」
ん?あっ、ちょ……上鳴その部屋は……。
「「「いにゃ~ん///」」」
「「「…………。」」」
上鳴が開けた部屋……そこには大量のネコパンツとネコタイツが住んでいる部屋だった。
そのあまりにもな光景に部屋を覗いてしまった全員が絶句する。
うん、まぁ……こんなもん目の前にすれば俺でも絶句するわ。
とりあえず俺はネコジャラミを自分の体の代わりとして動かして扉をそっと閉じる。
流石に絵面が酷すぎるからな。
「見苦しいものをお見せした。」
「い……いえ、その……はい。」
「ま……前にも見たことはあるしね……うん。」
すっげぇ気まずいんだがこの空気……。
だが呆けている連中の中から一番早く復帰した出久があることに気が付いたのか話し始める。
「…………あれ?さっきのにゃんこ達若干だけど体が透けてなかった?体の輪郭も揺らいでるように見えたよ?」
「あ、そういえば言われてみれば……。」
「他の部屋のにゃんこもなんか普通の子と幽霊みたいな状態の子が何匹かいるね。」
「「「にゃ?」」」
って芦戸さんと葉隠さん他の部屋も躊躇無く開けてってるし!?
……まぁ別に隠すことでもないからいいか。
「輪郭が揺らいで半透明になってるにゃんこ達はまだ再生産が追い付いてないんだよ。
一回俺がにゃんこ城状態で破壊されたせいで生産してたにゃんこ達が全員身体を失ったから今は再生産し続けてるんだが……いかんせん数が多くて生産が間に合ってないんだよ。
量産が利きやすいようなやつならともかくネコジャラミみたいなコストの重いにゃんこの生産をするのは結構時間がかかるんだ。
今の生産状況はせいぜい2割ってとこだな。」
オトートの話だとあと少しでリソースの生産速度を上昇させるための追加パーツの作成が完了するらしいんだが……いかんせんそっちの開発に割くためのリソースの足りないんだよなぁ……。
結局クラスメイトの皆は他の部屋同様に好き勝手いいながら色々と物色していっていたのだった。