side火野有美
ほぼ全競技に参加する有栖に驚いた私だが、どうやら夏休み中ひたすら身体能力向上に時間を費やしていたようだ。
「…なので、心配する程ではありませんよ。それに万が一があればすぐ見学にします」
そこまで言われたら納得せざるを得ないわね…
…という事があったが、その直後私達は体育館に集合した。私達AクラスとDクラスは赤組のようだ。
「ええ……」
少し離れた所にいるBCクラスを見ると、先頭に立ってる帆波と翔がそれはもう悪巧みしてるだろう顔をしていた。
後ろの生徒たち(主にBクラス)はドン引きしている。
「アイツらが組んだからにはたたじゃ済まないだろうな」
「そうね…」
2人を多少警戒しながら待っていると、やがて上級生が数人壇上に立った。
「俺は3年Aクラスの藤巻だ。今回、赤組の総指揮を執ることとなった」
「白組の指揮を執る石倉だ」
堀北生徒会長じゃないのか…と思ったけど流石に権力がデカすぎるかもね。
「1年生に1つアドバイスをしておく…一部の連中は余計な世話だと思っているかもしれないが、この体育祭は非常に重要なことだということを肝に銘じておけ。この経験は必ず次に活かされる。これからの試験は一見遊びのように思えるものもあるかもしれないが…それら全てが、例外なくこの学校での生き残りをかけた重要な戦いとなる」
…なるほど。この先ポンポン退学者が出そうな試験もある、ってことね。
「今はまだ自覚がないかもしれない。だが、やる以上は勝ちに行く。それだけは肝に命じておけ。……さて、全学年合同のリレーを除き、競技は学年別だ。残りの時間は学年に別れた方針についての話し合いを好きにやってくれ」
そう言って先輩方は壇上を降り、方針に従ってAクラスとDクラスが集まる。
…一瞬だけ戸塚がDクラスを見て顔を顰めたが、成長したようですぐ表情を戻した。
「貴女達は──」
「坂柳、今回はどう動くつもりだ?」
堀北の言葉を遮って綾小路が有栖に質問する。
「……正直、あちらがどう動くかに寄りますね」
「あの2人は組むと厄介なのか?」
「間違いなく相手にはしたくない組み合わせです」
「なるほどな……「待ちなさい」」
「私抜きで何故話を進めようとしているの?」
会話に割り込む堀北。自分が上だと思ってるタイプね…関わりたくないわ。
「……お前抜きでも大丈夫だからだ。邪魔をするな………櫛田、ちょっと来てくれ」
「ッ……」
綾小路に気圧されたのか素直に引っ込む堀北。変わりに櫛田が出てくる。
「どうしたの?」
「オレは火野と話がしたい、その間に坂柳と話を進めていてくれ」
「任せて!」
「……私と話?」
何かしら。
「火野。…この体育祭、オレは本気で臨むつもりだ」
「……へぇ?」
そりゃ面白い事になりそうね。
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ー
一方、その頃。
side三人称
「よう、帆波」
「やぁ、翔」
『!?』
2人が名前で呼び合っていることは周知の事実、しかし実際こうして見て驚く人は多かった。
「お前の『下っ端』育成は順調か?俺の『部下』育成はバッチリだ」
「君の『部下』より私の『仲間』達は優秀だよ?」
「ほう?それにしちゃぁお前に任せっきりのようだが?」
「私が今回は自分に任せてって言ったからだけど?」
『………ッ』
「(また始まった…)」
「(毎回この会話から始まるよね…)」
この光景を見た事ないヤツはまるで2人が喧嘩を始めるかのように見える…が、実際はただのじゃれ合いだ。
見慣れている志郎と雪は若干呆れている。
……パァン!
「なんてな。話を始めようぜ、帆波」
「オーケー」
「…え?」
「ど、どういう事だ…?」
2人がハイタッチをした事でピリピリしていた空気が一気に緩み、困惑する生徒たち。
「今回私達は翔率いるCクラスと普通に協力するつもりだよ。そうだよね、翔?」
「ああ、今回はあまり攻める事もできないしな…それに相手が悪い」
相手とは、人間離れした身体能力を持つ火野有美やホワイトルームの最高傑作である綾小路清隆などの事だ。
「でも一之瀬さん、Cクラスと協力して大丈夫なの?」
「卑怯な手を使ってくるかもしれないし…」
「そこの所は大丈夫だよ。隙を見せたらすぐ坂柳さんに突かれるし、恐怖政治もそう見せてただけだし…そもそもとして私は元々『あっち側』だから分かるんだよ」
「あっち側?……帆波ちゃん、もしかして龍園君みたいなゲスだったの!?」
「あー…翔がゲスなのはさておき、そういう意味じゃなくてね?策略に嵌める側という意味ね」
「……言い方を変えただけじゃないか?」
「何のことやら〜。…さて、翔。始めようか……悪巧み」
「ククッ、いいぜ」
ゴゴゴ…
『(これからどうなってしまうんだ…?)』
双方(一部除く)は2人の表情を見て不安になるのであった……。
この作品で最もキャラ崩壊してるのは一之瀬説。
※悪巧みと言いますが、別に大した事はしません。
次回もよろしくおねがいします。
有美が千早に会わなかったらどうなっていた?(別に正解はない)
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のたれ死んでいた
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復讐を決意しなかった
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代わりに有栖がそのポジに
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頭脳と肉体のハイブリッド
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その他