ハリネズミと天才【完結済み】   作:妄言a〜

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お粥は意外と美味しい

 

「はぁ〜」

 

ベットに寝っ転がりながらため息をひとつつく

 

(最悪なんですけど…まぁ最近はこうなる機会が少なかったからまだマシか?)

 

ぼやっとする頭で考えようとする度に鈍痛が響くように頭が痛み、思考が中断されてしまう

 

幼い頃からそうだった、身体が弱いという訳では無い、けれど発熱とともに頭痛み酷い時には1週間寝込むこともある

最近は無くなっていただけに油断していたというのもあるが

 

「はぁ〜便利だけど不便だなぁ…」

 

脳みそが馬鹿みたいに動いて…その分エネルギー使って1回壊れたら他の人間より治るのが遅いし、栄養もそこそこの量取らないと不足してまた崩すし

はぁ〜不便だ頭が回らない

 

今日は休むか…とスマホを取りだしミヤコに連絡

 

一応病院に行っておきなさいよ?

 

とチャットが飛びなんなら送っていこうか?

とまで出てくるがそこまで迷惑はかけれないと断りの連絡を入れて目をつぶる

 

(暇だ…ぁ〜無理だ〜なんも考えられない、1個もまとまらん…なんなら思考できない…やなんだよなぁ…体調崩すと人に見せれない…あやふやになってぐでぐでになるからまじで最悪なんだよ…)

 

そんなことを考えながらなんとか眠りにつくことは出来る

 

(ぁ、これダメだぁ…ポートするぅ…なんかふわふわ〜ってプリンみたいになるぅ…頭考えられなぃ)

 

数時間寝て本格的に身体が熱に支配される

 

先程からピコピコと通知が来ているがそれに何とか返信する

 

先輩大丈夫?

 

どうやらチャットの相手はアイらしい

 

だいびょぶ

 

誤字ひどいね〜?

 

ひどくらい

 

熱高いの?

 

たっかぁい

 

電話出れる?

 

でれっるぅへ

 

 

なんて返していたら電話が掛かってきたのでそれをとる

 

「先輩もしもし大丈夫?看病行こうか?」

 

「大丈夫に決まってるだろぉ?お前にうつすぅ…とあれらかぁ…来んなぁ〜ばーか」

 

あれ?とここで違和感に気付く…なんというか全体的に幼い?感じだ…言葉遣いは普段と似たようなものだがどことなくふわふわ熱に浮かされていて

 

「ありゃりゃ、本格的にダメそうだね?本当に辛かったら連絡してね?仕事放り投げちゃうから!」

 

冗談半分に答えてみても

 

「えぇ〜?馬鹿なのぉ〜仕事放り投げちゃうのなんてダメに決まってるだろぉ!頑張ってこい…やっぱこいバカぁ」

 

この瞬間確信する

 

ぁ〜この先輩は絶対見なきゃだめな先輩だ…

そこからの行動は早かった

 

「分かった!待っててね、先輩!」

 

電話をさっさと切り撮影場所に向かう

今回は雑誌の表紙の撮影など巻けばそこそこのスピードで終わらせられる物ばかり、

完璧な表情で1発OKを連発して仕事を片付け

 

そして

 

「先輩〜入るよ〜」

 

当たり前のように合鍵を取りだして部屋に入る

買ってきた物を置いて部屋の中に入って

 

「大丈夫先輩?」

 

顔を赤らめおでこに冷えピタを貼った明智が部屋を散らかしていた

 

「うっわぁ先輩どうしたの?」

 

「ない…」

 

「何がないの?」

 

「色鉛筆が見当たらない…これじゃあお星様書けない…」

 

一瞬フリーズする、何を言っているんだろう?

発音は電話した時よりだいぶマシにはなっていたが今目の前の様子を見ると普通に子供のようなことを言い始める先輩

 

「お星様書くの〜?なんで?」

 

目線を合わせて優しく聞く

 

「だってぇ…1番好きだから…キラキラ…好き」

 

目線を合わすと明智がじっとアイを見つめて…アイというよりアイの瞳を見つめてニコッと笑う

 

「そ…そうなんだぁ〜でも今先輩は体調が悪いでしょ?ほら、寝ないと…ね?」

 

堪えながらも優しくベットに誘導していく

 

「あぅぅぁ〜うるっさいなぁ…というかなんでここにいるの?アイ?お仕事は?」

 

「速攻で終わらせてきたよ!」

 

「はぇ〜そんなに馬鹿みたいに早く終わらせて来たんだぁ…僕のこと好きだねぇ〜寂しかったからもっと早く来いばーか」

 

(んっグゥっっ…)

 

おかしい…流石にこれはおかしい…

何だこの生き物…普段の正しい明智はどこに行ってしまったんだ…

この自分の欲求のための素直な言動…これじゃあまるで

 

「本当に子供みたいだね先輩」

 

「はあ?僕子供じゃないんですけどぉ?僕のこと好きならもっと心配しろー寂しいし!というかなんで一緒に居ないの?今日はもうずっと一緒にいて」

 

んっっぅ!!

 

「分かったってばぁ、お腹すいてると思うからご飯作るね」

 

そうやって何かを必死に押しとどめながら部屋を出ようとすると手を掴まれて

 

「ぁ〜約束破る気だなぁ〜どっか行くの?寂しいって言ったんだけど?僕の言うこと聞いて僕のそばにずっと居て」

 

んっ…んぅっ…んぅっぅぅっ!!!

 

「ちょ、ちょっとだけ、ちょっとだけ離れるだけだから…ね?」

 

「早めに戻ってこないと許さないよ」

 

そう言うと納得したのか手を離して

そして部屋を出た瞬間

 

(きゃわ〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!

可愛すぎる!何あれ!お酒飲んでる時はふわふわしてるけど基本的には先輩って感じなのに!何あれ!子供みたいに駄々こねてワガママ言って!もぉ!!何あれぇ!かわいぃ!普段の先輩だったら絶対言わないようなこと言ってぇ!離れちゃヤダとか!好きとか!もぉぉ〜!!!!)

 

パタパタさせながら悶えてなんとか冷静さを取り戻す

料理をしていると段々と落ち着いていき

 

(ふぅ〜さっきの先輩はきっとちょっとだけ…ちょっとだけのやつ…私は冷静、私は可愛い…完璧で究極のアイドル)

 

精神統一して戻りお粥を見せて

 

「はぁーい出来たよ?熱いから気をつけて食べてね?あ、なんならアーンしよっか?」

 

普段だったら「小っ恥ずかしいからいらん」

と1人で黙々と食べるだろう…けれど今は

 

「ぁ、食べさせて」

 

「ッッ……もぉ〜甘えん坊だなぁ〜先輩は」

 

一口掬い冷ましてから口に運ぶとパクッと一口食べて咀嚼をする

その様子をじっと見つめて

 

「ん…美味しい」

 

「ほんと?良かった」

 

「アイのご飯はいっつも美味しい…食べすぎちゃうから下手に作って」

 

「、、、せ、先輩に食べてもらうから美味しく作ってまーす、これからもそのつもりだよ」

 

「あっそぉアイは意地悪だね………好き…」

 

あぁ…可愛い…素直になんでも口に出して

普段は思っても口から絶対出さないようなことを当たり前のように言ってわがまだし、こっちが怒られるのは変な気はする…けど

 

(え?これいくら払えばいいの?)

 

よく分からない思考になっていた

 

勿体ないとスマホを構えて動画を撮影しながら素直にパクつく明智を動画に収めて

 

「ご馳走様…」

 

「お粗末さまでした〜」

 

食器を片してまた元に戻る

 

「アイは僕のこと甘やかしすぎてる…ダメにされる…でもアイならダメにされてもいいかもしれない…責任取って甘やかして」

 

「えぇ〜先輩のことならもっといっぱい甘やかすよ〜ほーらおいで〜可愛いなぁ、先輩」

 

口を開けばこんなことばかり言ってくる明智に保てる訳もなく現在は抱きついて頭を撫でまくっている

 

「お前の方が可愛いだろバカ…膝枕して」

 

「はぁーい良いですよ〜」

 

普段甘やかすと言っても基本的に隙がなく甘えてくる時など一瞬の明智、そんな明智が全開で甘えてくるのでもうよく分からない感情が爆発してドロッドロの甘々な状態で明智を甘やかすアイ

 

そして明智はまた眠りアイと言えば

なぜか頬がツルツルテカテカの状態でスマホの写真フォルダを見返していた

 

「ぁ〜先輩可愛い…どうしよう?これが俗に言う供給過多って事なのかなぁ?」

 

アクアとルビィがそろそろ帰る時間になると流石にアイも帰らなければ行けないので

書き置きだけ残して

 

「先輩、ゆっくり休んでね?」

 

寝てる明智に声をかけてそしてそのまま部屋を出る

 

そして次の日事務所で顔を合わせる、この時どんな風にすればいいか若干分からなくなってはいたが

 

「昨日は悪かったな、いやぁ最近ないと思ってまじで油断してた」

 

「愛する旦那様のためだから気にしないで」

 

普通に接してきた明智、だが申し訳なさそうにしているのを少し不思議がって

 

「いやぁ、なんというか大丈夫だったか?」

 

「何が?」

 

気まずそうに頬をかいて

 

「僕ってそのぉ…熱出すと記憶なくなるんだよね、正直何してたか全く覚えてないんだけど…父親とか祖父が言うにはなかなか手がつけられないクソガキになるっぽくて、借りてきた猫を何とかして慣らして行かないと懐かない〜みたいな感覚なんだってさ」

 

「そ、そうなの…?」

 

「そ、だからなんか物凄い迷惑を掛けたと思うんだよ、マジでごめんな?今度お詫びさせてくれ」

 

借りてきた猫?クソガキ?懐かない?

じゃああれはなんだったのか?素直に自分の快、不快を言葉に出して…でも嫌がってるわけでもない…なんならその逆

 

「先輩って私のせいでダメになっちゃいそうになるの?」

 

ニヤニヤ〜と明智に笑いかけて

 

「は…?ぁ、いや…そんなわけないでしょ?僕って大人だから」

 

驚きはしたがなんとかとり繕える…まだ

 

「そばに居ないと寂しいの〜?」

 

「そ、そんっっな…訳ない…だろぉ…?」

 

上擦った声で、段々と近づいてくるアイの目線を逸らすように上を向いて

 

「まぁ、私は先輩の本音知ってるからそれが嘘って分かっちゃうけど」

 

「ア…アイ…僕って一体…どんな感じで…」

 

「ん〜?」

 

恐る恐る自分の様子を聞く

 

「ご馳走様♪」

 

「ぇ!?マジで怖い…何?僕って何したの!?本気で何してたの!?えぇ…ちょ!おい!アイ!!まじで何したの僕!?」

 

そう戦々恐々としていると後ろからトンと背中を叩かれ、振り向くと

 

「明智」

 

「る、ルビィ…」

 

「その歳で赤ちゃんプレイはちょっと…」

 

「ぇ''ぇ!?ま、まじで僕どうなってたの!?ねぇ!教えてよ!!教えてくれって!」

 

それだけ言うとさっさと行ってしまうルビィの背中を見つめて叫ぶ明智

 

その後満足いくまでわけが分かってない明智を弄って満足していたアイは見事に風邪をひき

 

「うぅ…先輩梨剥いて〜よしよしして〜ずっとここに居て〜頭痛い…食べさせて〜」

 

「はいはいもうすぐ剥けるからもうちょい待ってろ、ほら、剥けたから…ほら口開けろはーい食べれて偉いぞ、よしよし」

 

看病してくれたからと明智がアイの面倒を見て

普段より柔らかくアイに接して

 

「先輩こういう時優しい…好き…結婚しよ」

 

「僕は基本的に優しいしな、あと結婚はしてる」

 

そうだった〜えへへ…と笑ったあと

弱った女の人にすぐこういうことするんだ?女たらし…私なんて

普段より感情的になってグズり始めてしまう

 

「はいはい、今は僕が居るから安心して寝とけって」

 

「ほんと?どこも行かない?」

 

「行かない行かない、だから安心しろ?」

 

「うん…」

 

施設の時風を引くと暇で心細くてこんな時に居てくれたら…って叶わないことばっかり考えてて…それなのにさぁ…

 

(こうやって隣に居てくれるだけでポカポカしてくるから…本当にずるいよ…)

 

「先輩…私先輩がいてくれ…」

 

「明智ィィ〜〜」

 

その時隣の部屋で呻くような声が聞こえてくる

 

「はいはい今行くから待ってろよ」

 

今いい感じになろうとしていたのでムスッとしている

 

「僕もお前のこと好きだから」

 

軽くおでこにキスをしてそのまま行ってしまう

 

その後しばらくじたばたと物音が聞こえることになるがそれは置いといて

 

「うぅぅ〜頭痛い、りんご剥いて!冷えピタ冷めてるぅ〜!頭痛いぃ!!治らなぃい!」

 

「似てるようで親子で違う物注文するのやめな?今梨剥いてきた所なんだけど」

 

ルビィも現在風邪を食らってしまいベットの子になっている

グズりにグズって駄々をコネて何かと明智が様子を見に来る

 

「うぅ〜早く治してぇなんでも出来るならそれぐらい余裕でしょ!早く私の看病して!何とかしてぇ!」

 

「いやそんなこと言われても僕無理だからね?はいりんご剥けたぞ?」

 

食べれるか?と差し出されたりんごを素直に食べる

 

「むぅ…」

 

「普段と違ってだいぶ素直だなルビィアクアが居た時はしなかったのに」

 

「こんなところせんせに見せれないじゃん!」

 

好きな人にいくら風邪だからといってこんな所を見せれるわけが無い、それに病気で苦しんで居る時も健気な自分で居たのだ、かっこ悪い所を見せたくない

 

「そうかぁ?好きな人にこそ色んな自分を見てもらいたいって思うもんな気がするけど」

 

「乙女には色々あるんです〜」

 

それに…

 

「友達にはかっこ悪いところ見せても良いんでしょ?」

 

「ぷっ…だな?ほらりんご食べるか?」

 

「何笑ってるの…んっ…食べる」

 

そんな風に時間は流れてそして

 

「アクア〜お母さんに甘えても良いんだよ〜?ほら、頭なでなでしてあげるね?」

 

「お兄ちゃん大丈夫?汗でベタベタするの気持ち悪くない?拭こうか?なんでも言ってね?」

 

「おーいアクア…わぁ…」

 

アクアも無事風邪をもらってしまいルビィとアイによる全力の看病を食らっているアクアは梨を剥いて戻ってきた明智に全力で助けてのサインを送ってくるが

 

「梨向いてきたけど食べさせてあげれば?」

 

「ほらアクア」

 

「お兄ちゃん♡」

 

「「あ〜ん」」

 

年下の母親ともっと年下の妹に赤ちゃんプレイを強要されるアラサー未婚医者の姿がそこにはあった

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