side火野有美
「………」
千早から、とあるヤツが来校したという情報が来た。
「…潰す対象、一目見てもいいわよね」
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side綾小路清隆
今、オレは糞親父……綾小路篤臣と相対している。
ヤツはオレを逃がした松雄を罰そうと動いたようだが、ある勢力によって失敗したらしい。
……恐らく有美が裏から手を回したな。
松雄の話を終えた糞親父はホワイトルームに戻れと言ってきた。
「断る。あんなクソのような施設に戻るハズもない」
「……戻るつもりはないか。あの1年、いやこの数カ月の間に一体何があったのだ?」
「教えるつもりはない。それに…今の内に帰った方が身の為だぞ?」
「ッ……火野有美か!?」
…驚いた。
「まさかそこまで動揺するとはな。ただ1人の小娘相手に大げさじゃないか?」
「ヤツは、あの女は…元々ただの無能だったガキが、ホワイトルームを潰すという執念だけで一歩手前まで来ている。我々のカリキュラムを遥かに上回る成長性でだ…!」
先ほどまでと打って変わって、糞親父は怒りに震えている。
「清隆、さっさと退学を受け入れろ。さもなくば──」
「失礼します。お茶を持ってきました」
何かを言いかけた糞親父は、部屋の外の声により遮られる。
「…誰だ、お茶を頼んだ覚えは──」
ドゴォ─ン!
部屋のドアが蹴破られ、入って来たのは。
「見つけたわよ、綾小路篤臣」
「───!?」
有り余る殺意で糞親父を睨みつける、火野有美だった。
「こうして見ると、やっぱりと言うべきかしら………小物ね、お前は」
「貴様、何故ココに、俺の来校は内密なハズだ!」
「ウチにはクソ程優秀な情報部がいてね……さて」
「ッ!」
火野は一層殺意を強める。
「清隆は私の『友達』なの。そしてある意味、ホワイトルームの1番の被害者」
名前呼び…?
「…何が言いたい」
「お前が私の両親を事故と見せかけて殺した事や、可愛い弟を攫ってホワイトルームにぶち込んだのはこの際追及しない。でも………友達である清隆に手を出してみろ。お前の首が飛ぶのを早めるだけだぞ?」
ゴォッ…!
何だ、この殺意は。オレに向けられてもいないのに、息が苦しい。
「(それ程に糞親父を恨んでいるのか…火野、有美…!)」
「──」
「恐怖で動くことも出来ない、と。一層小物感マシマシじゃない、反吐が出るわ。こんなハゲた野郎に父さんと母さんを殺されるなんて…」
「貴様、言わせて置けばッ!貴様さえ居なければ、俺の計画は成功していた!貴様さえ──ッ!」
持ち込んでいたのか、糞親父は拳銃を取り出し…火野に向け発砲した。
…しかし。
「……大した事ないわね」
火野は額に当たった弾丸をものともせず、平然としていた。
「な…ば、化け物め…!」
「化け物で結構、お前を潰せるならね………お前は今、必死だ。必死こき過ぎて血迷い、監視カメラの有無を確認せず拳銃をココで発砲するレベルでね。……帰るならさっさと帰れ。さもないと…今、お前が立っている所に血溜まりが残るぞ?」
弱まっていた殺意をもう一度強め、火野は警告する。
「クッ……クソォッ!今に見てろ、貴様を必ず潰してやる!」
三流悪役のようなセリフを吐き捨て、糞親父は部屋を去った。
…監視カメラがあったとしても、さっきの証拠は消すだろうな。
「火野…いや、有美。何故ココに?」
「千早が目撃してね。折角だから脅してみようと思って、理事長に頼んだわ」
「理事長に?よく許可されたな」
「ちょっと繋がりがあってね……清隆。アンタがアイツの所に戻りたがらないのなら、全力で協力するわ」
「……ああ、ありがとう」
有美が味方で……本当によかった。
Last Breath Inc.
余談:蹴破ったドアはちゃんと弁償した。
次回もよろしくおねがいします。
誰?(答えはその内出る)
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椿雪
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火野有美
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一之瀬帆波
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龍園翔
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高宮志郎
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綾小路清隆
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高円寺六助
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その他