side火野有美
5日目の夜。私は瞑想をしていない。
「……誰か、いる?」
何故なら、夕方からずっと殺気を感じていたからだ。
しかも…『高校に入ってから』感じた事がなかったものだった。
ガサッ
50メートル程離れている茂みから音がする。
「いるわね…ッ!?」サッ
ドスッ
次の瞬間…私がいた所に銃弾が刺さっていた。しかもゴム弾ではなく、鉛弾。確実に殺しにきている。
「…殺し屋ね」
この学校に入学する前、私はホワイトルームに復讐するためにありとあらゆる方面からツテを入手し、仲間を集めた。…ただそんな事してたらもちろん、敵…綾小路篤臣は勘付く。誘拐されかけたことならあるが…殺し屋を雇われたことはなかった。
さて、どうするか…ッ。
ダンッ
発砲。私はその瞬間に身体を逸らし、銃弾を避ける。…そもそも何故学校側のセキュリティを越えてこの島に上陸できてるのかが分からないけど、今はそんな事考えてる場合じゃない。
「敵は、1人…ね」サッ
頻繁に撃たれる銃弾をなんとか避けながら、相手の気配を探る。私の身体は頑丈だけど、銃弾が当たれば流石に大怪我する。
私は遠距離で戦う方法がない…なら近付くしかないわね。
「………」ギロッ
私は相手に殺意を当て…
「!?」
…怯んだ隙に一気に近付いた。ソレに気付いた相手は即座に発砲する。
ザシュッ
「ッ…」
銃弾が私の腕を掠る…が、ソレを気にせず私は…
「…ッ!」ヒュン
近くに落ちていた石を拾い、投擲した。
…ピキッ
ガラスのような何かが割れたような音がした。恐らくヘルメットか何かにヒビが入ったのだろう。
「…!」
「姿を、現せ…!」スッ
私はそこにいるであろう相手に向かって拳を振りかぶった。
「チッ…」サッ
しかし避けられた。しまった…!
「やれやれ、お前のような女がいてたまるかよ」スッ
やっと喋ったと思ったら、敵…殺し屋で確定ね。殺し屋は銃を私の身体に突きつけた。
「お前は雇い主が生け捕りしろと言ったが…」
どうやら殺害が目的ではなかったようだ。
「このままじゃ俺がぶちのめされちまうんでな。早めに退場してもらうぜ」カチッ
銃は私から1メートルも離れていない。しかも今敵が引き金を引いた……詰みだ。
「ッー!」サッ
…ダンッ!
致命傷を避けるために身体を逸らしたが、左半身に命中してしまった…かなり痛いわねコレ…!
「だぁっ!」バゴッ
「グォッ!?」
でも私は怯まず、敵に右ストレートをお見舞いした。
「この野郎…!」カチッ
…ッ。
ダンッ…!
「グッ…」ヨロッ
今度は右足に銃弾を受ける。当たった所が5センチずれたら立てなくなる所だった。
「このガキ…!」ドゴッ
「かはっ…」
足を気にしていると敵に鳩尾辺りを蹴られた。肺に入っていた空気が一気に漏れ出る。
ピリリリリリ…ッ!
しかしその衝撃で、私の腕時計にあるブザー機能が作動した。
「…チッ、トンズラだ!おい!潜水艇を用意しろ!」ダッ
敵は焦った表情でトランシーバーで連絡しながら、踵を返して逃げ出した…潜水艇で来たのなら理解できるわね、どうやって着陸したかは知らんけど。…考えるヒマなんてないわね。
「逃さないわよ…ッ!」ドサッ
追おうとするも流石に走ることはできず、私は地面に倒れる。
…その数十秒後。
「どうしたんだ…コレは!?」
「誰か担架を!」
銃弾を撃たれた箇所からの出血多量によって意識が薄れる中、私が最後に聞いたのはそんな会話だった…。
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ーー
ー
「火野有美の確保に失敗しただと?」
『はい、申し訳ごさいません…』
「…フン、まぁいい。今回は小手調べのつもりだったからな。次は来年の春頃に仕掛ける、いいな?」
『はっ!』
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ーー
ーーー
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ーーーーー
「ッ…」
私は痛みによって目を覚ました。辺りを見ると船上にある治療室のようで、私の身体には包帯が巻かれていた。時間は朝10時頃だ。
「…ん?」
なんか、治りかけてるわね。私の身体ってそんなに頑丈なのかしら?
ガラガラ
そんな事を考えてると扉が開き…
「有美さん…!大丈夫ですか!?」タタッ
有栖がかなり焦った表情で私に駆け寄る。
「ええ、大丈夫よ。銃弾は2発撃たれたけど、もう治りかけてるわ」
「そうですか…安心しました」
かなり心配してくれたようね。
「失礼します」ガラッ
お医者さんが部屋に入って来た。
「まず言わせて頂きますが…火野さん、貴女の回復力は異次元ですね」
「…えっ?」
異次元?
「ええ…貴女は銃弾を2発撃ち込まれており、かなり出血もしていたのですが、半日程経った今では半分ぐらい治っています。完治するのも時間の問題でしょう…しかし、何故それ程の回復力を?」
いや、私に聞かれても。うーん…
「…恐らく、私の鍛え方によるものでしょう」
「鍛え方、ですか?」
お医者さんに私が鍛えた方法を一通り説明する。
「…なるほど。リミッターを外して、ソレによる反動で身体を壊してから治す…医師の私としては褒められたものではありませんが、ソレだと納得できますね」
納得してくれたようだ…そういえば。
「試験はどうなってるんですか?中止したんですか?」
「いえ、貴女がリタイアした理由は『木から落ちてケガをした』からとなってますので、継続していますよ」
……私だったらやりそうね。なんなら狙われなかったら木の上で瞑想するつもりだったし。
「犯人は見つかりましたか?」
「…いいえ、現在捜索中です」
……100%圧力を掛けられたわね。
「分かりました」
「それでは、お大事に」ガラッ
………。
「有栖、アンタは今回の襲撃をどう思う?」
「貴女も気付いていると思いますが、十中八九ホワイトルームの手先でしょう。この無人島に来た理由としては…襲撃できるような環境だったから、でしょうか?」
「そうね…」
まぁ、私の勘だと次は結構先になりそうだし…今は回復に専念しよう。
この件を生徒で知ってるのは有美と坂柳の2人だけです。
次回もよろしくおねがいします。
改善点(参考にします)
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文字数
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地の文
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展開のテンポ
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無双が多すぎ
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現状で満足