side火野有美
体育祭まであと数日。準備は着々と進んでいた…が、1つだけ難航しているものがある。各種目の参加表だ。
「Dクラスのは綾小路が『互いの手の内を明かした上で実力勝負だ』とか言って渡してきたけど…」
「BとCはひた隠しですか…裏切り者が1人でもいれば良かったのですが」
「しょうがないわ。予想しながら組むしか──「あったぞ!」」
放課後の教室に入ってきたのは、千早だった。
「校内各地に隠しカメラを設置していたが、Cクラスのは何とか見つけたぞ!」
「…偽物の可能性は?」
「ほぼない、さっき提出したのを確認した」
「……そうですか。では見せてくれますか?」
何か考えてるようね…私は分からないけど。
「足が遅い人は中堅の人、中堅の人は速い人、速い人は遅い人を走らせればいいのよね?」
「貴女以外それであってます。足が速い人と組んで貰いますよ?」
「オーケー、じゃあ組んで行こ〜」
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そんなこんなで迎えた体育祭当日。開会式は既に終わったのだが、有栖が『清隆くんにお弁当を渡してきます』とか言って一時離脱して…今帰ってきた。
「……椿さんも同じ考えだったようです」
「うん、ドンマイ」
最初の競技は100メートル走。
個人競技は全部1年から走り、男女の順が交互に入れ替わったりする。
この競技は1年男子から、次の競技は1年女子から…という感じだ。
「…あら、奇遇ね」
「嘘つけ」
私は堀北や伊吹と一緒に走る事になっている。無論、奇遇ではない。
…スタート。
「うおおおおぇい!」
全速力で走る。その結果なんか衝撃波が発生したが気にしない。
「音を置き去りにしているだと!?」
「………(勝負を仕掛ける相手を間違えたかもしれない)」
「(あーあーきこえなーい!)」
最終的に圧倒的1位となった。当然ね。
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次はハードル走。
コレに関しては特に本気を出さず普通に1位を取った。…さっきも普通に1位取れたという事実はさておき。
第3種目は男子のみの棒倒しだ。
「殺されたいヤツからかかってこいや!」
須藤が好戦的な笑みを浮かべながらそう言う。言ってる事は物騒ね。
「行くぞ、七隈」
「ああ」
「行け、アルベルト」
「Yes, boss」
綾小路と翔の指示が同時に出され、両勢力が動き出す。
こちら側の作戦は主にDクラスが守備、Aクラスが攻撃だ。
「棒の方には行かせねぇッ!」
「うおおおおっ!」
「何だコイツら、固え!」
Cクラスの猛攻に須藤含む守備陣はなんとか持ち堪えている。恐らく綾小路に鍛えられたわね。
「フンッ!」
「What!?」
「チッ」
アルベルトは綾小路に突き飛ばされ、それを避けようとしたヤツらが多かったせいか相手の棒はほぼガラ空きになった。咄嗟に志郎や神崎が守備に回る…が本命は綾小路ではない。
「棒は倒させてもらうぞ!」
「何!?」
いつの間にか千早が棒に登っていた。驚くヒマもなく千早は棒を倒し、私達の勝ちとなった。
「よっしゃあ!」
「ナイスだ、七隈」
「お前こそ」
いやぁ、作戦が成功すると大変気分がいいわね。
「今度はアルベルトを攻めに出す、いいな?」
「分かった」
両陣営は一旦陣地に戻り体制を整えると、2回戦が始まった。
「ぐっ!?誰だ、ゴラァ!」
「うおっ!?」
「通すなぁ!」
どさくさに紛れて須藤を踏み付けようとしたヤツがいるようね。失敗したけど。
「七隈を通すな!」
「棒を囲め!」
綾小路と千早含む攻めチームはBクラスの壁に阻まれる…ココで秘策発動ね。
「七隈」
「おう…っ!」
千早は綾小路に持ち上げられ、そのまま…投げ飛ばされた。
「嘘だろ!?」
「うおおおおおおっ、とぉ!」
棒の上部を両手掴み全身で抱きかかえ、勢いそのまま倒した。
「…よし!」
完全勝利してガッツポーズをする綾小路。他生徒も喜びを露わにしている。
「チッ、有美ほどじゃないがアイツの身体能力を忘れてたぜ」
「過小評価の間違いじゃないか?」
「………言うじゃねぇか。まぁいい、次は負けねぇ」
4話ぐらいで終わらせたい。
次回もよろしくおねがいします。
有美が千早に会わなかったらどうなっていた?(別に正解はない)
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のたれ死んでいた
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復讐を決意しなかった
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代わりに有栖がそのポジに
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頭脳と肉体のハイブリッド
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その他