あれから少しして先輩は変わった、変わったと言うより私の調教の成果が出てきたのではないかと思い始めてきている
例えば
「先輩最近爪伸びてきたね〜そろそろ切らないと」
「えぇ?あぁ、最近爪噛む癖なんか無くなったんだよな」
「へぇ〜でも長いとかけちゃったりして大変だよ?切らないと」
「お母さんかよ、爪切っといて」
僕今本読んでるから
そう言って差し出してくる
なんというかもう…ギャップがすごい…爪ぐらい自分で切りなよ〜なんて言いつつしっかりと爪を切って磨いてきちんと形を整える
その間先輩はずっと本を読んでてたまにちらっと目線を向けてくる、指を触る度に少し身体が震えてくすぐったそうにしてるのが最高にキュートでたまらないよね
「はい、終わったよ?」
「おぉ〜随分綺麗に仕上げてきたな、ありがと」
「じゃあ私のもやって?」
「えぇ、お前ネイリストにやって貰ってるじゃん」
いいから〜と言うとため息ついて面倒くさそうに、でもなんだかんだやってくれる
基本的に先輩は嫌がるフリをする、もし嫌だな〜て時でもだいたい私の言うことは聞いてくれるからツンデレ以外の何者にも見えなくてこれもまた可愛い
「はいはい、お嬢様爪のお手入れのお時間ですよ〜」
「苦しゅうない」
どっちかって言うと王様だなそれ
そう言って私の手に触れてくる、最初爪を削る前の確認?と思ったけどおかしい、手の甲を優しく撫でて、指の間、関節、手のひらを優しくすりすり…って触ってくる
しかも顔が凄い…なんというか愛おしさ全開みたいな顔で見てくるのはやめて欲しい…
私の視線に気付かないぐらい私の手に触るのに夢中になってるってことでしょ?
それは卑怯だよ…本当にあざとすぎる
「手、綺麗だな」
「ま、まぁちゃんと手入れは欠かしてないからね」
「ふ〜ん」
「ちょ…くすぐったいよ」
ちょっと意地悪に笑って手のひらを指でゆっくり優しく撫でるのをやめて欲しい…こういう時の先輩はイタズラする子供みたいで可愛い
バレてないよね?今私顔真っ赤だよ?心臓の鼓動が早くなるのが自分でもわかるぐらいに高鳴ってる
「えぇ?何が?くすぐったつもりないんだけど?爪を切る前の確認だからきちんとしとかないとな」
「こ、これの…っ…どこが…んっ…確認なのかなぁ?」
ぁ〜ずるいって…ずるいよ、私の顔見た時のあのわっるい顔、先輩が私のことをからかう時はいつもこういう顔する、どんな人間に対してはも基本的に優しくてすぐに気づいてその人が望むことをして、どーせ色んな子を垂らしこんでる先輩が
嫌がってる…まぁ、嫌では無いけどね?
私の反応見て楽しんでいじめてくる…その時にたまに見せてくれる顔がずるい
私だけに向けられてる感じがして特別扱いされてるって感じちゃうよ
「よし、とりあえずこんな感じでいいか?長めで形整えるだけにしといたぞ」
「ありがと〜ぉ〜先輩を私専用のネイリストにしても問題ないね」
「それはありがたく辞退させていただきますねっと」
そのままソファに座って本を読み始める
ぁーぁ隣にこんなに可愛いお嫁さんが居るのに本ですよ本、本当にこの人は本の虫
家に行った時も本棚の中からはみ出すくらいの本ですよ
可愛い可愛い彼女より本が大事ですか〜
なんて不貞腐れて
「先輩枕入ります?」
「ん?まぁ欲しいけど」
「じゃあどーぞ?」
そうやってふざけてみる、前の先輩だったら何言ってんだ?やるわけねぇだろとか言ってくる
今回もとりあえずかまって欲しくて先輩をいじって楽しもうって思ってたのに
「動くなよ?」
「ぇ?ぁ…」
よっとそういう声とともにずっと太ももに頭を乗っけて呑気にページを捲り始める
本当に…いや…あざといって、あざといよ先輩…前までここまで素直に甘えてくれなかったじゃん!
いくら私の調…信頼の結果だからってちょっと…これはもう結婚だよね?
先輩まつ毛長いな〜髪の毛ちょっと伸びてきた?眼鏡いい加減買わないのかな?
目付き悪いけど眼鏡のせいかな?
コンタクトにした方がいい気が
ぁ〜でも眼鏡姿の先輩もかっこいいしなぁ
のんびり呑気にページをめくる先輩の顔をじっと眺めて、たまにおでこにかかった髪の毛を指で優しく払うように撫でるとくすぐったそうに目を細めるのが猫っぽくて可愛い
「なんかすごい視線感じるんだけど」
「気のせいじゃないかな?いいから先輩は読書に集中しなきゃ」
ジトッとした目でこっちの顔を見てくる、恐らくそこまでちゃんと見てなかったからバレてないと思うけど今頬が赤くて心臓の音がトクン…トクン…って早くなってる
なんというか幸せだ
ただの些細な日常で、なんてことの無い日のはずなのに
私は嘘をと本当の区別もつかないはずだったのに、この人に対する思いだけは本当ってどうしようもなく理解させられてしまう
「いや、そんな顔真っ赤にした状態で言われてもあんまり説得力がないですよ?アイさん」
「そういうことは気づいても口に出さないのができる男って感じがするかな!」
わざわざ口に出して報告してくるデリカシーのない先輩のおでこに軽くデコピン入れちゃえ
いてッ!じゃないよまったく…はぁ〜まぁこういうところで私は先輩に興味を持ったから良いんだけどさぁ…他の子にもやってるんでしょ?その人の隠したい事とか、悩み事とか全部見通して、暴いてどうにかしちゃう…
はぁ〜これからも先輩から目が離せないなさそう、ちょっとでも目を離した隙に〜とか…
「先輩?どうした…」
突然先輩が私の頭を優しく掴んで、そうかと思うと強引に引き寄せて…突然キスをしてきた
突然何を?なんで今?ぇ?今事務所人居た気が
唇ちょっとカサカサ
そんな考えが一瞬で浮かんでは消えて
長めにされた口付けは一瞬みたいに感じて…
「な、何…突然どうしたの?」
「いやなんか、可愛かったから」
「〜〜〜〜ッっ!!!!」
「いっでぇ!?」
おでこを強めに弾いて顔を手で覆う、いや…これはずるい…私が不安になった瞬間にこういうことしてすぐ大丈夫だよって、心配ないよって行動で示してきて…私をまたダメにする…卑怯者って言うレベルじゃない…なんで先輩はいつもこうずるいの?
はぁ〜すき…
先輩は本当に心配になるぐらい警戒心って言うものがないんじゃないかと思い始めてきて大変困る
この前だって私が事務所に行ったら何故か昼寝してる先輩に遭遇して、色々イタズラしたりしたけどまったく起きる気配ないんだよ?なんで鼻つままれたりデコピンされたり…そ、その…ほっぺにキスしたりとかされてるのにまったく無反応なの?野生動物が飼い慣らされた姿ってああいうことを言うのかな?
「先輩は警戒心が無くなってきてるよね」
「はぁ?何言ってるんだ?」
「だってさ、昔の先輩って人を寄せ付けない感じがあったけど、今の先輩にはそういう所が全くなくて、むしろ人を寄せ付けてる」
昔は憧れだけど近寄り難いってイメージで通してたはずなのに、いつの間にか周りに対して気を配って優しくして、みんなに好かれる先輩になってしまっている
それがほんのちょっぴり、ちょっぴりだけ許せないのも無理はないと思う
「昔の僕は…まぁ…その…色々荒れてたから…今はそうでも無いけど」
「今はもう荒れてないの?」
「まぁな誰かさんのおかげで」
へぇ…その誰かさんって誰だろう?先輩は過去の出来事があって荒れて、それを救ってくれた人が居たってこと?私は先輩に救われてなのに私は先輩のこと救えなくて…
「へぇ〜もしかしてそれって私かな?」
なんて冗談っぽく言ってみたり、これで違うって言われたらちょっぴり悲しいのと、お腹の中に黒くて濁った物が溜まっちゃうから先輩に八つ当たりしちゃお…
って思ってたのに
「お前以外に誰がいるんだよ…ばーか」
そっぽ向いて目線が合わない、それでも頬が軽く染っていて恥ずかしがってることはわかって…あぁ…もぉ…
「先輩あざとい」
「はぁ?僕のどの辺があざといか言ってみろ」
「もうなんと言うか…存在?」
「ゆるキャラみたいな存在感いらなすぎる、返品したい」
そうやって恥ずかしいから誤魔化していつも通りの空気に戻しちゃう、先輩はこうやっていっつも逃げて私が追って逃がさないようにしないとす〜ぐ甘い雰囲気壊しちゃうんだよねぇ
「そういえば先輩からも言って欲しいな」
「何を?」
「プロポーズ」
「はぁ?お前からされたから良いんじゃないの?」
「本当に女心が分かってないよね、好きな人に貴方と人生を一緒に生きたいって言われたくない女の子なんて居ないんだよ?」
「それなら…もう随分前に言った気がするけど」
「先輩って理屈っぽく言い回すから分かりません〜、ちゃんと分かりやすくはっきり伝えてくれないとダメ」
ため息ついて、目を逸らして顔を赤らめて何かを言おうとしてでも途中でやめて…それを膝枕してる状態で見てるからその悶えてる感じが全部丸見えで、あれ?先輩ってこんなに表情隠すの下手くそだっけ?
って思っちゃうぐらいには表情がコロコロ変わって正直見てて面白い
「アイ…あ、あの…その…な?、え……えっと」
「う…うん…」
正直生放送中に言えたのは久しぶりにアイドルとして皆の前にたって、テンション上がって思わず言っちゃったみたいな所がある、
テンションに身を任せて勢いで何とかなれ〜
って思いながら言っちゃったけど…こうやってまじかで、ゆっくり真剣に今からプロポーズされるって意識しながら待つのは物凄い緊張する
あれ?普段私の可愛い顔ってどうやって作ってたっけ?
どの角度が可愛く映るんだっけ?
でも目線は外せない、じっと上から目つきの悪い顔をじっと見つめて…ただその言葉を待ち続ける
「ただいま〜!!」
大きな声にびっくりした先輩が私のおでこに思いっきり頭突きをしてきてめちゃくちゃ痛い…
そのままソファから落っこちておでこをさすってる、流石の私も涙目で悶絶しちゃうよ…もぉ〜なんてタイミング
「おぉ…おかぇり…」
「おかえり…」
ミヤコさんとアクアとルビィ、3人とも不思議な顔でおでこを撫でながら悶絶する私たちを見る、けどなんかミヤコさんはため息ついてるからたぶんバレてる気がする…
「はぁ〜イチャイチャするのは構いませんけどあんまりよそでやりすぎないでくださいね?」
「い、イチャイチャなんてしてませんけど?ちょっとどっちの頭が固いか競争してただけですから」
「それはそれでどういう状況よ」
必死に誤魔化そうとすればするほど自体をよりややこしくするって普段の先輩なら簡単に分かりそうなのに、物凄い慌てよう
「ママ大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ、おかえりルビィ」
ルビィはよく甘えてきてくれて可愛いなぁ…頭なでなでするぞ〜
でもちょっと残念だなぁ、あと少しで先輩が私にプロポーズしてくれたのに、
「ほら、アクアおかえり」
「うん、ただいまアイ」
アクアは恥ずかしがり屋であんまり来てくれないけど、おいで〜ってすると顔を赤らめながらこっちに来てくれるからこれもこれで可愛い…もぉ〜うちの子きゃわ〜〜〜♡♡
「ほぉ…よ〜しバリバリ働いちゃうぞ〜」
「自分の仕事終わらせてなかったあなた?」
そうやってま〜た逃げる、まぁ別にいいよ先輩?先輩が1歩踏み出してくれたから今の私が居るからさ、私が意気地無しな先輩のために頑張るけど〜
たまにはそっちから来て欲しいな〜って思っちゃうぐらいに先輩のこと好きなんだよ?