ハリネズミと天才【完結済み】   作:妄言a〜

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初恋プラトニック

 

ママと明智が結婚した式はそこまで大きい物じゃなくて身内の人間やお世話になってる人を呼んでの結婚式、幸せそうに笑いながら涙を流すママと、普段素直じゃない明智が嬉しそうにただ純粋に笑ってるのが印象に残ったなぁ

私もいつかせんせぇとあんなこと…ま、まぁ?私がアイドルやってちゃんとせんせぇの推しになってからの方がかっこいいと思うし!と、とりあえずもう少し成長してからっていうのが基本だよね!

 

なにか変化があるかと思ったけど特に何も無くて、明智は住んでるのか住んでないのかよく分からないけど、まぁあの感じだとほぼ住んでるような気はする

でも最近アクアの様子がおかしい、よそよそしい?というより妙に私を見る時の表情が柔らかくて暖かい、態度も優しくて私の事いっつも褒めたりしてくれる

シスコンだと思ってたけどまさかここまで?

 

でもたまに明智が眼鏡をアクアに掛けさせるのはやめて欲しい、初めて見た時吾郎せんせぇに見えて顔が真っ赤になって本気で心臓がドキドキしちゃって…しかもその状態で顔を近づけて優しい声で心配してくるんだよ?アクアは乙女心をもう少し学んだ方がいいと思う

あと後ろでニヤニヤ動画を撮影してた明智は後で腰を蹴り上げておいた

 

 

そういえば前に明智に聞いたことがあったっけ

 

「なんで明智って私と友達になってくれたの?」

 

いつかは忘れたけど私が学校帰りにいつの間にか居た明智にそうやって聞いたのをぼんやりと覚えてる

 

「えぇ?前言わなかったか僕?」

 

私とアクアの立場は微妙だ、昔はあんまり気にしてなかったけど少しして考えて私たちは明智の子供じゃない、だからなんで当たり前のように受け入れてくれているのか分からなくて聞いてみたことがある

 

「そうじゃなくて」

 

そう言いずらそうにしてたのをよく覚えてる、こっちを見て少ししてあぁ、と何か納得して切り出して来た

 

「そういうこと?別に僕は気にしないかなぁ、その時僕とあいつは付き合ってたわけでもないし、それに親子っていうのは血が繋がってるからなれる訳でもないし、そもそも僕親って感じじゃないでしょ?だからなれるとしたら友達くらいかな〜と思って」

 

「血が繋がってなきゃ親子じゃないんじゃないの?」

 

「なんの関係があるの?そんなの関係なくない?」

 

そんな顔で言わないで欲しい、当たり前のことのように言わないでよ、そうやって言われちゃうと私が本当は愛されてなかったって自覚して悲しくなる…本当にデリカシーがない

 

「やっぱり私は…」

 

「そこに答えを出したいの?それはきついよ、正直へこんじゃうと思うけど?」

 

「だって…明智が言ったじゃん血が繋がっててもって」

 

「ぁ、言っちゃった」

 

しまったみたいに口を抑えるのやめて、ちょっと面白くてクスって笑っちゃった

人が真剣に話してるのに本当に私の初恋の人と全っぜん違う、眼鏡かけてるところぐらいしか共通点がないよ!まったく!

 

「まぁ、今は僕もアイもそれにアクアも居るからさ、きつくても周りが支えてくれると思うよ」

 

それ以降別に会話はなかったけど、それは少し信じれるって思った…明智は私の前世を多分知ってる、知っててその上で関わってくれてる、ママとアクアは分からないけど…あれ?でもアクアは態度が違う気が…あれはどういうことなんだろう?

ちょっと気になって聞いてみた

 

「あぁ〜あれはあれでめんどくさいこと考えちゃってるパターンだから直球勝負で本人に直接聞いた方がいいよ」

 

どういう意味だろう?よく分からなかったけどとりあえずアクアに直接聞けば良いのかな?

 

でもな〜ぜか答えてくれないんだよねぇ

直球で聞いた時はさりげなく話をそらされるし、頑張って遠回しに聞こうとしても話がこんがらがっちゃって何をしようとしてたのか分からなくなるし、

な、なんならお風呂に突撃した…けど…あの時は本当に私も変なテンションになってたのと、明智に唆されてそのまま突撃しちゃったって言うのもある…あの時は本当に私の責任じゃない、それでそのままテンション上がってママも参戦しちゃって大変なことになったけどそれは置いといて

 

「明智〜アクアの前世ってなんなの?」

 

もうどうやれば良いのか分からなくなってベランダで1人タバコを吸っている明智に聞いたりもして

 

「どーするって言われても、まさかアクアもここまで教えないとは僕自身想像してなかったよ」

 

煙草を口にくわえながら呆れたように言う、というか煙草くさい、なんでこんなものを好き好んで口に含むのか理解できない

 

「明智って私たち二人の前世もう知ってるんだよね?」

 

なんならもう明智から教えて貰えばいいんじゃないかな?って思い始めて聞いてみても

 

「いやぁ、僕から言っても良いけど、こういうのって本人から言うべきことじゃないか?ルビィだって僕がアクアに前世のこと勝手に言うのやだろ?」

 

まぁ…それはやだけどさぁ…こういう時に限って明智って正論パンチしてくるんだよね…

 

「明智正論パンチしてくるからきらーい」

 

「なんで僕って正論言うと嫌われるんだろう?アイにも言われた記憶があるんだけど」

 

まぁもう少しだけ待ってあげれば?あっちにも色々準備があるみたいだしさ

そう言われて納得出来るんだったらもう納得してるし〜

そう思いながらほっぺたを膨らませてると

頬を指でつついて空気を外に押し出される

ちょっと笑ってたのがムカついたから思い切り指に噛み付いてやった

 

ある時事務所で宿題を終わらせてのんびりしてたら眠気に誘われてそのままソファで寝ちゃってた、しばらくして目が覚めてぼんやりしたまま薄目を開けて周りの音を聞いてる時

 

「アクア、頼まれてたやつ…親父に頼んで何とか取っといたよ」

 

「お、悪いな…これはやっぱり持っとかなきゃいけないから助かったよ」

 

そういう会話が聞こえた…明智の父親?確か警察の偉い人で、その人に頼むことってなんだろう?

ぼんやりしたまま薄目を開けて2人の様子を観察してると、なにかピンク色で小さい物を明智が渡してるのが目に入った

 

なんだろうあれ?どこかで見覚えがある気がするんだけどなぁ…

 

まぁいいかぁ…眠い…

 

んぅ…せんせぇ…16になったよ私…結婚…しよ?

 

 

アクアが優しくでもたまに意地悪な、まるで吾郎先生みたいな態度で私に接してくるから正直私の心臓は持たない、おかしいって!顔は全然違うはずなのに笑い方がそっくりだもん!

あとよく分からないのは明智も私に対して優しくなった気がする、あとよく2人でコソコソ話してるけどなんなんだろう?たまに

 

責任とってこいよとか1発も100発も変わらねぇよ

 

出来るわけないだろバカかお前は!!

 

みたいな会話が聞こえてくるのも本当に不思議だ

 

小学校の授業参観の日私とお兄ちゃんは別のクラスだからどうするんだろう?と思っていたら最初はママとミヤコさんが来てくれた、小声で

 

「ルビィかわいい〜!」

 

「流石私の子天才!」

 

って言ってその度にミヤコさんが必死にフォローしてたのが面白かったなぁ、私の推しがキャピキャピしてるの尊すぎてマジ無理しんどい…

 

その後手を振ってアクアの方に行っちゃったのは寂しかったけどその後いつの間にかいたのか明智がニヤニヤしながら手を振っててちょっと殴りたくなった

 

授業が終わって

 

「な、なんでここにいるの!」

 

「いやぁ〜ふたりが居なくなったあと寂しいかなぁ?って気を使ったんだよ?僕めちゃくちゃ偉くない?ちゃんと授業うけてて偉いねぇ〜ルビィ」

 

いつにもましてムカつく顔で褒めてくるのが腹立つ…腹立つけど…ちょっと嬉しかったのは内緒

でもムカッときたのは事実だからほかのママさん達にちやほやされて満更でもなさそうだった明智の様子はきちんとママに報告しておいた

 

いい気味である

 

運動会の日私はアイドルになるため日夜特訓を重ねているのでレースで1着をとれた!

ママに頭をぐちゃぐちゃにされるぐらい撫でられながらすごいすごい!と言われるのは優越感が凄かった…

推しに褒め殺しにされるのっていくら払ったらこんな特典つくの?凄くない?娘最高

アクアは借り物競走でママを連れて走ってた

あとから聞いたら美人って書いてあって正直どうなの?って思ったけどママが嬉しそうにしてたからいいんじゃないかな

 

二人三脚でママとアクアが行っちゃったからどうしようかと思ったら明智が組んでくれた

 

でも僕が組んであげますよルビィ姫って言いながら組むのは腹立ったから2回ぐらい足をわざと踏みながらスタートラインに立ってやった

 

その後両方一着をとってアクアがママに抱きつかれて本気で赤面してたのを見てちょっと笑ったでもなぜか心にチクッと刺さったような気がしたけど気のせいだと思う

 

何となくその事で明智に聞いてみたら

 

「あ、うん…ま、まぁ…そういうこともあるんじゃないの?」

 

って苦笑いしながら言ってたけどなぜか冷や汗ダラダラだったな、変なの

 

毎日が楽しくて仕方がない、前の私だったら考えられないようなことをいっぱいして

経験したこともないようなことをめいっぱい楽しんでこんな毎日が続けばいいのに…

 

 

…信じられない…なんで?どうして?嘘でしょ…せんせぇ…せんせぇ…

 

「ぇ…吾郎せ…さんって…」

 

「はい、吾郎さんは既に亡くなられています、」

 

頭が真っ白になって何も考えられない…前電話で確認した時は行方不明だったのに…遺体が見つかって…それで…正式にお墓の中に遺骨が埋められたって言ってた…

なんで…先生がどうして死ななきゃいけないの?

 

私だ…私が行けないんだ…私は関わって人を全部不幸にしちゃう…なのに今楽しんでるから…他人を不幸にしかできないくせに人生を楽しんで、これからもこんな毎日が続けばいいなって欲張って…こんな私が生まれてしまったから…

 

ダメだ…私がここにいちゃ…

 

「出ていかなきゃ」

 

「出ていくってどこよ?」

 

突然声がして慌てて後ろを振り向いたら、明智が居た…パソコンを見てため息をついて

やっぱいずれこうなるよな、ってそのまま隣に座って…

 

「だって…私が関わった人は全員不幸になるから!せんせぇが死んじゃって…だったらママもアクアも明智も…みんな…死んじゃうかもしれない!」

 

「そんなことにはならないし、吾郎さんが死んだのはお前の責任じゃなくて僕の責任だ」

 

「違う!!」

 

「違わない、僕のせいだ…僕だったら気づけたのに勝手な都合で逃げてそのせいで1人死んでしまった、ただそれだけだ」

 

そうやっていつも自分が悪いって、全部自分で背負って悪くないから安心しろって言うのやめて!私が悪い子だからママは私のことを…愛してくれなかったんでしょ?

私がいい子だったら、もっと…もっと…

 

「だからこうなるから早くしとけって僕は言ったんだよ、ほら、あとは自分でなんとかしてあげろよ王子様」

 

そう言ってどこかに行っちゃった、何を言ってるのか分からなくて涙で見えずらくなったまま見たら、アクアがそこに立ってた…

 

「ルビィ」

 

「やめて、私は悪い子だからそんなふうに近寄らないで!」

 

「近寄るよ、ルビィは悪い子じゃない…いい子だよ、それに俺は君の兄だから」

 

「た、…たまたま一緒になっただけの他人でしょ!」

 

違う!こんなにことが言いたかったわけじゃない!でも今頭がこんがらがってぐちゃぐちゃになってて!自分でも何を言ってるのか分かんなくなって!すぐこれだ…私はすぐ人を傷つける、余裕がなくて…焦ってて、人を不幸にする…それが私

 

「そんなふうに言わないでくれ、あの時辛いはずなのに病室での君は輝いてた」

 

「ぇ…」

 

何言ってるの…?病室?なんでさりなのことを知ってるの?私は1回も入院したことがないのに…なんで病院が出てくるの?

 

「な…何言ってるの…?なんで…今、病室って」

 

「あの時の君はキラキラ輝いてた、俺は君に何も出来ないって思ってたのに君は辛いのに笑って…そんな君だから俺は推したいって思ってたんだ!アイドルになって可愛い服を着てコール貰って、そんな一番星になって欲しいって思ってたんだ!」

 

「せんせ…せんせぇ!!」

 

音が何も聞こえなくてただがむしゃらに抱きついて大きな音がずっと響いてて、喉の痛みでそれが自分から出てる泣き声って言うのにやっと気づいて…こんな奇跡があるなんて思わなくて…泣いて…泣いて…そのまま疲れて眠ってしまうまで…必死に抱きついた

 

せんせは随分前から気づいてて、なんなら明智はだいぶ最初の方から知っててそれを黙ってた明智にムカッときてしばらく無視して…それで仲直りして、でもせんせも分かってたなら早く教えてくれれば良かったのに…

 

せんせ、私きっとママよりすごいアイドルになって輝いてみせるから…その時は約束守ってよね

 

絶対だよ…

 

せんせぇ♡




おっっもぉ…
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