ハリネズミと天才【完結済み】   作:妄言a〜

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もうなんというか、勢いで全てを書き綴った感じになってます

正直色々暴走しちゃってるので色々解釈違いの人はまじですいません…



赤い宝石は寂しがり

 

それからというもの明智は大学、アイはアイドルを引退し女優の活動、子供の世話などお互いにそれなりに忙しい毎日を送り、毎日チャットをしたりたまに電話をかけるなどそれなりの交流を積み重ねている

 

そんなある日

 

「子供の世話?」

 

明智はベランダでスマホ片手にタバコを吸いながら思わぬ頼み事に少し驚きながら

 

「そうそうミヤコさんも忙しいらしくてさ〜それで私も仕事で社長も私の付き添いでしょ?だから面倒みれる人がいないんだ〜」

 

「はぁ〜まぁそれは別にいいんだけどさ?」

 

「大丈夫だって!2人とも頭良いし!可愛いよ、でも流石に誰かが見とかないとダメだからさ、お願い出来る?」

 

「いやそれは別にいいけどね?」

 

大事な子供を預ける、なんてことを簡単に言ってくれるとはだいぶ信用はされているらしくそれを相手にバレないようにほんの少し喜びながら…が…

 

「でもアクアはまだ大丈夫だと思うけど確実にルビィは僕の事嫌ってるよ?」

 

そう、問題は子供の方だ、アクアという子はまだ、男同士というのもあり恐らくそこまで嫌われてはいないし拒絶される心配も少ないと思う…、でもルビィーに至っては確実に明智のことを嫌っていて拒否られることが目に見えている

 

「えぇ〜?そうかなぁ?基本的に誰にでも心開いたりするから全然問題ないと思うけどなにかしたの?」

 

「いや…流石の僕もあんな小さい子相手に意地の悪いことするわけなくない?本気で心当たりないんだよなぁ…」

 

ほんの少し引っかかっていることはある

天才的な頭脳でどんな人間も相手を1目見ただけで全てを把握出来る明智だが、はじき出される答えに初めて自分自身を信じられなくなっている節がある

 

「まぁ頼める人もそんなに居ないからお願い出来る?」

 

「まぁその程度であれば全然構わないよ」

 

「じゃあお願いね?おやすみ〜」

 

「はいはいおやすみ」

 

最初は電話だけでいちいちドギマギしたものだがいつの間にか日常に溶け込むぐらいにはこの時間をいつしか心待ちにしている自分がいるのを感じて

 

「寝るかぁ」

 

この感情の答えにたどり着いているくせにわざと先延ばしにして、ベットに潜り込む

 

 

 

「と、言うことでこれから君たちの面倒を見る明智ですよろしくね〜」

 

最大限の愛嬌を振りまき子供たちに似合わない笑顔を晒す明智

 

「……………」

 

「へッ」

 

なにか物悲しい物を見つめる目で見られたり、完全に小馬鹿にされ…そのままテレビでアイの出演してる番組を見始めたりと反応は様々だが、ひとつ確実に言えるのは…

 

「僕ってまじで子供に好かれる才能がない!」

 

それでも負けじと声をかけるが

 

「、る、ルビィーちゃんよろしくね」

 

プィッ

 

子供になんとか気に入って貰おうとなるべく高めの声を意識して話しかけたら思いっきりそっぽを向かれ子供の前に真っ白で燃え尽きている21歳の姿

 

(まぁ子供に嫌われてても危ないこととかしないように見とくだけで問題ないだろうから最悪いいかぁ…いやまじで凹むな…僕って子供に好かれる才能がないのか?)

 

なんてアクアの方をちらっと見ると分厚い文庫本、明らかに子供が見るには大人びすぎている物を取り出して読んでいる

 

(いやいやまじで?アイが天才とか何とかとか言ってたのも納得だな)

 

と予想以上の手のかからなさに驚きならノートパソコンを広げて横目で様子を伺いながら作業を進めると言っても

 

(いやぁ…まじでどうしたもんか…子供と仲良くなる方法ってマジで何?どうすれば受け入れられるのとかよく分からない…ルビィに関してはまじで取っ掛りすら掴めない…)

 

パソコンで課題を進めながらもチラッと2人に視線を送って観察する

今、明智の天才的な頭脳が徹底的に2人を観察している…その理由は

どうすれば仲良くできるか…である!

 

そう考えて10分くらいだろうか?チラチラと視線を感じる…何かと思って見たらアクアがこちらを見ているのがわかる、正確にはパソコンだろうか?

 

「気になる?まぁ子供が見ても楽しいものじゃないけど」

 

まぁこういうのも気になる年頃かと考え、ちょいちょい…と手で呼ぶ

 

「今何してるの?」

 

「課題〜分かりやすく言うと宿題かな?」

 

そういったきり反応もせずじっと画面を食い入るように見つめる、

その様子をキーボードをカタカタ打ちながらもしっかり観察していくと、少し面白いことに気づく

 

「へぇ…アクアはすごいな」

 

「え?…何が?」

 

「だって、僕が今何を書いてるのか正確に把握して、しっかりと読むことができるから」

 

「別に凄くな…」

 

「いやいやすごいよ…正直今やってるこれは教師ですら苦労するような物なのに、完全に理解できる子供…ねぇ?」

 

ビクッ!…

 

「べ、別になんにも分からないよ?」

 

そう言うけれど、肩が跳ねて青い顔になって慌てたように距離をとって本を読み始める

そして先程から視線を飛ばしているもう1人に話しかけて

 

「何か心配事?」

 

「べ、別になんでもないよッ!」

 

慌てた様子で視線を逸らしてテレビに戻る、だけれどどこか嘘くさい、その様子をじっと眺めて観察しているうちにとあることに気づく

 

(いや…まじか…これはすごいな)

 

「ルビィはとっても頭がいいよね?」

 

「…?」

 

突然何を言ってるんだ?とうとう頭がおかしくなったのか?という顔で明智の顔をじっと眺めて

 

「いやぁ〜何となく思っただけだよ、顔つきでその人がどんな人間か分かるって言うか、僕は結構苦労して大学に入ったけどルビィなら勉強しないで試験突破余裕でしょ」

 

「えぇ〜突然何言ってるのぉ?」

 

「アイ譲りで顔も可愛いし、まさに天は二物を与えるってやつ?」

 

「えっへへぇ」

 

気を良くしたのか内心(こいつ私の頭の良さに気づいてる?、やっぱり溢れ出る知性は隠せないか〜!)なんて調子に乗って

 

「いやそれは無いだろ」

 

真顔でアクアが否定する

 

「いやいやお兄ちゃんには分かんないんだよ!私の溢れ出る天才ぶりってやつがさ!」

 

「いやいや、あれがどれだけ過酷なのかお前が知らないだけだから」

 

「そーそー実際マジで苦労したよ僕は、1番苦労したのはなんだったの?」

 

「やっぱり英語かな……ぁ…な、なんでもない」

 

慌てた様子で口を噤んで青かった顔がさらに青くなる

 

「へぇ…苦労したことあるんだ?」

 

「な、ないよ?僕だってまだほんのこ、幼児だよ?」

 

そういう声は震えていて、あとから気づいたのかルビィも顔を青くして気まずそうに震えている

 

「僕さ、実は天才っていうやつなんだよね」

 

本日何度目かのこいつ何言ってんの?顔を頂きつつも、明智は続けて

 

「僕は人を見た瞬間にその人間の過去、人間関係、性格、趣味嗜好、そういうあらゆる情報が僕の脳みその中では当たり前のようにはじき出されるんだよね」

 

そう言って2人の間にたってルビィと目線を合わせて

 

「じゃあ軽くお披露目会をしてみよう、ルビィ…僕はずっと疑問なんだけど…なんで君は…いつも愛されるための演技をしているの?」

 

「ッ!?…………」

 

驚き、困惑、恐怖、そんな表情を一瞬のうちに浮かべて

 

「今ので確信した、君がこれから否定の言葉や何を言ってるのか分からないと言うかもしれないけど、それは全部嘘だ、それが元から生まれ待った才能だったら僕も特に気にならなかった、アイの子供だからね?でも君には元からそんな才能はなかった」

 

そのまま言葉を続けて

 

「君にそんな才能は無い、でも君は嘘をつくことができる、それも呼吸をするかのように、人に愛されるための嘘を何の気なしに、常に嘘をつき続けることが出来る、正直驚いたよ、君たち2人の幼児の演技自体は簡単に見破れたのに、君のもう1つの演技自体は一瞬気づけなかった、自然体すぎて、あまりに真実のような嘘をついていたから、一瞬僕はその嘘を信じかけた」

 

「それでさ?なんで君はそんな嘘をつくのか聞いてもいいかな?」

 

ルビィは恐る恐る顔を見上げる、そこには

しっかりと目を見つめたまま、でも犯人を追い詰めた探偵のような鋭はさなくてそこにはただ、優しさだけが溢れていた

君の全てを理解しているから安心して全てを吐き出して欲しい、そういう顔だと一瞬のうちに理解した、

顔を見るだけで相手が何を考え、何を思っているのかそれを理解できるのは彼女があの病室で常に人の顔色を伺って生きて来たからだろう、そんなに優しい顔をするすくせに優しい嘘で包んでみんなに都合よく、自分に都合のいい嘘で隠し通していることを、傷つかないようにしていることも理解しているくせに

 

ルビィの心には恐怖よりも怒りが湧いてきた

 

「…ないから…」

 

「うん」

 

「愛されないから!ダメダメな私じゃ愛されないから!生きていけないから!、だから!だから私はいい子で居なきゃいけないの!いい子でいない私に価値なんてない!生まれた意味も!人に優しくされるのも!本当の私なんかじゃ手に入らないから!」

 

ボロボロと赤い宝石のような目から涙を零しながら、でもしっかりと目を見つめて、自身の最も苦しい過去を無理やり引きずり出され、夢のままで居られたはずなのに現実に戻された少女は泣き続ける

 

あぁ…もう戻れないのだと、夢の終わり、夢から覚めてしまった

もう…誰も私を愛すことなんて出来ないだろう…でも早くてよかった…早い方が傷は少なくて済むから、

だから…

 

「ぁ〜これか」

 

「ごめんな、これはアイに言われるわけだ、デリカシーがないって言われても当然だな」

 

そう言って頭をかいて申し訳なさそうにしながら

 

「何…それッ!じゃあ暴かないで欲しかった!ずっと夢のままでいさせて欲しかった!なんでも分かるんだったらなんで放っておいてくれないの!ずっとこのままで!」

 

「でもムカつくからいいか」

 

「僕はさ?正直アクアとルビィが何者かなんて興味が無い、別に何者でも構わないしそんなことはこの際どうでもいい…でも、アイが君たちのおかげで救われたんだよ、僕じゃ無理だった、僕にできるのはせいぜい嘘で包んで誰にも傷つけられないように自分を守るあいつの嘘を無理やり剥がして引っ張り出すことしか出来なかった」

 

それはアクアとルビィに語っていると言うより自分自身に言っていて、どこか懺悔のように感じさせる声色で

 

「そうやって引っ張り出して、結局あいつに本物がどんなものかを伝えることが出来なくて、そのくせ、嘘で包んだアイツの中身を暴いてしまう、あいつのためにならないからって自分勝手な言い訳で逃げ出して、関係を修復することすら怖くて、ずっと二の足踏んでた…でも…君たちのおかげであいつは本当の愛って物がどんなものか分かったんだよ、それなのに…それなのになんで君が…アイに本当の愛を教えて救ってくれた君が…そうやって嘘をついて自分を隠してるんなんて…

そんなの…寂しいだろ…」

 

「怖いから…否定されるのは…無視されるのは…怖い…から…」

 

「怖いことも正直あるだろけどさ…でもさ?見てくれよ…ルビィ…お前の今の周りにいる人間は、嘘で包んで守ってなきゃいけないほど怖い人たちは居るか…?」

 

(ママとパパは…私が病気になって…治らないって分かってから来てくれなかった…でも!…でもいつか…私の事を見てくれるって…自分自身に嘘をついて…病気に負けない健気な私だったら…待っててくれるんじゃないかって…見てくれるんじゃないかって…でも…見てくれなかったそれなのに…)

 

目を…合わせてみる…しっかりと相手の瞳の奥の奥まで見つめて

 

(キラキラと黒い宝石のような瞳が優しく、でも寂しそうな目で私の事をじっと見つめてた…)

 

「でも…誰も…」

 

「ルビィ、別に君は演技しなくても、君はもう愛されてるだろ?

ほら、ここに1人…とりあえずさ?友達から始めませんか?」

 

そう言って手を差し出す、その掌は大きくてあの時私を励ましたのとはちがって優しくなくて、デリカシーがなくて、かっこよくなくて、でも…とっても暖かい…

 

そのまましっかりと手を結んで大声で、その時少女は初めて、本当の意味で涙を流した

 

 

ルビィが泣き止むまで10分以上かかった…その間手はしっかりと繋いでいて、少し力を込めたら壊れてしまいそうな掌をしっかり握って、でも優しく繋ぐ

アクアはルビィの背中を優しく撫でて今この空間に自分を否定する人はいない、拒絶も、無視も、ただ、自分が泣き止むまで優しく寄り添ってくれる…嘘をついてない自分の隣に、当たり前のように座ってくれる…

 

「えっと…そのぉ…まじ…すいませんでした…」

 

ひっく…ひっくッ…涙を出せるだけ出して落ち着いたのか、じっとりとした目で見つめられ、そこにアクアの目線も加わり…外見だけ見れば幼児相手に大人気ないことをしたこの男は…静かに…ただ、美しく土下座をした

 

「デリカシーが無さすぎる…」

 

「その通りでございます…」

 

「デリカシー…なさぉぉ…」

 

「はぃ…ほんっっとうに…ないです…ごめんなさい…!」

 

そのまま居心地の悪さに本格的に自分のデリカシーの無さに絶望していると

 

「本っ当に…デリカシーとか無いわけ?」

 

「はぃ…ないです…見えすぎるほどものが見えて…しまって…その…はぃ…突っついてまわったり…とか…暴いてしまったりとか…して…はぃ…なので…こんな僕でよければ…友達〜…になってくれませんか…?」

 

そう申し訳なさそうな顔でこっちをじっと見つめてくるその顔を見てたらだんだん馬鹿らしくなってきて

 

(本当に見ただけでその人がどんなことを考えてるのか分かって…抱えてる悩みも、不安も、自分を守るためについてる嘘も全部引っ張り出して、ひっぺがして…裸にしたくせに…こんな申し訳なさそうにして…身勝手で、デリカシーがなくて…でも…本当の自分をしっかりと見て…それでも友達になって欲しい…なんて…卑怯だよ…あぁ…アイがああなっちゃうのも分かるかも…)

 

「と、友達ぐらいだったら…いいよ…」

 

そう言って手を差し伸べてくれる

 

「ははッ…ありがと」

 

その手をしっかりと握り返す

 

そのまま泣きいて疲れてしまったのか

 

「マジでありがと、アクア」

 

ルビィの頭を優しく撫でているアクアに感謝を伝えて

 

「まぁ…本当にデリカシーって言うものがないのを改めて再認識したけど」

 

「グゥ…それに関しては本気で反省してます…」

 

上を向いて

 

「昔からそうだったんだよ…見えすぎるほど見えて、他人が抱えてるもの全て見通せて、人が否定したいものも、隠しておきたいものも、忘れてしまいたい過去も全部引っ張り出して…だから…友達ってできたことなくてさ?」

 

「………」

 

「だからあの時はびっくりしたんだよ?僕は、忘れてしまいたい過去を引っ張り出して、守っている嘘を剥がして、まっさらにして…それなのに僕に付きまとい始めてさ?」

 

「それって…」

 

「だからマジでアクアとルビィには感謝してるんだよ、あの時僕は確かにあいつの命は救えたかもしれない、でも心までは救えなかったと思うんだよ…だから…ありがとう…あいつに愛を教えてくれて…」

 

心からの感謝を込めて頭を下げる

 

「心が救えても命がなかったら意味は無いよ」

 

遠い昔を思い出すかのようにアクアが言う

 

「だから俺達はアイに本物を教えて、明智はアイの命を救った」

 

ポンっと頭に手を置いて

 

「だから…俺達3人のおかげでアイを救えたんだと思うよ」

 

優しくて小さい、でも自分の手のひらよりずっと大きく感じる、その思いに思わず涙が零れそうになってしまい上をむく

 

「まじでさぁ?あんた何者?僕が人生において言い負かされるのってこれで2度目なんだけど?」

 

「さぁ?でも他の人よりほんの少しだけ、人の価値を知ってるだけ…かな?」

 

そう言って笑うアクアは随分大人のように見えた

 

 

その後

 

「ママ〜!!」

 

「ただいまルビィ、アクア!」

 

「ねぇ…ママ…私の事愛してる?」

 

「それはもちろん…ふふっ」

 

ルビィの顔を見て優しい笑みを浮かべてしっかりと赤い宝石のような瞳を見つめて

 

「私はルビィのこと愛してる」

 

しっかりと自分の中の本当の愛を伝えて…

 

「私も…ママのこと…愛してる」

 

そう言ってしっかりと抱きつく、お互いに今のが本物かどうかの判断はつかないかもしれない…でも…ただ1人、他人の本物を見続けた男だけは…理解しているのかもしれない…

 

 

 

「いやぁ〜ありがとね、先輩どうだった?仲良くなれた?」

 

甘えてくるルビィを抱っこしながら聞いてくる

 

「まぁ〜ちょっとは仲良くなれたかもな、とりあえずは友達からだよ、な?ルビィ」

 

そう言ってルビィのほっぺたを指でつんつんしようとして

 

がぶぅぅッ!!

 

「イッデェェ!!??」

 

(確かに私は友達になるって言うのは認めたけど調子に乗らないで!このデリカシーなさ男!!私にとっての1番はこれからもこの先もずっとせんせぇなの!あんたなんかッ…まぁ…100位以内には入れてあげる…)

 

 

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