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深夜…目を覚ます、別に寝苦しかったわけじゃない、むしろその逆、今まで以上に幸福な気分で安眠できていた、けれどなぜか起きてしまった、あまりにも現実みがなくて、頭の中でこんなに幸せなことが起きるはずがない、だから早く冷静になって現実に帰っておいで?そう、手を伸ばされた気がしたから…
隣を見る
大丈夫…隣には安心しきった顔で眠っていて愛しい寝顔がそこにあって…
下腹部に疼く甘い疼き、全身がヒリヒリとする感覚すら愛おしく感じて…起こさない程度に抱きつく…
(本当にしたんだ…それに…なんというか先輩って…私に全然自分の気持ちとか話してくれてなかったんだなぁ〜、まさかあそこまで…ねちっこく…真っ黒な…うぅ…思い出したら顔から火が出そう…)
「はぁ〜」
ため息が漏れ出る、あまりに幸福すぎて、やっと欲しかった物が手に入って隣にいる…
(それにしても…ここまで上手くいくとはなぁ〜)
ほっぺたをつんつんと突いて
(確かにムカムカした、ムカついた、いや、正直かなり…黒くてモヤモヤした感情が今までの比じゃないぐらい飛び出して頭で考えることが一切出来なくなった、でも、だからこそ、操ることにした、本当の愛ってすごいね?先輩、だって前の私だったらあそこまでできたかどうか分からなかった、本当を知って感情のままに動こうとする私と、冷静にどうやったら先輩が私の物になるのか考える私…その両方が同時に私の中に存在してた)
「私は嘘つきなんだよ?先輩の嘘が分からないわけないじゃん」
(先輩はなんだかんだ理由をつけてどうせ私から離れようとするから…ね?
それに先輩は普段は冷静であんまり他の人に感情を出したりしないけど、アクアとルビィ、特に私に対しては全然隠さないよね?冷静でもいられないし、私に対して思うところもあって、それがそんなに大きくなってたのは計算外だったけど、私は嘘の愛でファンのみんなを包んでたんだよ?先輩の嘘ぐらい見抜けちゃうし、ちゃんと先輩のことは見てるからね?
あーあ
先輩のこと騙しちゃった、だから言ったでしょ?嘘は最高の愛だって…もう離さないからね…先輩…)
もう嘘で愛を伝えるアイドルは居ない、ここに居るのは本物を知り、そしてその感情のエネルギーがどれほどの物かをしっかりと自覚した、彼女の言葉に嘘は無い、激情にかられ、嫉妬し、思うがままにワガママに行動するだけのアイドルはここにはいない、ここに居るのは…真っ黒な感情に支配されながらもその感情を巧みに操り思うがままにする
本物を理解したアイドルがもし嘘をついたら?見抜ける人は本当に居なくなってしまうのでは無いか…?でも、それでも自身の嘘を見抜いてくれる、自分自身をしっかりと愛してくれる、そんな存在にあったアイはもう本当を使うことに抵抗は一切ない
「私の嘘を見抜けるのは先輩だけ…そして、先輩の嘘を見抜けるのも私だけ…先輩は私の意図に途中から気づいてたでしょ?」
ッ…
隣でしっかりと寝ているはずの明智がほんの少し動いたように感じて、でも明智は寝たフリを続けて、それに騙されたフリをしながら
「私に騙されちゃってもいいやって思っちゃったんだよね?ふふっ…でも、もしあれが嘘だったら先輩は拒絶してた、本当の行動にほんのちょっと嘘を混ぜただけ、先輩が断れないように、わざと先輩を煽るようなことを言って…私の嘘は見抜いてるって、騙されないって言ってたけど、私わかっちゃった、先輩は本当にわたしが迫ったら断れないって…逃がさないからね、先輩…愛してる」
そう言って、頬にキスを残すと、幸せの余韻を噛み締めるように眠りについた
(あーあ)
先程から同じ理由で起きていた明智は、アイが隣でモゾモゾと動き、独り言のように、いや、明智が起きているのを理解した上で語っていた、
(今のは完全にあれだろ?勝利宣言ってやつだろ?分かってるよ、感情は本当だ、でも明らかに僕の感情を煽るように意図して発言してる箇所が何個かあった…はぁ〜今までだって完璧な嘘だったのに、そこに本当と嘘を混ぜ込んでくるとか…まぁ)
そのまま隣ですやすやと寝息をたてはじめたアイに優しく抱きついて
(今とてつもない幸福感で頭回らんし…別にいいかぁ…)
チュンチュン、外で雀が鳴く音で先に目を覚ましたのは明智だった
「これが世にいう朝チュンと言うやつか…」
隣ではまだ気持ちよさそうに眠っているアイ、そっと起こさないようにベットを抜け出し服を着てベランダでタバコを吸う
(まじかぁ…僕って実は頭悪かったりするか…?)
自分の脳みそを若干疑い出して、通行人をちらっと見つめる
(未婚、兄弟が2人、弟は大学生、兄は建築関係の仕事についてる、前々から気になっていた男性が他の女性と結婚したのでしばらく恋愛をすることは無いだろうなぁ)
自身の能力を改めて再認識して
(いや…全然天才だわ僕、なのになんでだ?あいつの前でだとすっごいポンコツになるんだけど…はぁ〜ムカつくわぁ〜ポンコツになるのがむかつくんじゃなくてそれでいいと思い始めてる僕自身にムカつくわ〜)
なんて考えながら煙草吸っていると
「あぁ〜先輩どっかいっちゃったかと思ったよ〜」
ベランダにひょこっとアイが現れる
「別にどこにも行かないよ、ただ煙草吸ってただけ」
「朝起きたら隣に好きな人がいるってシチュは女の子の憧れだよ、本当に先輩って女心が分かってないよね〜」
「あ〜はいはいそれはすいませんね」
「先輩って煙草吸うんだ?吸うとこ初めて見た」
「まぁな、外では基本吸わないよ、最近はどこも喫煙者の肩身が狭いし、芸能界の人間の近くにいるんだから臭いっていうのはある程度気を遣うしな」
「へぇ〜」
「だからあんまり近くによるなよ」
そう言って近寄ろうとするのを静止しようとすると
「無理でーす、ちゅ」
「あのなぁ?んっぅ??」
いきなり近づいて、顔を掴まれそのままキスをする…
「苦いキスご馳走様、私お風呂入ってくるね?」
ポカーンとしている明智を横目にぺろっと唇を舐めて子供っぽく、でも妖艶に微笑んでさっさと行ってしまう
「ぐぅぅぁ…くっぅぅ…そ…!!」
それを見届けたあと突然しゃがみこんで唸り始めて
(はぁ〜あいつなんなの!?マジでなんなの!?ほんっっとうにムカつくんだけど!?はぁ〜!はァァ〜!?!?)
タバコを吸い終わり、アイが風呂から上がったら自分も入ろうかな、なんて考えていると
「ねぇ?先輩〜」
「ばっっか!?お前何裸で出てきてんだよ」
あろうことか一糸まとわぬ姿でアイが風呂場から出てきて
「石鹸しかないんだけど?シャンプーとかないの?」
「ぁ〜僕基本石鹸しか使わないからなぁ」
「ボディソープとかも?」
「使わない」
「なにそれぇ、私女優なんですけど?」
「お前が突然押しかけてきたんだろうが」
「そうだっけ?てへっ」
べろを出して誤魔化す
(くそ…かわいい…)
「先輩買ってきてよ」
「やだよめんどくさい」
その言い方にアイも考えがあるらしく、ゆっくり歩いてきて
「前々から思ってたんだけどさ先輩」
「それよりもお前濡れた状態で…近いって!」
何も着てない状態で近寄ってそのまま抱きつき、唇がくっついてしまいそうなほどの距離で
「これからはお前って禁止ね?ちゃんと私の事アイって呼んで?わかった?」
「わ、わかった」
そのまま耳元で…
「あとお風呂道具1式買ってきて?」
「は、はい…」
「いい子、お願いね?先輩」
そのまま軽く頬にキスをするとさっさと風呂場に戻ってしまう
明智はそのまま言われた通りに近所のコンビニに向かい…1式揃えて購入し帰還
(ぁぁぁ''〜〜〜〜〜〜!!!!!!)
内心大絶叫、散々アイの嘘に飲まれない、本当のお前だけ見てると言ったくせに
ホンモノの感情を乗せた嘘にコロッと堕ちてしまう明智だった
その後明智もシャワーを浴びて流石にアイを事務所に送り出し、明智は大学に行ったあと事務所に
「はぁ〜お腹空いた」
パソコンとにらめっこしながら独り言を呟く
「そうねぇ、ちょっと小腹が空く時間よね」
正面のミヤコさんも反応
「なんか食べたくないです?ぁ〜僕お寿司が食べたいな〜」
「あのねぇ…」
わざとらしく食べたい物をリクエストしてると
「私も〜」
「僕も」
双子まで乗っかってきて
「まぁ…社長のお金でたまには豪勢に行きましょう」
「「「やったぁ〜」」」
そんなことを言ってると
「ただいま〜」
社長とアイが帰ってきた
「ただいま〜ミヤコさん〜アクア〜ルビィ〜いい子にしてた?」
双子をぎゅぅぅっと抱きしめて
明智はもう少しで作業が終わるのか無視していると
「先輩ただいま〜」
「ぁ〜?おかえり」
アイの方に顔すら向けずに手のひらを適当に振ってあしらって
「ねぇ…先輩?」
「だからおかえりって…な、何?」
「ただいま」
「お、おかえり…アイ」
「ふふっ」
後ろから抱きついてゼロ距離で顔を見せつけ、再度おかえりを要求して、どうやら満足したのかそのままスっと離れる
その反応に周囲は
(え…何今の?)
(今のアイなんというか、小悪魔見たいな顔してなんだけど?なんだあれ?俺の目の錯覚か?)
(ママが…ママがぁ…メスの顔になってるぅぅぅ!!!!)
周囲のそんな反応なんて関係ないのか
「先輩私お腹空いた〜」
「喜べ、ミヤコさんが社長の金で寿司を奢ってくれるらしいぞ?」
「それは俺が奢ったことになるんじゃないか?」
「だからご飯連れてって」
そんな社長のツッコミや、明智の言葉など無視してそのまま
「ね?ご飯連れてってよ」
「いや、だからミヤコさんが…ゥ…」
また、いつの間に近くに居たのかじっと目を見つめ方に手を置いてねだるような声色に
「ぐぅ…ぐぅぅ…はぁ〜すいませんミヤコさん、どこ行きたいんだよ…」
「え?べ、別にいいけど」
「やったぁ〜」
「はぁ〜お前と食べに行くってなると個室ある店しかダメじゃん」
そう言いながらご機嫌だったアイが突然頬を膨らまして、そんなアイを無視してサングラスと帽子を被らせて
「ほら、行くぞアイ」
「ッ!!はぁーい」
そうして何故か機嫌を取り戻したアイは明智と共に去っていってしまった
「なんだあれ?」
「完全に飼い慣らされてるわね」
「ママがぁ…ママがぁぁ…」
「まぁまぁ」
ルビィの背中をアクアが優しく撫でて
確実に変化している2人の関係性を生暖かい目で見守るのであった
(ぁーあ知っちゃった、先輩の弱点完全に理解しちゃったな〜でも程々にしないと慣れちゃったりしそうだし、ちょっとずつにしなきゃね、私ってこんなに悪い子だったんだなぁ…愛してる人に自分のワガママ聞いてもらって、本当の自分を全部受け止めて欲しくて…でも先輩がこんなふうにしたんだから…ちゃんと責任とってよね?)