こんな個性で人助けしてもギャグにしかならん気がするんだが 作:クロマ・グロ
それと息抜きにまた気まぐれ投稿にはなりますが新しい小説を書いてみましたので良ければ見ていってください。
https://syosetu.org/novel/340006/
「おはよう、飯田君、猫城君。」
「んっ!」
「ガラガラガラガラ……ペッ!
おう、おはよう出久。」
翌朝、俺はキャスリィとヒメユリと共に一度リビングへと降りてから男女で別れて洗面台のある場所へと向かって歯を磨いていた。
男女が別れているのはまぁ化粧関係とかそういうのがあるからだろう。
ただここで後から来た天哉を見ていて気付いたのだが……こいつ何故か歯を磨くときに左手をチョップするような形で何度も上げ下げしているのだ。
正直何をやっているのだろうと思ったがこいつの謎行動に一々ツッコミを入れていたらキリがないのでやめにする。
歯を磨き終わってからは食堂で朝食を受け取って皆で食べてから朝の身支度を行う。
ちなみにキャスリィには新しい制服が早速支給されていた。
軽くスレニキ達ともマルチタスクで雑談を挟みながらそのまま校舎へと登校してA組の教室に入り、相沢先生からの話が始まる。
恐らく昨日言ってた仮免の事だろうな。
「昨日話したと思うがヒーロー科1年A組は仮免取得を当面の目標にする。」
「「「はい!」」」
「ヒーロー免許ってのは人命に直接関わる責任重大な資格だ。
当然、取得のための試験はとても厳しい。
仮免と言えどその合格率は例年5割を切る。」
「仮免でそんなきついのかよ……。」
ド変態エロブドウがその合格率の低さに絶望している。
こいつはまともにしてれば普通にスゴい部類の奴なのに何故か出久以上に自信が無いんだよなぁ……。
するとキャスリィとヒメユリが同時に俺の服を引っ張って来る。
何か話したそうにしていたので感覚共有を繋げて脳内で会話をすることにした。
『ん?どうした二人とも?』
『釜戸……5割ってそんなに低いの?』
『もっと低いのかと思ってた……。』
『これがヒーロー免許ではなく他の免許で本物のライセンスならまぁ物にはよるが妥当で済む場合が多い。
だが仮免でとなると話はかなり別になる……そういう面で見れば相当低い部類だろうな。』
『そっか……。』
『私達もがんばらなきゃ……。』
すると相沢先生の目付きが鋭くなる。
話してるのがバレては……なさそうだな。
「そこで今日から君らには一人最低でも2つ……。」
と相沢先生が話している所で教室の扉が開いて三人の先生方が入ってくる。
「必殺技を作ってもらう。」
「「必殺技!?」」
セメントス先生にエクトプラズム先生、それとミッドナイト先生か。
このメンツで必殺技となると……セメントス先生が個人個人のフィールドをつくってエクトプラズム先生がサンドバッグ、ミッドナイト先生がネーミングとかの指導って所か?
「「学校っぽくてそれでいて!?」」
「「ヒーローっぽいの来た~!!」」
芦戸さん、上鳴、鋭児郎、瀬呂の四人のテンションが爆上がりしてるなぁ……。
「必殺……コレ即チ必勝ノ型、技ノコトナリ。」
「その身に染み付かせた技、型は他の追随を許さない。
戦闘とは如何に自分の得意を押し付けるか。」
「技は己を象徴する。
「詳しい話は実演を交え合理的に行いたい。
コスチュームに着替え体育館γへ集合だ。」
ここで先生達の話が終わり、俺達は相沢先生の言う通りにコスチュームに着替えて体育館γへ向かう。
確かあそこは特に中には何もなかったような……いや、確か床がコンクリートだったな。
体育館γに全員が到着すると相沢先生が話し始める。
「体育館γ……通称"トレーニングの台所ランド"、略してTDL。」
「「へ……?」」
あの……ユニバーサルな日本のスタジオだけじゃなくてネズミの国にも喧嘩売ってません?
あと掲示板でもハハッ!じゃねぇんだよ悪魔ニキ!?
するとセメントス先生が地面に手を触れてコンクリートを操作し始める。
「ここは俺考案の施設。
生徒一人一人に合わせた地形や物を用意出来る……台所ってのはそういう意味だよ。」
やっぱりそういう意図でこの施設を作ってたのか。
何も無さすぎたから不思議に思ってたんだよな。
「な~る。」
「質問をお許しください!
何故仮免許の取得に必殺技が必要なのか意図をお聞かせ願います!」
「順を追って話すよ、落ち着け。
ヒーローとは『事件』『事故』『天災』『人災』あらゆるトラブルから人々を救い出すのが仕事だ。
取得試験では当然その適正を見られることになる。」
まぁ当然そうだろうな。
となると予測される試験としては救助に関する物、突発的なヴィランへの対応を試すもの……ここら辺と言ったところか?
「『情報力』『判断力』『機動力』『戦闘力』……他にも『コミュニケーション能力』『魅力』『統率力』など別の適正を毎年違う試験内容で試される。」
「その中でも戦闘力はこれからのヒーローにとって極めて重視される項目となります。
備えあれば憂いなし、技の有無は合否に大きく影響する。」
…………やっぱりオールマイトの引退が響くんだろうな。
平和の象徴……たった一人にそれだけの重役を押し付ければそれが崩れた時にガタが来てもおかしくはない。
「状況に左右されること無く安定行動を取れればそれは高い戦闘力を有していることになるんだよ。」
「技ハ必ズシモ攻撃デアル必要ハナイ。
例エバ飯田君ノ『レシプロバースト』。」
「あっ!」
「一時的ナ超速移動……ソレ自体ガ脅威デアルタメ必殺技ト呼ブニ値スル。」
するとエクトプラズム先生にそう評価された天哉は感極まったような感じになっている。
「あれ必殺技でいいのか!」
「成る程、自分の中に"これさえやれば有利、勝てる"って型を作ろうって話か。」
「その通り、技ではなく型でいるのであれば猫城君が両親から受け継いだ技術である『
ただ自分を象徴するのであれば自分だけの技という面で猫城君の『狂乱解放』のような自分だけの技を持つべきね。
あとは先日大活躍したシンリンカムイの『ウルシ鎖牢』なんか模範的な必殺技よ。
相手が何かする前に縛っちゃう。」
確かにシンリンカムイさんのあれは実際対処するとなると難しいだろうな……物理的に引きちぎる程のパワーを持つならともかくそうでないならほぼ脱出不可だ。
「中断されてしまったが林間合宿での個性を伸ばす訓練は必殺技を作り出すためのプロセスだった。
つまりこれから後期始業まで残り10余りの夏休みは個性を伸ばしつつ必殺技を編み出す圧縮訓練となる。」
……言葉で言うには簡単だが確かに容易ではないな。
「なお個性の伸びや技の性質に合わせてコスチュームの改良も並行して考えていくように。
『Plus Ultra』の精神で乗り越えろ、準備はいいか?」
「「「はい!!!」」」
「わくわくしてきた!」
俺はひとまず技というよりも能力でどのような事が出来るのかスレニキ達へと相談するのと並行してエクトプラズム先生と組手をやっていた。
やはり接近戦がメインのヒーローなだけあって身のこなしが上手く、なかなか直撃しない。
組手を行っていくに連れてスレニキ達が良いアイデアを出してくれたので早速試してみるか。
俺は片腕を爪型、もう片方に狂乱の波動を固めて作ったハンマーを作り出して別々のスタイルを行ってみる。
「ム?ソノスタイルデハ左右ノバランスガ悪クナラナイカ?」
「ええ、確かに悪くなりかねません。
だからこうします。」
俺は更に狂乱の波動を引き出して翼を作り、爪側には巨大な翼を、ハンマー側にはそれよりも小型の物を作り出して更に尻尾を生やす。
「ナルホド……翼ノ大キサデ重心ノバランスヲ取ル訳ダナ。」
この狂乱の波動最大の利点はその自由度の高さだ。
「いキます!」
俺は両足、尻尾の三点によるバネと翼の飛行能力を活用してノーモーションによる急加速を行う
ただやってみてわかったのだがこの姿だと左右の翼の形状が異なり、込められている力が違う為にまっすぐに跳ぶだけでもかなりのコツが必要になるようだ。
「ムッ!」
「ルゥア!!」
「ソレデハ片側ノ攻撃ガ……ナニッ!?」
俺は回避されるのを前提にして動き、ハンマーが外れたのを確認してハンマーに込められていた波動を操作して枝分かれさせ、それぞれ10方向から自由自在に襲いかかる鞭とする。
だがこれは俺の分割思考をかなりの数裂いてようやく使える荒業であり、にゃんこが居ない時くらいしか使えないだろうな。
エクトプラズム先生は分が悪いと悟ったのか後ろに下がるがそれを逃さない為に左腕の巨大な爪をエクトプラズム先生へと向けてから爪を構成する波動を操作して射出する。
射出すればさすがにもう操作は聞かないが追撃に右腕の鞭を様々な方向から向かわしてエクトプラズム先生を避けられない状況へと追い詰めることに成功して分身が消滅していく。
「出来た……俺だけのオリジナル……誰かの模倣じゃない新しい型が!」
感覚共有でキャスリィやヒメユリを見てみるとあの二人も苦戦こそしているがかなり順調のようだ。
あとはしばらくこれを煮詰めていくとしよう。
そう思っていると向こうからガイコツモードの八木先生ことオールマイト先生がやってきた。
「ヘイ猫城少年、私がアドバイスにやってきたぞ。」
「オールマイト先生。」
「猫城少年、君の個性はかなり応用が聞くタイプで今使っているその狂乱の力という奴は見たところどのような形にも変化する。
ならば腕や翼、尻尾等にこだわる理由は無いんじゃないかな?」
腕や翼、尻尾等にこだわる理由はない……か。
確かにその通りだ、俺は今まで攻撃と言えば腕や尻尾等を中心としていたが足で攻撃することも出来る。
なんなら狂乱の波動を上手く使えば服の隙間から波動を伸ばして胴体からでも攻撃が出来るはずだ。
参考になるな……。
そう思って他の人にアドバイスに向かったオールマイト先生を見ているとあることに気付いた。
後ろ側のズボンのポケットに……
『スゴいバカでも先生になれる』
という本が大量の付箋を貼られている状態で入っていた。
せ……先生……。