思いのほか皆さんに見ていただけてるみたいでめちゃくちゃ感謝です!
もう少し来たら最終回の方も出そうと思うので!感想とかくれてもええんやで?
そこから初めっからあいつと関わっていたのがまるで嘘のように僕とあいつは関わらない
そもそも廊下ですれ違うことなんてほぼない、それどころかもうあいつの顔を見ることも無くなった
良く考えればわかる事だクラスが違う移動教室だって被ることがたまにあるだろうけどそれで顔を合わせることも無く僕は卒業高校に入学した
あれから毎日考える…考えて…考えて…それで同じ結論にたどり着く
そりゃ僕は天才だ頭がいい正直並大抵のことが起きたって僕にとってはなんてこと無い道端にある石ころを蹴る感覚、その程度で全てを解決することが出来る、でも…違うだろ…そういうことじゃない…これから先もあいつは上を目指して嘘の愛で皆を包む
その嘘を全て見抜く僕
水と油そしてお互いに宙ずりの距離感
そんな状態で隣に居続けていいわけが無い、そしてその状態をどうにかできる自身も勇気も湧いてこない
(あいつにハリネズミって言ったけど正直僕の方が全然臆病者で卑怯者だ…分かってる…多分あいつの求めてるものはなんなのか…愛……自分の嘘を見抜かれて見透かされてそれを全部踏みにじってそこから僕とあいつの関係は始まった…あいつにとってはどれが嘘で何が嘘でないかの判別は本人にすら難しい…でも僕はその全てを分けてあいつの本音を引き出す…それが出来る…できてしまう…だから余計に関係がこじれておかしくなってしまう)
「はぁ〜まじで…きついな…」
(本当に臆病者で逃げるって言うのはきつい)
高校の夏休みを利用していま宮崎の田舎に来ている
なんでここにいるのか?それを理解しているけど理解したくない自分がいる
僕の脳みそはアイが数年以内に妊娠、出産することを弾き出した、そして斉藤さんやアイがどう言った思考で場所を選んで病院を決めるかなんてものは正直見つけるのは造作もないこと…
こんなことをしている自分が気持ち悪く思うし正直今回ばかりはこの脳みそを全力で投げ捨てたい衝動が襲ってしまうが…それでも来てしまった
あの時あいつにかけるべき言葉を僕が本当に言うべきことがなんなのかわかってて僕は言わなかった、立ち止まらなかった、隣に立つことをしなかった
せめてあいつが安全に…幸福に生きられるような場所かどうか…
(気持ち悪い…)
それでも足は進み病院をの前まで来る…
(来たところで何するって言うんだろうな?診察する訳でもないしあともうしばらくしたらアイドルが出産しに来ますよ?なんて言うつもりなのか?うっわぁ…キッツ…)
「何してんだろうな僕?」
そのまま寝っ転がり
「やっべぇ…どうしよう…」
あたりは真っ暗人っ子一人いない状態になっていた
「ぁ〜マジでやばいな本格的に、ある程度地形は把握出来てるとはいえ深夜の森を歩くとか自殺行為だぞ?というかなんかクマの看板なかった?気のせいか?いや…気の所為だよな?」
「今狼の遠吠え聞こえなかったか!?絶滅してなかったっけ!?」
なんて馬鹿な独り言を繰り返し呟きながら宛もなす歩き続ける
「このまま遭難して誰にも気付かれずに死ぬ?」
「まぁ…それも悪くないかな…」
ガサゴソ…突然前方の暗闇から草をかき分けて何かがこちらに向かってくる音が聞こえた…
「…?これは…?ぁ〜」
(原作は見ていないけど…確かいた気がするよ…だから僕はここに来たのかな?)
「おい?こんな深夜に何してるんだ?」
眼鏡を掛けて目つきは悪く、でもどことなく女たらしなオーラを発している男
「ぁ〜遭難しちゃって…助けてくれません?」
雨宮吾郎アイドルであるアイの出産を担当する医者である
「まぁなんにもないところだけど上がってくれ」
そう言って連れてかれたのは広くてふる…大変風情がある日本家屋、結構な広さで屋敷と呼べるようなサイズ?と考えるほど大きく見えた
「いや〜まじですいません」
「別に一泊するぐらいは構わないけどあんなところで何してたんだ?」
「いやぁ…うっかりあそこで昼寝してたら気づいたら周りは真っ暗どうすることも出来ないでいたんですよね」
「あんなところで昼寝って…クマは出ないけど普通にアライグマとかは出てくるぞ?」
「へぇ〜アライグマってあの?」
「荷物を漁られたりするのはマシな方だ、そのまま噛みつかれでもしたら狂犬病になってお陀仏だ」
「うっわぁ…田舎こっわ」
思わずゾッとしてしまう
「それで…まぁ…詳しいことは聞かないで置くから明日にはちゃんと帰るんだぞ?」
「いやぁ…まじで助かります」
何も聞かず1晩泊めてくれる人の優しさに触れて風呂に入りご飯を食べる、お互いアイについて知っているので話が合うのか打ち解け始めて
「いやぁ明智もアイが好きだったとは」
「そうですねぇあ、アイのライブ生で見たことあるあるんですけどとんでもなかったですよ」
「うっわぁ!それはまじで羨ましい、俺も行きたかったんだよなぁ〜でもこんな田舎の病院だと休みもなかなか取れないし」
「うっわぁ…それはまじでご愁傷さまですね」
吾郎の方は酒が進みどんどん聞いてもいない話をし始めて
「いやちょっと酔っ払いすぎですって」
「ぜんっぜんよっれないよぞ!」
「いやぁ〜昔さ?俺が担当してた子がいてさ名前はさりなちゃんって言うんだ、退形成性星細胞腫っていう悪性の脳腫瘍で入院してずっとそのまま入院してたんだよ…」
ポツポツと顔を赤らめながら今自分が何を話してるのか分かっているのか、わかってないのか、そんな状態で話始める
「俺はその子の影響でアイにハマってさ?その子と約束したんだよ…もし病気が治ってアイドルになったら一番の推しにしてって言われてさ?」
「それでその子は…?」
「…亡くなったよ…」
「それは…」
「本当にいい子だったんだよ…まぁ俺みたいなやつと結婚する、とか言ってたから男の趣味は悪かったけど、だから推せなかったあの子の分までアイを推してるんだよ」
(お前めちゃくちゃすごいぞ…病気で苦しんでて未来に希望なんて一つもないかもしれない人間にお前はしっかりと希望や夢を見せることができるんだな…マジで…お前はすごいやつだな…アイ)
「えっと…これは友達の話なんですけど」
そう言って相手がしっかり聞いてるのか、聞こえてないのかそんなことも関係なく、ただポツリポツリと独白のように語り始める
「すごい才能の持ち主がいて、そいつは嘘をつくのが得意で皆を幸せにできて、でもそいつの嘘を全部理解してそいつから無理やり本音をたたき出すことの出来るってやつがいたらしいんですよ…でもそいつの隣には立てなくて立っちゃ行けなくてだからそいつから離れたんです…でも離れた方は後悔ばっかであいつがいま何してるのか?なんて考えがずっとどっかの片隅にあってどうしても考えちゃうらしいんですよ…その場合…そいつはどうするべきでしたかね?」
目をつぶったまま独り言のように全部呟いてそして身を開く
すると
「すぅぅ…」
「寝てる…」
(うっわぁ…僕は一人でなにを言ってんだ!いや別に聞いてほしくて言ったわけじゃないけどね?別にこれはただの独り言だからね!!さっきめちゃくちゃ真面目な雰囲気だったじゃん!お互いの心の内語り合うターンだったじゃん!!)
なんて内心でブツブツ文句を垂れながら毛布を掛けて自分も床に転がって
(こうやって考えてるんだから…分かりきってるくせにさ…本当に…臆病者だな…僕は)
次の日なんだかんだ医者なので朝は早いのだろう昨日あれだけべろべろによっていたのに既に起きていて
「いやぁ〜まじで助かりました、ありがとうございます」
「いいよいいよ、でもまじで次からあんなとこで昼寝するなよ?」
「あはは…気をつけます」
じゃあ、と去ろうとすると
「俺は付きっきりでさりなちゃんを医者として誠心誠意できることをできるだけやった」
「………」
「でもそれでも…もっとできたことがあったんじゃないか?もっとああすれば良かったんじゃないかって考えが膨らんで俺の頭の中でずっと囁き続ける」
「そうやって悩んで離れてるうちにもしその子が死んじゃったら多分…死ぬまで引きずるぞ」
「…んっっぅぅはぁぁ〜〜〜〜」
(重たすぎる…医者として、命を預かる人間から言われた言葉は重たすぎる…うじうじうだうだと悩んで足を止めてる人間からしたらかっこよすぎて…眩しすぎる…)
「ありがとうございます…」
「また機会があったらアイについて語ろう、その時はその子も一緒にな?」
なんて言う吾郎さんの顔を背にして
流石にカッコ悪すぎだろ僕…
もう…かっこ悪いところ見せたくないな
歩くために出した1歩はここに来た時と違って真っ直ぐに、輝いた目で前を向いてしっかり歩き出す