Fate/Steins;Gate   作:アンリマユ

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今回の話、アニメのFateを見始めた方にはネタバレになってしまう部分があるので、嫌な方はお引き返しください。
原作を知っている。もしくはネタバレも構わないという方は、そのままお読み下さい。


七騎目のサーヴァント

光の入らない暗い地下室。数々の機材が積まれる中、よれよれの白衣を着た一人の男がカメラに向かって語り続ける。

表情は無表情なれど、その声色には相手を気遣うような優しさが感じられる。

それから数分男は話し続け、最後に微かに笑みを零した。

 

「では、健闘を祈る。エル・プサイ・コングルゥ」

 

男は満足げにカメラの電源を切る。そして、あらかじめ準備しておいた機械の電源を入れ、ついさっき撮った動画をどこかへと送る。

送信完了の文字を確認し、一息つこうとしたその瞬間、周囲の機材に剣の雨が降り注ぎ破壊される。白衣の男はさして驚いた様子もなく、つまらなさ気に振返った。そこには、赤い外套を羽織った男が立っている。

 

「遅かったな。もっと早く来るものだと思っていたが」

 

「出来ればそうしたかったのだがね。何故かいろいろとトラブルに巻き込まれて、ここに来るのが遅れてしまったのだよ」

 

白衣の男はその言葉に何か納得をし、侵入者を馬鹿にするように嗤った。それは当然だと。

先ほど録画した映像は、過去の自分に向けてのメッセージ。自分はそれを既に受け取ったという事実がある。

ならば、目の前の男がどれ程の手練れだろうと、どれ程の策を弄そうと、世界はそこへ収束する。

 

「これは、運命石の扉(シュタインズゲート)の選択だ」

 

「ふん、またそれか。何度貴様を止めようとしても、奇跡的な事故やトラブルが起きて逃げられ。遂にタイムマシンは完成されてしまったが……ここまでだ」

 

赤い外套の男の手には、いつの間にか時代錯誤な西洋の剣が握られている。

あの剣は後数分もしない内に自分の命を奪うだろう。だが、もとより白衣の男は自分がこの日に死ぬ事を知っている。それは、数々の世界線で変わることのない世界の選定。故に後悔も恐怖もなかった。あるのは満足感だけだ。

 

「……恨んでもらって構わない。さらばだ、革命軍「ワルキューレ」リーダー 岡部倫太郎。いや───鳳凰院凶真」

 

こうして、岡部倫太郎は生涯を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

状況を整理する。

俺はランサーのサーヴァントに敗れる瞬間、タイムリープをして記憶を過去へ飛ばした。

目の前に楽しそうに話すイリヤと衛宮士郎がいることから、成功したことは間違いない。

だが、話の内容からするにランサーが現れるまで残り2分弱といったところ。贅沢をいえば、もう少し前に戻りたかったが、何分時間がなかった。早々に準備をするとしよう。

 

「ねぇ、キョーマ。あなた何したの? 急に魔力を持っていかれたのだけれど」

 

「宝具を使った。説明は後だ、今は俺の指示に従え!」

 

不審に思うイリヤと、魔力という言葉に動揺する衛宮士郎を強引に中庭へと移動させる。

その瞬間、聞き覚えのあるガラスが割れたような音が家の中から響く。

 

「ちっ、来たか! イリヤ、俺が宝具を発動した瞬間、宝具内に魔力遮断の結界を!」

 

「う、うん!」

 

俺の焦りにただ事ではないと察したのか、イリヤは何も追求せず了承した。

 

「現れよFG(未来ガジェット)7号 攻殻機動迷彩ボール2nd EDITION Ver3.15」

 

現れた球体は俺たちを包み込み、中庭からその姿を消失させた。否、視えなくさせた。

魔力の遮断結界を施したかいもあって、現れたランサーは微動だにせず注意深く中庭を睨んでいる。

その姿にイリヤは魔術師のものへと思考を切り替え、士郎は驚愕した。

 

「覚えがあるな士郎。アレはお前を追ってきたものだ」

 

「……はい。アイツは学校で俺を襲ってきた奴です」

 

士郎の返答に頷くと、小声でイリヤと士郎に現在の状況を説明しながら土蔵へと向かう。

 

「いいか。いくら姿が見えなくなっているとはいえ、土蔵の扉を開ければランサーに居場所がばれる。俺が時間稼ぎをするからなるべく早くサーヴァントを召喚してくれ」

 

「わかりました」

 

「うん……キョーマ」

 

土蔵の前まで着いたところで、イリヤがコートの裾を握る。

 

「死なないでね」

 

「ふん、俺を誰だと思っている」

 

黒いコートを翻し、攻殻機動迷彩ボールを消す。背後からは土蔵の扉を開ける音。

我が小さき主を護る為、狂気の扉を開けるとしよう。

 

「よぉ、マスターごと姿を消すとは大した魔術だ。で、素直に姿を現したってことは、諦めたってことでいいんだな?」

 

「ふん。愚かだなランサーのサーヴァント。勝機を前にして逃げるこの鳳凰院凶真ではないし、先ほどのあれは魔術ではなく科学だ」

 

「科学? はっ、まぁいい。どんな術であれ、戦うってのはいい選択だ。せいぜい楽しませてくれよっ!」

 

10メートルもの距離を一瞬で0にするランサーの刺突。それを避けることは岡部倫太郎には不可能。

故に───槍を掴んで受け止める。

 

「なにっ!?」

 

ランサーの驚愕をよそに、凶真の身体からは黒い魔力が吹き上がり、その瞳は深紅に染まる。

 

「■■■ーーーー!!!」

 

狂化。孤独の観測者の効力を自ら抑え、本来のバーサーカーとしての能力を使う。

理性的な動きは出来ずとも、筋力は向上し、傷どころか死をも恐れず戦い続けることができる。

本来ならば本物の英霊相手では愚作ともいうべき作戦だが、時間稼ぎという点でいえば十分に活躍できる。

僅かとはいえ、英霊相手に肉体的に近づくことができるのだから。

 

「なるほど、バーサーカーのサーヴァントか。面白い!」

 

獣のような眼光を光らせ、ランサーの槍は速度を増す。

まるで弾丸のような槍の刺突を凶真は拳で弾くが、その拳は裂けて血が吹き出し、狂化して尚ランサーのサーヴァントには届かない。

 

「■■~~~~~!!」

 

その身を全身血に染めながらも、決して手を止めない凶真。

だが、その奮闘もついに終わりを遂げる。一際速度を上げたランサーの槍が、凶真の足を穿つ。

 

「終いだ」

 

足を穿たれ立ち上がれなくなっても手を伸ばす。自我はなくとも己の主を護る為。

そんな凶真に下された死刑宣告は。

 

「《狂化を解いて避けなさい! バーサーカー!》」

 

イリヤの令呪によって、阻止された。

しかし、それはほんの一時凌ぎ。再び向けられた槍は再度凶真を襲い────

 

「感謝しますバーサーカー。貴方のおかげで、マスターは私を召喚することができた」

 

突如現れた金髪の騎士の、視えない何かによって止められた。

正気に戻ったことで全身に痛みが走るが、口からは思わず笑みがこぼれる。

何故? 何故だと? これが笑わずにいられようか。空いているサーヴァントが残り一枠だというから、アサシンやキャスターなど、三騎士以外の直接戦闘が苦手なサーヴァントが余っていると思っていたが違った。

まったく、残り物には福があるとはよく言ったものだ。この俺でもわかるほどの高貴な雰囲気。溢れ出る威圧感。まさか余っていたサーヴァントの枠が……。

 

「気をつけろ、セイバー(・・・・)。そいつはアイルランドの英雄クーフーリン。奴の魔槍ゲイボルクは、一撃で心臓を穿つ」

 

俺の発言に驚きを隠せないセイバーとランサー。当然だ、この世界線でランサーは俺に真名を名乗ってはいないのだから。

自らの身命を看破されたランサーは静かに怒りを溜め、セイバーは感心したように頷く。

 

「助言に感謝を。ここは引き受けます。貴方は早急に傷の手当てを」

 

「まさか、真名まで見抜かれるとはな。どうやら甘く見過ぎたらしい」

 

戦闘を開始するセイバーとランサー。それをきかっけに、イリヤと士郎は俺を連れて再び土蔵の中へと戻った。

 

「キョーマ大丈夫!?」

 

「ああ、悪いな。令呪を使わせて」

 

謝る俺に泣きながら治癒の魔術を掛けてくれる。ランサーの槍による傷に効果は薄くとも、狂化によって傷んだ体は治癒の魔術を受け付け、体がだいぶ楽になった。

完治とは言わないが、体が自由に動かせるようになった頃、セイバーが土蔵へと顔を出す。

 

「無事ですか、マスター。それに、バーサーカーとイリヤスフィール」

 

「問題ない」

 

セイバーに軽く応え、現状を説明する。最初こそ多少の警戒心を持っていたセイバーだが、説明が終わる頃には警戒心はだいぶ解かれ、士郎を救った礼にと俺の傷が癒えるまで休戦してくれることになった。

ふと、そこでセイバーの表情が変わる。いや、セイバーだけではない。俺とイリヤも気づいた。

 

「行くか」

 

「ええ。セイバーフォローお願いできるかしら」

 

「お任せを」

 

意味の分かっていない士郎をよそに、俺、イリヤ、セイバー衛宮邸の前の道へと移動する。

そこにいたのは赤いコートを着たマスターと思われる少女と。

 

「貴様は!?」

 

「……こんなところで会うとは、数奇な運命もあったものだな」

 

赤い外套を纏った騎士だった。

 

「知っているのですか、バーサーカー」

 

「ああ。生前、俺の命を奪った男だ」

 

俺の言葉に驚愕するセイバーとイリヤ。それを好機と見た赤い騎士は白と黒の中華剣で襲いかかってくる。

 

「余計な事を喋られる前に退場してもらう」

 

本日何度目になるかわからない死の宣告は。またもセイバーの剣によって弾かれた。

 

「どけセイバー!」

 

「断る。バーサーカーには恩があります」

 

激しくぶつかり合う剣と剣。赤いサーヴァントはセイバーの苛烈な剣に耐えきれず、その身に一撃を受け膝をつく。

俺もイリヤもセイバーも勝利を確信した。しかし、誰も予想しなかった展開でこの騒動は収まる。

 

「やめろ! セイバー!」

 

赤い騎士を下げた少女にセイバーが斬りかかった瞬間、衛宮士郎が令呪を使ってセイバーを止めたのだ。

それからはもうセイバーは士郎に怒るわ、結果的に助かった少女 遠坂凛は士郎の同級生でこれまたセイバーを止めた士郎に説教するわの大騒ぎ。とりあえず、士郎に聖杯戦争について説明する為この場は一時休戦となった。

そして現在。屋根の上で赤い騎士 アーチャーのサーヴァントと共に周囲の警戒に当たっている。

アーチャーは千里眼による目視で。俺は宝具FG2号機タケコプカメラー2nd EDITION Ver1.14自立発電型浮遊監視カメラで。

 

「エミヤ……いや、アーチャー。貴様、凛に素性を隠しているようだな」

 

「こちらにも事情があってな。休戦中とはいえ、余計な事を凛に吹き込むというのであればこの場でその首を撥ねさせてもらう」

 

その眼は、たとえ凛やセイバーを敵に回そうと実行すると物語っている。

アーチャーがなぜ自分の素用を隠そうとするのかは不明だが、士郎と同じ性である事と何か関係しているのかもしれない。気にはなるが、今そんなことでもめ事を起こして退場するわけにはいかない。

 

「安心しろ。俺はイリヤを勝利させること以外に興味はない」

 

「賢明な答えだな。それならば、今はまだお前は私の敵にはなりえない」

 

それから一時間。無言のまま過ぎた時間は、イリヤから降りて来いという念話で終わりを告げた。

どうやら、話し合いで今夜は休戦。士郎にマスターとして管理役に報告させる為、言峰教会へ行くとのこと。

だが、俺は言峰教会への同行を拒否し、イリヤと衛宮邸で留守番する旨を伝える。

 

「あの神父は信用できない。悪いが、アイツに合うのは二度と御免だな」

 

日本へ来て数日後、イリヤと共に参戦の報告をしに行って会った言峰綺礼に俺は悍ましさを覚えた。

何かをされたわけではない。しかし、濁ったその眼は記憶に残る300人委員会の屑共の目よりもさらに淀んだ深い闇。アレは決して信用できない人種だと。

イリヤは士郎に同行できない事を渋ったが、言峰綺礼を知る凛は納得してくれた。

 

「ねぇ、キョーマ。さっき言ってたアーチャーが俺の命を奪ったって、どういう事?」

 

「そのままの意味だ。生前の俺の最後は、奴の剣によって終えた」

 

ざっとその時の経緯を話す。相容れぬ理想を持った二人は幾度となく相まみえ、一人は逃げ続け、一人は追い続けた。その果てに、追ってきた者が逃げていた者を遂に追いつめた。ただそれだけの事。

 

「じゃあ、アーチャーの正体は……」

 

「ああ。俺と同じ、未来の英霊だ。凛には隠しているみたいだけどな」

 

「なんで?」

 

「さあな。だが、余計なことを話せば、奴は俺やセイバーを同時に相手にしてでも敵対してくるだろうな」

 

そんなことが可能なのか。とイリヤは言う。

本来ならば不可能だろう。ただでさえ、こちらはサーヴァントが二騎いるのだ。

しかし、俺はやつの事を知っている。奴は戦闘のプロだ。どんな策を弄そうと、どんな人数で迎え撃とうと、そのこと如くを卓越された技能で看破していく。

先ほどの戦闘を見る限り、剣技ではセイバーが圧倒的に有利だ。狂化すれば、俺でも身体能力的には勝ることができるだろう。だが、勝てるとは思えない。負けないだろうが勝てない。それが俺が奴に持つ印象。勝率が未知である以上、迂闊に敵に回すわけにはいかない相手なのだ。

 

「わかった。それじゃ、当面はシロウとセイバーと組んで、アーチャーは敵に回さない方針でいきましょう」

 

「それが妥当だろうな」

 

暫くすると、士郎とセイバーが帰宅してきたので改めて自己紹介することにする。

まずはイリヤ。アインツベルンのマスターだが、現在はアインツベルンから離れ聖杯戦争に参加している事。

そして、士郎の義理の姉だという事。

 

「我が名は鳳凰院凶真。バーサーカーのクラスを与えられた未来の英霊だ」

 

「未来ですか」

 

興味深そうに言うセイバーに、アーチャーの件も正体を含め説明する。

 

「では、アーチャーも未来の英霊という事ですか?」

 

「いや、それはどうだろうな? イリヤから聞いたんだが、英霊は守護者として様々な時代に召喚されるのだろう? 生前の俺の偉業はその守護者とやらが現れてもおかしくないものだからな」

 

なるほど。と納得するセイバー。危ない危ない。隠しておくつもりが、思わず口を滑らせてしまった。

実際は生前の俺があったアイツは確かにあの時代の人間だったが、なかなかに信憑性のある嘘がつけた。

次いで自己紹介をしたのは家主の衛宮士郎。そして、そのサーヴァント セイバー。真名は名乗らず自身がセイバーだという事しか明かさなかった彼女だが、イリヤがあっさりとその正体をアーサー王だと口にしてしまう。

 

「なっ!? イリヤスフィール。では貴女は、アイリスフィールとキリツグの娘のイリヤスフィールだというのですか!」

 

「ええ、その通りよ。でもまさか、セイバーが前回の聖杯戦争の記憶を引き継いで召喚されるとは思わなかったわ」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ! 爺さん、切嗣がマスターでセイバーの元マスター!?」

 

驚愕する士郎に、イリヤとセイバー両名からの主観で切嗣が語られる。父としての切嗣、マスターとしての切嗣。

その事実を知った士郎は動揺し、一人になりたいと土蔵へ向かった。

無理もないだろう。イリヤから語られたのは優しい父としての切嗣だったが、セイバーから聞かされた切嗣は、残虐な魔術師そのものだったのだから。

 

「でも、私も信じられないわ。あれだけ聖杯を欲していた切嗣が聖杯を破壊するなんて」

 

「ですが事実です。イリヤスフィール貴女は……キリツグの娘である貴女は何の為に聖杯を欲するのですか。もし、キリツグの意思を継いで聖杯を破壊するというのなら……」

 

セイバーはその先を口にしない。おそらく、イリヤの母アイリスフィールに対する負い目もあるのだろう。

だが、ここで聖杯を破壊するといえば、次に会う時は敵同士。今後協力関係を結ぶことはできない。

 

「アインツベルンから逃げた私には、もはやアインツベルンの悲願は聖杯を得る目的にはならないわ。でも、キリツグが聖杯を破壊した理由は気になる。だから、知る為に聖杯を求めるわ」

 

そう答えたイリヤにセイバーは「破壊が目的ではないのなら」と、俺の傷が癒えるまでの協力関係を了承してくれた。

その後、イリヤは眠気に勝てず寝てしまったので勝手に客間に布団をひいて寝かさせてもらった。

セイバーは士郎が戻るまで起きていると居間でお茶を飲んでいる。そして俺は……。

 

「士郎、少しいいか」

 

「岡部さん……」

 

「俺の事は凶真と呼べ。で、衛宮士郎。お前はいつまでそうしているつもりだ」

 

「……わかりません」

 

自分にとって正義の味方だった切嗣のもう一つの顔。それを知って、自分でも何を信じていいのかわからないと。士郎はそう言った。

 

「ふん。何を信じていいかわからないだと? そんなものは決まっている。お前の知る、お前の信じた切嗣を信じればいい」

 

イリヤの知る切嗣はイリヤの主観。セイバーの知る切嗣はセイバーの主観。

見る人によって人は善人にも悪人にも見える。ならばどうするか。簡単だ、自分の主観を信じればいい。

 

「俺は世界中の人に悪だといわれても、たった一つの己の気持ちを信じて生き抜いた」

 

管理社会(ディストピア)の世界では悪だといわれても、俺はたった一人を救う為に戦い続けた。

それを悪いと思ったことも、後悔したことも無い。

 

「俺のマスターはセイバーの知る切嗣の話を聞いてなお、知る為に聖杯戦争を勝ち抜くと決めたぞ」

 

「イリヤが……」

 

「お前はどうする。そのまま迷い、立ち止まるか。それとも、前へと足を進めるか」

 

「俺は……」

 

言うべきことを言い終えた俺は土蔵を後にして客間へ向かう。

少々お節介が過ぎた。士郎がどうなろうと俺の知ったことではない。

知ったことではないのだが……。

 

「せっかくできたイリヤの家族だからな……」

 

目の前には安らかに寝息を立てる小さき少女。

士郎はどうなろうとかまわないが、それでイリヤが悲しむというのなら話は別だ。

俺はもう決めてしまったのだ。絶望にその身を落とした少女に、この世界には希望があると証明すると。運命には抗えると。

本人を前にしたら絶対に照れくさくて言えないが、ここに誓おう。

 

「お前の未来は必ず俺が手に入れてやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで3話目終了です。いやーこちらの作品は正義の味方にやさしい世界とはガラリと変えた文章で進めているだけあってとても大変です……。まぁ、私の文章力では大して差を作ることはできないのですが、主にシリアスなこちらは台詞量を極力少なめにするよう心がけております。
更新に時間はかかってしまうでしょうが、これからもよろしくお願いします!

ちなみに、未来ガジェットのverは基本適当です。宝具として使用しやすくする為に都合よくバージョンアップされています。

それでは、また次回!

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