side火野有美
期末試験も無事に終わり、3月に入ったある朝のこと。
HRが始まるので席について待ってると、真嶋先生が曇った表情で教室に入って来た。
「何かあったんですか、先生…?」
「…君達に、伝えなければならないことがある」
葛城の問いに、先生はそう答えた。
「君達1年生はこれまでに脱落者を出さずにクリアしてきた。学校が出した課題により1年間脱落者が出なかったのは…本年度が初めてだ」
コレだけ聞くと快挙を成し遂げてるわね。でも先生がそう言ったって事は…何かがある。
「そして学校側は君達1年生から退学者が出てないことを考慮して…その特例措置として今日より追加の特別試験が行われ、それをクリアした者が本来の特別試験に進める」
『!?』
先生の発言にざわつくクラス。
「……(追加試験?)」
有栖の父さんは絶対こんな事しないハズ。恐らく…権力が弱まった?
「退学者が出なかったからって、試験を追加するんですか!?」
戸塚が叫ぶ。まぁコレは理不尽だし咎めないでおこう。
「ごもっともだ…我々教員も今回の試験を重く受け止めている」
先生にも思う所があったようで、表情は曇ったままだ。
「今回の追加特別試験の名称は………『クラス内投票』、だ」
クラス内投票…ふむ。
「君達は今日、月曜日から金曜日までにクラスメイトに評価をつけてもらう。そして投票日である5日後の土曜日に、自分が最も高く評価したクラスメイト3名に『賞賛票』を投じ、逆に最も低く評価したクラスメイト3名に『批判票』を投じる。更に他クラスの生徒へ『賞賛票』を一票投じる。点数については票数で判断する」
シンプルなルールになってるわね。
例えば私が賞賛票を10票、批判票を6票貰ったら10-6で4点になる。
他クラスにも1票入れれるのを考えると、他クラスの票も少し操作できるわね。
「先生…退学者は、何人出るんですか?」
「まずは報酬について話す。まず1位の生徒にはプロテクトポイントが与えられる。これは所有数の数だけ退学を無効に出来るポイントだ」
無効!?クソ強くない!?絶対得る機会少ないでしょ、じゃないとバランスブレイカーだし。
「そして最下位の生徒は………退学となる。退学回避したいのなら2000万ppと200cpを支払う必要がある」
「(200ですか…問題ないですね)」
2000万ポイントに関しては千早が株で数倍稼いでるし、問題ないわね。
「ちなみに退学者が出た際のペナルティはない。また、誰が誰に投票したかについては絶対に公開しない。プライベートによる支払いでもだ」
今回の試験…AとCは退学者を出さず、BとDは出す方針になりそうね。
有栖曰く実力のない生徒はいないらしいし、Cクラスの帆波はクラスメートを捨てるとは思え…いや、場合によってはするかもね。
ーーー
クラス内投票
・賞賛票、批判票が各自に3票ずつ与えられ、クラス内で投票して結果を求める
・賞賛票と批判票は互いに干渉しあい、結果は賞賛票から批判票を引いた数
・賞賛、批判問わず、自分自身に投票することは不可
・同一人物を複数回記入すること、無記入、棄権などの行為は一切不可
・1位と最下位が決まるまで繰り返し行われる
・1位と2位にはプロテクトポイント、最下位には退学のペナルティが与えられる
・他クラスの生徒に投じる為の専用の賞賛票も各自1票所有する
・退学を取り消す場合は2000万ppと200cpを支払う
ーーー
「以上で説明を終了する…後は君達で考えてくれ」
『………』
先生が教室を出ると、教室は静まり返った。
「…有栖、方針は?」
「そうですね……まず、今回の試験で退学者を出すつもりはありません。"ppは"確保してあります。ただし…cpについては200というそこそこ大きな量を支払う必要があります」
ん、ただではやらないの?
「そこで…最下位が決まった後に、『救済するべきか』もう一度投票してもらいます。賛成票が過半数になれば救済し、過半数を割った場合…そのまま退学とします」
『…!』
「方針は以上です」
話が終わると、クラスメートたちは1限の準備に取り掛かる。
…が、私は少し気がかりだ。
「…有栖」
「……何故、こんな事をするか。ですよね?ご安心を」
「何を安心しろと?」
「私は……試しているんです」
「へぇ…?」
「…ココでは言えないので、"直接"言いますね?」
「直接?」
『ある生徒を試しているのです。実力面は大丈夫ですが…性格面はまだ審査中なので』
念話で伝えてくる有栖。
ある生徒…とはもはや一択だろう。
「分かった。私は特に反論しないわ…それよりも他クラスが心配ね」
「ですね…特に、Dクラスが。ふふっ…」
…さては何か企んでるわね、この女。
テレパシー、だと…!?
次回もよろしくおねがいします。
誰?(答えはその内出る)
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椿雪
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火野有美
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一之瀬帆波
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龍園翔
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高宮志郎
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綾小路清隆
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高円寺六助
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その他