side火野有美
「みんな、少しいいか」
「…?」
ハゲた男子が前に出て、私達に呼びかけた。
「俺達は今日から三年間同じクラスで学校生活を送る。そのためまずはお互いを知る為に自己紹介をした方がいいと思うのだが、どうだろうか?」
確かに…まずはお互いを知る必要があるわね、賛成。
「僕は賛成です」
「私も」
「俺も」
「ありがとう。ではまずは提案した俺から…俺は葛城康平。全頭無毛症で物心ついたときからハゲ頭で、かなり厳つい顔つきだろうが、どうか気安く接してほしい。中学校では生徒会に属していて、この学校でも志願したいと思っている。よろしく頼む」
パチパチ…
葛城ね、覚えたわ。それと話し方からして結構頭が切れるタイプね。
葛城の後からも自己紹介が続き、やがて私の順番が来る。
「私は火野有美。特技はスポーツとか格闘技で、趣味は音ゲーよ。運動系の勝負も結構好きだから、勝負をしたい人はいつでも話しかけてね、よろしく」
パチパチ…
よし、結構まともな自己紹介ができたわ。
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…数時間後。
入学式は大したものではなく、何処にでもあるような至って普通のものだった…この学校の性質上保護者は居なかったが。
「おーい有美、日用品を買いに行こうぜ」
「オーケー」
と、千早と会話をしながら教室を出ると…
「有美〜!」タタッ
ストロベリーヘアーの少女が駆け寄ってきた。
おい、廊下で走るな。しかもアンタの揺れてる果実に男子が釘付けになってるでしょうが…はぁ。
「昨日ぶりね、帆波」
「Bクラスに入ったんだよな?」
「うん!2人はAクラスだよね?」
「そうよ。…学校は終わったしコンビニとかで日用品を揃えようと思ってるんだけど、帆波も来r「もちろん!」…即決ね」
少しは悩みなさいよ?
「だって、有美達と過ごすのは楽しいし、ね?」
いや、ね?、なんて言われても分からないわよ。
「んじゃ、行くか」
スタスタ
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「いい度胸じゃねえか、クソが」
…コンビニに着いたのも、そこに偶然ホワイトルームの最高傑作と称される綾小路清隆がいた事までは良かった。でもさ?こんな所で先輩っぽい人達に対して怒鳴り散らす不良がいるのはダメでしょ。
「止めた方がいいかな?」
「いや、まだ手は出てないからやめとけ」
止めに行こうとする帆波を千早が止める。私はそれを横目に見ながら不良に目をやる。
「おー怖い、お前クラスは何だよ。なんてな。当ててやろうか?…Dクラスだろ?」
「だったらなんだってんだ!」
「?」
「…ん?」
「…ビンゴ」
帆波は頭にハテナマーク、私は違和感を感じ、千早は何か気付いたようだ。先輩は喋り続ける。
「聞いたか?Dクラスだってよ、やっぱりな!お里が知れるってモンだよなぁ」
「あ?そりゃどういう意味だよオイ!」
「可哀想なお前ら『不良品』に今日だけはココを譲ってやるよ。行こうz「逃げんのかオラ!」吠えてろ吠えてろ、どうせすぐお前らは地獄を見るんだからよ」
そう言いながら先輩達は不良をあしらってその場を去った。
ふーん、なるほどね…
「ねぇ、『不良品』ってどういう事かな…千早?」
千早は顎に手を添えて何か考え込んでいた。恐らく情報を整理しているのだろう。
「今ので大体9割方把握できたぞ」
「えっ、アレだけでもう何か分かったの?」
「入学式前に少し他のクラスの様子も見たんだが、Aは静か、Bは仲良く雑談、Cは少し煩くて、Dはかなり煩かったんだ」
「……えっ、まさか」
どうやら帆波も気付いたようだ。
「ああ、ほぼ確実にこの学校は…
…入学前から生徒の実力を測っている。だからその時点で実力が高いヤツらはAに、低いヤツらはDにいるんだ」
この小説では坂柳の先天性疾患は心疾患にしようと思ってます、とある展開を書く予定なので。
それと地味〜に帆波の勘が良くなってます。
次回もよろしくおねがいします。