君は、このソラを飛べる。   作:ボンコッツ

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ラストミッション/ファーストミッション

 

宇宙怪獣ベムラーの襲来と、光の巨人の激突から、あっという間に丸一日が経過した。

 

あの後、ぐったりしたコユキを抱えたままで病院へ飛び込み、巨大生物が起こした地震で転んでから意識が無い……と嘘をついて医者に見せた。

 

すぐに精密検査に回された彼女を見送り、まだ混乱している頭をなんとか回しながらスマホを取り出す。

 

自分の両親に連絡を取り、コユキの両親へ間接的に連絡を取ってもらって病院で合流。

 

和菓子職人*1であるコユキの両親からは、娘を抱えて病院に飛び込んできたことに礼まで言われてしまった。

 

一緒に連れられてきた、コユキの妹である『美雪(ミユキ)』は、まだ小学生ということもあってイマイチ事態を飲み込めていない。

 

が、コユキの両親に頭を下げられ、自分の両親にも『よくやった!』と言われ、精密検査の結果『異状なし』と出て。

 

さらに一晩明けた後も、ハヤトの心は曇天のままだった。

 

 

(俺は……コユキちゃんに庇われて、見てる事しか出来なかったのに……)

 

 

彼にできた事と言えば、がむしゃらに巨人に変身したコユキを追いかけ、決着がついてから病院に運んだだけだ。

 

あんなとんでもないゴジラもどきをやっつけるスーパーパワーもなければ、とんでもないSF科学武器を発明できる頭脳もない。

 

凡庸な男子高校生であるハヤトにとって、先日の出来事は対処可能な領域を軽々超えていた。

 

コユキの意識はまだ戻らないようで、お見舞いのために病院まで自転車*2を走らせているものの、その足取りは重い。

 

 

(『コレ』だけでも返そうと思ったけど……俺に、会う資格あるのかな……)

 

 

ポケットの中から取り出したのは、意識を失ったコユキが取り落とし、咄嗟にハヤトが拾った『ベータカプセル』だ。

 

コユキがこれを使って巨人に変身する所を見ていたので、重要なモノなんじゃないか、と考えて返しに来たのである。

 

とはいえ、コユキは意識を失ったままなので、ベッドの脇にでも置いて立ち去る事になりそうだが。

 

病院に到着し、駐輪場に自転車を停め、見舞いの手続きを踏んで中に入る。

 

未だに本人の意識が無いこともあり、安全を考えてコユキの病室は個室病棟だ。

 

多床室より入院費がかかるらしいが、そこは老舗の和菓子屋。地味に中流家庭の上澄み程度にはリッチである。

 

『これなら、病室に書置きついでにコレを置いていってもバレないだろう』

 

そんな事を考えながら、階段を上り、病室の前まで来た。来てしまった。

 

ゆっくりと病室の扉を開け、ベッドの傍まで歩み寄る。

 

 

「……コユキちゃん……」

 

 

目を閉じて、穏やかな表情で眠りについているコユキがそこにいた。

 

体に異常はない、精神的なショックと疲労が原因なのでそのうち目を覚ます……それが医者の見解だ。

 

だが、あの『巨人への変身』にリスクがあるかどうか、ハヤトにはさっぱりわからない。

 

もしも未だに目覚めないのが、あの変身のリスクなら……あるいは、あの巨大生物の攻撃が原因ならば。

 

現代医学の精密検査でもわからない原因が潜んでいるとしたら。

 

 

「このまま、一生目覚めないなんて、そんなことは……」

 

『無い。彼女は今日の夕方までには目を覚ますだろう』

 

「……!?!?」

 

 

頭に過った不安が、ついハヤトの声に出てしまう。

 

頭を振ってそれを振り払う前に、自分とコユキ以外は誰もいないはずの病室で声が響いた。

 

思わずきょろきょろとあたりを見回すと、ふわり、と病室の中に風が吹く。

 

その風に乗って来たかのように、淡い黄金色に輝く粉が飛んできて、病室の中で人型に集まっていく。

 

ぎょっとして悲鳴を上げそうになったハヤトの前で、その人型が『あの銀の巨人』によく似たシルエットに変化した。

 

 

『私の名は【フォス】。宇宙警備隊の元隊員であり、彼女の祖先でもあり……君が見た、銀色の巨人の正体だ』

 

「な、な……あんた、一体なんなんだ!?」

 

『……今しがた自己紹介はしたはずだが、ふむ……。

 君らに分かりやすい言葉で言うなら、M78星雲出身の宇宙人だ

 

 

宇宙人!?と今度こそ声を上げそうになったハヤトが、うちゅ、の所で自分の口を自分で塞ぐ。

 

こんなよくわからないモノが病室にいることが周囲に知られたら、一発で大パニックになってしまう。

 

先日の巨大生物騒動で怪我人も多いのだ、人が増えている病院でパニックなんて冗談じゃない。

 

 

『安心したまえ、私の姿は、君とコユキ以外には見えない』

 

「そ、それを早く言えよ!って、なんで俺とコユキちゃんだけ……?」

 

『コユキは、私と一時的に融合した私の子孫だからだ。

 君には、君の持っている『ベータカプセル』を触媒に声を届けている』

 

「ベータカプセル……あ、これか!」

 

 

ポケットに入れていた、ライトグリーン色のペンライトを引っ張り出す。

 

フォスの会話方法は、地球人に伝わる形式で言うなら『テレパシー』だ。

 

生前なら自由にテレパシーを届けられたが、現在はコユキのように半融合して直接届けるか、ハヤトのように近くにベータカプセルがある相手にだけ届けられる状態である。

 

こんなもんがそんなとんでもないSFアイテムなのか、と困惑していたハヤトであったが、ハっと意識を切り替えた。

 

 

「な、なら……アンタ、いや、貴方?フォス……さん?でいいんだよな?」

 

『フォスでいい、敬語もいらない……そんなことをされる価値もない男だよ、私は』

 

「……なんで自分を卑下してるのか知らないけど……

 せめて、何がどうしてこうなったのか、それを教えて欲しい。

 それを聞く権利ぐらい、あるだろう?当事者なんだ!」

 

 

それを聞いたフォスは、少し悩んだ後に『……わかった。少しだけ長い話になるが聞いてくれ』と前置きし、語り始めた。

 

自分が数百年前に日本に飛来した『M78星雲人』である事。

 

宇宙の平和を守る『宇宙警備隊』の元隊員である事。

 

日本で一人の女性に恋をして、この地に骨を埋める覚悟をした事。

 

将来宇宙の脅威が飛来したときのために、己の力を子孫に残した事。

 

4つの邪悪な意思を感知し、数百年の時を超えて子孫の中で目覚めた事。

 

しかし、よりにもよって宿ったのが闘争本能が皆無のコユキだった事。

 

次の融合候補を探す前に、ベムラーが襲来した事。

 

それら全てを、1つ1つ丁寧に語り切った。

 

 

「……」

 

『……殴りかかられる覚悟はしていたが』

 

「殴れるのか?」

 

『いや、これは立体映像のようなものだ。突き抜ける』

 

「そっか……いや、確かにコユキちゃんを巻き込んだことに思う所はあるけど。

 そうじゃなかったら、きっと俺もコユキちゃんもあの場所で死んでた。

 だからすっごい複雑だけど……ありがとう」

 

『……いいや、こちらこそありがとう。君といる間、コユキは本当に幸せそうだった』

 

 

なんとなく、気まずい沈黙が両者の間に流れる。

 

片思いの相手の先祖が宇宙人だったハヤトと、子孫の恋人(候補)と相対しているフォス。

 

ハヤトは「未知との遭遇にしても関係性複雑すぎるだろ」と思っており、

 

フォスは「息子が恋人連れて来た時よりもモヤモヤする」と思っていた。

 

その時、ハヤトがポケットに入れていたスマートフォンが、ヴヴヴヴとバイブ振動する。

 

病院に入る時にマナーモードにしていたので、恐らく着信かメールだろう。

 

ちょっとごめんよと一言断って、スマートフォンを取り出すと……。

 

 

 

「……!? き、緊急速報だ。巨大生物が、また出て来たって!?」

 

『なんだと!?』

 

緊急地震速報等と同じ形式で、国から発表されたニュースが全国を駆け巡る。

 

つい先ほど、隣県の某所にて巨大生物が再度出現。今も暴れているらしい。

 

ハヤトは即座にSNSアプリを立ち上げ、動画の生配信を行っている人間をリストアップする。

 

 

「ええと……これだ!『巨大生物速報』とか書かれてる!けど、なんだこれ!?」

 

 

サムネイルから既に違和感を覚えていたが、実際に配信されている動画はそれ以上に違和感があった。

 

確かに,動画に巨大生物は登場している。しかし、つい先日自分が見た巨大生物とは別種に思えるのだ。

 

全体的な輪郭は似ているが、凶悪だった外見がより凶悪かつ醜悪なモノへと変化している。

 

茶色中心だった色合いが黒に変化し、細く貧弱にみえた前脚は不格好なほど巨大なかぎ爪が生え。

 

瞳は琥珀色のソレに変わり、両肩からは第二、第三の頭のようなモノが生えた三頭怪獣となっていた。

 

全体的なシルエットも刺々しさが増し、それはまるで……。

 

 

【悪魔】……!?」

 

『これは……強化形態か!ヤツはベムラーの強化種だったのか!?』

 

 

先日の戦闘で使っていた姿すら、ベムラーにとっては様子見のための手札に過ぎない。

 

念には念を入れて、この強化形態への変身能力は温存したまま戦っていたのだ。

 

この強化ベムラーの力は『小動物の支配と融合』。

 

ネズミやカラスなどの小動物を支配し、自身に融合させることで甲殻や筋肉に変化させる。

 

それにより、まるで鎧を身に纏うようなプロセスを経て強化形態に変身できる。

 

恐らく、隣県の地下に人間サイズで潜み、ネズミを支配し融合することで変身したのだろう。

 

 

その姿は、こことは別の宇宙で『ビースト・ザ・ワン』と呼ばれた怪獣に酷似していた。*3

 

 

『……時間が無い、お話はここまでだ』

 

「ここまでだ、って……コユキちゃんは戦える状態じゃないだろ?!」

 

『ああ、そうだ。だから私はコユキから分離し、残る全エネルギーを使って単独でベムラーと戦う』

 

「それに、何かリスクはないのか?」

 

『……なぜ、そう思う?』

 

「アンタの性格は少しだけど分かって来た、お人好しで、人間臭くて……。

 そんなアンタが、単独で戦えるのにコユキちゃんやほかの人を巻き込むはずがない!」

 

 

図星を突かれた、と言いたげな反応の後、フォスはコユキにも隠していた事実を語りだす。

 

 

『私が存在していられるのは、地球人と融合し、その肉体を器としているからだ。

 分離すれば、エネルギーを纏った精神体でしかない私の体は、一気に霧散していく。

 恐らく、ベムラーと相打ちになるのが精いっぱいだ。残り三つの悪意に対処できなくなる』

 

「い、いや、それも大事だけど……アンタが消える前提っておかしいだろ!」

 

『すまない。ミドリの子孫たちや、君たち地球人をこの手で守りきれれば良かったが。

 何とか、残りの悪意が活動を開始する前に、宇宙警備隊が駆けつけてくれる事を祈るしかない』

(ウルトラサインが送れれば良かったが……今の私は、アレを使う力を喪失している)

 

 

地球に帰化し、人として生きることを決めた時。

 

宇宙警備隊のトップである『ゾフィー』の決定により、フォスは己の力を子孫に残す事が許された。

 

しかし、ウルトラサイン*4のような『光の国と通信できる手段』は制限されてしまったのである。

 

万が一にもソレを解析されてしまえば、光の国との通信方法を元に、人類の宇宙開発等がいびつな形で成長するかもしれない。

 

人類がいずれ銀河を自由に駆け巡り、自分たちの同士となる事を信じている光の国の面々からすれば、自分たちの力でそれを捻じ曲げる事は許されなかったのだ。

 

元はと言えばフォスの力の受け継ぎも、ふらっと迷い込んだ宇宙怪獣や、地球の地下深く等に眠っているかもしれない巨大生物への対処のため。

 

要は、今の状況を地球人に分かるように例えると。

 

【山から熊やイノシシが下りてくる可能性のために猟銃を形見として残したら、街に強盗に来たマフィア集団にその猟銃で対処する事になった】

 

という状態に近い。

 

だからこそ、フォスはベムラーと相打ちになって消滅する覚悟を決めたのだが……。

 

 

「……なあ、フォス。 融合する先は、俺じゃダメなのか?」

『なに?』

 

 

この提案が、ハヤトとフォスとコユキ、そして地球の命運を変えた。

 

 

『……言っておくが、素質があり私の子孫でもあったコユキと、君は違う。

 コユキが引き出せる私の力が10としたら、君では5か、良くて7程度だぞ』

 

「つまり、出来ないわけじゃないんだな?」

 

『……それに、君に合わせて私の力を調整すれば、二度目は無い。

 また分離したとして、再度他の人間に調整する前に私は消滅する。

 元々、子孫に継がせるための突貫工事に近い。別の人間に託せなくなるぞ』

 

「なら、俺とアンタで戦い抜けばいい。今の今までコユキちゃんと分離してないってことは、他の候補見つかってないんだろ?」

 

 

それもまた、図星である。

 

コユキの親戚筋を夏休みを利用して当たってみたが、会える範囲で素質を持つ者はいなかった。

 

フォスの力を引き出す才能に欠けるか、あるいはコユキのように戦うのに向かない性質の者ばかり。

 

当然、無関係の人間に押し付ける事をヨシとする二人でもなかったので、途方に暮れていたのが真実だ。

 

 

『なぜ、そこまで戦おうとする。君も平和なこの国に生まれた少年だろう?』

 

「……別に、大層な目的があるわけじゃないよ。言っちゃなんだけど、普通の高校生だしさ。でも……」

 

 

眠っているコユキに視線を向け、その前髪を軽く撫でる。

 

さらりとした感触を指で感じ、すやすやと眠る彼女が穏やかな顔をしているのを確認して。

 

もう一度、フォスに向き合った。覚悟を瞳に滾らせて。

 

 

「この優しい女の子を二度と戦わせない。それだけで十分じゃないか!」

 

『……ああ、そうだな。理解はできる。 男の意地、というやつか』

 

「分かってるじゃないか、宇宙人」

 

 

彼が決意した理由は『愛』。

 

今も眠っているコユキが、もう戦わなくてもいいように。

 

目覚めた後も、彼女に巨大生物の脅威が襲い掛からないように。

 

戦うのだ。

 

 

『病院の外へ走れ、走っている間に私が融合する』

 

「応ッ!! ……コユキちゃん、目が覚めたら、デートの続きな?」

 

 

眠っているコユキにそれだけ言い残し、ベータカプセルを手に駆けだす。

 

病院の中を走るなんてマナー違反もいい所だが、今はそうも言ってられない。

 

人の多い表口ではなく、裏手の駐車場に出る道を選び、死角の多い場所へ駆けていく。

 

自分の体に、フォスの体が解けて生まれた黄金の粒子を身に纏いながら。

 

ベータカプセルのボタンを押し込み、激しい閃光とともに腕を空へ突き出した。

 

 

「フォーーーーースッ!!」

 

 

閃光が収まった直後、人一人包み込めるほどの真っ赤な球体が出現し、空の彼方へ飛び立っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【隣県 都市部】

 

 

 

宇宙怪獣『強化ベムラー』に、緊急出撃した航空自衛隊の戦闘機が攻撃を仕掛ける。

 

今も警察と陸上自衛隊が協力して避難に当たっており、彼らの役割はそれまでベムラーの目を引き付けることだ。

 

出撃許可が出る前に【訓練】の名目で出撃、飛行中に出撃許可が下り、そのまま戦闘に移行する。*5

 

しかし……。

 

 

「クソ、なにを撃ち込んでも効きやしない!?」

 

 

航空自衛官『真木 舜一(まき しゅんいち)』は、相方である『倉島 剛(くらしま たけし)』と共に今回の作戦に当たっていた。

 

自衛隊にて、識別コード『巨大生物』として設定された標的……『巨大生物三号』目掛けて、航空自衛隊の戦闘機から攻撃が行われる。

 

しかし、空対空ミサイルですら小動もせず、機関銃など撃つだけ無駄な有様であった。

 

とにかく周囲を飛行し、少しでも街や避難民に攻撃が行かないようにしていたのだが……。

 

 

「真木ッ!後ろだッ!!」

 

「何ッ!?」

 

 

ベムラーの放った火球が、まるで追尾ミサイルのように真木の機体を追ってくる。

 

訓練で染みついた動きのとおりにチャフをバラまくが、当然ミサイルでもない火球に効果があるはずもない。

 

機体の背後に迫る火球に、真木は己の死を覚悟した。

 

 

(……だめだ、俺がここで堕ちたらどうなる!?)

 

 

脳裏に過るのは、一人息子である『継夢(つぐむ)』と、妻である『蓉子(ようこ)』の姿。

 

先天性疾患のせいで病院から出られず、余命幾ばくも無いと言われていた息子。

 

しかし、とある医師が

「この先天性疾患余命は一年とされてきた……だが、今は違う(ギュッ」

と駆けつけた事で、息子は生きながらえることができた。

 

息子の夢は、彼と同じ戦闘機のパイロットだった。

 

弱っていく息子に付き添い続けた妻も、ようやく快方に向かっている息子に希望を見出したばかりなのだ。

 

少しでも息子に寄り添おうと、退役して別の職種につくと決めたばかりだったのに。

 

その矢先に撃墜されるなど、あっていいはずがない。

 

 

(だめだ、ここで堕ちるなんて、ダメだ!俺には、守らなきゃならない約束がある!

 生きて、継夢と蓉子の所に帰る事……!それが俺の、ラストミッションなんだ!!)

 

 

ホーミングしてくる火球を、機体を限界まで加速させて振り切ろうとする。

 

いや、あるいは限界を越えているのかもしれない。

 

ブラックアウトしそうな視界を、それでも無理やりつなぎとめる。

 

高Gでギシギシと鳴っているのは、機体か、それとも彼の体か。

 

 

「う゛、お゛、おおぉ……!!」

 

 

 

ギリギリまで頑張って。

 

ギリギリまで踏ん張って。

 

どうにも、こうにも。

 

どうにもならない!

 

そんな時。

 

 

 

戦闘機と火球の間に、『巨大な赤い球体』が割り込んだ。

 

 

「なっ……!?」

 

 

真っ赤な球体が、戦闘機の盾となって火球を受け止める。

 

そのまま下方へ降りていき、ベムラーの前に『着地』した。

 

まるで卵が孵化するように、パキパキと赤い球体が上から割れていく。

 

その中に……。

 

 

銀を中心とした部分は、まるで装甲のように膨れ上がり。

 

赤を中心とした部分は、血管や筋肉のように体を覆い。

 

胸のカラータイマーも、どこか不格好でいびつな仕上がり。

 

洗練された姿ではない、恐らく、不完全な融合によって誕生した『銀の巨人』。

 

だが、しかし、誰かのピンチに駆けつける、その姿は紛れもなく。

 

 

 

 

『ヘアッッ!!』

 

 

 

光の国から 僕らのために

 

来たぞ 我らの

 

 

ウルトラマン!!

 

 

*1
といっても、店の気風から高級路線ではなく庶民路線なので、そこまでハイソな感じではない。普通の気のよさそうな夫婦である。

*2
昨日のデートの時は一緒に歩くために使わなかった。理由?コユキちゃんは高校生になっても自転車乗れないからだ。二人乗りも考えたが、コケたらコユキちゃんだけ受け身取れ無さそうなのでシャレにならない。

*3
映画『ULTRAMAN(2004年)』に登場する怪獣。ベムラーをモチーフにデザインされている。

*4
ウルトラマンが光線で描く文字。光の国まで届くけど一方通行。

*5
災害時等に実際に行われることもあるらしい(ソース無し)






ウルトラマンフォス(不完全体)

身長 47 m
体重 4万5千トン
飛行速度 マッハ5
年齢 約6500歳

M78星雲人『フォス』が、『新谷ハヤト』を核に、
変身アイテム『ベータカプセル』の力を用いて変身(あるいは復活)した姿。

外見は『ULTRAMAN(2004年映画)』の『ウルトラマン・ザ・ネクスト(ジュネッス)』

ただし、胸にはやや歪な楕円形のカラータイマーがついている。

ウルトラマンフォス(完全体)と比べると、全体的に生物的でゴツゴツした印象を受ける。

銀色の部分は装甲のようになり、赤色の部分は筋肉を思わせる。

しかし、これは完全体ならばスマートかつコンパクトにおさまっているモノが膨れ上がっている状態。

つまり被弾面積が増えるだけで基礎能力は変わっておらず、寧ろ剥離しやすいので防御力は低下している。

速度や筋力等も、フォスの予想通り完全体と比べるとおおよそ七割程度。

足りない分は『諦めずに立ち向かう気持ちで補う』。そんなウルトラマンである。

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