side火野有美
Aクラスには既に数人おり、お互い自己紹介などをしていた。
「アンタの席は…ココね」ガタン
坂柳の荷物を彼女の席に置く。
「ありがとうございます。後は自分で出来ますので」
「ええ」
私は自分の席に行き、荷物を整理した。
「…あれ、俺空気か?」
「そんな事ないわよ」
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ガラガラ
数十分後、体育会系っぽい先生が入ってきた。
「初めまして、新入生諸君。私はAクラスの担任を務める真嶋智也だ、担当教科は英語を担当している。この学校には学年ごとのクラス替えが存在しないため、卒業までの3年間、私が担任としてお前達全員と学ぶことになるだろう」
えっ、マジで?変わらないの?帆波と同じクラスになる方法はないのかしら…。
「今から1時間後に体育館で入学式が始まるが、その前にこの学校に関する特殊なルールの説明をさせてもらう」
…特殊なルール?教室とか廊下に仕掛けられまくってる監視カメラと関係あるのかしら?
私がそんな事を考えている間に、この学校関連の資料が配られた。
「まず、この学校では生徒全員が敷地内の寮での生活が義務付けられ、在学中は身内の不幸などの特例を除き敷地内から出ることを禁じられている」
うん、ソレは入学前に知れる情報だったわね。
「そしてもう1つは、Sシステムの導入だ」
Sシステム?…Sって聞いたら何となく坂柳が脳内に……ん?
「…………」ニコッ
こっち見んな。先生が話してるでしょ。
「今から学生証カードを配る。この学生証は身分証であると同時に、敷地内の施設を使用するためにも必要となるので、無くさないよう気を付けるように。…学生証にはポイントが蓄積されており、このポイントが金銭の代わりとなる。この学校の敷地内に存在するものならば、『何でも』ポイントで購入可能だ」
…へぇ?何でも?つまり帆波と同じクラスに移動することもできるかも知れないわね。
「ポイントは1ポイントにつき1円の価値があり、毎月1日に支給される決まりとなっている。新入生には既に平等に10万ポイントが既に支給されているが、不具合があれば申し出るように」
先生のそのセリフを聞いた瞬間、クラスには衝撃が走った。なんせいきなり10万円(実質)をポンと渡されたんだから。周りを見ても大半は驚いた顔をしている…坂柳とか千早以外は。私もちょっとビクッとしたのに。
「支給額に驚いただろうが、この学校は実力で生徒を測る。この学校に入学を果たしたお前達には、それだけの価値と可能性があると評価された結果だ。遠慮なく自由に使うといい。ただ、このポイントは卒業後に全て回収され、現金化もできないので注意するように。使う必要の無いポイントは誰かに譲渡するのも構わない。勿論カツアゲの類いは当然禁止だ、この学校はイジメに敏感だからな……さて、ここまでで何か質問はあるか?」
実力を測る?多分だけどソレが監視カメラの理由付けになるわね…それと測った実力を基に来月から支給されるポイントが変わるかもしれないわね、確証はないけど。
スッ
坂柳が挙手し、それを真嶋先生は当てる。
「2つ、質問があります。来月から支給されるポイントは幾らですか?」
いきなり核心を突いたわね。気になるのはしょうがない事だけど。
「今はまだ正確には答えられない…が、今後のお前達次第だと言っておこう」
「…分かりました」チラッ
…ん、やっぱり監視カメラに気付いてたわね。それとポイントが変動するのはほぼ確定になったわね。
「先ほど先生は敷地内にあるものならポイントで『何でも』購入できると仰っていましたが、それは常識で考えれば本来購入できないものも可能である、ということでしょうか」
うわ、やっぱり質問したわね。絶対なんかヤバい物買うでしょ、服従させる権利とか…いや、流石に無いわよね?
「…ああ、可能だ。勿論あまりに非常識なもの…例えば誰かを奴隷のように使うなどでなければな」
うん、でしょうね。
「分かりました」ニヤッ
出た、サディスティックスマイル。絶対ロクでもない事考えてるわ……おい。
「………」じっ
だからこっち見んな。来月のポイント減るわよ?
相手に対する心情①
有美→坂柳 友達の天才。頭脳全振り。
坂柳→有美 友達、努力は尊敬している。
台本形式じゃない小説を書くのは初めてです。
真嶋先生のセリフはよう実一巻の茶柱先生のセリフを元にしました。
次回もよろしくおねがいします。