(ここでいいんだっけか?)
とある番組の打ち合わせのため呼ばれた場所は控え室、なぜ?と思いながら部屋に入って中を一瞥した瞬間
(あ、ドッキリだわこれ…)
えぇ…と、ミヤコに仕事を振られた時の違和感…仕事内容の確認をした時も何故か変にたどたどしい…なんだろう?と思っていたが信用していたため特段追求することはせず当日を迎えた…
(どうしよう?引っかかった方がいいのかこれ?)
まぁ…でも…分かってるものに突っ込むのもちょっと嫌なので
見渡す。
(カメラ発見、椅子に座ったら崩れる、ペットボトルは固定されてて上から持ち上げたら溢れる、鏡にも仕掛けか…あれか?クリーム爆弾でも飛んでくるのか)
そう考えてはいても、ただじっと立っている訳には行かないためなにかしなければと思い、仕掛けのされてない反対側の椅子と取り替えて座り
ペットボトルには指1本触れずに…
(来ないなぁ…やっぱ鏡見なきゃダメ?えぇ…)
仕方なく鏡に移動して、しばらくじっと見ていたら、仕掛けが開きクリーム砲を飛ばされたので
ひょい、と躱す
そこから…戦いは始まった
その後番組は放送され、明智が見事に全てのドッキリを回避したのに話題を呼ぶ、だが世間ではヤラセでは?というそこで終われるわけはなかった、これはもはや番組としての意地プライドをかけた戦いである
(またか…)
部屋まで案内され、そこでアンケートを書いて待ってくださいよ言われ、部屋を見る…
(あ、カメラ発見)
カメラに近づいて言って、ニコッと笑いそのまま椅子に座る、軽くアンケートを書き終わった瞬間
後ろからバズーカを持った人が現れた明智を狙う
「こっわ…」
明智が躱した瞬間クリームが飛ばされて、
「えぇ…なんか威力上がってない?僕のこと殺しに来てる?」
「なんでわかるんですか!というかカメラの場所見てましたよね!」
「まぁ…分かりやすかったですよ」
番組スタッフがドッキリ大成功という看板を持ってテンション高めに詰め寄ってくる
「あれ?前にやりませんでしたっけ?まぁ…引っかからないと思うので大丈夫ですけど」
そうしてドッキリに引っかからない役者が出ると番組の視聴率は上がっていき
「このボールを投げれば良いんですか?はぁ…」
ヒョイッとボールを投げると井戸から貞子が出てきて投げ返してくる
「うぉ、本格的」
そのままボールを蹴り飛ばして貞子に命中、ノックアウト
「あぁ!?や、やべ思わず!」
そのまま慌てて貞子に駆け寄り介抱しだす明智
部屋で待機していたら突然部屋が真っ暗に…逆に驚かせようと暗闇の中スタスタ歩き出して
「わぁ!!」
「ウッォォ!?!?」
逆に芸人を驚かせ
道を歩いている時に怖そうな集団の人混みに挟まれた時は、
「おぉ〜怖いな」
何故か想定外の方向からそれを眺める明智が発見され
あいつなんなん?
なんか最初はヤラセだろ?って思ってたけど最近は番組側が頑張って明智を陥れようとしてるじゃん
壁が壊れて突撃してくるって時、あれ壊れるの見越して数歩下がってたとかさぁ?やばいだろあれ
机の中に誰か潜んでるって分かったから壊しながら突撃してきた芸人に普通に挨拶したのはマジで笑った
え?どうするの?まじであれ引っかからないの?
逆にここまで来ると引っかかるな
バッティングセンターで一斉にゴムボール飛んできた時全く当たらない場所に陣取ってたのはなんなの?
その後番組側も意地になって飛ばしてたけど全部バットで弾くな
あれ楽しい〜!!とか言いながらボール弾いてたな
あそこはそういう遊びをする場所じゃないです
あとクリームの爆撃交わした後に「なんか威力上がってない!?死人でそうじゃん!」
って言いながら躱すの面白い
確かにあれに当たったらめちゃくちゃ痛そうだもんな
番組側もピキってるの面白すぎだろ
「明智…1回ぐらいは引っかかってあげたら?」
「いや、なんというかここまで来たら番組と僕との戦いだから」
番組の放送を事務所で見てるとアクアに突っ込まれる
「それに見え見えだったからさぁ、僕なんかあからさまな演技?はちょっと気が引けるしな…」
そうして幾度もドッキリを回避し、逆に驚かせるなんてことをやっていると
「いやぁ〜先輩はどんな些細なことからでもバレちゃう恐れがあるのでドッキリとかだったら絶対バレちゃいますよ」
手が尽きてきた番組スタッフが同じ所属、そして最近話題の元アイドルを頼るのは自然なことなのかもしれない
「だから、先輩を騙す時はシンプルにしちゃいましょ!」
「大丈夫ですって!私だったら余裕ですから!」
そしてまた明智は呼び出された
(またか?って…なんか前見たやつじゃん、鏡また見ないとダメかこれ?あれだろ?芸人さんがクリーム飛ばしてくるやつ、いい加減引っかかってあげた方がいいのか?)
そう考えながら鏡の前に立ちじっと眺める
すると
ウィィーーン
ニコッ
「アイ?何しんっぶぅぉぉぉ!?!?」
鏡が上に開いた瞬間見慣れたアイドルがクリーム片手に、目が会った瞬間ニコッと笑われ、一瞬…そう、一瞬呆気に取られた瞬間…明智の顔面をクリームが覆った、結構な力で
「ぶっほぉ!!…お、お前…あぁ〜!くっそぉ!!」
「えへへ〜先輩騙すなんてちょろいもんだよ」
寝っ転がってなんとかクリームを取ろうともがいてる横でドッキリ大成功の看板を手ににこにこしてるアイ
「おっ前さぁ!?事務所の時は欠片も態度に出てなかったんだけど!?どんだけ隠すの上手いんだよ!」
「先輩相手に欠片でも見せるわけないじゃん、何言ってるの〜」
カメラが2人のやり取りをとり、主に明智にズームアップ
「というかこれいいの!?役者なのに顔面クリーム塗れの顔は事務所的にいいのこれ!?」
「佐藤社長は良いって、でも私はダメだってさぁ」
「斎藤社長な!あと僕はいいのかい!」
「なんか猫みたい」
「どのへんがァ?」
クリーム塗れの顔面で怒鳴って
「先輩ってさぁ?他の人相手だったら警戒心上げて絶対に引っかからないですよねぇ?」
「はぁ?何が言いたいんだお前は、もうどうでもいいからとりあえずクリームを取らせろ」
ハンカチで落とそうとするが思った以上の速度で投げられ、顔面に対して過剰に搭載されたクリームの相手に手間取っている
「私相手だったら警戒心ないんだね?」
「はぁ?お前が突然現れたからビビっただけですけど?」
ニマニマ〜とした目で見つめられて
「何その目は」
「そもそも同じ事務所で見た瞬間に先輩だったら分かりますよね?」
「ぐ……」
言葉につまり…
「あれれぇ?おかしいなぁ…な〜んで先輩は他の人になら気付くのに、私相手だったら気付かないんですか?」
ねぇ〜なんでぇ?クリーム塗れのほっぺたをつんつんして
「うるっせぇぇな!!最近お前が僕相手に隠すの上手くなってる自覚あるだろうが」
「まぁ、最近の先輩私に甘々なので楽にいけますね」
「はぁ?どの辺がぁ?」
いつまでたってもギャーギャー騒ぎ立てる2人に一生やってろバカップル…
こうして見てる視聴者は尻に敷かれてるなぁ…と思った
「というかミヤコさん、僕ってキスシーンOKなんです?」
「突然どうしたの?」
「いや、何となく…なんか新しくドラマの撮影決まったじゃないですか、それで僕が演じるのキスシーンあるんですけど」
「確認したらそのシーンは省くらしくてね、また前みたいにアドリブでしちゃダメよ?」
「前のやつはあっちの方が面白いな〜と思っただけですからね…それにしてません」
「先輩またなんか撮影決まったの?」
仕事終わりのアイが帰ってきて
「そうそう、またなんか決まってさ」
「出演者ってだいたい決まってるんです?」
「えぇ、変更がない限りは」
そう言って紙を渡され、内容を確認していると
「あ、この子あれじゃん…たしかぁ…なんだっけぇ?ぇっとぉ…あ!重曹を舐める天才子役」
「違う、10秒で泣ける天才子役」
そうだっけ?と顔を傾げながら
「いやぁ…この子か〜楽しみだなぁ」
「あら?この子知ってるの?」
「えぇ、僕この子好きなんですよねぇ」
「貴方ってこういう子に興味無いと思ってたわ」
意外と言う顔で明智を見つめる
「いやいや、そんなことないでしょ、この子は見てて面白い、まるで自分を見ろって叫びながら演技してる…だからつい追ってしまう、才能のある人間を見るのが大好きなんですよ」
いやぁ〜楽しみだなぁ…なんて嬉しそうにしてる横で冷たい目で見つめているアイに気づかない明智
「先輩ってこういう子が好みなんですねぇ〜〜」
「はぁ?好み?ただシンプルにファンなだけだよ」
「へぇ〜」
「何その冷たい目?おいおい僕はロリコンじゃない、ただ才能を持つ人間が好きなだけだって」
「まぁ…信じてあげる」
「あぁ良かっ」「ただし!」
「デレデレしたらちょ〜っと私許せないかなぁ」
首を少し傾げて…声色は凄くゆったりしているのに、目は冷たくて真っ黒…
「う、うっす」