いやぁなんだ感が続いてますねぇ、これからもゆるく続くと思うのでよろしくお願いします〜
いつも通りの日常、明智は恋愛リアリティーで名前がさらに売れて、たまにドラマや映画のチョイ役に出演が決まったり、
アイもアイで余程最後の告白のシーンが受けたのかこちらも引っ張りだこ、お互い事務所に顔を出すため会わないわけではないが確実に2人が顔を合わす時間は少なくなっていく
「先輩〜どこか遊びに連れてってよ」
「はぁ?いきなり何言ってんのこの子?」
いつも通りパソコンに向かって作業している明智にだる絡みするアイ、そんなアイを軽く流しているととんでもないことを言い始めたので思わず手を止めて振り返る
「だってさ、よく考えてみたら私と先輩ってどこか一緒に出かけたこととかないな〜って」
「まぁ…確かに言われてみればそうだな」
ココ最近を思い返して見ても、アイと明智が一緒に出かけていくというのは滅多に、どころかたまにご飯を食べに行くぐらいなもの
「簡単に言うよなぁ…僕はまぁある程度顔がバレてるってだけだけど、アイに関してはとんでもないレベルで認知されてるからな?」
「まぁそうだけどさ、でも出かけたいんだよ」
「そっすかぁ…」
どうしたもんかと頭を回しながら仕事をさっさと終わらせて
「明智、ママのために何かいいの考えて!」
ルビィが明智に話しかける、この最近のルビィやアクアとの仲もそこまで悪くないのを見てアイはにっこり笑顔
「そんなこと言ってもなぁ?ん〜じゃあちょっと協力してくれるか?」
「協力?」
そう言って明智は立ち上がり片手にルビィを、ミヤコさんに何か言うと別室に移動し始めた
「ちょっと待ってろ」
「私自分で歩けるんですけど〜!」
「行ってらっしゃい〜」
(明智、何するつもりなんだ?)
「アクア、みんなが来るまで暇だね〜」
「そ、そうだね…ち、近いって」
「えぇ?別に普通でしょ〜アクアの恥ずかしがり屋さんも相変わらずだね」
ぎゅぅっと抱き着かれスリスリされる
(あ、明智…早く帰ってきてくれ!)
数十分後アクアはアイとの攻防を何とか耐えて居ると
「終わったぞ〜」
そういうとルビィの背中をぽんと押して
「えぇ?何したの?ッうわぁ…ルビィお姫様みたい」
「うっわぁ…」
元々の可愛さを損なわないようにメイクは薄く自然に、下地なども軽く塗る程度、ポイントに気を使ってどちらかと言うと新しく作る、というより元々の物を強調させる為の物
それを見た2人は思わずため息をついて
「ママ?私可愛い?」
「す、すっごいことになってるよ!これも先輩がしたの?」
「まぁな、ほらルビィアクアにもお披露目してみ」
「えぇ?私まだ自分がどうなったか分かってないんだよ?」
「いいからいいから」
そのままアクアの方まで背を押して
「どうなの?アクア」
じっと覗き込むみたいにアクアの顔をじっとみつめて
「ッッッッ〜〜〜〜〜す、すっごい可愛いぞ?」
「ほんとに?うわぁ〜本当だぁ!ママみたい!」
鏡を確認して自分の顔に驚くルビィとアイに似ているのがさらに似ていたのか顔を真っ赤にさせるアクア
「あ、明智がやったのか?」
咄嗟に話を逸らそうと話を振って
「まぁな、僕に芸術的な感性はないと思ってたんだけど、要は化粧って足し算なんだよ、元々ある特徴を伸ばしたいのか、変化させたいのか、それを選んでやっていけば」
ルビィの肩に手を置いてアクアに向かせて
「ざっとこんな感じよ」
「?」
「ッッ!!そ、そんな簡単に言ってるけど、難しいんじゃ」
ルビィの顔に驚くアクア
「まぁな?ルビィの場合元の造形が良すぎて変に何かを足すより元々ある長所を全体的に分かりやすくしたって感じかな?」
「明智くんこれもっと早くできたりするの?」
「まぁ?今の感覚だともっと早くやろうと思えばできるって感じですかね?」
これからやってもらおうかしら…
なんて呟いて
「それでさ?先輩、ルビィがものすっごく可愛くなったのと関係あるの?あ、ルビィポーズとって、そうそう!きゃわ〜〜〜 ルビィアイドルになれちゃうよ〜!!」
ルビィにポーズを取らせて目をハートにしながら写メを何度も取り続ける
「まぁまぁ、よしアイも来てみ」
「?分かった」
そのままアイを連れていき
「ちょ、先輩顔近いってば」
「はぁ?近づけなきゃよく見えないだろ」
「だからぁ…」
「この程度でいちいち顔赤らめるなようぶかな?」
「ほんっとデリカシーない!」
なんて会話がしばらく聞こえてきたが、その後落ち着いたのか10分くらいで出てきて
「う、うぉぉ…」
「ママが、ママじゃないみたい」
そこにはアイがいた、が普段の誰彼構わず目線を奪う理不尽なまでの存在感はなくて、よく見ればアイと分かるかもしれない、けど普段のアイにあるはずの絶対的な存在感は無くなっていた
「どうよ?これで、眼鏡と帽子を付けてやれば」
よく見れば美形、だけれど存在感はなくて、アイが変身した姿としっかりと認識していればわかるけれど、そう出ないなら分からない
そういう状態になった
「すっごい…よくこんなことが出来るな、明智」
「僕も若かったのさ…」
「?」
小さい頃自身の才能が突出していたことについて十分理解していた明智はいずれ難事件に巻き込まれるのではと思い探偵としての術を学んでいた、その時に参考にしたのがかの有名な名探偵シャーロック・ホームズ
だが、平和な世の中に明智を必要とする場面はなく結局使うことは無かった特技
「まさか、こういうところで役に立つとはねぇ?」
「これで私は先輩と遊べるってこと?」
「いや、でもさぁ?」
ちらっとミヤコさんを見つめる明智
「はぁ〜どうせ何言ってもアイはやるし、貴方もそれに付き合うんでしょ?何言っても聞かないから構わないけど、スキャンダルには充分気をつけてよね…」
そう言って許可を頂いたアイは早速どこに出かけようかとあれこれ考えて
明智はソファに座って
(そろそろかな?)
なんて1人で考えていた
「先輩次はあそこ行こ!あそこ!」
「はいはい、分かった分かりましたから」
2人の予定を考えてやっとお互いオフの日を迎え、ようやくお出かけできることに相当テンションが上がっているのか大喜び、あっちに行ったりこっちに行ったりといつも以上の元気を見せていた
(まぁ、僕の変装がバレることは無いけど、アイのは少し心配かな?)
(さて…)
「アイ、あそこで飲み物買ってきてくれない?僕御手洗行きたいから」
「わかった、何がいいの?」
「別になんでも、アイのセンスに任せるよ」
そのままアイを見送って
(こんなもんかな…ほら…来いよ)
この時間、このタイミングで自身の演技を一気に解く
「誘われた…という感じでいいですか?」
「その通り、まんまと誘われたってこと」
「では隣にいたのがアイですか、一瞬気づきませんでしたよ」
「そりゃ気付くわけないよ、僕が隠したからね」
整った顔、絹のような金髪、両目の輝く瞳
「正直驚きですよ、あのままでいたら僕には絶対バレなかった、絶対に隠し通せたはずなのに」
「まぁねぇ?でもいい加減1度ぐらいは話をしとこうと思ってな」
「あなたみたいな才能の人間に声をかけて頂けるなんて恐縮です」
そうにっこりと嘘の表情を作って隣に座る
「それでご要件は?」
「まぁ正直君が何をしようが僕がそばにいる、アイという存在を知っていて君をしっかりと認識している限り絶対にアイの周りにも君の周りにも何も起きないし起こさせない、その絶対的な自信がある」
「えぇ…貴方でしたらできてしまうんでしょうね」
「だから、そんな非効率的なことはさっさとやめてアイから手を引けよって言いに来ただけだ」
「それを僕が自分の意思で出来たらもうしてますよ」
だろうな、と言って
「止まれないよな、君は1度味を知ってしまった、そう勘違いしてた方が楽だもんなぁ」
「……なんの話しです?」
「才能がある人間を潰すことに生きがいを感じて、でも自身のミスで1人の人間の命がなくなくなり無関係の人間を巻き込んだ、だから君は自分の手では止められない、だから誰かに止めて欲しいんだろ?」
ふふっとまるで失笑するように笑って
「残念です…貴方には期待していたんですけど、そんなくだらないことを言うためにわざわざアイを囮に?」
「囮じゃないよ、これはただのデート、これから先僕があいつを外に連れ出す度にこんなめんどくさいのが釣れる釣りなんてやりたくないし」
それに…
「僕は一言で君のことを論破できる」
「へぇ…」
面白そうに明智を見つめて
「賭けをしよう、僕の言う言葉に全く反応しないんだったらこれからもアイを狙えばいいさ、ただし」
「少しでも心に響いたのならアイに近寄るなと?」
「そこをどうするかは後で決めよう、どうせ僕が勝つしな」
「面白い…いいですよ?お好きなタイミングで」
その時、明智は初めて男の顔を見た、男の輝く瞳を見た…いや、その奥すら見透かして、全てを見つめて、ただ俯瞰しているような顔で
「貴方を産んでよかった、産まれてくれてありがとう」
「ッ…!?」
「ただ愛情が欲しかっただけの小さくて寂しがり屋の子供だよ」
「そ、…そんな訳…わ…」
「そろそろかな」
そう言って立ち上がり
「もうそろそろアイが帰ってくる、」
「ち、違う…!僕は…!」
「子供にもアイにもいずれしっかりあって話せ、全く寂しがり屋の後輩2人の面倒は大変だよ」
困惑して声をふるわす男の頭を雑に撫でて
「欠けてしまった人間だろうが、過ち犯した人間だろうが、そこで止まって引き返して、やり直そうと思えばやり直せる、他の人間に愛される人間になれ、出来れば自分をしっかりと見て貰えるような、そんな人に出会え」
そのまま歩いて
「まぁ、めちゃくちゃきついだろうけど、たまに来いよ、ご飯ぐらいなら奢ってやるし、周りを巻き込まないんだったらいくらでも付き合ってやる」
怯えてまるで子供のように狼狽えている男の肩に軽く手を置いて、そのまま…
別れた
「先輩〜買ってきたよ」
「お、ありがと…これなに?」
「マカロンフォエバー」
「なんだそれ…甘ったるそうな名前だな…」
「…?誰かと話してたの?」
「まぁな、ちょっと手のかかる後輩2号と会話してた」
「何それ?」
不思議そうな顔のアイに早く行くぞ、と急かして行ってしまう
その2人を見つめる瞳には何が映っているのだろうか